JPH07304287A - ホログラムカード及びその製造方法 - Google Patents

ホログラムカード及びその製造方法

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JPH07304287A
JPH07304287A JP6210708A JP21070894A JPH07304287A JP H07304287 A JPH07304287 A JP H07304287A JP 6210708 A JP6210708 A JP 6210708A JP 21070894 A JP21070894 A JP 21070894A JP H07304287 A JPH07304287 A JP H07304287A
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JP
Japan
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hologram
card
meth
acrylate
layer
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JP6210708A
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English (en)
Inventor
Kotaro Danjo
耕太郎 檀上
Shigehiko Tawara
茂彦 田原
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Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 簡単に偽造することが出来ない、ホログラム
を有するホログラムカードとその製造方法を提供する。 【構成】 カード基板(1)上に設けられたJ個のホロ
グラム(10,20,30)が、それぞれ異なるホログ
ラムの再生像のパターンを有するI個のホログラム転写
シートから選んだ一個のホログラム転写シートによる転
写法で、各ホログラム毎に形成されているカードとす
る。また、製造方法は、カード基板上に設けられるべき
J個のホログラムの形成を、それぞれ異なるホログラム
の再生像のパターンを有するI個のホログラム転写シー
トから選んだ一個のホログラム転写シートによる転写法
で、各ホログラム毎に形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、IDカード、クレジッ
トカード、バンクカード、小切手カード、ICカード等
のカードで偽造防止に適した、ホログラムを有するホロ
グラムカードに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、磁気カードにおいては、暗証番号
等のカード固有の情報は、カード表面に設けられた磁気
ストライプに記録されている。このように記録される情
報は、しばしば外部磁場の影響により、変化消失し情報
の混乱を生じたり、一般に入手可能な磁気リード・ライ
ト装置により容易に書き替えられて悪用されたりし、情
報のセキュリティーに欠ける面があった。
【0003】このため、このようなカードの偽造防止方
法が種々企てられ、その内の一つに固有情報を有するホ
ログラムを設ける方法が提供された。この方法は、カー
ド表面に設けられたホログラムに再生光を当て、その反
射光または透過光の線上の任意の点で発現したスポット
を情報として読み取るものであるが、簡易な光源を用い
てもホログラムを再生することができ容易に記録された
情報が読み取られる恐れがあり、又、記録される情報量
も限られてしまうという欠点があった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、簡単に偽造することができな
いホログラムカードの提供を目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明のホロ
グラムガードは、カード基板上に設けられたJ個のホロ
グラムが、それぞれ異なるホログラムの再生像のパター
ンを有するI個のホログラム転写シートから選んだ一個
のホログラム転写シートによる転写法で、各ホログラム
毎に形成されている構成とする。また、本発明のホログ
ラムカードの製造方法は、カード基板上に設けられるべ
きJ個のホログラムの形成を、それぞれ異なるホログラ
ムの再生像のパターンを有するI個のホログラム転写シ
ートから選んだ一個のホログラム転写シートによる転写
法で、各ホログラム毎に形成するものである。
【0006】
【実施例】以下、図面に基づいて本発明の実施例を説明
する。
【0007】図1は、本発明のホログラムカードの一実
施例を表す平面図である。カード基材1上に記録される
カード固有情報による配列位置でホログラム10、ホロ
グラム20およびホログラム30が設けられている。こ
れらのホログラムは、カード固有情報が再生像を構成す
る像の形状、数、および配列位置の組合せのパターン情
報として表されているホログラム作成用の透過原稿を基
にその再生像が特定の位置で結像するように作成された
レリーフホログラムであり、各々のホログラムはホログ
ラム面から同じ再生面内に再生像を結像するものであ
る。
【0008】上記のホログラムとしては、従来公知のホ
ログラムが広く使用できるが、特に、フレネルホログラ
ム、フラウンホーファーホログラム、レンズレスフーリ
エ変換ホログラム等のレーザー再生型ホログラムが適し
ている。又、上記のホログラムに、装飾を目的としたレ
インボーホログラムを多重記録したものも使用でき、そ
の場合は、白色光によりレンイボーホログラムの再生像
を得ることができる。
【0009】又、機能的には、光反射金属薄膜層を有す
る反射型ホログラムまたは、ホログラム効果層を有する
透明型ホログラムのどちらも用いることができ、透明型
ホログラムを使用した場合には、カード基板に設けられ
た画像上にホログラムを設けることができカードの画像
情報とホログラムの再生情報の組合せにより更に高度な
情報を付与できる利点があるし、意匠外観的にもカード
のデザインを妨げることがなく優れたものとなる。
【0010】このようなホログラムをカード基板に設け
る方法としては、公知の方法によりレリーフホログラム
を形成して得られる複製用金型を用いて、カード基板上
に設けられたホログラムを形成する材料に直接、加熱加
圧加工で設ける方法と、上記の複製用金型を用いて作成
したホログラム転写シートによる転写法によって設ける
方法とがあるが、本発明のホログラムカードの製造方法
においては、ホログラム転写シートを用いての転写法に
よることが量産性の点から好ましい。
【0011】すなわち、転写法によれば、一種類の再生
像のパターンを有する転写シートのロールをIロール用
意すれば、カードに設けるホログラムの個数をJ個であ
っても連続転写法により、異なるカード固有情報を有す
るIJ 枚のカードを容易に製造することができる。
【0012】図2は本発明のホログラムカード及びその
製造方法に用いられ得るホログラム転写シートの断面図
である。ベースフィルム51上に、保護層52、ホログ
ラム形成層53、反射性金属薄膜層54またはホログラ
ム効果層55および接着層56が順次積層されてホログ
ラム転写シート50が形成されている。
【0013】ベースフィルム51は、ホログラム転写シ
ート50の機械的強度を上げる働きをしており、その材
質としては、フィルムであればいずれのものも使用で
き、ポリイミド、ポリスチレン、ポリビニルブチラー
ル、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリ塩化ビニ
ル、ポリウレタン、ポリカーボネート、ポリメタクリレ
ート等のプラスチックフィルム、合成紙、金属フィル
ム、及びそれらの積層体等が使用できる。
【0014】保護層52は、ベースフィルムとホログラ
ム形成層53との間に剥離性を与え、しかも転写後はホ
ログラム形成層53を保護する働きをなすものであり、
その材質としては、ブチラール樹脂、酢酸ビニル樹脂、
ビニル樹脂、アクリル樹脂、ポリエステル樹脂、ウレタ
ン樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂、酢酸セルロース樹
脂等が用いられ、厚み1〜10μmで形成される。
【0015】ホログラム形成層53は、ホログラム用感
光材またはエンボスホログラム形成材料からなる単一層
構造または多層構造で形成され、その厚みは、種類によ
って適時選択されうるが、通常、一般的な印刷およびコ
ーティング法により0.1〜50μm、望ましくは0.
5〜5μmで形成される。
【0016】本発明にはエンボスホログラムが適してお
り、このエンボスホログラム形成用の樹脂は、ホログラ
ムの成形(複製)時には熱成形可能であり、ホログラム
の形成後つまり加工時には、加工の際の熱圧力、接着剤
中の溶剤に耐えるだけの耐性を有することが必要であ
る。このような樹脂としては、いわゆる紫外線硬化性樹
脂、電子線硬化性樹脂、熱硬化性樹脂、自然硬化性樹脂
等の反応性の樹脂等が用いられ得る。特に生産性を考慮
した場合、紫外線もしくは電子線で硬化する樹脂が適し
ている。
【0017】具体的には、例えば、メチル(メタ)アク
リレート、〔尚、(メタ)アクリレートという語は、ア
クリレートおよびメタクリレートの双方を包含する意味
である。以下同様〕、エチル(メタ)アクリレート、プ
ロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレ
ート、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル
(メタ)アクリレート、イソアミル(メタ)アクリレー
ト、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチル
ヘキシル(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、ヘキサンジオールジ(メタ)アクリ
レート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレ
ート、トリメチロールプロパンジ(メタ)アクリレー
ト、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、
ペンタエリスリトール(メタ)アクリレート、ジペンタ
エリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、エチレン
グリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)アクリレー
ト、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、
プロピレングリコールジグリシジルエーテルジ(メタ)
アクリレート、ソルビトールテトラグリシジルエーテル
テトラ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和
基を有する単量体が用いられうる。
【0018】更に、熱成形性を有する紫外線または電子
線硬化性樹脂としては、以下の化合物(1) 〜(8) を重合
もしくは共重合させた重合体に対し、後述する方法(a)
〜(d) によりラジカル重合性不飽和基を導入したものが
用いられる。
【0019】(1) 水酸基を有する単量体:N−メチロー
ル(メタ)アクリルアミド、2−ビトロキシエチル(メ
タ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)ア
クリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレー
ト、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピル(メタ)
アクリレート等。 (2) カルボキシル基を有する単量体:(メタ)アクリル
酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルモノサクシネー
ト等。 (3) エポキシ基を有する単量体:グリシジル(メタ)ア
クリレート等。 (4) アジリジニル基を有する単量体:2−アジリジニル
エチル(メタ)アクリレート、2−アジリジニルプロピ
オン酸アリル等。 (5) アミノ基を有する単量体:(メタ)アクリルアミ
ド、ダイアセトン(メタ)アクリルアミド、ジメチルア
ミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチ
ル(メタ)アクリレート等。 (6) スルフォン基を有する単量体:2−(メタ)アクリ
ルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等。 (7) イソシアネート基を有する単量体:2,4−トルエ
ンジイソシアネートと2−ヒドロキシエチル(メタ)ア
クリレートの1モル対1モル付加物等のジイソシアネー
トと活性水素を有するラジカル重合性単量体の付加物
等。 (8) 更に、上記の共重合体のガラス転位点を調整した
り、硬化膜の物性を調整したりするために、上記の化合
物と、この化合物と共重合可能な以下のような単量体と
を共重合させることができる。このような共重合可能な
単量体としては、例えば、メチル(メタ)アクリレー
ト、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)ア
クリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル
(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレー
ト、イソアミル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル
(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)ア
クリレート等が挙げられる。
【0020】次に上述のようにして得られた重合体を以
下に述べる方法(a) 〜(d) により反応させ、ラジカル重
合性不飽和基を導入することによって、紫外線もしくは
電子線硬化性樹脂が得られる。
【0021】(a) 水酸基を有する単量体の重合体または
共重合体の場合には、(メタ)アクリル酸等のカルボキ
シル基を有する単量体等を縮合反応させる。 (b) カルボキシル基、スルフォン基を有する単量体の重
合体または共重合体の場合には、前述の水酸基を有する
単量体を縮合反応させる。 (c) エポキシ基、イソシアネート基あるいはアジリジニ
ル基を有する単量体の重合体または共重合体の場合に
は、前述の水酸基を有する単量体もしくはカルボキシル
基を有する単量体を付加させる。 (d) 水酸基あるいはカルボキシル基を有する単量体の重
合体または共重合体の場合には、エポキシ基を有する単
量体あるいはアジリジニル基を有する単量体あるいはジ
イソシアネート化合物と水酸基含有アクリル酸エステル
単量体の1対1モルの付加物を付加反応させても良い。
【0022】また更に、前述の単量体と、上記の熱成形
性の紫外線または電子線硬化性樹脂とを混合して用いる
ことができる。
【0023】また上記のものは電子線照射により十分に
硬化可能であるが、紫外線照射で硬化させる場合には、
増感剤として、ベンゾキノン、ベンゾイン、ベンゾイン
メチルエーテル等のベンゾインエーテル類、ハロゲン化
アセトフェノン類等の紫外線照射によりラジカルを発生
するものも用いることができる。
【0024】更に、これら樹脂に適宜な染料および顔料
を練り込むことによりホログラム形成層53を透光性に
着色することが可能である。染料としては、ヘイズメー
ターにより測定される曇価が10%以下の油溶性金属錯
塩の形のものが好ましく、例えば、1−2型アゾ系金属
錯塩染料、1−1型アゾ系金属錯塩染料、金属フタロシ
アン系染料およびこれらの有機塩基塩が使用できる。顔
料としては、粒子径が光の波長の1/2以下のものが好
ましく、例えば、大成加工社製のシコトランスイエロ
ー、HFチップ4B等が使用できる。
【0025】ホログラム形成層53の面には、エンボス
法により、カード固有情報に相当する再生像を再生光に
より発現する微小凹凸模様がパターンとしてピッチ0.
1〜2 μm、凹凸の高低差0.01〜2μm程度の形状
で形成されている。
【0026】ホログラム形成層53上にはホログラムが
反射型の場合には反射性金属薄膜層54が、又、ホログ
ラムが透明型の場合にはホログラム効果層55が形成さ
れる。
【0027】反射性金属薄膜層54は、ホログラム層5
3に反射性を与えるものであり、Cr、Ti、Fe、C
o、Ni、Cu、Ag、Au、Ge、Al、Mg、S
b、Pb、Pd、Cd、Bi、Sn、Se、In、G
a、Rb等の金属およびその酸化物、窒化物等を単独も
しはく2種類以上組合せて用いて形成される。これら金
属のうちAl、Cr、Ni、Ag、Au等が特に好まし
く、膜厚は、10〜10,000Å望ましくは200〜
2,000Åであることが望ましい。
【0028】ホログラム効果層55は、ホログラム形成
層53と組合さりホログラム効果を発現し、しかも下層
を隠蔽させない働きをなすものである。このようなホロ
グラム効果層55の材質はホログラム効果を発現できる
光透過性のものであればいかなる材質も使用でき、例え
ば、ホログラム形成層とは屈折率の異なる透明材料、厚
みが200Å以下の反射性金属薄膜層が挙げられる。前
者の場合、屈折率はホログラム形成層より大きくても小
さくてもよいが、屈折率の差は0.1以上が好ましく、
より好ましくは0.5以上である。本発明者らの実験に
よれば1.0以上大きいことが最適である。このように
屈折率の異なる透明薄膜層を設けることにより、ホログ
ラムを発現させると共に下層を隠蔽させない作用が行わ
れる。
【0029】また後者の場合は反射性金属薄膜層ではあ
るが、厚みが200Å以下であるため光波の透過率が大
きく、そのためホログラム効果発現作用と共に、透明部
非隠蔽作用を発揮する。また、膜厚を200Å以下とす
ることにより、従来みられた高い輝度の銀灰色による外
観上の違和感も解消する。
【0030】薄膜層の材質としては例えば次の(1) 〜
(6) の材質のものが使用できる。 (1) ホログラム形成層より屈折率の大きい透明連続薄膜 これには、可視領域で透明なものと、赤外又は紫外領域
で透明なものとがあり、前者は表1に、後者は表2にそ
れぞれ示す。表中、nは屈折率を示す(以下、(2) 〜
(5) においても同様とする)。
【0031】
【表1】
【0032】
【表2】
【0033】(2) ホログラム形成層よりも屈折率の大き
い透明強誘電体を表3に示す。
【0034】
【表3】
【0035】(3) ホログラム形成層よりも屈折率の小さ
い透明連続薄膜を表4に示す。
【0036】
【表4】
【0037】(4) 厚さ200Å以下の反射性金属薄膜 反射性金属薄膜は複素屈折率を有し、該複素屈折率:n
はn=n−iKで表される。nは屈折率、Kは吸収係数
を示す。本発明に使用される反射性金属薄膜層の材質を
表5に示し、同表に併せて上記のnおよびKを示す。
【0038】
【表5】
【0039】その他の材質として、Sn、In、Te、
Fe、Co、Zn、Ge、Pb、Cd、Bi、Se、G
a、Rb等が使用可能である。また上記に挙げた金属の
酸化物、窒化物等も使用可能であり、更に、金属、その
酸化物、窒化物等は単独で用いられる他に、それぞれを
2種以上組み合わせて用いることができる。
【0040】(5) ホログラム形成層と屈折率の異なる樹
脂 ホログラム形成層に対して屈折率が大きいものでも小さ
いものでもよい。これらの例を表6に示す。
【0041】
【表6】
【0042】上記の他、一般的な合成樹脂が使用可能で
あるが、特に、ホログラム形成層との屈折率差の大きい
樹脂が好ましい。
【0043】(6) 上記(1) 〜(5) の材質を適宜組み合わ
せてなる積層体 上記(1) 〜(5) の材質の組み合わせは任意であり、また
層構成における各層の上下位置関係は任意に選択され
る。
【0044】上記した(1) 〜(6) の薄膜層のうち(4) の
薄膜層の厚みは200Å以下であるが、(1) 〜(3) およ
び(5) 、(6) の薄膜層の厚みは薄膜を形成する材質の透
明領域であればよく、一般的には、10〜10000Å
が好ましく、より好ましくは100〜5000Åであ
る。
【0045】上記ホログラム効果層55をホログラム形
成層53に形成する方法として、薄膜層が上記(1) 〜
(4) の材質である場合は、真空蒸着法、スパッタリング
法、反応性スパッタリング法、イオンプレーティング
法、電気メッキ法等の一般的な薄膜形成手段を用いるこ
とができ、また薄膜層が上記(5) の材質である場合は、
一般的コーティング方法等が用いることができる。薄膜
層が上記(6) の材質である場合は上記した各手段、方法
を適宜組み合わせて用いられる。尚、上記(5) の材質の
場合、透明材料である限り薄膜でなくともよく、本発明
の他の実施例として薄膜以上の厚みを有する樹脂層をホ
ログラム形成層に設けてもよい。
【0046】接着剤層56はホログラムをカードと強固
に接着させるためのものであり、その材質は、アクリル
樹脂、ウレタン樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂、ゴム
系樹脂、アイオノマー樹脂等の従来の接着剤として既知
のものが広く使用でき、またその膜厚は0.1〜50μ
m、望ましくは1〜10μmであることが好ましい。
【0047】又、上記するホログラム転写シートにおい
ては、ホログラム形成層53と保護層52との間の接着
性を高め且つホログラム形成層53の耐久性を高めるた
めに、硬化型アクリル樹脂、セルロース樹脂、ビニル樹
脂等からなるオーバープリントをホログラム形成層53
と保護層52の間に設けてもよい。更に、ホログラム形
成層53と接着剤層56との間の接着性を高めるため
に、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、アクリル樹脂、
ウレタン樹脂等からなるアンカー層をホログラム形成層
53と接着剤層56との間に設けてもよい。
【0048】上記のようにして形成されるホログラム転
写シート50を、カード固有情報に合わせた配列位置に
接着剤層がカード基材表面と接するようにして重ね、加
熱加圧した後ベースフィルムを剥がしてホログラムをカ
ードに転写して本発明のホログラムカードを得ることが
できる。
【0049】次に、本発明のホログラムカードによる情
報の記録再生方法について説明する。図3は、本発明の
ホログラムにおける情報の記録方法の一例を表した説明
図である。図中、101、102、103はホログラム
10に記録されている再生像であり、201、202は
ホログラム20に記録されている再生像であり、30
1、302、303、304はホログラム30に記録さ
れている再生像である。これら再生像は正方形の集まり
である像から構成されており、これら正方形の形状、数
および配列位置の組合せのパターンにより情報が、例え
ば、再生像101、102、103には暗証番号が、再
生像201、202にはカードの所有者の氏名が、再生
像301、302、303、304にはそれらのチェッ
クディジットが、という具合に記録されている。
【0050】このようなホログラムがカード固有情報に
合わせた配列位置でカードに形成されて、再生像により
記録された情報と、カードに対するそれぞれの再生像の
位置関係により記録された情報(例えば、本実施例で
は、カードの右端からホログラム10、ホログラム2
0、ホログラム30と設けられ、この配列が特定のカー
ド発行所を意味する。)とが組合さった一つのカード固
有情報がカードに記録される。
【0051】本発明においては、上記のように情報が記
録されるため、カードに設けられるホログラムは一つで
あっても複数であってもよく、形成位置も制限されず、
又、その再生像を構成する像の形状、数および配列位置
は制限されず、例えば、再生像のパターンをバーコード
として記録すれば、JANコード、NW−7コード等の
バーコード情報として取り扱うことができる。
【0052】上記の如く、ホログラムをカード表面に形
成してカードに固有情報を記録するのであるが、記録さ
れた固有情報は白色光ではホログラムが再生像を発現し
ないため、カードと単に金属薄膜またはプラスチック膜
がカードに設けられているものにしか見えない。しか
し、このカード基材表面に形成されたホログラム全面を
レーザー平行光等で照射すれば、ホログラムは再生像を
結像し特定位置に設けられた受光部に透過原稿と等価の
再生像が投影されるか、又はホログラムの一部にレーザ
ー光等のビームを照射すればホログラムは再生像を発散
像として任意の位置で受光部に透過原稿と相似形として
投影されるかしてカード固有情報が読み取ることがで
き、カードの真偽を判定することができる。
【0053】図4は、ホログラム再生用の光源としてレ
ーザーを使用してホログラム全面を照射した場合の情報
の読み取り方法を図解的に表した説明図である。光源6
0から発振されたレーザービームが、拡大光学系によっ
て必要な大きさに拡大されカード上のカード固有情報が
記録されているホログラム10全面を照射すると、ホロ
グラムは結像し、ホログラムの撮影時の条件に依存する
特定距離の位置に設けられた受光部60に、記録された
再生像を構成する像と等価の像が投影され、これら像の
組合せのパターン情報とカードに対する再生像の位置情
報とが読み取られる。次に、順次、ホログラム20、ホ
ログラム30に同様の操作(図示せず)を行いそれぞれ
の情報を読み取ることにより、カードに記録されたカー
ド固有情報が読み取られカードの真偽を判別することが
できる。
【0054】上記の読み取りに使用される光源60とし
ては、ホログラムか再生可能なものであればよく、例え
ば、発光波長の狭い水銀ランプ、ナトリウムランプ、メ
タルハライドランプ等の放電ランプ類、ガスレーザー、
半導体レーザー等のレーザー類更には、ELパネル、発
光ダイオード等も使用できる。受光部70としては、光
電管、光電子増倍管、イメージ管、SEC管、SIT
管、ビジコン、サチコン等の撮像管、MOS型、CID
型、CCD型、BBD型、PCD型等の固体撮像管等が
使用できるが、特に、これらから構成されるCCDイメ
ージセンサー、フォトダイオードアレイ、フォトトラン
ジスタアレイ等の使用が好ましい。
【0055】
【発明の効果】本発明のホログラムカードによれば、用
意したそれぞれ異なるI個のホログラム転写シートより
選択した転写シートから、J個のホログラムが設けられ
ているので、IJ 枚という異なる情報を有する多数のカ
ードが容易に得られる。しかも、記録された情報は簡易
な光源で容易に読み取ることができず且つ書替えも不可
能であり、極めて高い偽造防止性を有する。また、本発
明のホログラムカードの製造方法では、カード基板上の
J個のホログラムを、用意したそれぞれ異なるI個のホ
ログラム転写シートより選択した転写シートの転写法で
設けるため、IJ 枚という異なる情報を有する多数のカ
ードの製造においても、量産性が優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例のホログラムカードの平面
図。
【図2】本発明のホログラムカード及びその製造方法に
用いられ得るホログラム転写シートの断面図。
【図3】本発明のホログラムカードによる情報の記録方
法の一例の説明図。
【図4】本発明のホログラムカードの情報の読み取り方
法の一例の説明図。
【符号の説明】
1 カード基板 10,20,30 ホログラム 50 ホログラム転写シート 51 ベースフィルム 52 保護層 53 ホログラム形成層 54 反射性金属薄膜層 55 ホログラム効果層 56 接着剤層 101,102,103 ホログラム10の再生像 201,202 ホログラム20の再生像 301,302,303,304 ホログラム30の再
生像 60 ホログラム再生用光源 70 受光部

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カード基板上に設けられたJ個のホログ
    ラムが、それぞれ異なるホログラムの再生像のパターン
    を有するI個のホログラム転写シートから選んだ一個の
    ホログラム転写シートによる転写法で、各ホログラム毎
    に形成されていることを特徴とするホログラムカード。
  2. 【請求項2】 カード基板上に設けられるべきJ個のホ
    ログラムの形成を、それぞれ異なるホログラムの再生像
    のパターンを有するI個のホログラム転写シートから選
    んだ一個のホログラム転写シートによる転写法で、各ホ
    ログラム毎に形成することを特徴とするホログラムカー
    ドの製造方法。
JP6210708A 1994-08-12 1994-08-12 ホログラムカード及びその製造方法 Pending JPH07304287A (ja)

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Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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