JPH0730427B2 - 溶接性に優れた高耐食性二相ステンレス鋼 - Google Patents

溶接性に優れた高耐食性二相ステンレス鋼

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JPH0730427B2 JP61295723A JP29572386A JPH0730427B2 JP H0730427 B2 JPH0730427 B2 JP H0730427B2 JP 61295723 A JP61295723 A JP 61295723A JP 29572386 A JP29572386 A JP 29572386A JP H0730427 B2 JPH0730427 B2 JP H0730427B2
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明はフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼
に係わり、特に溶接熱影響部あるいは溶加材を用いない
溶接部においてフェライト・オーステナイトの相比の変
化が少なく、耐食性の良好な高耐食性二相ステンレス鋼
に関するものである。
〔従来の技術〕
フェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼(以下、
二相ステンレス鋼)は、フェライト相マトリックス中に
40〜65%のオーステナイトが微細混合した二相組織を有
し、オーステナイト系ステンレス鋼とフェライト系ステ
ンレス鋼の長所を併せ持つため、近年、耐食構造用材料
としてその適用が活発である。このような二相ステンレ
ス鋼に対しては、JIS SUS329やDIN 1.4462等の規格があ
り、また、母材の耐食性や機械的特性に優れるものとし
ては、特開昭55−44528号や特開昭56−127753号、特開
昭57−47852号等の公報に開示されている。
しかしながら、従来の二相ステンレス鋼では、溶接した
場合その熱影響部において、フェライトとオーステナイ
トの相バランスが崩れ、母材レベルよりかなりオーステ
ナイト量が低下することが知られている。また、溶加材
を用いないで、例えばTIG溶接、プラズマ溶接あるいは
電子ビーム(EB)溶接などによってなめ溶接した場合の
溶接金属も熱影響部と同様であり、かなりオーステナイ
ト量が低い。そのため、二相ステンレス鋼の溶接用の溶
加材は通常オーステナイト生成元素の含有量を高め、オ
ーステナイト量の低下を抑える成分設計がなされてい
る。しかし、母材の溶接熱影響部のオーステナイト量の
低減は、従来の二相ステンレス鋼では本質的に避けられ
ず、より厳しい腐食環境にこれらの溶接構造物を適用す
る場合、この領域の耐食性が大きな問題となると考えら
れる。
〔発明が解決しようとする問題点〕
従来の二相ステンレス鋼は融点直下から約100〜200℃程
度の範囲でフェライト単相であり、それ以下の温度で次
第にオーステナイトが安定になり、フェライトとオース
テナイトが二相共存する。すなわち、母材の場合は、鋳
造後、二相域の温度で圧延・熱処理することにより、フ
ェライトとオーステナイトの相バランスを確保すること
ができるが、溶接した場合、高温に加熱を受ける母材熱
影響部では、加熱ピーク温度の上昇に伴いオーステナイ
ト相が不安定になるためオーステナイト量が次第に減少
し相バランスが崩れる。さらに、より高温に加熱された
場合は高温においていったんフェライト単相になり、そ
の後の冷却過程でオーステナイトを生成するが、溶接熱
サイクルのような急速冷却の非平衡プロセスでは、冷却
過程中のオーステナイトの析出はかなり抑制され、組織
は粗大なフェライト粒とその粒界にわずかに生成するオ
ーステナイトからなり、ために、これらの領域ではオー
ステナイト量は著しく低下する。特に冷却速度が速い場
合は、ほぼフェライト単相になることもある。溶加材な
しの溶接でそのままの成分で溶融して凝固した部分の場
合も、フェライト単相で凝固するため、高温まで加熱さ
れてフェライト単相になる母材熱影響部と同様の組織と
なり、やはり著しくオーステナイト量の少ない組織にな
る。ところで、二相ステンレス鋼及び、特にその溶接部
においては、耐孔食性や耐粒界腐食性などの耐食性はそ
のオーステナイト量に強く依存し、相バランスが崩れる
と耐食性は低下し、オーステナイト量が約40〜65%にお
いて最も耐食性が優れていることが多く報告されてい
る。従って、上述の母材の溶接熱影響部や溶加材無しの
溶接部においてはオーステナイト量の低下のため、耐食
性劣化が起こる。このような局所的な耐食性劣化は、特
に腐食環境が厳しい場合大きな問題となる。さらに、フ
ェライト単相域の経由によって起こる結晶粒の粗大化と
組織中のオーステナイト量の減少は、これらの領域の靫
性・延性も阻害するという問題もある。これらの問題は
従来の二相ステンレス鋼に本質的に付随する問題点であ
り、今後厳しい腐食環境に二相ステンレス鋼を溶接構造
物として適用する場合の欠点として残されている。
本発明は、上記の点に鑑みてなされたもので、特に母材
溶接熱影響部及び溶加材無しの溶接部のオーステナイト
量低下を抑えることによりそれらの領域での耐食性等の
諸特性の劣化を抑えた高耐食性二相ステンレス鋼を提供
するものである。
〔問題点を解決するための手段、作用〕
即ち、本発明者らは、種々の成分系の二相ステンレス鋼
において、母材、溶接熱影響部及び溶加材無しで溶接し
た溶接部の組織、耐食性に及ぼす成分元素の影響を系統
的に検討した結果、以下の知見を得た。
まず第1図に示すごとく、熱間圧延後1050℃にて固溶化
処理した母材組織中のオーステナイト量は、Cr当量=Cr
(wt%)+1.5×Si(wt%)+Mo(wt%)、Ni当量=Ni
(wt%)+30×C(wt%)+0.5×Mn(wt%)+30×N
(wt%)+Cu(wt%)とした場合、Cr当量/Ni当量比に
ほぼ比例し、この値が大きいほどオーステナイト量は低
く、小さいほどオーステナイト量が高いこと、更にこの
比が1.9以上、2.4以下で母材組織中のオーステナイト量
は約40〜65%の範囲になるという関係が得られた。
一方、溶接熱サイクルによって加熱される母材溶接熱影
響部では、SUS329タイプやDIN1.4462タイプの場合、ピ
ーク温度が約1200℃以上でオーステナイト量が減少し、
特にピーク温度約1300℃以上ではフェライト単相域を経
由したと見られる粗大フェライト粒と粒界オーステナイ
トからなる組織に変わり、オーステナイト量の低下も著
しい。また、溶加材無しの溶接金属の組織もピーク温度
1300℃以上に加熱される母材溶接熱影響部と同様であ
る。このような従来の二相ステンレス鋼の母材熱影響部
及び溶加材無しで溶接された溶接金属の著しいオーステ
ナイト量低下に対して、第2図に示すように窒素量を従
来より大きく増加し、さらに合金元素の総量を大きく増
加した二相ステンレス鋼においては、このオーステナイ
ト量の低下の程度が著しく改善されることを見出した。
特に、後者に関しては、C,Siを除く合金元素の総量が45
wt%以上で、第3図に示すようにフェライト量の増加の
抑制と同時に、第4図に示すように、フェライト単相域
を経由して形成される粗粒な母材溶接熱影響部の幅も大
幅に減少するという知見も得た。
他方、その耐食性に関しては、一般にCr,Moの増加は耐
食性を向上させるとされているが、母材の場合はそれら
の増加に伴い耐食性は向上するものの、1300℃以上に加
熱される母材溶接熱影響部あるいは溶加材無しの溶接金
属においてはそれらの単独の増加は耐食性を向上させ
ず、それらの組織中のオーステナイト量を40〜65%にす
るように化学成分を調整することで初めて母材と同等の
効果を示すこともわかった。
即ち、本発明の要旨は、C:0.025wt%以下、Si:0.01〜0.
2wt%、Mn:1.0〜5.0wt%、Cr:28〜35wt%、Ni:6〜16wt
%、Mo:3.1〜6.0wt%、N:0.2〜0.4wt%を含有し、残部F
e及び不可避的不純物よりなり、また、必要に応じてCu:
0.1〜3.0wt%を含有する二相ステンレス鋼であり、か
つ、Cr当量=Cr(wt%)+1.5×Si(wt%)+Mo(wt
%)、Ni当量=Ni(wt%)+30×C(wt%)+0.5+Mn
(wt%)+30×N(wt%)+Cu(wt%)とした場合にCr
当量/Ni当量比が1.9以上、2.4以下、さらに、上記当量
式中のC、Siを除く合金元素の総量が45wt%以上であ
り、母材並びに溶接熱影響部及び溶加材無しで溶接した
溶接部におけるオーステナイト量が40〜65%であること
を満たすフェライト・オーステナイト二相ステンレス鋼
にある。
次に本発明の成分限定の利用を述べる。
★C:0.025wt%以下 Cは溶接熱サイクル中にCr,Moなどと結合して、特に、
母材熱影響部、溶接金属に炭化物として析出し、これら
の領域の耐食性を著しく劣化させる。したがって、耐食
性向上の観点からできるだけ低減する必要があり、0.02
5wt%以下に限定した。
★Si:0.01〜0.2wt% Siは製鋼反応上脱酸元素としては不可欠であるが、多量
に含有させると、母材熱影響部や溶接金属が多重溶接熱
サイクルを受けた場合、耐食性、機械的特性を著しく劣
化させるσ相の析出を著しく早める。したがって、脱酸
材として有効であり、かつ、σ相析出に影響を及ぼさな
い0.01〜0.2wt%に限定した。
★Mn:1.0〜5.0wt% Si同様脱酸材として添加するが、同時に母材熱影響部及
び溶接金属において特にオーステナイト生成に有効な窒
素の固溶量の増加にも有効な元素であり、1.0wt%以上
の含有が好ましい。しかし、5.0wt%以上含有すると、
耐孔食性に有害であるMnSの生成を促進するとともに、
靫性も害するので5.0wt%を上限とした。
★Cr:28〜35wt% 耐食性、耐酸化性を付与する主要元素であり、また、Mn
同様窒素の固溶量を増加させる。これらの観点から、高
い含有が望ましく、後述の合金元素の総量が45wt%以上
の条件を満たすためには少なくとも28wt%以上の含有が
必要である。しかし、35wt%以上含有すると、延性、靫
性の低下が著しく、また、溶接熱サイクル中のσ相析出
も促進するので35wt%を上限とした。
★Ni:6〜16wt% オーステナイトを生成する主要元素である。靫性、延性
の改善に最も有効な元素であり、この観点から少なくと
も6wt%の含有が必要である。一方、後述のCr当量/Ni当
量比の条件を満たすためには、少なくとも16wt%以下で
あることが必要条件となる。
★Mo:3.1〜6.0wt% 耐食性を向上させる主要元素であり、特にフェライト相
に分配されてフェライト相の耐食性、例えば塩化物を含
む環境での耐孔食性などを改善する。少なくとも3.1wt
%以上の含有が望ましい。一方、6.0wt%を越えて含有
する溶接熱サイクル中のσ相やx相といった有害な金属
間化合物の析出が起こり、また、延性も低下するため6.
0wt%を上限とした。
★N:0.2〜0.4wt% オーステナイト生成元素であり、特に、母材溶接熱影響
部及び溶加材無しで溶接した溶接金属におけるオーステ
ナイト量の減少を抑えるうえで極めて有効な元素であ
る。しかも、強度の改善、オーステナイト相の耐孔食性
の向上などの点でも有効であり、できだけ多量の含有が
望ましい。これらの観点から少なくとも0.2wt%以上と
した。しかし、多量の含有は窒化物の析出の増加、熱間
加工性や延性の低下を起こすため、ここでは上限を固溶
限以内である0.4wt%とした。
★Cr当量/Ni当量比=1.9以上、2.4以下(ただし、Cr当
量=Cr(wt%)+1.5×Si(wt%)+Mo(wt%)、Ni当
量=Ni(wt%)+30×C(wt%)+0.5×Mn(wt%)+3
0×N(wt%)+Cu(wt%)) 耐食性の観点から、マトリックス中のオーステナイト量
は40〜65%の範囲が最適であるが、Cr当量/Ni当量比が
1.9未満ではそれよりオーステナイトリッチになり、他
方2.4を越えるとそれよりフェライトリッチとなる。従
って表記の条件をつけた。
★C,Siを除く合金元素の総量が45wt%以上 母材溶接熱影響部及び溶加材無しで溶接した溶接金属の
オーステナイト量低下を抑えるうえで、C,Siを除く合金
元素の総量を高めることは極めて重要であり、特に総量
が45wt%以上では、オーステナイト量の低下が少ないの
で、母材溶接熱影響部及び溶加材無しで溶接した溶接金
属におけるオーステナイト量は40〜65%と、母材同等の
相バランスを保つことができる。また、合金元素の総量
が45wt%以上で、大きな組織変化を伴う熱影響部幅の減
少も顕著である。
さらに本発明はCuを0.1〜3.0wt%添加することもでき
る。すなわちCuは耐食性、特に還元性雰囲気の耐食性向
上に有効な元素であるが、一方3.0wt%を越えると加工
性の劣化を起こすからである。
以上の条件を満足する成分範囲で、耐食性に極めて優
れ、かつ、溶接による母材熱影響部、溶加材を用いない
で溶接された溶接金属においてオーステナイト量の低下
が少なく母材同等の相バランスを保ち、耐食性等の劣化
も極めて少ない二相ステンレス鋼を得ることができる。
〔実施例〕
以下、実施例によって本発明の効果を詳細に説明する。
第1表に示す16種の成分組成の二相ステンレス鋼を真空
溶解にて溶製し、それらの鋼塊を通常の方法で熱間圧
延、固溶化熱処理し、厚さ5mmの板とした。第1表のNo.
1〜8までが本発明鋼であり、9〜16が比較鋼である。
比較鋼の中には、商用のSUS329タイプ及びDIN 1.4462タ
イプの成分塑性も含め参考に供した。また第1表には、
同時にCr当量=Cr(wt%)+1.5×Si(wt%)+Mo(wt
%)、Ni当量=Ni(wt%)+30×C(wt%)+0.5+Mn
(wt%)+30×N(wt%)+Cu(wt%)とした場合のそ
れぞれの成分組成のCr当量/Ni当量比、及び当量式中の
C,Siを除く合金元素の総量も示した。
これらの鋼板について、それぞれオーステナイト量の測
定をした後、それぞれの鋼板上に溶加材を用いずにTIG
ビートオンプレートを行い(入熱15kJ/cm)、母材熱影
響部及び溶接金属のオーステナイト量の測定、母材熱影
響部幅の測定を行うとともに、溶接部を含む腐食試験片
を採取し耐食性の評価を行った。オーステナイト量の評
価は光学顕微鏡観察により、組織がフェライトとオース
テナイトのみからなること確認した後、磁気的な方法に
よりフェライト量を多点測定し、平均算出した。さらに
この結果は、ポイントカウント法により確認した。ま
た、耐食試験としては実使用上特に問題となる局部腐食
を考慮し、65%硝酸試験(JIS G0573−1980)及び塩化
第二鉄腐食試験(JIS G0578−1981)を行った。腐食試
験用の溶接部試験片を第5図に示す。同図において1は
母材、2はTIG溶接ビードであり、なおaは5mm、b,cは
それぞれ30mmである。
第2表に各鋼の母材及び溶接熱影響部、溶接金属のオー
ステナイト量、及び溶接熱影響部幅の測定結果、更に溶
接部の各種耐食試験結果を示す。
第1表と第2表の比較から明らかなように、母材のオー
ステナイト量は本発明鋼のみなず比較鋼においても、Cr
当量/Ni当量比の値が1.9〜2.4の範囲で40〜65%の範囲
となり、Cr当量/Ni当量比の値が1.9未満では65%よりオ
ーステナイトリッチになり、Cr当量/Ni当量比の値が2.4
を越える場合はフェライトリッチになりオーステナイト
量は40%未満になる。したがって、母材成分は、少なく
ともCr当量/Ni当量比が1.9〜2.4の範囲にある必要があ
る。
一方、母材が適正オーステナイト量を含有しても、比較
鋼においては第2表よりわかるように溶接熱影響部及び
溶加材無しの溶接部におけるオーステナイト量の低下が
著しく、他方、本発明鋼ではオーステナイト量の低下が
極めて少ない。これに対応するように溶接部の65%硝酸
試験及び塩化第二鉄腐食試験の結果は、本発明鋼におい
てかなりの耐食性改善がなされていることを示してい
る。比較鋼においては、65%硝酸試験、塩化第二鉄腐食
試験後に見られる粒界腐食、あるいは孔食といった局部
腐食が溶接熱影響部からなる溶接金属にかけて集中して
おり、腐食減量も極めて大きいのに対して、本発明鋼で
は、それらの領域においても局部腐食の発生はほとんど
認められず、腐食減量は母材単独で試験した場合とほぼ
同等であり極めて小さい。本発明鋼における溶接部のこ
のような耐食性の改善は、溶接部のオーステナイト量が
比較鋼のそれと比べて適正な範囲にあり、またそれとあ
わせて合金元素のCr,Mo,N量が比較鋼より高いことによ
る効果を示すものである。
〔発明の効果〕 以上のように、本発明鋼は、それ自身の耐食性の高さは
いうまでもなく、従来二相ステンレス鋼で問題とされて
きた溶接熱影響部あるいは溶加材無しで溶接された溶接
金属の耐食性も極めて優れており、今後ますます厳しく
なるであろう高耐食構造用材料の要求に対して十分応え
ることができる。
【図面の簡単な説明】
第1図は固溶化処理後の母材オーステナイト量とCr当量
/Ni当量比の関係を示す線図、ただし、Cr当量=Cr(wt
%)+1.5×Si(wt%)+Mo(wt%)、Ni当量=Ni(wt
%)+30×C(wt%)+0.5×Mn(wt%)+30×N(wt
%)+Cu(wt%)、 第2図は入熱15kJ/cm相当の再現溶接熱サイクルにおい
て、最高加熱温度を変化させた場合のオーステナイト量
および母材及び溶加材を用いないTIGなめ溶接の場合の
オーステナイト量の変化を示す線図、 第3図はHAZにおけるオーステナイトの低下量(母材と
溶接熱影響部のオーステナイト量の差)に及ぼすC,Siを
除く合金元素の総量の影響を示す線図、 第4図は粗粒化したHAZの幅に及ぼすC,Siを除く合金元
素の影響を示す線図、 第5図は耐食試験片の斜視図である。 1……母材、2……TIGなめビード。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】C:0.025wt%以下 Si:0.01〜0.2wt% Mn:1.0〜5.0wt% Cr:28〜35wt% Ni:6〜16wt% Mo:3.1〜6.0wt% N:0.2〜0.4wt% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、かつCr
    当量=Cr(wt%)+1.5×Si(wt%)+Mo(wt%)、Ni
    当量=Ni(wt%)+30×C(wt%)+0.5×Mn(wt%)
    +30×N(wt%)とした場合にCr当量/Ni当量比が1.9以
    上、2.4以下、かつ、上記当量式中のC、Siを除く合金
    元素(Cr、Ni、Mo、Mn、N)の総量が45wt%以上であ
    り、母材並びに溶融熱影響部及び溶加材無しで溶接した
    溶接部におけるオーステナイト量が40〜65%であること
    を特徴とする溶接性に優れた高耐食性二相ステンレス
    鋼。
  2. 【請求項2】C:0.025wt%以下 Si:0.01〜0.2wt% Mn:1.0〜5.0wt% Cr:28〜35wt% Ni:6〜16wt% Mo:3.1〜6.0wt% Cu:0.1〜3.0wt% N:0.2〜0.4wt% を含有し、残部Fe及び不可避的不純物よりなり、かつCr
    当量=Cr(wt%)+1.5×Si(wt%)+Mo(wt%)、Ni
    当量=Ni(wt%)+30×C(wt%)+0.5×Mn(wt%)
    +30×N(wt%)とした場合にCr当量/Ni当量比が1.9以
    上、2.4以下、かつ、上記当量式中のC、Siを除く合金
    元素(Cr、Ni、Mo、Mn、N)の総量が45wt%以上であ
    り、母材並びに溶融熱影響部及び溶加材無しで溶接した
    溶接部におけるオーステナイト量が40〜65%であること
    を特徴とする溶接性に優れた高耐食性二相ステンレス
    鋼。
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