JP3180575B2 - 割れおよび表面疵のない熱延鋼板およびその製造方法 - Google Patents

割れおよび表面疵のない熱延鋼板およびその製造方法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、鉄源として鉄スクラ
ップを使用した、割れおよび表面疵のない熱延鋼板およ
びその製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、廃棄された食缶および自動車など
の鉄スクラップの発生量が増加し、製鉄業においては環
境問題の観点から、鉄源としてこのような鉄スクラップ
の使用が検討され始めている。
【0003】しかしながら、鉄スクラップ中には、Cu、
Sn、As、NiおよびCrなどがトランプエレメントとして含
有されており、これらの元素は、Feよりも酸化され難い
ために、現在の製鉄プロセスにおいては殆ど除去されず
鋼中に残存する。その結果、熱間延性が劣化して、スラ
ブの連続鋳造時に割れが発生しやすく、スラブの熱間加
工性が劣化し、表面疵が発生しやすくなるという問題が
指摘されている(「鉄鋼に及ぼす合金元素の影響」378
頁 誠文堂新光社発行)。
【0004】このような、熱間加工時に発生する表面疵
を低減するため、Cu、Snのようなトランプエレメントを
含有する鋼に積極的にNiを添加し、鋼中のCuおよびSnを
Cu−Sn−Ni合金として固定することによって、表面疵の
発生を防止することが提案されている。しかしながら、
この方法は、Niが高価であるために、製造コストが増大
する問題がある。
【0005】上記問題を解決するために、特開平5-2224
32号公報には、スクラップ高配合鋼を、Sn/Cu ≦1/20と
なるように脱錫して連続鋳造し、鋳造されたスラブを10
50℃以下の表面温度で熱間圧延する方法(以下、先行技
術1という)が提案されており、また、特開平5-220505
号公報には、CuおよびSnを含有するスラブを950 ℃以下
の温度で加熱し、加熱されたスラブを無酸化雰囲気下に
おいて圧延温度まで加熱した後、熱間圧延する方法(以
下、先行技術2という)が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、先行技
術1は、脱錫設備を必要とするために、設備的な制約が
大きく実用性に劣る問題がある。また、先行技術2は、
操業性に難点があり且つコスト高になる問題がある。
【0007】従って、この発明の目的は、上述した問題
を解決し、鉄源として鉄スクラップを使用したCu,Snの
ようなトランプエレメントを含有する鋼の連続鋳造時
に、鋳造されたスラブに生ずる割れを防止し、且つ、ス
ラブの熱間加工性を向上して、表面疵のない熱延鋼板を
得ることにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】この発明の熱延鋼板は、
鉄源として鉄スクラップを使用し溶製した、実質的に下
記化学成分組成、 炭素(C) : 0.01 〜0.15wt.% シリコン(Si) : 0.3 wt.% 以下、 マンガン(Mn) : 0.1 〜1.0 wt.%、 燐(P) : 0.03 wt.%下、 硫黄(S) : 0.025wt.%以下、 可溶性アルミニウム(sol.Al) : 0.01 〜0.07wt.% 窒素(N) : 0.012wt.%以下、 銅(Cu) : 0.04 〜0.4 wt.%、 錫(Sn) : 0.004〜0.04wt.%、 ニッケル(Ni) : 0.01 〜0.1 wt.%、 クロム(Cr) : 0.01 〜0.1 wt.%、 モリブデン(Mo): 0.01 〜0.1 wt.%、および、 鉄(Fe)よりなり、溶鋼の段階で下記(1) 式、 C+(Cu+5Sn)/3≦ 0.25 wt.% ───────(1) を満足しており、そして、前記溶鋼を鋳造したスラブの
段階で下記(2) 式 Cu+10Sn ≦ 0.4 wt.% ───────────(2) を満足していることに特徴を有するものである。
【0009】この発明の熱延鋼板の製造方法は、上記化
学成分組成を有する鋼を、転炉または電気炉によって溶
製した後、連続鋳造によってスラブに鋳造し、次いで、
前記スラブを1,100 ℃以上の温度に加熱し、次いで、加
熱されたスラブの板幅方向両端部をエッジヒータにより
加熱して、前記スラブの板幅方向における温度分布を均
一化し、次いで、前記板幅方向の温度分布が均一化され
たスラブを、Ar3 変態点以上の仕上げ温度で熱間圧延
し、得られた鋼帯を、500 〜700 ℃の温度で巻き取るこ
とに特徴を有するものである。
【0010】
【作用】この発明の熱延鋼板の化学成分組成を、上述し
た範囲内に限定した理由について、以下に述べる。 (1) C :Cは、鋼の強度を高める基本的な元素である。
C含有量が0.01wt.%未満では二次加工脆化が生じやすく
なり、一方、C 含有量が0.15wt.%を超えると強度が高く
なり過ぎて加工性が劣化する。従って、C含有量は0.01
〜0.15wt.%の範囲内に限定すべきである。
【0011】一般に、多量のCを含有する溶鋼を連続鋳
造しスラブを製造するときに、低歪み引張り応力が付与
されるスラブ湾曲部に、割れの発生することが知られて
いる。このようなスラブに生ずる割れは、鋼の熱間延性
と強い関係がある。低品位スクラップに含有されている
トランプエレメント中の、熱間延性を低下させる元素と
して、CuおよびSnが知られている。
【0012】本発明者等の研究によれば、鋼中にCuおよ
びSnが含有されている場合には、鋼中のCも熱間延性の
低下に関与していることが明らかになった。図1は、絞
り値に関する、鋼中のC量と「(Cu+5Sn)/3」値との
関係を示すグラフである。図1から、連続鋳造時にスラ
ブに割れの発生するおそれがないとされる、絞り値が60
%以上の領域は、溶鋼の段階で下記(1) 式、 C+(Cu+5Sn)/3≦ 0.25 wt.% ───────(1) を満足する必要のあることがわかる。上述した点から、
この発明において、C含有量は、0.01〜0.15wt.%の範囲
内であると共に、溶鋼段階において、上記(1) 式を満足
していることが必要である。
【0013】(2) Si :Siは、鋼の強度を高める元素であ
る。しかしながら、Si含有量が0.3 wt.%を超えると、赤
スケールと呼ばれる表面欠陥が発生しやすくなる。従っ
て、Si含有量は0.3 wt.%以下に限定すべきである。
【0014】(3) Mn :Mnも、鋼の強度を高める元素であ
る。Mn含有量が0.1wt.% 未満では鋼板の表面に疵が発生
しやすくなる。一方、Mn含有量が1.0wt.% を超えると強
度が高くなり過ぎて加工性が劣化する。従って、Mn含有
量は 0.1〜1.0wt.% の範囲内に限定すべきである。
【0015】(4) S:Sの含有量は、鋼板の曲げ加工性
および伸びフランジ性等の加工性を高めるために少ない
方がよく、従って、 0.025wt.%以下に限定すべきであ
る。この値は、溶接性を確保する点からも重要である。
【0016】(5) P:Pは、結晶粒界に偏析しやすく、
鋼板のプレス成形後に2次加工割れと呼ばれる粒界脆性
破壊を生じさせる元素である。従って、その含有量は少
ない方が望ましく、0.03wt.%以下に限定すべきである。
【0017】(6) N:Nは、時効性を低下させる元素で
あるために少ない方が望ましく、従って、その含有量
は、0.012 wt.%以下に限定すべきである。
【0018】(7) sol.Al :Alは、鋼の脱酸のために有効
な元素である。しかしながら、sol.Alの含有量が0.01w
t.%未満ではその効果が不十分であり、一方、sol.Alの
含有量が0.07wt.%を超えると、シリケート系の介在物が
多くなって加工性が劣化し、且つ、コスト高となる。従
って、sol.Alの含有量は、0.01〜0.07wt.%の範囲内に限
定すべきである。
【0019】(8) Cu :Cuは、トランプエレメントとして
含有される元素であるが、鉄源として鉄スクラップを使
用した場合でも最大0.04wt.%のCuが含有されているため
に、Cu含有量の下限値は0.04wt.%となる。更に、Cに関
して述べた如く、連続鋳造時にスラブに生ずる割れを防
止するために、溶鋼段階においてCu含有量は、前記(1)
式即ちC+(Cu+5Sn)/3≦ 0.25 wt.%を満足している
ことが必要である。
【0020】また、Cuの含有量が多いと、熱延鋼板にCu
疵と呼ばれる表面疵が発生し、製品の表面品質が劣化す
る。即ち、連続鋳造されたCu含有スラブを、酸化性雰囲
気で加熱した後、熱間圧延する際に、Cuは、熱間圧延時
に酸化されないため、スケール直下に濃化してCu富化相
が形成される。Cu富化相の融点は比較的低いので、一般
的なスラブ加熱温度である1100℃以上においてCu富化相
が融液になり、この融液がオーステナイト粒界に浸透す
る結果、熱間圧延時に表面割れが発生して表面欠陥とな
る。このような表面欠陥の発生を防止するためには、鋼
中のCu含有量の上限値を0.4 wt.%にすることが必要であ
る。
【0021】更に、本発明のように、CuとSnとが複合添
加されている鋼の場合には、Cu富化相にSnが濃化し、こ
の相の融点を下げるため、Cu単独添加の鋼板に比較し
て、表面疵が発生しやすくなり、表面品質が劣化する。
図2は、CuおよびSnの含有量と表面疵の発生状態との関
係を示すグラフである。図2から、熱延鋼板に表面疵が
発生するおそれがないとされている領域は、スラブの段
階で下記(2) 式を満足する必要のあることがわかる。 Cu+10Sn≦0.4 wt.%────────(2)
【0022】上述した点から、CuおよびSnを含有するス
ラブを再加熱した後、熱間圧延する本発明においては、
熱延鋼板の表面品質を改善するために、Cu含有量は、
0.04〜0.4 wt.%の範囲内であると共に、スラブ段階にお
いて、上記(2) 式を満足していることが必要である。
【0023】(9) Sn :Snは、トランプエレメントとして
含有される元素であるが、鉄源として鉄スクラップを使
用しない場合でも、最大0.004wt.% のSnが含有されてい
るため、Sn含有量の下限値は0.004wt.% になる。一方、
Sn含有量が0.04wt.%を超えると、熱間延性が劣化し、連
続鋳造によるスラブ製造時に縦割れが発生して、鋼板の
表面品質が劣化する。従って、Sn含有量は、0.004 〜0.
04wt.%の範囲内に限定すべきである。更に、前述したよ
うに、連続鋳造時にスラブに生ずる割れを防止するため
に、溶鋼段階におけるSn含有量は、前記(1) 式即ちC+
(Cu+5Sn)/3≦ 0.25wt.%を満足していることが必要
であり、且つ、鋼板の表面品質を改善するために、スラ
ブ段階におけるSn含有量は、前記(2) 式、Cu+10Sn≦0.
4 wt.%を満足していることが必要である。
【0024】(10) Ni :Niは、トランプエレメントとし
て含有される元素であるが、鉄源として鉄スクラップを
使用しない場合でも、最大0.01wt.%のNiが含有されてい
るため、Ni含有量の下限値は0.01wt.%となる。一方、Ni
は、Cu疵の発生防止および焼入性の向上に有効な元素で
ある。しかしながら、Ni含有量が0.1 wt.%を超えると、
強度が増加し加工性が劣化する。従って、Ni含有量は0.
01〜0.1wt.% の範囲内に限定すべきである。
【0025】(11) Cr 、Mo :CrおよびMoも、トランプエ
レメントとして含有される元素であるが、いずれも、鉄
源として鉄スクラップを使用しない場合でも、最大0.01
wt.%のCrおよびMoが含有されているため、CrおよびMoの
含有量の下限値は、それぞれ0.01wt.%となる。一方、Cr
およびMoの各含有量が0.1 wt.%を超えると、強度上昇の
ため加工性が劣化する。従って、CrおよびMoの含有量
は、いずれも0.01〜0.1wt.% の範囲内に限定すべきであ
る。
【0026】次に、この発明の熱延鋼板の製造条件を、
前述した範囲内に限定した理由について述べる。鋼の溶
解および精錬については、転炉法または電気炉法のいず
れの製法によって行ってもよく、鉄源として低品位の鉄
スクラップを、銑鉄に対し10wt.%以上使用して溶製す
る。スラブの鋳造は、その品質上、歩留上および生産能
率上等の有利性から連続鋳造法によって行い、通常の肉
厚の厚スラブまたは薄スラブを鋳造する。
【0027】連続鋳造時に、鋳造されたスラブに生ずる
割れを防止するため、鋳造前に真空脱ガス装置を使用し
て、前記(1) 式、C+(Cu+5Sn)/3≦ 0.25 wt.%を満
足するように、溶鋼中のC量を調整する。
【0028】スラブの加熱温度は、常法の 1,100℃以上
であればよい。熱間圧延の際の仕上げ温度はAr3変態点
以上に限定すべきである。上記仕上げ温度がAr3変態点
未満では、鋼板のフェライト粒に歪みが加わり、混粒組
織になって延性が劣化する。熱間圧延の際の巻取り温度
は、常法の 500〜700 ℃の範囲内であればよい。
【0029】この発明においては、連続鋳造されたスラ
ブを上記温度に加熱した後、熱間圧延する前に、スラブ
の板幅方向中央部に比較して温度が低下している板幅方
向両端部を、エッジヒータを使用して加熱する。このよ
うに、スラブの板幅方向両端部を加熱することによっ
て、鋼中のCuおよびSnにより、熱間圧延時に生ずるエッ
ジ割れが防止されると共に、スラブの板幅方向の温度分
布が均一化される。
【0030】
【実施例】次に、この発明を実施例により、比較例と対
比しながら説明する。鉄源として、平均的に、Cu:0.4w
t.% 、Sn:0.04wt.%、Cr:0.1wt.% およびMo:0.1wt.%
を含有する低品位の鉄スクラップを、銑鉄に対し10wt.%
以上使用した、表1に示す本発明の範囲内の化学成分組
成を有する本発明鋼No. 1 〜5、および、少なくとも1
つの元素が本発明の範囲外の化学成分組成を有する比較
鋼No.1〜6を、電気炉によって溶製し次いでスラブに連
続鋳造した。
【0031】
【表1】
【0032】次いで、連続鋳造された本発明鋼No.1〜5
のスラブおよび比較鋼No.1〜6のスラブを、表2に示す
加熱温度(ST)、仕上げ圧延温度(FT)および巻取り温度(C
T)によって、3.2mm の板厚まで熱間圧延し、次いで、1
%の調質圧延を施すことによって、本発明熱延鋼板の供
試体(以下、本発明供試体という)No.1〜5および比較
用熱延鋼板の供試体(以下、比較用供試体という)No.1
〜6を調製した。なお、本発明供試体No.1〜5および比
較用供試体No.1については、連続鋳造されたスラブを加
熱した後、熱間圧延する前に、スラブの板幅方向両端部
を、エッジヒータを使用して加熱した。
【0033】
【表2】
【0034】上記のようにして製造された本発明供試体
および比較用供試体の各々について、その連続鋳造され
たスラブの表面に発生した割れの有無を目視によって調
べ、下記によって評価した。 ○:割れなし、 ×:割れあり。
【0035】また、上記各供試体のスラブ時の熱間延性
を評価するために、各供試体スラブから、直径8mm、平
行部長さ16mmの丸棒状試験片を切り出し、切り出された
試験片を、真空中において1250℃の温度に5分間保持
し、次いで、 700〜1000℃の温度まで急冷し、その温度
において、低歪速度(歪速度10-3/sec)により破断する
まで引張試験を行い、破断面の絞り率(断面減少率)を
求めた。
【0036】本発明供試体および比較用供試体の各々か
ら、JIS 5号試験片を採取し、その機械的性質即ち降伏
強度、引張り強度および全伸びを調べた。また、本発明
供試体および比較用供試体の各々の表面品質即ち表面疵
発生の有無を目視によって調べ、下記によって評価し
た。 ○:表面疵発生なし、 ×:表面疵発生あり。
【0037】上記のようにして調べた、各供試体におけ
るスラブの製造性即ちスラブ割れの有無および熱間延性
即ち絞り率、および、各供試体の各々の材質特性即ち降
伏強度、引張強度、全伸び並びに表面品質を、表2に併
せて示した。
【0038】表1および表2から明らかなように、仕上
げ圧延温度(FT)が本発明の範囲を外れて低い比較用供
試体No.1においては、ミクロ組織がフェライト混粒とな
ったために、伸びが大幅に低下した。
【0039】CuおよびSnの各々の含有量は本発明の範囲
内であっても、溶鋼段階における「C+(Cu+5Sn)/
3」値が本発明の範囲を超えて多い比較用供試体No. 3
〜6においては、連続鋳造によるスラブ製造時に割れが
発生した。また、CuおよびSnの各々の含有量は本発明の
範囲内であっても、スラブ段階における「Cu+10Sn」値
が本発明の範囲を超えて多い比較用供試体No. 1および
3においては、表面疵が発生し、表面品質が劣化した。
【0040】Mn含有量が本発明の範囲を超えて多い比較
用供試体No. 1、および、C含有量が本発明の範囲を超
えて多い比較用供試体No. 4〜6においては、引張り強
度が50Kgf/mm2 超となり、伸びが低いために、加工性が
劣化した。また、比較用供試体No. 2〜6においては、
スラブを熱間圧延する前に、エッジヒータによってその
板幅方向両端部を加熱しなかったために、鋼板両端部の
全伸びは、中央部に比較して大幅に低下し、鋼板板幅方
向の材質均一性が劣っていた。
【0041】これに対して、鋼の化学成分組成および製
造条件が何れもこの発明の範囲内である本発明供試体N
o.1〜5においては、連続鋳造によるスラブ製造時に割
れが発生することはなく、機械的性質および表面品質等
の材質特性の何れも優れていた。
【0042】上記実施例における鉄スクラップの使用割
合は、銑鉄に対し10wt.%以上であるが、鉄源として鉄ス
クラップをどのような割合で使用してもよいことは、勿
論である。
【0043】
【発明の効果】以上述べたように、この発明によれば、
鉄源として鉄スクラップを使用したCu,Snのようなトラ
ンプエレメントを含有する鋼の連続鋳造時に、鋳造され
たスラブに生ずる割れが防止され、且つ、スラブの熱間
加工性が向上して、表面疵のない品質の優れた熱延鋼板
が得られる、工業上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】絞り値に関する、鋼中のC量と「(Cu+5Sn)/
3」値との関係を示すグラフである。
【図2】表面疵に関する、鋼中のSn量およびCu量と、
「Cu+10Sn」値との関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平7−157844(JP,A) 特開 平5−185185(JP,A) 特開 平5−179395(JP,A) 特開 平5−156357(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) C22C 38/00 - 38/60 B21B 3/00 B21B 45/00 C21D 8/02

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 鉄源として鉄スクラップを使用し溶製し
    た、実質的に下記化学成分組成、 炭素(C) : 0.01 〜0.15wt.% シリコン(Si) : 0.3 wt.% 以下、 マンガン(Mn) : 0.1 〜1.0 wt.%、 燐(P) : 0.03 wt.%下、 硫黄(S) : 0.025wt.%以下、 可溶性アルミニウム(sol.Al) : 0.01 〜0.07wt.% 窒素(N) : 0.012wt.%以下、 銅(Cu) : 0.04 〜0.4 wt.%、 錫(Sn) : 0.004〜0.04wt.%、 ニッケル(Ni) : 0.01 〜0.1 wt.%、 クロム(Cr) : 0.01 〜0.1 wt.%、 モリブデン(Mo): 0.01 〜0.1 wt.%、および、 鉄(Fe)よりなり、溶鋼の段階で下記(1) 式、 C+(Cu+5Sn)/3≦ 0.25 wt.% ───────(1) を満足しており、そして、前記溶鋼を鋳造したスラブの
    段階で下記(2) 式 Cu+10Sn ≦ 0.4 wt.% ───────────(2) を満足していることを特徴とする、割れおよび表面疵の
    ない熱延鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の化学成分組成を有する
    鋼を、転炉または電気炉によって溶製した後、連続鋳造
    によってスラブに鋳造し、次いで、前記スラブを1,100
    ℃以上の温度に加熱し、次いで、加熱されたスラブの板
    幅方向両端部をエッジヒータにより加熱して、前記スラ
    ブの板幅方向における温度分布を均一化し、次いで、前
    記板幅方向の温度分布が均一化されたスラブを、Ar3
    態点以上の仕上げ温度で熱間圧延し、得られた鋼帯を、
    500 〜700 ℃の温度で巻き取ることを特徴とする、割れ
    および表面疵のない熱延鋼板の製造方法。
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