JPH07303954A - 低圧鋳造装置用スト−ク体 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 低圧鋳造装置用スト−クのエア−漏れをなく
し、鋳造不良を大幅に減少することを目的とする。 【構成】 セラミック製スト−ク７の上部位置に鍔８を
有し、該鍔８の周囲を高融点金属で鋳ぐるむことによっ
て形成された金属製フランジ９を有することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、高融点金属溶湯を低圧
鋳造する装置に使用するスト−ク体に関する。

【０００２】

【従来技術と問題点】一般に低圧鋳造は注湯手段として
密閉された容器（以下保持炉と呼ぶ）内の溶湯面に比較
的小さい正圧力をガス体により加え、溶湯中に挿入した
給湯管（以下スト−クと呼ぶ）を通して、重力と反対方
向に溶湯を押し上げスト−ク上部に設置された金型に注
湯する方法が採用されている。例えば垂直割り金型を用
いて鋳造をする装置としては図１に示すような装置１に
されており、銅合金溶湯のように高温の溶湯を取り扱う
場合には、スト−ク２の材質は熱衝撃抵抗に強く、低熱
膨張性のもので耐食性のあるセラミック製（窒化珪素、
炭化珪素、サイアロン、窒化アルミニウム、酸化ジルコ
ニウム、チタン酸アルミニウム、酸化マグネシウムや、
その複合材料）にしているが、金型に圧着されるフラン
ジ３は、金型４からの押し圧力を注湯毎に繰り返し加え
られるので繰り返し荷重に対する強度耐久性が必要とな
り、このためセラミック製のフランジのものを用いるこ
とが出来ず、図２に示すように中心部に貫通孔を有する
２枚の金属製フランジ３Ａ，３Ｂにより、該スト−ク２
の上部位置に一体的に形成された鍔５を上下から挟むこ
とによってスト−ク２と繋ぎ合わせて連結している。こ
の場合にはスト−ク２とフランジ３との隙間Ａから金属
製フランジ３Ａ，３Ｂの分離面を通ってエア−が漏れる
ことを防ぐため耐熱性のシ−ル６を鍔５の上下面に取り
付けている。しかし、かかるシ−ル６を取り付けたとし
ても繰り返し注湯熱が加わるとシ−ル６が劣化し、注湯
加圧時にエア−が漏れることによって鋳造不良を生じ易
く、また、劣化したシ−ル６を交換する作業にも手間が
必要であった。さらに、シ−ル劣化によるエア−漏れが
溶湯内に入り込むのを防ぐために、前記フランジ３Ｂに
数カ所エア−抜きのための貫通孔３Ｃを設けたりする
が、この場合もシ−ルが劣化すれば目標とする加圧力で
注湯することが出来なくなるという問題があった。本発
明は上記のような問題点に鑑みてなされたもので繰り返
し押し圧力に対し、耐久強度を有すると共にフランジと
スト−クとの間の耐熱シ−ルを不要とし、保持炉内の機
密性を保つことによって加圧時のエア−漏れを無くし、
鋳造不良を低減することを可能とするスト−ク体の提供
を目的とする。

【０００３】

【問題解決のための手段】上記目的を達成するために本
発明における低圧鋳造装置用スト−ク体は、セラミック
製スト−クの上部位置に鍔を一体的に形成し、該鍔の周
囲を高融点金属で鋳ぐるむことによって形成された金属
製フランジを成形したことを特徴とする。

【０００４】

【実施例】以下本発明の実施例を図３、図４に基づいて
詳しく説明する。セラミックである窒化珪素で作られた
スト−ク７の上部位置には同じ窒化珪素製の鍔８が一体
形成されている。さらに該鍔８の外周にはその上面がス
ト−ク７の上端面と同一面にされると共に、下面が鍔８
より下方位置となる厚さにされ、その外径が鍔８より大
きな円柱状にされた、高融点金属製のフランジ９が前記
スト−ク７の鍔８部を鋳ぐるむことによって一体形成さ
れている。該フランジ９は前記鍔８との鋳ぐるみ係合に
よって注湯時に押し圧力が加わったりしても前記フラン
ジ９がスト−ク７の外周を摺動して下方へ移動したりす
ることはない。かかるフランジ９によって窒化珪素製ス
ト−ク７の鍔８周囲を鋳ぐるむには、例えば図４に示す
ように該鍔８付きスト−ク７の上端を金属製フランジ９
に対応するキャビティ−を有する鋳型１０内にセットす
る。次に湯口１１より高融点金属溶湯を流し込み、凝固
が終了した時点で型ばらしを行い湯口部の分離及び金型
接地面１２の表面仕上げを行って完成させる。本発明に
よるスト−ク体を用いればフランジ９とスト−ク７とは
隙間なく一体的に形成されているので注湯加圧時にエア
−が漏れる心配もなくまた、耐熱シ−ルを用いていない
ので、その交換のための作業も不要となる。尚、実施例
ではセラミックとして窒化珪素を用いたがその代わりに
炭化珪素、サイアロン、窒化アルミニウム、酸化ジルコ
ニウム、チタン酸アルミニウム、酸化マグネシウムやそ
の複合材料を用いても良い。

【０００５】

【発明の効果】本発明は上記の説明から明らかなよう
に、スト−クの鍔部分を高融点金属溶湯で鋳ぐるんでフ
ランジを形成したから、繰り返し押し圧力に対して耐久
強度があると共に耐熱性シ−ルを使用していないことか
らその交換のための作業が不要となり、また、エア−漏
れがなくなり、ブロ−ホ−ルなどの鋳造不良の発生を大
幅に押さえることができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】従来の垂直割り金型使用の低圧鋳造装置の要部
断面全体図である。

【図２】従来の垂直割り金型により高融点金属を鋳造す
る低圧鋳造装置に使用するスト−ク体の一部断面図であ
る。

【図３】本発明の垂直割り金型により高融点金属を鋳造
する低圧鋳造装置に使用するスト−ク体の一部断面図で
ある。

【図４】本発明の金属製フランジを形成するための鋳造
準備状況を示す要部断面図である。

【符号の説明】

７ スト−ク ８ 鍔 ９ 金属製フランジ

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 セラミック製スト−ク７の上部位置に鍔
   ８を一体的に形成し、該鍔８の周囲を高融点金属で鋳ぐ
   るむことによって金属製フランジ９を形成したことを特
   徴とする低圧鋳造装置用スト−ク体