JPH0810450Y2 - 水平連続鋳造装置 - Google Patents

水平連続鋳造装置

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JPH0810450Y2
JPH0810450Y2 JP1991051409U JP5140991U JPH0810450Y2 JP H0810450 Y2 JPH0810450 Y2 JP H0810450Y2 JP 1991051409 U JP1991051409 U JP 1991051409U JP 5140991 U JP5140991 U JP 5140991U JP H0810450 Y2 JPH0810450 Y2 JP H0810450Y2
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Description

【考案の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本考案は水平連続鋳造装置、すな
わちタンディッシュとモールドとが連結された状態で鋳
造を行う連続鋳造装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】水平連続鋳造装置は、水平に配置された
モールドを通して水平方向に連続鋳造を行う装置で、図
6のようにタンディッシュ1とモールド2とが連結され
て使用される点に特徴がある。直接に両者を連結するの
は難しいため、実際には、溶湯の通過口を有する環状の
耐火物10(接続用耐火物と呼ばれ、下記のブレークリ
ング11やフィードノズル(中間リング)12・タンデ
ィッシュノズル15などからなる)を介して連結がなさ
れる。
【0003】一般的な縦型の連続鋳造装置とは異なる上
記の構造に関連して、水平連続鋳造装置には、1)溶湯4
の凝固開始点を定めるために、モールド2の上流端にブ
レークリング11と呼ばれる特殊な耐火物(上記接続用
耐火物10の一つ)が装着される、2)鋳片5とモールド
2との間の焼付き防止や潤滑のために、鋳片5・モール
ド2間に鋳造方向へのオシレーションが与えられる−
といった特徴も備わっている。したがって鋳造中は、た
とえば鋳片5が引抜きロール3によって間欠的に(引抜
・停止などを繰り返しながら)引き抜かれ、モールド2
内の初期凝固殻5aは、ブレークリング11の前面(下
流向きの端面)から図のように間欠運動に対応した形で
形成されていくことになる。
【0004】ところがこうした点から、鋳造中のモール
ド2内に(したがって鋳片5の内部に)空気の侵入する
可能性がある。上記のオシレーション(間欠運動)によ
って凝固殻5aの端部がブレークリング11の前面から
離れる瞬間、両者間には、そこに溶湯4が入り込むまで
のわずかの時間ではあるが真空に近い負圧が生じ、それ
によってブレークリング11の装着部分の微小な隙間
(もちろん溶湯4の流出は許さないわずかな隙間)から
モールド2内に外気が侵入するのである。モールド2の
内に入った空気は、ブローホール5kなどの鋳造欠陥と
して鋳片5の内部や表面付近に残る。
【0005】モールド2内への外気の侵入を防止する手
段として、実開昭64−38136号公報の考案は、ブ
レークリング11の外周にフランジ部分(鍔)を形成
し、その部分とモールド2との間にシール用の耐熱性O
リングをはさむことを提案している。
【0006】
【考案が解決しようとする課題】上記公報に記載された
外気の侵入防止手段は、つぎの点で完全なものとは言い
がたい。
【0007】第一に、ブレークリングの外周にフランジ
部分を設けることは、鋳造費用を大幅に引き上げる結果
につながる。ブレークリングは、冷却されているモール
ドと高温度の溶湯との両方に接しながら凝固殻から機械
的な力を受けるなど苛酷な環境で使用されることから、
高温強度のほか耐熱衝撃性・耐溶損性・耐摩耗性等が格
段にすぐれる必要があるうえモールドとの正確な接合を
可能にするための機械加工性も求められ、極めて特殊
な、したがって高価なセラミックにて形成されているか
らである。つまり、鋳造コストに占める割合が全消耗品
のうち最も高いともいわれるブレークリングに対し、フ
ランジ部分を設けてその寸法を拡大することは、そのま
ま鋳造費用が増大することに相当する。また、ブレーク
リングは上記のように厳しい使用環境にあるため、フラ
ンジ部分の追加によってその応力バランスが崩れる可能
性もあることを考慮すれば、(コスト以外の)純技術的
な側面からみても上記手段は歓迎されないやり方だとい
える。
【0008】第二に、耐熱性Oリングとして、同公報に
記載のあるシリコンゴム製のものを使用するにしても、
ブレークリングに接触する使用条件下で十分な耐用性を
それにもたせることは極めて難しい。つまり、Oリング
が接触するブレークリングの外周付近(上記のフランジ
部分)の温度は、一般的に考えるなら、シリコンゴムの
劣化温度をはるかに超えてしまう。詳しく述べると、1)
上に説明した強度面およびコストの面で、上記フランジ
部分をブレークリングの中央付近から大きく張り出させ
て形成することが難しく、2)耐熱衝撃性の条件から、ブ
レークリングの材料として熱伝導率のごく低い(したが
って断熱性の)セラミックを使用することも難しい(現
に広く使用されている窒化ホウ素(BN)も熱伝導率が
かなり高い)−ことから、そのフランジ部分への熱の
伝導を十分抑制することは難しいのである。
【0009】第三に、ブレークリングとモールドとの間
にはさんだOリングによっては、ブレークリングの前面
への外気の侵入は防ぐことができても、その背面側への
侵入は全く防止できない。一定以上の速度で効率的に鋳
造が行われる間は、図6のように凝固殻5aがブレーク
リング11の前面から安定して形成されるが、水冷され
たモールド2にブレークリング11が接触してやや冷や
されていることから、溶湯温度の低い場合など鋳造条件
によってはブレークリング11の内周面からフィードノ
ズル12の前面にまで凝固殻5aが延び得るのである。
つまり、フィードノズル12にかかっていた凝固殻5a
が、鋳片5とともに引抜き(間欠動作)をされる瞬間に
ブレークリング11とフィードノズル12との間から外
気を引き入れてしまう。要するに、モールド2内への空
気の侵入が完全には防止されないことになる。
【0010】本考案の目的は、ブレークリングのコスト
アップを招かず、Oリングなどシール部材の耐用性を確
保しやすいやり方で、モールド内への空気の侵入を完全
に防止することのできる水平連続鋳造装置を提供するこ
とである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本考案の請求項1に記載
した水平連続鋳造装置は、モールドの水冷部とフィード
ノズルの外周付近との間、フィードノズルの外周面とモ
ールド組付け用の環状物との間、およびその環状物とモ
ールドの水冷部との間に、ブレークリングの外側空間を
全周的にシールするOリング類をそれぞれ設けたもので
ある。「Oリング類」としては、ゴム製の通常のOリン
グのほか、プラスチック系・無機質系・金属系などの環
状のガスケットやパッキン、およびその他のリングを含
み、フィードノズル等の表面を覆う膜状のもの(金属箔
など)は含まない(請求項2についても同様)。 本考案
の請求項2の水平連続鋳造装置は、タンディッシュの前
部に円環状の突出部を形成するとともに、その突出部内
に嵌まる円柱状の挿入部をモールドの上流端付近に形成
し、この挿入部の外周と上記突出部の内周との間に、ブ
レークリングを含むすべての接続用耐火物の外側空間を
全周的にシールするOリング類を設けたものである。
【0012】
【作用】本考案の請求項1および2の水平連続鋳造装置
においては、タンディッシュとモールドとが連結された
状態で、上記それぞれのOリング類により、ブレークリ
ングの外側空間が全周的にシール(密封)される。した
がって、鋳片とモールドとの間のオシレーションによっ
て凝固殻がブレークリングの前面もしくは背面の付近か
ら間欠的に引きはがされるとしても、その回りのどこか
らもモールド内には外気が侵入しない。
【0013】またこの点に関連してつぎの特徴がある。
すなわち、 1) 請求項1・2のいずれの発明においても、ブレー
クリングを特別な形状や構造にする必要がないので、そ
のコストの上昇がなく、したがって鋳造費用の上昇もほ
とんどない。モールドの水冷部やモールド組付け用の環
状物、フィードノズルまたはタンディッシュには、シー
ル部材を備えるための溝もしくは平滑面等を形成する必
要があるが、その形成は部品の大型化をともなわずに容
易に行えるうえ、いずれの部品も材料費はブレークリン
グよりもかなり低いため、コスト増にはつながらない。
なおこれらの部品は、ブレークリングほど厳しい使用条
件下にあるものではないため、本考案の実施によって各
部品自体が壊れやすくなったり鋳造の安定性が失われた
りする恐れはない。
【0014】2) 請求項1・2のいずれの発明におい
ても、シール用の部材は、ブレークリングそのものには
接触せず、それよりも低温度になりやすいその外側の位
置でフィードノズルの外周付近もしくは外周面、タンデ
ィッシュ、またはモールドに接して設けられることか
ら、たとえばゴム製のOリングであっても十分な耐用性
が保たれる。その理由を請求項1の発明についていえ
ば、フィードノズルは上記のコスト面や使用条件などか
ら大径化が容易(従来もブレークリングよりは大型であ
る)なうえ、熱伝導率の低い材料を用いることも可能な
ので、Oリング類が装着される外周付近や外周面の温度
を同部材の劣化温度以下にすることが難しくないからで
ある。なおモールドについては、水などで冷却されてい
るため、該当部分(水冷部ならびに環状物)は当然なが
ら容易に低温度にできる。一方、請求項2の発明におい
てOリング類が十分な耐用性をもつのは、前記した円環
状の突出部を大径に形成して熱源(ブレークリング等の
ある中央部付近)から離しておけば、タンディッシュに
ついても、Oリングが接触する部分の温度を容易に低く
できるからである。いうまでもないが、Oリング類は、
ブレークリングとモールドもしくはフィードノズルとで
挟まれるのではないため、Oリングが溶損してそこへ溶
湯が差し込むというようなおそれはない。
【0015】3) ブレークリングは、その前部(下流
側)にあるモールドと後部(上流側)にあるフィードノ
ズルもしくはタンディッシュとの間で外側空間が全周的
にシールされるため、ブレークリングの前面ばかりでな
く背面への外気の侵入も確実に防止される。とくに請求
項1の発明の場合は、ブレークリングは、モールドの水
冷部とフィードノズルの外周付近との間でまずシールさ
れ、さらにその外方において、フィードノズルの外周面
とモールドの環状物との間およびその環状物とモールド
の水冷部との間でそれぞれシールされるので、外気の各
侵入経路がいわば二重に遮断されていることになる。一
方、請求項2の場合は、タンディッシュの突出部とモー
ルドの挿入部との間でタンディッシュ・モールド間(つ
まり両者間のすべての接続用耐火物の外側空間)が広く
シールされるので、ブレークリングに限らずすべての接
続耐火物の前面および背面から外気の侵入することが防
止される。
【0016】
【実施例】図1(a)・(b)に本考案の第一実施例を
示す。図1(a)には、水平連続鋳造装置のうちタンデ
ィッシュ1の一部やモールド2などについて示し、図1
(b)にはモールド2の上流端付近(図1(a)のb
部)の詳細を示してある。図示の水平連続鋳造装置は、
円形断面(モールド2等を変更すれば他にも適用でき
る)の鉄綱の鋳片5を鋳造するものである。なお、この
実施例は、請求項1および2のいずれに含まれるもので
もない。
【0017】図1(a)に示すように、モールド2は、タ
ンディッシュ1の出湯口に対し、いくつかの接続用耐火
物10を介して連結されている。タンディッシュ2は、
鉄皮1aの内側に耐熱レンガなどの耐火物1bを張った
もの、またモールド2は、銅合金製のモールドチューブ
2aの外側に仕切り管2bと水冷ジャケット2cなどを
組み付けたものである。ジャケット2cの入口管2dか
ら出口管2eにかけて流される冷却水によりチューブ2
aが冷やされているため、タンディッシュ1に保持され
たうえ接続用耐火物10を通ってモールド2内へ供給さ
れる溶鋼4は、そこで外周から凝固殻5aとなり、引抜
き・停止を繰り返す間欠運動を与えられながら鋳片5と
して引き出される。
【0018】接続用耐火物10としては、ブレークリン
グ11がモールド2(チューブ2a)の上流端に装着さ
れ、その上流側に、フィードノズル12・不定形耐火材
13・スライディングノズル14・タンディッシュノズ
ル15がこの順に接続されている。スライディングノズ
ル14は、溶鋼4の通過口を有する三枚のセラミック板
を組み合わせ、ボルト14aによってそれらをタンディ
ッシュ1に取り付けたもので、モールド2への溶鋼4の
供給を開始および停止する。不定形耐火材13とは、モ
ールド2に取り付けたフィードノズル12の背面に、タ
ンディッシュ1との接続に先だって塗り付けたモルタル
状の耐火材であり、タンディッシュ1とモールド2の接
続の際にフィードノズル12・スライディングノズル1
4の両者にはさみ込まれて固化したものである。
【0019】図1(b)に示すように、ブレークリング1
1は、外周にテーパ面11aが形成されており、同様の
テーパ面をもつモールドチューブ2aの上流端にその一
部を嵌め入れられている。そしてフィードノズル12
が、そのブレークリング11の背面に前面を密着させ、
押え金具12aにてモールド2寄りに押し付けられて固
定されている。ブレークリング11を、モールド2に対
しこのようにテーパ面11aを接して押し込むかたちで
装着したのは、それとチューブ2aとの接触面圧を高く
して両者間への溶鋼4や凝固殻5aの侵入を防止するこ
とと、ブレークリング11を圧縮応力状態にして鋳造中
の割れを防ぐことをねらいとする。一般的に使用される
ブレークリング11は窒化ホウ素(BN)製、フィード
ノズル12はジルコニア(ZrO2)製である。なお、図
中の符号2fは、チューブ2aと水冷ジャケット2cと
を組み付けるための固定環、また符号2gは、チューブ
2a・ジャケット2c間の冷却水シール用Oリングであ
る。
【0020】ブレークリング11と、モールドチューブ
2aやフィードノズル12との接触面は上記のように密
着度の高いものではあるが、前記した凝固殻5aの間欠
運動にともなって微小な隙間から外気(空気)の侵入す
る可能性があるため、その防止策として、この装置には
下記の工夫を施している。すなわち、ブレークリング1
1よりも外側で、フィードノズル12の前面とモールド
チューブ2aの後端面との間にOリング21をはさんで
装着している。Oリング21は、耐熱度の高いシリコン
ゴム製(劣化温度は約230℃)のもので、チューブ2
aの後端面に形成した溝2xに、モールド2へのフィー
ドノズル12の取り付けの前に嵌め込んでおくものとし
た。また、このOリング21に接するフィードノズル1
2の前面部分は平滑に仕上げてある。
【0021】凝固殻5aの運動に起因して外気が侵入す
るとすれば、ブレークリング11の外周のテーパ面11
aとチューブ2aとの接触部、またはブレークリング1
1の背面とフィードノズル12の前面との接触部をその
経路とするが、上記によりこの装置では、それらいずれ
の経路によっても外気の侵入することがない。Oリング
21によってシールした上記の位置は、いずれの経路で
外気が侵入するとしても必ず通過する部分だからであ
る。外気の侵入がないために、鋳片5の内部もしくは表
面にそれに基づく欠陥が発生せず、鋳造品質が向上する
ことになる。ただし鋳造の開始直後に限っては、Oリン
グ21とブレークリング11・フィードノズル12・チ
ューブ2aの四者で囲まれた閉空間内の空気が、その内
側つまり鋳片5内に引き込まれる可能性がある。
【0022】なおOリング21は、ブレークリング11
の外径に比べてその径を大きくするほど、フィードノズ
ル12の外周寄りの比較的低温部分に接触させられるこ
とになり耐用上このましいが、逆に径が小さいほど、上
記の四者で囲まれた閉空間の容積が減るので、鋳造初期
の鋳片5内への空気の侵入が早めに終息する。Oリング
21の耐用性に関しては、それの嵌まる溝2xをチュー
ブ2aの側に設けたことも好都合である。水冷されてい
てあまり温度が上昇しないチューブ2aに対して、図の
ように断面上の三方でOリング21が接触するからであ
る。またフィードノズル12の材料(ジルコニア)は極
めて熱伝導率が低く、したがってその外周付近の温度が
上昇しにくいことも、Oリング21の耐用性が高くなる
理由である。
【0023】図2には、本考案の水平連続鋳造装置につ
いての第二実施例を示している。図において、前記第一
実施例(図1)と同一名称の部品には同一の符号を付
し、以下で説明を繰り返すことは省略する。なお、この
第二実施例も請求項1・2のいずれにも含まれない。
【0024】この実施例の装置が第一実施例の装置と異
なるのは、前記のOリング21に代えて、二本のOリン
グ22をフィードノズル12とモールドチューブ2aと
の間に装着したことである。二本のOリング22は互い
に同じ材質(シリコンゴム)だが、径寸法がやや異なる
ため図のように半径方向に接して並び、チューブ2aの
溝2y内に保持される。シールが二重となることから、
外気の侵入防止効果は第一実施例の場合よりも高くな
る。
【0025】なお、この例で使用したブレークリング1
1は、前記のように外周にテーパ面をもたず、ストレー
ト部分11bの後部に多少の大径部分11cをもつ二段
太さのものである。それが図のように、チューブ2aに
対し、その端面に大径部分11cが当たるまでストレー
ト部分11bを嵌め込んで装着されている。このような
ブレークリング11は、均一径のチューブ2aに対する
ストレート部分11bの嵌め合い径を両者間に溶鋼が入
らぬように定める必要があり、また強度上、前記テーパ
面からの圧縮応力が不必要でなければならないが、そう
いった条件を満たす以上は接続用耐火物としてむしろ好
ましい。テーパ面方式のブレークリング11なら、チュ
ーブ2aとの嵌め合い寸法のわずかな違いによって挿入
深さ(したがってチューブ2aの端面より突出する寸
法)が異なり、Oリング21(または22)のはさみ付
け状態を含めて接続後の各部品の位置関係が一定しない
が、図2のようなブレークリング11なら、大径部分1
1cの長さが一定である限り(この点は容易に実現され
る)、そういった位置関係の狂うことはないからであ
る。こうしたブレークリング11は、チューブ2aとの
間の密着度が前記のテーパ面方式のものほど高くはない
が、二本のOリング22によりシールがなされているた
め、外気の侵入を防ぐ点では効果に遜色がない。
【0026】つづく図3は、本考案の第三実施例を示
す。この実施例は、請求項1に記載した考案を具体化し
た一例である。この例についても、第一または第二実施
例と同一名称の部品には同一の符号を付し、説明の繰り
返しを省略する。
【0027】この実施例では、フィードノズル12とモ
ールドチューブ2aとの間には一本のOリング21を介
装しただけだが、それを二本並べる代わりに、さらに外
側の別の部品間において外気の侵入を防いでいる。すな
わち、チューブ2aと水冷ジャケット2cとを組み付け
るための固定環2fにOリング23およびOリング24
を取り付け、それぞれを介して、チューブ2aと固定環
2fとの間およびフィードノズル12と固定環2fとの
間をシールしたのである。Oリング21に達するまでの
外気は、Oリング23・24のいずれかの装着部分を通
過しなければならないことから、シールを二重に施した
前記第二実施例と同様の効果がもたらされる。
【0028】図4の第四実施例は、図2に示した第二実
施例と同様にフィードノズル12とモールドチューブ2
aとの間に二本のOリング22をはさんでいるが、フィ
ードノズル12のうちOリング22に接する外周部分1
2bの温度を低くするよう、その内側に凹部12cを形
成した例である(この実施例も請求項1・2には含まれ
ない)。溶鋼に接するフィードノズル12の内側付近か
らその内部を経て外周部分12bへ向かう熱が、この凹
部12cの分だけ遠回りして伝導するため、Oリング2
2などの径を大きくしなくても、温度の低い外方にその
装着部分を移したのと同じ効果がある。
【0029】この図4の例では、接続用耐火物10のう
ちにスライディングノズルが使用されていない。接続用
耐火物10としては、ブレークリング11に対するシー
ルとは関係なく、鋳造装置の仕様や鋳造条件に応じ、各
種の用途・材料・形状のものが選択されて使用されるの
である。したがって場合によっては、Oリングなどのシ
ール部材を、フィードノズル12以外の(もちろんブレ
ークリング11でもない)他の接続用耐火物とモールド
2との間に装着するのがよいこともある。
【0030】図5に示す第五実施例は、シール部材であ
るOリング25を、モールド2とタンディッシュ1との
間に設けたもので、請求項2の考案の実施例である。こ
の例は比較的小型の鋳造装置に関するが、接続用耐火物
10として、ブレークリング11とタンディッシュノズ
ル15、および石綿状の耐熱ガスケット16のみが図の
ように使用されている。接続用耐火物10の数が少ない
のに関連してタンディッシュ1とモールド2がごく近く
に配置されることから、その両者の間にOリング25を
装着したのである。
【0031】詳しく述べると、タンディッシュ1の前部
において鉄皮1aに円環状に突出部1cを形成し、モー
ルド2は、チューブ2aの上流端付近をその突出部1c
に入る太さにしたうえ、その周面上に溝2zを設けてO
リング25を嵌め込んだ。タンディッシュ1の側ではあ
らかじめノズル15の前面にガスケット16を仮づけす
る一方、モールド2の側ではブレークリング11とOリ
ング25を該当箇所に取り付けておき、鋳造に先だって
そのモールド2をタンディッシュ1に組み付けると、図
の状態になる。この組み付けの際、突出部1cはモール
ド2の位置ぎめ(軸心あわせ)に利用できる。また、O
リング25をモールド2の端面でなく周面上に取り付け
ているので、タンディッシュ1とモールド2の組み付け
完了前にそれが脱落せぬよう注意する必要がない。Oリ
ング25によるシールが、各接続用耐火物10の寸法誤
差や熱膨張などによる接続寸法の相違もしくは接触面圧
の変化とは関係ない点にも特長がある。
【0032】図の状態でモールド2を固定したのち鋳造
を行うが、ブレークリング11およびガスケット16の
外側空間がOリング25で全周的にシールされているの
で、モールド2の内側へ外気の侵入することはない。も
し、Oリング25の内側にある閉空間内の空気が鋳造初
期等に問題になるなら、たとえば、突出部1cを通して
閉空間から外部に至る配管を設け、真空ポンプ等でその
空気を除去しておけばよい。
【0033】以上、いくつかの実施例を紹介したが、本
考案は、ほかにも下記のように実施することができる。
【0034】1) シール用の部材として各種のものを使
用することができる。モールドやタンディッシュ・接続
用耐火物には熱膨張がともなうので、それに追随できる
だけの弾性を有するものが必要だが、ゴム製のOリング
のほかにも、プラスチック系・無機質系・金属系等の材
料からなるガスケットやパッキン、あるいは、一般的に
はOリングと呼ばれない形状のリング類が使用できる。
装着部分の温度を低くできるので、使用可能な材料が多
い。矩形断面の鋳片を得るための連続鋳造装置なら、モ
ールドや接続用耐火物の断面も矩形であることが多いの
で、シール用の部材を矩形リング状にすべき場合もあ
る。
【0035】2) 考案の装置を非鉄金属の鋳造にも使用
できることは言うまでもないが、鋳片を間欠的に引き抜
くタイプの水平連続鋳造装置以外にも、本考案は適用可
能である。たとえば、鋳片を一定の速度で連続的に引き
抜きながら、モールドを(連結されたタンディッシュと
ともに)オシレーションさせる装置においても、本考案
を適用して鋳片内への空気の侵入防止を図ることができ
る。また本考案の技術的思想は、タンディッシュに対し
モールドを下方に向けて(つまり水平ではないが)接続
用耐火物を介し連結した連続鋳造装置にも転用できる。
【0036】
【考案の効果】本考案の水平連続鋳造装置は、ブレーク
リングの回りからモールド内への外気の侵入を防止する
ことにより、高品質の鋳片を鋳造する。それについて、
a)ブレークリングのコストアップを招かない、b)シール
部材の耐用性(寿命)を確保しやすい、c)ブレークリン
グの背面からの空気の侵入も防止されるため、溶湯の温
度が低いときなど、鋳造条件が最適でない場合等にも有
効である−といった特有のメリットがある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本考案の第一実施例であって、図1(a)は、水
平連続鋳造装置のうちタンディッシュの一部やモールド
などについての断面図、同(b)は、同(a)におけるb部
(ブレークリング付近)の詳細図である。
【図2】本考案の第二実施例について、ブレークリング
付近を示す断面図である。
【図3】本考案の第三実施例についての上記と同様の断
面図である。
【図4】本考案の第四実施例についての上記と同様の断
面図である。
【図5】本考案の第五実施例に関するタンディッシュ・
モールド間の接続部を示す断面図である。
【図6】従来の一般的な水平連続鋳造装置を示す断面図
である。
【符号の説明】
1 タンディッシュ 2 モールド 5 鋳片 10 接続用耐火物 11 ブレークリング 12 フィードノズル 21・22・23・24・25 Oリング(シールする
部材)

Claims (2)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブレークリングやそれに接するフィード
    ノズルを含む接続用耐火物を介しタンディッシュとモー
    ルドとが連結された状態で鋳造を行う水平連続鋳造装置
    であって、モールドの水冷部とフィードノズルの外周付近との間、
    フィードノズルの外周面とモールド組付け用の環状物と
    の間、およびその環状物とモールドの水冷部との間に、
    ブレークリングの外側空間を全周的にシールするOリン
    グ類をそれぞれ設けたことを特徴とする水平連続鋳造装
    置。
  2. 【請求項2】 ブレークリングを含む接続用耐火物を介
    しタンディッシュとモールドとが連結された状態で鋳造
    を行う水平連続鋳造装置であって、 タンディッシュの前部に円環状の突出部を形成するとと
    もに、その突出部内に嵌まる円柱状の挿入部をモールド
    の上流端付近に形成し、この挿入部の外周と上記突出部
    の内周との間に、ブレークリングを含むすべての接続用
    耐火物の外側空間を全周的にシールするOリング類を設
    けた ことを特徴とする水平連続鋳造装置。
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