JPH07303421A - キノコ類の容器栽培法 - Google Patents
キノコ類の容器栽培法Info
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- JPH07303421A JPH07303421A JP6123117A JP12311794A JPH07303421A JP H07303421 A JPH07303421 A JP H07303421A JP 6123117 A JP6123117 A JP 6123117A JP 12311794 A JP12311794 A JP 12311794A JP H07303421 A JPH07303421 A JP H07303421A
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- Japan
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- culture
- culture medium
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Abstract
(57)【要約】
【目的】多額の設備投資を必要とせずに従来の施設をそ
のまま使用し、短期間に高収率で品質良好なキノコを収
穫し得るキノコ類の容器栽培法を提供する。 【構成】人工培養基を使用するキノコ類の容器栽培にお
いて、培養基の含水率を65%以上に調整し、接種した
菌糸が培養基全体に蔓延する以前に、培養容器の施蓋を
解除し、培養基の上下を培養容器ごと反転させて倒立開
放培養とし、環境湿度が80%以上となる様に加湿また
は定期散水を行ないながら培養する。
のまま使用し、短期間に高収率で品質良好なキノコを収
穫し得るキノコ類の容器栽培法を提供する。 【構成】人工培養基を使用するキノコ類の容器栽培にお
いて、培養基の含水率を65%以上に調整し、接種した
菌糸が培養基全体に蔓延する以前に、培養容器の施蓋を
解除し、培養基の上下を培養容器ごと反転させて倒立開
放培養とし、環境湿度が80%以上となる様に加湿また
は定期散水を行ないながら培養する。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、キノコ類の人工栽培法
に関するものであり、詳しくは、培養基の含水率を高め
に調整し、接種した種菌が培養基全体に蔓延する以前に
倒立開放培養とし、環境湿度80%以上の条件下で培養
を行なうことにより、短期間に高収率で品質良好なキノ
コを収穫し得る様に改良されたキノコ類の人工栽培法に
関するものである。
に関するものであり、詳しくは、培養基の含水率を高め
に調整し、接種した種菌が培養基全体に蔓延する以前に
倒立開放培養とし、環境湿度80%以上の条件下で培養
を行なうことにより、短期間に高収率で品質良好なキノ
コを収穫し得る様に改良されたキノコ類の人工栽培法に
関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、人工培養基を使用するキノコ類
の容器栽培においては、害菌の混入や培養基の乾燥を防
止するため、発生工程に移行する迄の間、培養容器に蓋
を施した状態で環境湿度を75%以下と低くした条件下
で培養を完了させることが行なわれている。また、培養
基の調整時における含水率は、培養の経時変化に伴って
培養基の下部含水率が高くなるため、65%以下に制限
されている。
の容器栽培においては、害菌の混入や培養基の乾燥を防
止するため、発生工程に移行する迄の間、培養容器に蓋
を施した状態で環境湿度を75%以下と低くした条件下
で培養を完了させることが行なわれている。また、培養
基の調整時における含水率は、培養の経時変化に伴って
培養基の下部含水率が高くなるため、65%以下に制限
されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
方法では、害菌の混入は少ないものの、培養容器内の炭
酸ガス濃度が常に10000ppm以上と高く、しか
も、培養容器からの炭酸ガスの放出がスムーズに行なわ
れずに通気が十分でないため、培養、熟成に長期間を要
するという欠点がある。
方法では、害菌の混入は少ないものの、培養容器内の炭
酸ガス濃度が常に10000ppm以上と高く、しか
も、培養容器からの炭酸ガスの放出がスムーズに行なわ
れずに通気が十分でないため、培養、熟成に長期間を要
するという欠点がある。
【0004】また、培養基調整時の含水率が65%以下
と低いため、培養の経時変化に伴い、培養基表面の水分
が徐々に発散するか又は下部に移行し、発生操作時まで
には菌床表面の含水率が低下して原基形成が良好に行な
われないという欠点も有している。
と低いため、培養の経時変化に伴い、培養基表面の水分
が徐々に発散するか又は下部に移行し、発生操作時まで
には菌床表面の含水率が低下して原基形成が良好に行な
われないという欠点も有している。
【0005】特開昭61−231920号公報には、培
養基を多孔板上に載置し、多孔板を通して培養基中に高
湿の空気を強制的に供給しながら培養を行なう方法が提
案されている。しかしながら、斯かる方法では、培養基
を完全開放状態において培養を行なうため、殺菌後の培
養を完全に無菌的に操作しなければならず、設備に多額
の投資を必要とする欠点がある。しかも、一旦汚染され
た場合には被害が甚大になるという欠点も有している。
養基を多孔板上に載置し、多孔板を通して培養基中に高
湿の空気を強制的に供給しながら培養を行なう方法が提
案されている。しかしながら、斯かる方法では、培養基
を完全開放状態において培養を行なうため、殺菌後の培
養を完全に無菌的に操作しなければならず、設備に多額
の投資を必要とする欠点がある。しかも、一旦汚染され
た場合には被害が甚大になるという欠点も有している。
【0006】また、特開平1−228414号公報に
は、培養室内の空気を吸気して室内気圧を低下させるこ
とにより栽培瓶中の炭酸ガス濃度が15%を超えない様
に管理する栽培方法が提案されている。しかしながら、
斯かる方法では、栽培瓶中の炭酸ガス濃度を15%以下
まで低下させるには、多量の換気を行なわなければなら
ず、培養におけるエネルギーコストが高くなり、しか
も、キノコの種類によっては瓶中の炭酸ガス濃度が効率
的に低下しないという欠点を有する。
は、培養室内の空気を吸気して室内気圧を低下させるこ
とにより栽培瓶中の炭酸ガス濃度が15%を超えない様
に管理する栽培方法が提案されている。しかしながら、
斯かる方法では、栽培瓶中の炭酸ガス濃度を15%以下
まで低下させるには、多量の換気を行なわなければなら
ず、培養におけるエネルギーコストが高くなり、しか
も、キノコの種類によっては瓶中の炭酸ガス濃度が効率
的に低下しないという欠点を有する。
【0007】本発明は、斯かる実情に鑑みなされたもの
であり、その目的は、多額の設備投資を必要とせずに従
来の施設をそのまま使用し、短期間に高収率で品質良好
なキノコを収穫し得るキノコ類の容器栽培法を提供する
ことにある。
であり、その目的は、多額の設備投資を必要とせずに従
来の施設をそのまま使用し、短期間に高収率で品質良好
なキノコを収穫し得るキノコ類の容器栽培法を提供する
ことにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記の目
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、キノコ類の培養
において菌糸の蔓延と熟成を遅延させる原因は、培養容
器からの炭酸ガスの放出が十分でないことが原因である
ことを見出した。そして、更に検討を重ねた結果、より
スムーズに炭酸ガスの放出を行なうために培養未完了の
状態で培養容器の施蓋を解除し、しかも、倒立開放培養
によって培養基の種菌接種部付近に水分を集中させ、且
つ、環境湿度を80%以上に保持するならば、上記の目
的を容易に達成し得るとの知見を得た。
的を達成すべく鋭意検討を重ねた結果、キノコ類の培養
において菌糸の蔓延と熟成を遅延させる原因は、培養容
器からの炭酸ガスの放出が十分でないことが原因である
ことを見出した。そして、更に検討を重ねた結果、より
スムーズに炭酸ガスの放出を行なうために培養未完了の
状態で培養容器の施蓋を解除し、しかも、倒立開放培養
によって培養基の種菌接種部付近に水分を集中させ、且
つ、環境湿度を80%以上に保持するならば、上記の目
的を容易に達成し得るとの知見を得た。
【0009】本発明は、上記の知見に基づき完成された
ものであり、その要旨は、人工培養基を使用するキノコ
類の容器栽培において、培養基の含水率を65%以上に
調整し、接種した菌糸が培養基全体に蔓延する以前に、
培養容器の施蓋を解除し、培養基の上下を培養容器ごと
反転させて倒立開放培養とし、環境湿度が80%以上と
なる様に加湿または定期散水を行ないながら培養するこ
とを特徴とするキノコ類の容器栽培法に存する。
ものであり、その要旨は、人工培養基を使用するキノコ
類の容器栽培において、培養基の含水率を65%以上に
調整し、接種した菌糸が培養基全体に蔓延する以前に、
培養容器の施蓋を解除し、培養基の上下を培養容器ごと
反転させて倒立開放培養とし、環境湿度が80%以上と
なる様に加湿または定期散水を行ないながら培養するこ
とを特徴とするキノコ類の容器栽培法に存する。
【0010】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、培養基は、通常、オガコと穀類ヌカに水を加え
て含水率を65%以上、好ましくは68〜70%に調整
することにより形成される。そして、通常、培養容器と
しては、プラスチック製の栽培瓶が使用される。培養容
器に充填された培養基の中央部には、菌糸の蔓延を良好
にするため、直径10〜20mmで底部に到達する接種
孔を設けるのが好ましい。
おいて、培養基は、通常、オガコと穀類ヌカに水を加え
て含水率を65%以上、好ましくは68〜70%に調整
することにより形成される。そして、通常、培養容器と
しては、プラスチック製の栽培瓶が使用される。培養容
器に充填された培養基の中央部には、菌糸の蔓延を良好
にするため、直径10〜20mmで底部に到達する接種
孔を設けるのが好ましい。
【0011】培養容器に充填された培養基は、常法に従
い、培養容器に蓋を施した後に殺菌処理される。殺菌処
理は、通常、高圧殺菌釜を使用して行なわれる。そし
て、培養基内温度が約120℃に達した後、同温度を1
時間程度維持することにより、完全殺菌を行なうことが
出来る。殺菌終了後の培養基は、無菌的に冷却される。
20℃以下に冷却された培養基は、接種室において無菌
的に種菌の接種が行なわれ、培養に供される。
い、培養容器に蓋を施した後に殺菌処理される。殺菌処
理は、通常、高圧殺菌釜を使用して行なわれる。そし
て、培養基内温度が約120℃に達した後、同温度を1
時間程度維持することにより、完全殺菌を行なうことが
出来る。殺菌終了後の培養基は、無菌的に冷却される。
20℃以下に冷却された培養基は、接種室において無菌
的に種菌の接種が行なわれ、培養に供される。
【0012】本発明においては、培養基全体に菌糸が蔓
延する以前に、好ましくは、培養基上部の60%程度に
まで菌糸が蔓延した状態で、培養容器の蓋を解除し、培
養基の上下を培養容器ごと反転させて倒立開放培養を行
なう。これにより、種菌接種部付近に水分を集中させる
ことが出来る。そして、開放容器とした後の培養は、培
養基の乾燥を防止するため、環境湿度が80%以上とな
る様に加湿または定期散水を行ないながら行なわれる。
延する以前に、好ましくは、培養基上部の60%程度に
まで菌糸が蔓延した状態で、培養容器の蓋を解除し、培
養基の上下を培養容器ごと反転させて倒立開放培養を行
なう。これにより、種菌接種部付近に水分を集中させる
ことが出来る。そして、開放容器とした後の培養は、培
養基の乾燥を防止するため、環境湿度が80%以上とな
る様に加湿または定期散水を行ないながら行なわれる。
【0013】倒立開放培養において、培養基から発生す
る炭酸ガスは、極めてスムーズに放出される。そして、
培養基の含水率を65%以上と通常よりも高めに調整し
てあるにも拘らず、倒立培養であるために培養容器の底
部に水が滞留して菌糸蔓延が遅くなるということもな
く、極めて短期間に菌糸の蔓延が完了する。培養管理に
おける炭酸ガス濃度は、3000ppm以下とするのが
好ましく、また、培養湿度は80〜95%の範囲が好ま
しい。
る炭酸ガスは、極めてスムーズに放出される。そして、
培養基の含水率を65%以上と通常よりも高めに調整し
てあるにも拘らず、倒立培養であるために培養容器の底
部に水が滞留して菌糸蔓延が遅くなるということもな
く、極めて短期間に菌糸の蔓延が完了する。培養管理に
おける炭酸ガス濃度は、3000ppm以下とするのが
好ましく、また、培養湿度は80〜95%の範囲が好ま
しい。
【0014】培養の完了した菌床は、概様態のままキノ
コの種類により、所定の熟成管理を経る。例えば、熟成
日数は、シイタケの場合で約40日間、ナメコの場合で
約10日間である。そして、その後、所定の発生処理を
施すことにより、菌床上部において良好に原基形成が行
なわれて収穫される。本発明によれば、常法に比べて多
くのキノコの収穫が可能となる。なお、熟成終了時にお
いて、種菌接種部付近の培養基の含水率は、常法の場
合、培養基調整時よりも低値となるが、本発明の場合、
培養容器口部に水分が集中するため、培養基調整時より
も3〜5%高くなる。
コの種類により、所定の熟成管理を経る。例えば、熟成
日数は、シイタケの場合で約40日間、ナメコの場合で
約10日間である。そして、その後、所定の発生処理を
施すことにより、菌床上部において良好に原基形成が行
なわれて収穫される。本発明によれば、常法に比べて多
くのキノコの収穫が可能となる。なお、熟成終了時にお
いて、種菌接種部付近の培養基の含水率は、常法の場
合、培養基調整時よりも低値となるが、本発明の場合、
培養容器口部に水分が集中するため、培養基調整時より
も3〜5%高くなる。
【0015】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
するが、本発明は、その要旨を超えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。
【0016】実施例1 ブナオガコに培養基総重量当たり10重量%のフスマを
添加した後、含水率を70重量%程度に調整して培養基
を調製した。培養容器には、容器本体とそれぞれ脱着可
能になされた中蓋およびキャップより成る1500cc
のプロピレン製栽培瓶を使用した。培養容器に正味量で
1000gの培養基を充填し、培養基の中心に直径15
mm程度の接種孔を1ヶ所設け、キャップをした後、培
養基内温度120℃の条件下で60分間加圧蒸気滅菌を
行なった。
添加した後、含水率を70重量%程度に調整して培養基
を調製した。培養容器には、容器本体とそれぞれ脱着可
能になされた中蓋およびキャップより成る1500cc
のプロピレン製栽培瓶を使用した。培養容器に正味量で
1000gの培養基を充填し、培養基の中心に直径15
mm程度の接種孔を1ヶ所設け、キャップをした後、培
養基内温度120℃の条件下で60分間加圧蒸気滅菌を
行なった。
【0017】培養基の温度を15℃以下に冷却した後、
シイタケ種菌(東北S24号)を接種し、温度20℃、
湿度70〜75%、炭酸ガス濃度2500ppm以下の
条件下で培養を行なった。培養開始後、培養容器からの
炭酸ガスの放出量が50cc/hr程度となった22日
目に培養容器の中蓋を解除して上下の反転を行ない、倒
立開放状態での培養管理へ切り換えた。容器倒立開放培
養における環境湿度は、8時間に1回15分間の散水を
実施して70〜95%を維持した。
シイタケ種菌(東北S24号)を接種し、温度20℃、
湿度70〜75%、炭酸ガス濃度2500ppm以下の
条件下で培養を行なった。培養開始後、培養容器からの
炭酸ガスの放出量が50cc/hr程度となった22日
目に培養容器の中蓋を解除して上下の反転を行ない、倒
立開放状態での培養管理へ切り換えた。容器倒立開放培
養における環境湿度は、8時間に1回15分間の散水を
実施して70〜95%を維持した。
【0018】菌糸蔓延後の菌床は、上記と同様の管理条
件下、更に、40日間の熟成管理を行なった。熟成管理
が進行するに従い、菌床は、徐々に褐変、収縮し、自重
により自然に培養容器から脱落した。その結果、菌床
は、無傷状態で培養容器から取り出すことが出来た。培
養容器から取り出された菌床は、上記と同様の熟成管理
を続行することにより、更に熟成を行なった。培養中の
室内は、極力暗黒状態を維持し、熟成期間中の室内は、
菌床の褐変促進のため、300〜500Luxに管理し
た。
件下、更に、40日間の熟成管理を行なった。熟成管理
が進行するに従い、菌床は、徐々に褐変、収縮し、自重
により自然に培養容器から脱落した。その結果、菌床
は、無傷状態で培養容器から取り出すことが出来た。培
養容器から取り出された菌床は、上記と同様の熟成管理
を続行することにより、更に熟成を行なった。培養中の
室内は、極力暗黒状態を維持し、熟成期間中の室内は、
菌床の褐変促進のため、300〜500Luxに管理し
た。
【0019】上記の様に製造された完熟菌床を15〜1
8℃の水に5時間浸漬した後、12〜18℃の温度条件
下で子実体の収穫を行なった。菌糸蔓延日数は27.3
日(標準偏差値2.0)、総培養日数は67.3日
(5.6)、一菌床当たりの収量は382.5g(3
0.6)、奇形率は20.8%(3.6)であった。
8℃の水に5時間浸漬した後、12〜18℃の温度条件
下で子実体の収穫を行なった。菌糸蔓延日数は27.3
日(標準偏差値2.0)、総培養日数は67.3日
(5.6)、一菌床当たりの収量は382.5g(3
0.6)、奇形率は20.8%(3.6)であった。
【0020】比較例1 実施例1において、培養基の含水率を61%とし、培養
容器の倒立開放培養は行なわずに通常の正立施蓋培養と
し、培養容器内で培養、熟成を行ない、湿度管理を70
%程度の加湿管理に変更した以外は、実施例1と同様に
操作してシイタケの栽培を行なった。なお、熟成管理日
数は60日間とし、培養容器内でそのまま熟成を終了し
た菌床は、人為的に培養容器から取り出して発生に供し
た。その結果、菌糸蔓延日数は38.6日(標準偏差値
4.2)、総培養日数は98.6日(10.3)、一菌
床当たりの収量は298.3g(31.8)、奇形率は
65.2%(7.1)であった。
容器の倒立開放培養は行なわずに通常の正立施蓋培養と
し、培養容器内で培養、熟成を行ない、湿度管理を70
%程度の加湿管理に変更した以外は、実施例1と同様に
操作してシイタケの栽培を行なった。なお、熟成管理日
数は60日間とし、培養容器内でそのまま熟成を終了し
た菌床は、人為的に培養容器から取り出して発生に供し
た。その結果、菌糸蔓延日数は38.6日(標準偏差値
4.2)、総培養日数は98.6日(10.3)、一菌
床当たりの収量は298.3g(31.8)、奇形率は
65.2%(7.1)であった。
【0021】上記の実施例1及び比較例1の結果から明
らかな通り、本発明に従った培養管理を行なうことによ
り、すなわち、通常の培養では採用されない倒立開放培
養を行なうことにより、栽培日数が短縮され、しかも、
高収率で品質良好なシイタケを収穫することが出来る。
らかな通り、本発明に従った培養管理を行なうことによ
り、すなわち、通常の培養では採用されない倒立開放培
養を行なうことにより、栽培日数が短縮され、しかも、
高収率で品質良好なシイタケを収穫することが出来る。
【0022】実施例2 実施例1と同様に調製した培養基を市販の800cc広
口栽培瓶(口径72mm)に正味重量で500g充填
し、殺菌、放冷後、ナメコ種菌(東北N118号)を接
種し、実施例1と同様の方法で培養、熟成管理を行なっ
た。ただし、キャップを解除する時期は、培養容器から
の炭酸ガスの放出量が40cc/hr程度となった19
日目とし、倒立開放培養における環境温度は、加湿器を
使用することにより80〜90%の加湿管理に変更して
培養を行ない、熟成管理は10日間実施した。
口栽培瓶(口径72mm)に正味重量で500g充填
し、殺菌、放冷後、ナメコ種菌(東北N118号)を接
種し、実施例1と同様の方法で培養、熟成管理を行なっ
た。ただし、キャップを解除する時期は、培養容器から
の炭酸ガスの放出量が40cc/hr程度となった19
日目とし、倒立開放培養における環境温度は、加湿器を
使用することにより80〜90%の加湿管理に変更して
培養を行ない、熟成管理は10日間実施した。
【0023】熟成の終了した菌床は表面の菌掻きを行な
い、注水処理後、14℃の発生温度条件下で子実体の収
穫を行なった。その結果、菌糸蔓延日数は20.8日
(標準偏差値2.3)、総培養日数は40.8日(4.
2)、原基形成日数は10.8日(2.2)、一菌床当
たりの収量は柄付き重量で232.4g(20.8)で
あった。
い、注水処理後、14℃の発生温度条件下で子実体の収
穫を行なった。その結果、菌糸蔓延日数は20.8日
(標準偏差値2.3)、総培養日数は40.8日(4.
2)、原基形成日数は10.8日(2.2)、一菌床当
たりの収量は柄付き重量で232.4g(20.8)で
あった。
【0024】比較例2 実施例2において、培養基の含水率を63%とし、培養
容器の倒立開放培養は行なわずに通常の正立施蓋培養と
し、熟成管理日数を40日間、管理湿度を70%程度の
加湿管理に変更した以外は、実施例2と同様に操作して
ナメコの栽培を行なった。その結果、菌糸蔓延日数は2
6.9日(標準偏差値3.1)、総培養日数は66.9
日(8.9)、原基形成日数は12.6日(3.8)、
一菌床当たりの収量は柄付き重量で199.2g(2
1.2)であった。
容器の倒立開放培養は行なわずに通常の正立施蓋培養と
し、熟成管理日数を40日間、管理湿度を70%程度の
加湿管理に変更した以外は、実施例2と同様に操作して
ナメコの栽培を行なった。その結果、菌糸蔓延日数は2
6.9日(標準偏差値3.1)、総培養日数は66.9
日(8.9)、原基形成日数は12.6日(3.8)、
一菌床当たりの収量は柄付き重量で199.2g(2
1.2)であった。
【0025】上記の実施例2及び比較例2の結果から明
らかな通り、本発明に従った培養管理を行なうことによ
り、ナメコ菌においても、シイタケ菌と同様に栽培日数
を短縮して収率を高めることが出来る。
らかな通り、本発明に従った培養管理を行なうことによ
り、ナメコ菌においても、シイタケ菌と同様に栽培日数
を短縮して収率を高めることが出来る。
【0026】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、培養基の
含水率を65%以上に調整し、接種した菌糸が培養基全
体に蔓延する以前に培養容器の施蓋を解除し、培養容器
の上下を反転させて倒立開放培養を行なうことにより、
培養、熟成日数を短縮することが出来、しかも、種菌接
種部付近に水分を集中させて発生時における原基形成を
良好にすることにより、栽培サイクルを早め、品質良好
なキノコを高収率で収穫することが出来る。
含水率を65%以上に調整し、接種した菌糸が培養基全
体に蔓延する以前に培養容器の施蓋を解除し、培養容器
の上下を反転させて倒立開放培養を行なうことにより、
培養、熟成日数を短縮することが出来、しかも、種菌接
種部付近に水分を集中させて発生時における原基形成を
良好にすることにより、栽培サイクルを早め、品質良好
なキノコを高収率で収穫することが出来る。
Claims (1)
- 【請求項1】 人工培養基を使用するキノコ類の容器栽
培において、培養基の含水率を65%以上に調整し、接
種した菌糸が培養基全体に蔓延する以前に、培養容器の
施蓋を解除し、培養基の上下を培養容器ごと反転させて
倒立開放培養とし、環境湿度が80%以上となる様に加
湿または定期散水を行ないながら培養することを特徴と
するキノコ類の容器栽培法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6123117A JPH07303421A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | キノコ類の容器栽培法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6123117A JPH07303421A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | キノコ類の容器栽培法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07303421A true JPH07303421A (ja) | 1995-11-21 |
Family
ID=14852607
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6123117A Pending JPH07303421A (ja) | 1994-05-12 | 1994-05-12 | キノコ類の容器栽培法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07303421A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4941612B1 (ja) * | 2011-11-24 | 2012-05-30 | 株式会社キノックス | キクラゲ類に属するきのこの瓶容器栽培方法 |
-
1994
- 1994-05-12 JP JP6123117A patent/JPH07303421A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP4941612B1 (ja) * | 2011-11-24 | 2012-05-30 | 株式会社キノックス | キクラゲ類に属するきのこの瓶容器栽培方法 |
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
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A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20040219 |