JP7157610B2 - 下部ノズル一体プレート - Google Patents

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本発明は、溶融金属の流量を制御するためのスライディングノズル装置に使用される下部ノズル一体プレートに関する。
溶鋼鍋等の取鍋において、溶融金属の流量制御を行うためにスライディングノズル装置が一般的に使用されている。このスライディングノズル装置には耐火物製の上部ノズル、上部プレート、下部プレート及び下部ノズルが使用されている。これらの耐火物部材をスライディングノズル装置に取り付ける際には、上部プレートには上部ノズルが、下部プレートには下部ノズルがそれぞれモルタル等を介して接合される。
これらの耐火物部材は損耗して寿命となると、スライディングノズル装置から古い耐火物部材を取り出して、新しい耐火物部材に交換しなければならない。この交換作業は、高温雰囲気下での人による作業であり、作業負担が大きく改善が望まれている。中でも下部ノズルは、従来一般的にはノズル保持具を使って着脱しなければならないこと、及び他の耐火物部材と異なりスライディングノズル装置のノズル保持具を介して外側に取り付けられていることから、他の耐火物部材よりも着脱作業に手間を要する問題があった。さらに、下部ノズルの着脱はロボットを使って自動化する上でもロボットの動作が複雑になる問題があった。
なお、ノズル保持具とは、下部ノズルを下部プレートに接続するための下部ノズルの保持具のことである。下部プレートはスライディングノズル装置のスライド金枠に収納固定されており、ノズル保持具はこのスライド金枠に下部プレートとは反対側から下部ノズルを保持した状態で締付固定される。これにより、下部ノズルは下部プレートに押し付けられて締付固定される。ノズル保持具のスライド金枠への締付固定方法としてはバヨネットやボルトなどが使用されている。そしてスライド金枠をスライドすることで下部プレートは下部ノズルと接続された状態で上プレートに対して摺動する。
そこで、下部ノズルの交換作業をなくすために、下部ノズルと下部プレートを一体化する構造が考えられる。一体化することで他の耐火物部材と同じタイミングでスライディングノズル装置を開いた状態で着脱することができるメリットがある。ところが、下部ノズルと下部プレートを一体化する場合には以下のような問題がある。
下部ノズルには、ロングノズルが接続されるが、溶融金属の流量を制御するために下部プレートを摺動する際、ロングノズルも一緒に動かすため、下部ノズルには摺動方向に対する反力が掛かることになる。従来の構造ではこの反力は、ノズル保持具が下部ノズルを下部プレートに押し付けることで、このノズル保持具で受けていたため、下部ノズルと下部プレートとの間の目地が開く等の問題はほとんど生じなかった。ところが、下部ノズルと下部プレートを一体化した構造の場合、下部ノズルを下部プレートに押し付ける必要がないため、従来のノズル保持具は不要になる。ただし、ノズル保持具を使用しない場合、下部プレートと下部ノズルとの接合部には、下部ノズルの自重に加えて前述の反力が掛かることになる。
例えば、特許文献1の第7図に対応する図5の構造では、下部ノズル52と下部プレート54の接続部(境界部)において下部ノズル用メタルケース50が曲げ加工(プレス加工)され、同文献の第8図に対応する図6の構造では、下部ノズル用メタルケース50の上端部は上端フランジ部55として外側に曲げ加工(プレス加工)されている。このような構造では、曲げ加工部に前述の反力が掛かるが、曲げ加工部は加工によって強度が低下しているため、使用中に下部ノズルがぐらついて目地部に隙間が発生したり、下部ノズル本体に亀裂が発生することがある。目地部に隙間が発生すると溶融金属が隙間から漏出する問題が生じる。
そこで厚みの厚い(例えば5mm程度)メタルケースを使用することも考えられるが、曲げ加工時に曲げ部分の半径が大きくなりメタルケースと下部ノズルとの間に隙間が発生する。このため、図5や図6のように下部ノズルと下部プレートの接続部においてメタルケースに曲げ加工を伴う構造では、特にその接続部の側面側(水平方向側)の保持力(強度)が不足することとなり、やはり目地部の隙間の発生や下部ノズル本体に亀裂が生じやすくなる問題が生じる。
また、メタルケースの厚みが厚くなると、曲げ加工部にはその曲げ加工の過程で、曲げ加工部あるいはその周辺にしわや割れが発生するという問題も生じやすくなり現実的ではない。また、このような曲げ加工には耐火物の形状毎に専用の金型が必要となりコストがかかる問題もある。
特開昭61-126957号公報
本発明が解決しようとする課題は、スライディングノズル装置で使用される下部ノズル一体プレートにおいて、下部ノズルがノズル保持具で締付固定されず、かつロングノズルが下部ノズルに接続される条件で使用されても、下部ノズルと下部プレートとの接続部に十分な強度を確保できるようにすることにある。
本発明の一観点によれば、次の下部ノズル一体プレートが提供される。
下部ノズルのメタルケースと下部プレートの背面金属板とが溶接されることで下部ノズルと下部プレートとが一体化されており、スライディングノズル装置において下部ノズルがノズル保持具で締付固定されず、かつロングノズルが下部ノズルに接続される条件で使用される下部ノズル一体プレートであって、
下部プレートの背面金属板の切り欠き部の内面と下部ノズルのメタルケースの側面とが対向するように、前記下部プレートの背面金属板の切り欠き部に前記下部ノズルのメタルケーが嵌合し、かつこの嵌合部が溶接されている、下部ノズル一体プレート。
本発明によれば、下部プレートの背面金属板の切り欠き部に下部ノズルのメタルケーが嵌合し、かつこの嵌合部が溶接されていることから、ロングノズルに接続した状態で下部プレートを摺動しても、下部プレートと下部ノズルとの接続部に十分な強度を確保できる。これにより、下部ノズル一体プレートの使用時に、目地部の隙間、下部ノズル本体の亀裂等が発生することを抑制できる。また、スライディングノズル装置の耐火物部材交換時には、従来の下部ノズルの着脱工程がなくなり、交換作業の能率が大幅に向上する。
本発明の一実施形態である下部ノズル一体プレートを示す縦断面図。 図1の下部ノズル一体プレートにおける下部ノズルと下部プレートとの接続部(溶接部)の拡大図。 図1の下部ノズル一体プレートを構成する下部プレートを示し、(a)は縦断面図、(b)は背面図。 図1の下部ノズル一体プレートを構成する下部ノズルを示し、(a)は縦断面図、(b)は平面図。 従来の下部ノズル一体プレートを示す縦断面図(特許文献1の第7図)。 従来の下部ノズル一体プレートを示す縦断面図(特許文献1の第8図)。
図1に本発明の一実施形態である下部ノズル一体プレートを示し、この下部ノズル一体プレートを構成する下部プレートと下部ノズルをそれぞれ図3と図4に示している。
まず図3を参照すると、下部プレート2は、耐火物製の下部プレート本体21と、下部プレート本体21の側面に設けられた金属製のバンド25と、下部プレート本体21の背面に設けられた背面金属板23とからなる。下部プレート本体21は、溶融金属が通過するためのノズル孔22と、このノズル孔22を含む突出部26とを有する。バンド25の厚みは4mmで焼嵌めによって下部プレート本体21の側面に設けられており、このバンド25に厚み4.5mmの背面金属板23が溶接されることで取り付けられている。背面金属板23は、突出部26を貫入するための、ノズル孔22と同心の円形の切り欠き部24と、下部プレート2を保持するスライド金枠と係合するための係合孔27とを有しており、この切り欠き部24と係合孔27を除いて下部プレート本体21の背面全面を覆っている。
次に図4を参照すると、下部ノズル3は、下部プレート2のノズル孔22と同じ径のノズル孔33を含む耐火物製の下部ノズル本体31と、この下部ノズル本体31の先端(下流側端部)から10mmの部分を除いて側面全体を覆う厚み2mmのメタルケース32とからなる。下部ノズル本体31は、上流側端部にノズル孔33と同心で横断面が円形の凹部34を有している。メタルケース32と下部ノズル本体31の間にはモルタル8が充填されている。
次に図1及び図2を参照すると、下部ノズル一体プレート1は、前述の下部プレート2と下部ノズル3とからなる。この下部ノズル一体プレート1において、下部ノズル3の凹部34に下部プレート3の突出部26が嵌合目地部6(目地材7)を介して嵌合することで耐火物どうしが接合している。目地材7としてはモルタルを使用し、下部プレート2と下部ノズル3とを圧着することでモルタルが圧縮されて密着性を高めている。この目地材7よりなる嵌合目地部6の厚みは、内側水平目地61を1mmとし、縦目地62と外側水平目地63を2mmとしている。
特に図2を参照すると、下部ノズル3と下部プレート2とは前述のように嵌合目地部6で接合され、さらにメタルケース32は背面金属板23の円形の切り欠き部24に隙間が小さい状態で嵌合し、メタルケース32の側面と背面金属板23の表面とが溶接部4として溶接されている。ここで、円形の切り欠き部24は直径162mmとしレーザー加工で設けた。メタルケース32の外径は160.8mmであり、切り欠き部24との隙間は1.2mm(片側で0.6mm)とした。また、溶接部4の脚長は3mm、のど厚は2.1mmとした。溶接部4は下部ノズルのメタルケース32の全周にわたって設けられている。なお、下部プレート本体21と下部ノズル本体31はアルミナカーボン製の耐火物である。
図2に明確に表れているように、メタルケース32の側面と切り欠き部24の内面とが対向するように下部ノズル3が円形の切り欠き部24に嵌合している。下部ノズル一体プレート1の使用中は前述のとおり、下部プレート2の摺動によりロングノズルが溶融金属中で水平方向に移動するため、下部プレート2と下部ノズル3との接合部に摺動方向に対する反力が掛かるが、この接合部に掛かる反力は、この実施形態では背面金属板23の切り欠き部24の内面から背面金属板23全体で受け止めることができるため、背面金属板23の変形がほとんどなく、下部プレート2と下部ノズル3との接合部の開きや下部ノズル本体31の亀裂は発生し難い。
このように、溶接部を十分な強度とするためには、溶接部は下部ノズルのメタルケースの全周に設けることが好ましい。全周を溶接することで、接合部にかかる反力に確実に対抗することができ、目地部の開きを防止する効果が高まる。このとき、溶接部の脚長は1mm以上5mm以下、のど厚は1mm以上4mm以下とすることができる。
背面金属板23は、図3(a)に示しているように側面のバンド25に溶接することで設けることができる。また、背面金属板23と側面のバンド25を溶接せずにプレス加工で製作した箱型としても良い。また、背面金属板23は下部プレート2のノズル孔22の周囲のみを覆うように設けても十分であり、必ずしも下部プレート2の背面全体を覆う必要はない。
背面金属板23の厚みは下部ノズル3との接合部の強度に影響を与えるため、下部ノズル一体プレート1の使用回数、ロングノズルの大きさなどによって必要な厚みとすれば良く、下部プレート2の重量増加とのバランスを考慮すると、例えば3mm以上10mm以下とすることができる。なお、より接続部の強度を確保する場合には背面金属板23の厚みは4mm以上10mm以下とすることもできる。
一方、下部ノズル3に設けるメタルケース32の厚みは、溶接が可能な厚みであれば特に制約はないが、十分な溶接強度を確保するためには1.5mm以上とすることもできる。また、メタルケース32は下部プレート2との接合部を含む一部の領域に帯状に設けることも可能である。
また、前述のとおり背面金属板23の切り欠き部24は、レーザー加工によって形成することができるため、切り欠き部24を高い寸法精度で形成することができる。切り欠き部24を高い寸法精度で加工することができれば、下部ノズル3のメタルケース32の側面と下部プレート2の背面金属板23の切り欠き部24の内面とが隙間の小さい状態で嵌合することができる。これにより、接合部のぐらつきを抑制することができ、その結果、下部ノズル3と下部プレート2の嵌合目地部6の隙間の発生や下部プレート本体21や下部ノズル本体31の亀裂の発生を防止することができる。このメタルケースと切り欠き部24との隙間は、小さい程良いが小さすぎるとメタルケースに歪等があった場合には嵌合に手間を要すことになり、また隙間が大きすぎると溶接部の強度が不十分になるため0.3mm以上2mm以下(片側で0.15mm以上1mm以下)とすることができる。ここで切り欠き部とは、背面金属板の一部を切り取った部分のことで、背面金属板を曲げ加工した部分は含まないものとする。すなわち、切り欠き部の切取面は、背面金属板の表面に対して垂直になっている。なお、背面金属板の一部を切り取る方法は、レーザー加工やプレス加工等を採用することができる。
この下部ノズル一体プレート1によれば、スライディングノズル装置を開いて、従来の下部プレートを交換する作業と同じ作業で同時に下部ノズルも着脱することができる。このため下部ノズルの着脱工程が不要となり大幅に作業能率が向上する。なお、下部ノズルが一体化して重量物となり人による作業ができない場合には、バランサーなどの補助装置、あるいはロボットを利用することができる。
また、この下部ノズル一体プレート1によれば、メタルケース32を有する下部ノズル3と、背面金属板23を有する下部プレートとを目地材を介して接合した後に溶接を行うことができる。こうすることで、嵌合目地部6の厚みの管理を精度良く行うことができる。
一方、本発明では、図1に示す下部プレート一体プレート1において下部ノズル本体31をキャスタブルとして嵌合目地部6を有しない構造とすることもできる。具体的には、まず図3に示す下部プレート2に対して、図4に示すメタルケース32のみを図1と同様の方法で溶接固定する。その後、ノズル孔33となる芯棒と下部ノズル本体31の先端部(下流側端部)を形成するための外枠を設けた後、キャスタブルを流し込んで硬化後に芯棒と外枠を外し乾燥する。
この下部ノズル一体プレート1においてメタルケース32と背面金属板23との溶接部4を含む接合部は、通常の操業条件において十分な強度があり、嵌合目地部6の損傷を抑制することができる。ただし、予想外の操業時間の延長、特殊な耐火物の形状及び材質などによってメタルケース32と背面金属板23との接合部が長時間高温になる場合には、金属の強度低下が進行する可能性がある。
このような場合、下部プレート2と下部ノズル3との嵌合目地部6において、外側水平目地63の厚みが大きすぎると、使用時にロングノズルから受ける反力によって、摺動方向と反対側の外側水平目地63が圧縮され収縮する。外側水平目地63が圧縮されている時には同じ側の内側水平目地61には隙間が発生することになる。溶融金属の流量調整のために摺動方向は適宜変わるため、両側の内側水平目地61に隙間が発生することになる。そして、この隙間が大きくなると隙間に溶融金属が侵入し、溶融金属流の影響等によって隙間が拡大されてゆくと溶融金属の漏出が発生する危険性がある。このため、外側水平目地63の厚みが厚すぎると、内側水平目地61への溶融金属侵入の危険性がある。この点から外側水平目地63の厚みは3mm以下とすることができる。また、外側水平目地63の厚みが小さい場合には前述のロングノズルから受ける反力を十分には吸収できず、下部プレート本体21に亀裂が生じるなど耐火物部材が損傷する場合があるため、外側水平目地63の厚みは0.5mm以上とすることができる。
なお、嵌合目地部6に使用する目地材7は、通常、下部プレートと下部ノズルとの接合部に使用されているものであれば問題なく使用することができ、例えばモルタル、定形目地材、あるいはシート状目地材等である。
この下部ノズル一体プレート1は、メタルケース32と背面金属板23との接合部に曲げ加工部を有していないため、メタルケース32及び背面金属板23の曲げ加工による接合部の強度低下は生じない。このため最小限の厚みのメタルケース32や背面金属板23を使用できるため、重量増加を抑制することができる。
また、背面金属板23は前述のとおり、下部プレート本体21の背面に板状で設け、下部プレート本体21の側面に設けた金属製のバンド25に溶接することで固定する構造とすることができる。このような構造とすることで、背面金属板23に設けた切り欠き部24の中心と下部プレート2のノズル孔22の中心との位置精度を高くすることができる。
さらに、この下部ノズル一体プレート1はスライディングノズル装置で使用されるが、この際、下部ノズル3はノズル保持具で締付固定されない条件で使用される。したがって、本発明において下部ノズル3の側面には、従来、ノズル保持具で締付固定するために必要であった突起等の段差部を設ける必要はなく、図4の下部ノズル3も、その側面に段差部を有しない構造としている。
一方、従来の下部ノズルはスライディングノズル装置に取り付ける際、ノズル保持具で締付固定するために、例えばバヨネットタイプのノズル保持具ではハンマーでノズル保持具を叩いて回転させていたが、これによって下部ノズルの段差部に大きな力が掛かっていた。このため、従来のノズル保持具を使用した下部ノズルは、使用時の熱膨張によって段差部を起点として下部ノズル本体に亀裂が入りやすいという欠点があった。ところが、本発明の下部ノズル一体プレートは従来のノズル保持具が不要なため、このような下部ノズル本体へ亀裂が入ることがない。
また、下部ノズルの側面の段差部は、成形時にも応力が掛かるために成形中に内在亀裂が発生することがあり、成形に手間を要していたが、本発明において下部ノズルの側面には段差部を必要としないため、成形時の能率が向上する効果も得られる。
なお、本発明の下部ノズル一体プレートをスライディングノズル装置に取り付けた際に、連続鋳造中の溶鋼のスプラッシュ等から下部ノズルを保護するために、下部ノズルの周囲にスリーブを設けることができる。例えば、このスリーブはスライド金枠の下部ノズルが貫通する切り欠き部に下部ノズルの外径よりも大きな内径を有する金属製のスリーブをあらかじめ設けておくことができる。さらにこのスリーブに対して複数個所に外側からボルトを貫通して螺合し下部ノズルのメタルケースに当接させることで、万が一ロングノズルに想定外の大きな力が掛かった場合や溶接部が想定外の高温になった場合などでも連続鋳造中の下部ノズルの水平方向へのぶれを抑制することもできる。
本発明の下部ノズル一体プレートは、次の連続鋳造までの待機時間が例えば12時間以上ありスライディングノズル装置の温度が低下した後でも、再び次の連続鋳造で使用することが可能である。一方、従来のバヨネット構造では次の連続鋳造までの待機時間が長くなるとスライディングノズル装置の温度が下がるためノズル保持具が緩むことがあり、緩んだ場合には目地に隙間が発生し問題となる。このため、多くの使用現場では、次の連続鋳造までの待機時間が5~8時間以上になる場合には、下部ノズルを交換している。本発明の下部ノズル一体プレートは使用された後に冷却されても溶接部の強度が十分あり強固な接合状態が維持されているため目地の開きが発生しない。
図1の下部ノズル一体プレート1を取鍋(溶鋼鍋)のスライディングノズル装置で、ノズル保持具を使用せず、長さ約1mのロングノズルを装着して実機で使用した。この際、背面金属板23の厚みが3mmと4.5mmmのそれぞれの下部ノズル一体プレート1を各20セット使用した。
実機の使用条件は、ノズル一体プレートを1セットについて1回の連続鋳造時間が平均70分の条件で4回繰り返し使用し、合計各20セットを使用した。これらの40セットの使用後の外観及び縦断面を観察した結果、メタルケース32と背面金属板23の変形や損傷はなく、しかも下部ノズル3と下部プレート2との接合部への溶鋼侵入及び下部ノズル本体31の亀裂がないことを確認した。また、操業時間の都合により前の連続鋳造が終わって、次の連続鋳造までの待機時間が約12時間空いた場合が各5セットあったが、これらも目地部の異常がないことを確認した。
1 下部ノズル一体プレート
2 下部プレート
21 下部プレート本体
22 ノズル孔
23 背面金属板
24 切り欠き部
25 バンド
26 突出部
27 係合孔
3 下部ノズル
31 下部ノズル本体
32 メタルケース
33 ノズル孔
34 凹部
4 溶接部
6 嵌合目地部
61 内側水平目地
62 縦目地
63 外側水平目地
7 目地材
8 モルタル
50 下部ノズル用メタルケース
51 下部プレート用メタルケース
52 下部ノズル
54 下部プレート

Claims (6)

  1. 下部ノズルのメタルケースと下部プレートの背面金属板とが溶接されることで下部ノズルと下部プレートとが一体化されており、スライディングノズル装置において下部ノズルがノズル保持具で締付固定されず、かつロングノズルが下部ノズルに接続される条件で使用される下部ノズル一体プレートであって、
    下部プレートの背面金属板の切り欠き部の内面と下部ノズルのメタルケースの側面とが対向するように、前記下部プレートの背面金属板の切り欠き部に前記下部ノズルのメタルケーが嵌合し、かつこの嵌合部が溶接されている、下部ノズル一体プレート。
  2. 嵌合部は全周が溶接されている、請求項1に記載の下部ノズル一体プレート。
  3. 背面金属板は下部プレートの側面に設けられたバンドに溶接されている、請求項1又は請求項2に記載の下部ノズル一体プレート。
  4. 背面金属板の厚みが3mm以上10mm以下である、請求項1から請求項3のいずれか一項に記載の下部ノズル一体プレート。
  5. 下部ノズルの上流側端部に設けられたノズル孔を含む凹部に、下部プレートのノズル孔を含む突出部が、目地材を介して嵌合して嵌合目地部を形成しており、この嵌合目地部の外側水平目地の厚みが0.5mm以上3mm以下である、請求項1から請求項4のいずれか一項に記載の下部ノズル一体プレート。
  6. 下部ノズルの側面に、ノズル保持具で締付固定するための段差部を有しない、請求項1から請求項5のいずれか一項に記載の下部ノズル一体プレート。
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