JP2759678B2 - 熱間加工性に優れたステンレス鋼 - Google Patents

熱間加工性に優れたステンレス鋼

Info

Publication number
JP2759678B2
JP2759678B2 JP1168301A JP16830189A JP2759678B2 JP 2759678 B2 JP2759678 B2 JP 2759678B2 JP 1168301 A JP1168301 A JP 1168301A JP 16830189 A JP16830189 A JP 16830189A JP 2759678 B2 JP2759678 B2 JP 2759678B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
less
stainless steel
hot
hot workability
content
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Lifetime
Application number
JP1168301A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH0336240A (ja
Inventor
高 小松
裕 川合
勝典 馬場園
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Nisshin Steel Co Ltd filed Critical Nisshin Steel Co Ltd
Priority to JP1168301A priority Critical patent/JP2759678B2/ja
Publication of JPH0336240A publication Critical patent/JPH0336240A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP2759678B2 publication Critical patent/JP2759678B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Lifetime legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Heat Treatment Of Steel (AREA)
  • Heat Treatment Of Sheet Steel (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は熱間加工性に優れたステンレス鋼に関するも
のである。
〔従来の技術とその問題点〕
溶接用電極材として用いられるFe−Cr−Ni系ステンレ
ス鋼は,溶接時における成分の希釈を補い,かつ高温割
れを防止するためデルタフェライト量が約10〜30%程度
となるよう成分設計されている。しかしながら,オース
テナイト中にデルタフェライトが約10〜30%含まれると
熱間加工性が著しく悪化する。すなわち熱間圧延におい
ては初期の粗圧延の段階で大きな耳割れおよび表面割れ
が生じ,途中の段階で相当量の研削を行わなければホッ
トコイルを得ることはできなかった。またたとえホット
コイルが得られたとしても熱間圧延で生じた割れや疵が
後工程へ持ちきたされ,冷間圧延段階でヘゲ疵となって
現れ製品の品質低下をもたらしていた。
〔問題解決に関する知見〕
このような問題を解決するために本発明者らは鋭意研
究を行った結果,デルタフェライト量が10〜30%である
Fe−Cr−Ni系ステンレス鋼においてはSを0.0015%以下
に低減させたうえで,適量のYもしくはYとLa,Ce,Caの
うち少なくとも1種類以上を添加することにより熱間加
工性が著しく向上し,耳割れのほとんど無い健全なホッ
トコイルが製造できることを見出した。
〔発明の構成〕
上記の知見に基いてなされた本発明は,重量%で,C:
0.08%以下,Si:1.0%以下,Mn:3.0%以下,Ni:5〜15%,C
r:15〜30%,残部がFeおよび不可避的不純物からなり,
熱間圧延開始段階におけるデルタフェライト量が10〜30
%であるステンレス鋼において,S含有量が0.0015%以下
で且つYを0.01〜0.15%含有し,更に場合によっては,
0.1%以下のLa,0.1%以下のCeまたは0.015%以下のCaの
少なくとも1種以上を合計で0.15%以下含有する,点に
特徴を有する熱間加工性の優れたステンレス鋼を提供す
るものである。
〔発明の詳述〕
前述のように,本発明は熱間圧延開始段階におけるデ
ルタフェライト量が10〜30%であっても熱間加工に優れ
たステンレス鋼を開発したものであり,この点に主眼が
おかれているが,本発明のステンレス鋼の成分組成は次
のような各種の理由によってその含有量範囲を定めてい
る。
Cは鋼の強度を付与するために重要であるがステンレ
ス鋼本来の耐食性を低下させ,また多量に含むと相比の
バランスを保つためにSi,Cr量が多くなりすぎ,σ脆化
を招くようになる。従ってC量は0.08%以下に限定す
る。
Siは,脱酸効果があり,また鋳造時および溶接時の湯
流れを良くする効果があるが,1%を越えるとデルタフェ
ライト量が増加するため,相比のバランスを保つために
はNi量を増加する必要がありコストアップにつながる。
したがってSi量は1.0%以下に限定する。
MnはSiと同様に脱酸効果があるが,多量に含むとコス
トアップにつながる。従ってMn量は3.0%以下に限定す
る。
Niは強力なオーステナイト生成元素であるが5%未満
ではデルタフェライト量が30%以上となり,また15%を
越えるとデルタフェライト量が10%未満となるため5〜
15%の範囲とする。
Crはステンレス鋼の主要成分であり15%未満ではステ
ンレス鋼本来の耐食性が不足するため好ましくない。一
方,Cr量が30%を越えるとデルタフェライト量が30%を
越え,かつσ脆化が促進されるようになる。従ってCr量
は15〜30%の範囲とする。
Yはデルタフェライトを10〜30%含むFe−Cr−Ni系ス
テンレス鋼の熱間加工性を改善するための添加元素であ
り,本発明において重要な元素である。Yはオーステナ
イト−フェライト粒界に偏析して熱間加工性に悪影響を
及ぼすSを固定する作用を有し,そのために熱間加工性
を向上せしめる。Yの含有量が0.01%未満では熱間加工
性改善効果が不十分である。しかし,0.15%を越えると
介在物量が増加して清浄度が著しく低下すると同時に熱
間加工性も劣化する。このためY量は0.01〜0.15%に限
定する。
La,Ce,CaもYと同様にSを固定して熱間加工性を改善
する効果を有するが,多量に添加すると熱間加工性を害
するようになるため,含有量の上限はLa:0.1%,Ce:0.1
%,Ca:0.015%であり,Y+La+Ce+Caの合計が0.15%以
下であることが必要である。
Sはオーステナイト−フェライト粒界に偏析して熱間
加工性を害する不純物元素である。デルタフェライトを
10〜30%含有するステンレス鋼は鋳造の過程において凝
固完了直後はほぼ全体がデルタフェライトであるが,冷
却中にデルタフェライトからオーステナイトが析出反応
によって生じ,その結果オーステナイト地にデルタフェ
ライトが10〜30%残留する。Sはフェライト中に比べオ
ーステナイト中には固溶しにくいため,デルタフェライ
トからオーステナイトが析出反応によって生じる際にオ
ーステナイト−フェライト粒界にSが取り残され,この
近傍ではS濃度は著しく高くなる。このS偏析がこの種
のステンレス鋼の熱間加工性を劣化させている主原因で
あると考えられる。Sとの親和力の強いY,La,Ce,Ca等を
添加してSを安定な化合物として固定すると,この熱間
加工の問題が解決される。ただし,Sの含有量が高すぎる
と添加すべきY,La,Ce,Ca等の量が過剰となり,かえって
熱間加工性を損なう結果となる。このためにSは0.0015
%以下とする必要がある。
なお,デルタフェライト量が10%未満の場合および30
%を越える場合には,実際の熱間圧延において製造上障
害となるような粗大な耳割れや表面割れは発生しないこ
とから,熱間圧延開始段階にデルタフェライトの量が10
〜30%のステンレス鋼を本発明は対象とするものであ
る。したがって,本発明鋼は前記の成分の含有量の範囲
内において熱間圧延開始段階にデルタフェライトの量が
10〜30%となるように成分調整された鋼組成を有するも
のである。
〔実施例〕
以下に本発明の実施例および比較例について説明す
る。
第1表に示す化学組成を有する本発明鋼および比較鋼
を高周波溶解炉で溶製し,厚さ120mm,幅200mm,重量300k
gの鋳塊を得た。これらの鋳塊を1250℃に加熱したのち
抽出し,板厚4mmまで中途で加熱することなく熱間圧延
を行った。ただし圧延中に耳割れが発生し,その割れの
長さが板側面から約10mm以上になった場合は,その板厚
で中止した。
熱間圧延結果を第1表に併記した。表中の熱間加工性
の評価は,熱間圧延後の板に生じた耳割れの長さを測定
して行い,その長さが側面より1mm未満のものは製造上
支障ないため良好と判断し,脚柱に示すとおり三段階の
評価を行った。
第1表から明らかなように,Y,La,Ce,Caが無添加のも
の,S含有量が0.0015%を越えるもの,およびY,La,Ce,Ca
を含有してもその含有量が不適当である比較鋼9〜17で
は,いずれも熱間圧延中に大きな耳割れが発生してお
り,健全なホットコイルを製造できなかった。
これに対して本発明鋼であるSを低減し,Y,La,Ce,Ca
を適量含有するものにおいては大きな割れは発生せず,
板厚4mmの良好なホットコイルが製造できた。
〔発明の効果〕 以上のように、本発明によれば,従来は熱間圧延によ
って健全なホットコイルを製造することが困難とされて
いたデルタフェライトを10〜30%含むステンレス鋼にお
いて,熱間圧延条件を制約することなく熱間圧延が行え
るものであり,このため熱間圧延段階において割れ部分
を除去するといった研削工程を省略することができ歩留
りを大幅に向上させることが可能となって製造コストの
低減が図れる一方,冷間圧延工程においても熱間圧延時
に生じた疵がヘゲ疵となって残ることもなく品質の向上
が可能となり,製造面および品質面で大きな改善がなさ
れたステンレス鋼を提供するものである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 昭58−141891(JP,A) 特開 昭63−157840(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.6,DB名) C22C 38/00 - 38/60

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で,C:0.08%以下,Si:1.0%以下,Mn:
    3.0%以下,Ni:5〜15%,Cr:15〜30%,残部が実質的にFe
    および不可避的不純物からなり且つ熱間圧延開始段階に
    おけるデルタフェライト量が10〜30%であるステンレス
    鋼であって,S含有量が0.0015%以下で且つ0.01〜0.15%
    のYを含有することを特徴とする熱間加工性に優れたス
    テンレス鋼。
  2. 【請求項2】重量%で,C:0.08%以下,Si:1.0%以下,Mn:
    3.0%以下,Ni:5〜15%,Cr:15〜30%,残部が実質的にFe
    および不可避的不純物からなり且つ熱間圧延開始段階に
    おけるデルタフェライト量が10〜30%であるステンレス
    鋼であって,S含有量が0.0015%以下で且つ0.01〜0.15%
    のYと,さらに0.1%以下のLa,0.1%以下のCeまたは0.0
    15%以下のCaの少なくとも1種以上を合計で0.15%以下
    含有することを特徴とする熱間加工性に優れたステンレ
    ス鋼。
JP1168301A 1989-07-01 1989-07-01 熱間加工性に優れたステンレス鋼 Expired - Lifetime JP2759678B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1168301A JP2759678B2 (ja) 1989-07-01 1989-07-01 熱間加工性に優れたステンレス鋼

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP1168301A JP2759678B2 (ja) 1989-07-01 1989-07-01 熱間加工性に優れたステンレス鋼

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH0336240A JPH0336240A (ja) 1991-02-15
JP2759678B2 true JP2759678B2 (ja) 1998-05-28

Family

ID=15865481

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP1168301A Expired - Lifetime JP2759678B2 (ja) 1989-07-01 1989-07-01 熱間加工性に優れたステンレス鋼

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2759678B2 (ja)

Families Citing this family (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP4751255B2 (ja) * 2006-07-05 2011-08-17 宜介 澤田 フラスコ用栓

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS58141891A (ja) * 1982-02-19 1983-08-23 Kawasaki Steel Corp 肉盛溶接電極用オ−ステナイト鋼
JPS63157840A (ja) * 1986-12-18 1988-06-30 Daido Steel Co Ltd オ−ステナイト系ステンレス鋼

Also Published As

Publication number Publication date
JPH0336240A (ja) 1991-02-15

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2018031028A (ja) Fe−Ni−Cr−Mo合金とその製造方法
JP6194956B2 (ja) 優れた耐酸化性、良好な高温強度、及び良好な加工性を有するフェライト系ステンレス鋼
JP3275783B2 (ja) 成形性にすぐれたTi添加熱延高張力鋼板の製造方法
JPH0119465B2 (ja)
JP4222073B2 (ja) フィレット部靱性に優れたh形鋼およびその製造方法
JP3440710B2 (ja) フィレット部靱性に優れたh形鋼およびその製造方法
JPH0830253B2 (ja) 加工性に優れた析出硬化型マルテンサイト系ステンレス鋼
JP6776469B1 (ja) 二相ステンレス鋼とその製造方法
JP2759678B2 (ja) 熱間加工性に優れたステンレス鋼
WO2022210651A1 (ja) 二相ステンレス鋼線材および二相ステンレス鋼線
JP2007277622A (ja) 溶接性に優れる引張強さ780MPa級高張力厚鋼板の製造方法
JP3266247B2 (ja) 熱間加工性に優れた二相ステンレス鋼
JP3210255B2 (ja) 耐食性と製造性に優れるフェライト系ステンレス鋼
JPH057457B2 (ja)
JP2838468B2 (ja) 熱間圧延での割れを防止するCr−Ni系ステンレス合金の製造方法
JP2002283024A (ja) 溶接熱影響部の靱性に優れた構造用鋼材の製造方法
JP4357080B2 (ja) 凝固結晶粒微細化鋼及び凝固結晶粒微細化オーステナイト系ステンレス鋼並びにそれらの溶接継ぎ手
JPH0717988B2 (ja) 靱性および耐食性がともに優れるフェライト系ステンレス鋼
JP7187606B2 (ja) 耐溶接高温割れ性に優れた高Ni合金
JP3180575B2 (ja) 割れおよび表面疵のない熱延鋼板およびその製造方法
JP2882269B2 (ja) 溶接性に優れた熱延鋼板およびその製造方法
JPH04110419A (ja) 高Niステンレス鋼板の製造方法
JP2834500B2 (ja) 抵温靭性の優れた高張力鋼板の製造法
JP3271787B2 (ja) ステンレス鋼の製造方法
JP4254583B2 (ja) 溶接部の耐歪時効特性に優れたCr含有合金