JPH0568431A - 椎茸人工榾木の製造法 - Google Patents

椎茸人工榾木の製造法

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JPH0568431A
JPH0568431A JP3263132A JP26313291A JPH0568431A JP H0568431 A JPH0568431 A JP H0568431A JP 3263132 A JP3263132 A JP 3263132A JP 26313291 A JP26313291 A JP 26313291A JP H0568431 A JPH0568431 A JP H0568431A
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榮一 木村
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Abstract

(57)【要約】 【目的】発茸が安定であり且つ特に薬剤等を使用しなく
とも害菌抵抗性が強く、しかも、優良品質子実体の発生
率が高い椎茸人工榾木の製造法を提供する。 【構成】培養容器中に収容され且つ総培地重量に対して
10重量%以下の栄養源を含む培養基に椎茸菌を接種し
て培養し、培養容器内において、椎茸菌糸が培養基に蔓
延した菌床を形成させ、次いで、培養容器外において、
菌床の表面に繰り返し乾燥/湿潤状態を与えて菌床の熟
成を行なう。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、椎茸人工榾木の製造法
に関するものであり、詳しくは、発茸が安定であり且つ
特に薬剤等を使用しなくとも害菌抵抗性が強く、しか
も、優良品質子実体の発生率が高い椎茸人工榾木の製造
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】一般に、椎茸人工榾木の製造において
は、エノキタケ、ヒラタケ、ナメコ等の人工榾木の場合
と同様に、害菌侵入防止の目的で菌床の培養および熟成
を容器内で完了させる方法が採用されている。しかしな
がら、上記の方法では、培養容器内が過剰湿度となり、
また、酸欠状態になるため、菌床表面に菌糸被膜の凹凸
を生じ、菌糸被膜が充分に硬質化しないという問題があ
る。しかも、菌糸被膜の凹凸が害菌発生の要因となるた
め、榾木の害菌抵抗性が弱く寿命も短いという欠点があ
る。しかも、酸欠状態での培養であるため、菌床の完全
な熟成に時間を要するという難点がある。そして、斯か
る榾木で茸を発生させた場合は、茸が株状となり、変形
や奇形の子実体が多い。
【0003】特開昭55−96035号公報には、人工
榾木の製造を栄養価の高い培養基で行なうことにより、
椎茸増収を図る方法が提案されている。しかしながら、
上記の方法では、菌床表面の菌糸被膜が比較的早く凹凸
状になり、しかも、子実体が株状に群生する場合が多く
なり、それに伴って奇形の子実体が多発するという欠点
がある。
【0004】また、特開昭59−173020号公報に
は、培養容器から取り出された菌床を閉鎖空間内におい
て、その閉鎖空間内の湿度を飽和近傍まで高めた状態で
熟成することにより、表面に緻密な菌糸層を新たに形成
させ、それにより、生成傷を治癒させると同時に害菌が
侵入しないように抵抗力を与え、次いで、開放空間もし
くは閉鎖空間において、菌床に対して散水を施しながら
熟成することにより、菌床表面の緻密菌糸層を硬質化す
ると同時に上記表面に付着した害菌を洗い流す、人工榾
木の製造法が提案されている。しかしながら、上記の方
法においても、高湿度閉鎖空間における熟成中に椎茸品
種によっては菌床被膜の凹凸を生じる欠点がある。ま
た、熟成中の温度、湿度較差が狭いため、菌糸被膜の褐
変硬質化(熟成)に時間を要するという難点がある。
【0005】本発明は上記の実情に鑑みなされたもので
あり、その目的は、発茸が安定であり且つ特に薬剤等を
使用しなくとも害菌抵抗性が強く、しかも、優良品質子
実体の発生率が高い椎茸人工榾木を提供することにあ
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】すなわち、本発明の要旨
は、培養容器中に収容され且つ総培地重量に対して10
重量%以下の栄養源を含む培養基に椎茸菌を接種して培
養し、培養容器内において、椎茸菌糸が培養基に蔓延し
た菌床を形成させ、次いで、培養容器外において、菌床
の表面に繰り返し乾燥/湿潤状態を与えて菌床の熟成を
行なうことを特徴とする椎茸人工榾木の製造法に存す
る。
【0007】以下、本発明を詳細に説明する。本発明に
おいて、培養基は、木質材料および/または植物繊維質
材料と栄養源とに水を加えて形成される。木質材料とし
ては、例えば、ブナやナラ等のオガ屑が挙げられ、植物
繊維質材料としては、例えば、バガス、籾殻、莢、麦わ
ら等を挙げることができる。本発明においては、オガ屑
が好適に使用される。また、栄養源としては、米糠、ト
ウモロコシ糠、コーンスチープリカー、フスマ、大豆ミ
ール、しょう油粕等の窒素源、グルコース、マルツエキ
ス等の炭素源、リン酸−カリウム、炭酸石灰、硫酸マグ
ネシウム等のミネラル、各種ビタミン等が挙げられる。
本発明においては、窒素源、特に、米糠、フスマが好適
に使用される。
【0008】本発明において、栄養源の濃度は、総培地
固形分重量に対し、10重量%以下に調整する必要があ
り、好ましくは5〜8 重量%となるように調整する。
また、水の割合は、培養基中、58〜65重量%、好ま
しくは60〜63重量%の範囲から選ばれる。栄養源の
濃度が上記の範囲を越える場合は、害菌発生の要因とな
る菌糸被膜の凹凸が菌床表面に発生し易い。
【0009】上記のようにして形成された培養基は、そ
のpHが後述の殺菌後に4.5〜5.5となるように適
宜調整した後、培養容器に充填される。培養容器として
は、特に制限はないが、通常は、フィルター付きキャッ
プを有する広口のプラスチック製袋容器が好適に使用さ
れる。培養基の充填は、培養基の通気性が保持されるよ
うに行なわれ、通常、嵩密度が0.5〜0.8g/cm
3 程度となるように充填するのがよい。また、培養基の
上部面より底部付近までに穴を数ケ所設け、培養基の通
気性を高めて培養を促進し、また、後述の熟成時の散水
された水分が保持されるようにするのが好ましい。穴の
大きさや個数は、培養基の容量によって異なるが、通
常、直径は約1〜4cm、個数は1〜6個程度とするの
がよい。培養基を充填した培養容器は、フィルター付き
キャップをセットし、常法にて蒸気滅菌される。
【0010】培養基への椎茸菌の接種は、培養基を10
〜15℃程度に冷却した後に行なわれる。本発明におい
ては、公知のいずれの椎茸品種の菌も好適に適用し得る
が、特に、中高温性ないしは高温性の椎茸品種の菌が好
適である。椎茸菌を接種した培養基は、20〜27日
間、18〜22℃の温度に保持され、椎茸菌の培養が行
なわれる。上記の培養の結果、培養容器内において、椎
茸菌糸が培養基に蔓延した菌床が形成される。本発明に
おいて、椎茸菌糸が培養基に蔓延した状態とは、培養基
の実質全体に菌糸が伸長した状態を言う。
【0011】本発明の最大の特徴は、培養容器外におい
て、菌床の熟成を行なう点にある。すなわち、従来の人
工榾木栽培においては、害菌混入や乾燥等を防止するた
めに、菌床が熟成を完了するまで容器内にて培養を行な
っていたが、本発明においては、均一な熟成の菌床を得
ること及び当該菌床に強靱な菌糸被膜を形成させるため
に、菌床の熟成は菌床を容器から取り出して行なう。こ
こに、菌床の熟成とは、椎茸人工榾木の場合は、菌床の
褐変硬質化を言う。
【0012】従って、本発明においては、椎茸菌糸が培
養基に蔓延した菌床は、熟成が始まる前に容器から取り
出す必要がある。熟成の始期は、菌床表面に形成される
菌糸被膜の凹凸を指標として判断することができ、菌床
の取り出しは、斯かる凹凸が形成する前に行なう必要が
あり、通常は菌床が形成されてから10日以内、好まし
くは2日以内に取り出すのがよい。
【0013】本発明において、菌床の熟成は、菌床の表
面に繰り返し乾燥/湿潤状態を与えて行なわれる。具体
的には、培養容器から取り出された菌床を空気の流通し
得る適宜の開放場所(例えば、所定大きさの施設内)に
配置し、室温条件(通常20〜25℃)下、定期的に菌
床に散水し、乾燥状態と湿潤状態とを繰り返し与えて行
なう。
【0014】上記の定期的な散水により、菌床表面の環
境湿度は、乾燥状態で約50〜70%、湿潤状態で約9
0〜100%に維持される。この場合、乾燥/湿潤状態
の湿度較差として、約20〜50%程度の湿度刺激を与
えるのが好ましい。散水の周期は、特に制限されない
が、通常は4〜18時間、好ましくは8〜12時間毎と
される。また、散水用水として、水温2〜18℃、好ま
しくは7〜13℃に調整された水を使用するならば、散
水により、菌床表面の環境温度が10〜20℃程度まで
低下し、温度較差が約5〜15℃程度の温度刺激を与え
ることができて好ましい。
【0015】また、熟成中は、菌床に100〜1,00
0Luxの照度を与えるのが好ましく、更に、雰囲気の
炭酸ガス濃度は3,000ppm以下、好ましくは、1
500ppm以下に調節するのが好ましい。斯かる炭酸
ガス濃度の調整は、熟成に使用する施設により必要とさ
れ、例えば、積極的な空気の流通が行なわれない施設を
使用した場合は、換気扇等を利用し、定期的に換気を行
なえばよい。いずれにしても、菌床に十分な量の酸素が
供給されるようにすることが必要である。上記のような
条件下で菌床の熟成を行なうことにより、短期間(通常
7〜14日)で菌床表面の菌糸被膜を褐変させ、硬質化
させることができる。
【0016】本発明における熟成において、菌床を断続
的に乾燥させることは、害菌抵抗性の向上されたより強
靱な菌糸被膜を得るために極めて重要である。そして、
前述のように、培養基に穴を設けるならば、散水された
水分が保持されることにより、菌床内部への水分の補給
が良好に行なわれ、より堅く且つ重い人工榾木に仕上げ
ることができる。
【0017】本発明によれば、30〜60日間の熟成期
間で木質化された強靱な被膜を持った人工榾木を製造す
ることができる。そして、本発明の製造法による人工榾
木は、仕込み時の重量よりも3〜10%程度重いことが
特徴である。因に、軽く仕上がった榾木では、優良品質
子実体の発生率が低くなる。
【0018】本発明の製造法による人工榾木は、2〜5
日間、公知の低温刺激(10〜15℃)を与え、温度1
5〜23℃、湿度70〜85%の条件下に適度の散水を
行なうことにより、7〜10日間で、茸が肥大、成育し
優良品質の子実体を効率よく収穫することができる。ま
た、本発明の製造法による人工榾木は、培養段階で水分
を充分に吸収しているために65〜80%の含水率を有
しており、従って、発茸工程においては、従来の人工榾
木のように、連続散水や浸水操作を特に行わなくとも、
低温刺激と少量の散水管理のみで2番発生までの収穫が
可能である。
【0019】
【実施例】以下、本発明を実施例により更に詳細に説明
するが、本発明は、その要旨を越えない限り、以下の実
施例に限定されるものではない。 実施例1 ブナ及びナラのオガ屑に米糠を培養基重量に対する重量
比で0%、3%、6%、9%、12%、15%の割合に
各々添加し、水を加えて水分60〜62%に調整して培
養基を形成した。ポリプロピレン製袋容器に上記の各培
養基を嵩密度が約0.6g/cm3 となるように1kg
充填し、培養基の中心に直径3cmの穴を1個設け、フ
ィルター付きキャップで口を封じた後、培養基内温度1
21℃の条件下で60分間加圧蒸気滅菌を行った。
【0020】次いで、培養基の温度を15℃以下に冷却
した後、椎茸種菌(東北S21号)を接種し、20℃で
培養した。培養は、菌糸が培養基底部に至るまで行な
い、菌糸蔓延完了と同時に菌床を容器から取り出し、熟
成室に移して熟成を行なった。
【0021】熟成室は、温度23〜25℃、湿度75%
に調節し、炭酸ガス濃度800〜2,000ppmとな
るように換気を行った。また、室内の照度は100〜5
00Luxとした。そして、菌床に対する散水は、朝夕
2回とし、10℃の水を使用した。菌床表面の環境湿度
は、上記の定期的な散水により、乾燥状態で約70%、
湿潤状態で約100%であった。
【0022】70日間の総培養日数で人工榾木を製造
し、米糠の添加割合の相違による、菌糸蔓延日数、菌糸
被膜の凹凸の発生程度、害菌汚染率の比較を行なった。
得られた結果を表1に示す。なお、表1に記載の結果
は、10個の試験個数から求めた値であり、そして、害
菌汚染率は、菌床を容器から取り出した時点より発生終
了に至るまでに害菌汚染を受けた人工榾木の個数を各試
験区の総個数で除算して求めた。
【0023】表1の結果から明らかな通り、米糠の添加
割合が増加するに従い、菌糸蔓延日数は早まるものの、
菌糸被膜の凹凸の発生程度は逆に多くなる。そして、菌
糸被膜の凹凸が原因となり、米糠の添加量12%以上の
試験区( 比較例) においては、害菌汚染率が明らかに高
くなっている。
【0024】
【表1】
【0025】実施例2 ナラのオガ屑に米糠およびフスマを培養基重量に対する
重量比で各々4%(合計8%)の割合で混合し、水分を
63%に調整して培養基を形成した。実施例1と同様な
処理を行ない、5種類の椎茸品種A〜E(中、高温菌)
を使用し、培養25日目をもって菌床を容器から取り出
し、以下の試験区による熟成を行ない、椎茸品種の相違
による、菌糸被膜の凹凸の発生程度、害菌汚染率、発生
収穫率、奇形率の比較を行なった。 試験区1:実施例1の管理に準ずる。 試験区2:加湿器を使用し、15日間、湿度を95%以
上に維持し、菌床の生成傷を治癒する管理を行なった
後、実施例1と同様の管理条件に従って、菌床の熟成を
行なった。
【0026】得られた結果を表2に示す。なお、表2に
記載の結果は、10個の試験個数から求めた値である。
そして、発生収穫率は、椎茸人工榾木を15〜25℃の
温度条件下において栽培し、100日間に収穫された椎
茸の総重量を人工榾木製造時の総重量で除算することに
より求め、また、奇形率は、菌傘の形状で正常のもの
と、奇形のものとに分け、奇形茸の個数を収穫された総
個数で除算することにより求めた。
【0027】表2の結果から明らかな通り、試験区2
(比較例)では、椎茸品種によっては菌糸被膜の凹凸の
発生程度が顕著であり、害菌汚染率が高くなる傾向にあ
る。また、同様に、奇形率についても、ほぼ全品種で明
らかに高くなる傾向を示した。
【0028】
【表2】
【0029】実施例3 ナラのオガ屑に、米糠、ネオビタス−N、専管フスマを
培養基重量に対する重量比でそれぞれ4%、2%、1%
(合計7%)の割合で混合し、水分を63%に調整して
培養基を形成した。ポリプロピレン製袋容器に上記の培
養基を嵩密度が約0.6g/cm3 となるように2.5
kg充填し、培養基の適宜の箇所に直径約2cmの穴を
6個設け、実施例1と同様の条件下において、総培養日
数を90日間として人工榾木を製造した。
【0030】以下、実施例1と同様に、菌糸の培養、菌
床の熟成を行い、菌床を培養容器から取り出す時期の相
違による、菌糸被膜の凹凸の発生程度、害菌汚染率、発
生収穫率、奇形率、発生個数、子実体1個当たりの重量
の比較を行なった。得られた結果を表3に示す。表中の
菌糸蔓延時は、接種後27日目であった。なお、表3に
記載の結果は、10個の試験個数から求めた値である。
表3の結果から、菌床を培養容器から取り出す時期は、
菌糸蔓延直後が最も良好であり、菌糸被膜の凹凸の発生
が無く、害菌汚染率および奇形率も明らかに低くなると
いう結論を得た。
【0031】
【表3】
【0032】
【発明の効果】以上説明した本発明によれば、発茸が安
定であり且つ特に薬剤等を使用しなくとも害菌抵抗性が
強く、しかも、優良品質子実体の発生率が高い椎茸人工
榾木の製造法が提供され、本発明の産業上の価値は顕著
である。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成4年5月15日
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】また、特開昭59−173020号公報に
は、培養容器から取り出された菌床を閉鎖空間内におい
て、その閉鎖空間内の湿度を飽和近傍まで高めた状態で
熟成することにより、表面に緻密な菌糸層を新たに形成
させ、それにより、生成傷を治癒させると同時に害菌が
侵入しないように抵抗力を与え、次いで、開放空間もし
くは閉鎖空間において、菌床に対して散水を施しながら
熟成することにより、菌床表面の緻密菌糸層を硬質化す
ると同時に上記表面に付着した害菌を洗い流す、人工榾
木の製造法が提案されている。しかしながら、上記の方
法では、閉鎖空間の湿度を飽和近傍まで高めるため、榾
木が吸水過多となり、その後の熟成が遅れる難点があ
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0008
【補正方法】変更
【補正内容】
【0008】本発明において、栄養源の濃度は、総培地
固形分重量に対し、10重量%以下に調整する必要があ
り、好ましくは6〜9重量%となるように調整する。ま
た、水の割合は、培養基中、58〜65重量%、好まし
くは60〜63重量%の範囲から選ばれる。栄養源の濃
度が上記の範囲を越える場合は、害菌発生の要因となる
菌糸被膜の凹凸が菌床表面に発生し易い。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0010
【補正方法】変更
【補正内容】
【0010】培養基への椎茸菌の接種は、培養基を10
〜15℃程度に冷却した後に行なわれる。本発明におい
ては、公知のいずれの椎茸品種の菌も好適に適用し得る
が、特に、中低温性ないしは高温性の椎茸品種の菌が好
適である。椎茸菌を接種した培養基は、20〜27日
間、18〜22℃の温度に保持され、椎茸菌の培養が行
なわれる。上記の培養の結果、培養容器内において、椎
茸菌糸が培養基に蔓延した菌床が形成される。本発明に
おいて、椎茸菌糸が培養基に蔓延した状態とは、培養基
の実質全体に菌糸が伸長した状態を言う。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0011
【補正方法】変更
【補正内容】
【0011】本発明の最大の特徴は、培養容器外におい
て、菌床の熟成を行なう点にある。すなわち、従来の人
工榾木栽培においては、害菌混入や乾燥等を防止するた
めに、菌床が熟成を完了するまで容器内にて培養を行な
っていたが、本発明においては、均一な熟成の菌床を得
ること及び当該菌床に強靱な菌糸被膜を形成させるため
に、菌床の熟成は菌床を容器から取り出して行なう。こ
こに、菌床の熟成とは、椎茸人工榾木の場合、菌床の褐
変硬質化ならびに菌糸体内への十分な養分の蓄積を言
う。
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0013
【補正方法】変更
【補正内容】
【0013】本発明において、菌床の熟成は、菌床の表
面に繰り返し乾燥/湿潤状態を与えて行なわれる。具体
的には、培養容器から取り出された菌床を空気の流通し
得る適宜の開放場所(例えば、所定大きさの施設内)に
配置し、室温条件(通常20〜25℃)下、定期的に菌
床に散水し、乾燥状態と湿潤状態(それに伴う温度変
化)とを繰り返し与える。
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0014
【補正方法】変更
【補正内容】
【0014】上記の定期的な散水により、菌床表面の環
境湿度は、乾燥状態で約50〜70%、湿潤状態で約9
0〜100%に維持される。この場合、乾燥/湿潤状態
の湿度較差として、約20〜50%程度の湿度刺激を与
えるのが好ましい。散水の周期は、特に制限されない
が、通常は4〜72時間、好ましくは12〜24時間毎
とされる。また、散水用水として、水温2〜18℃、好
ましくは7〜13℃に調整された水を使用するならば、
散水により、菌床表面の環境温度が10〜20℃程度ま
で低下し、温度較差が約5〜15℃程度の温度刺激を与
えることができて好ましい。
【手続補正8】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0015
【補正方法】変更
【補正内容】
【0015】また、熟成中は、菌床に50〜1,000
Luxの照度を与えるのが好ましく、更に、雰囲気の炭
酸ガス濃度は10,000ppm以下、好ましくは、1
500ppm以下に調節するのが好ましい。斯かる炭酸
ガス濃度の調整は、熟成に使用する施設により必要とさ
れ、例えば、積極的な空気の流通が行なわれない施設を
使用した場合は、換気扇等を利用し、定期的に換気を行
なえばよい。いずれにしても、菌床に十分な量の酸素が
供給されるようにすることが必要である。上記のような
条件下で菌床の熟成を行なうことにより、短期間(通常
7〜14日)で菌床表面の菌糸被膜を褐変させ、硬質化
させることができる。
【手続補正9】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0016
【補正方法】変更
【補正内容】
【0016】本発明における熟成において、菌床を断続
的に乾燥させることは、害菌抵抗性の向上されたより強
靱な菌糸被膜を得るために極めて重要である。そして、
前述のように、培養基に穴を設けるならば、散水された
水分が保持されることにより、菌床内部への水分の補給
が良好に行なわれ、仕込時の重量を超えない程度の締ま
った人工榾木に仕上げることができる。
【手続補正10】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0017
【補正方法】変更
【補正内容】
【0017】本発明によれば、30〜60日間の熟成期
間で十分に菌糸体内に養分を蓄積し、木質化された強靱
な被膜を持った人工榾木を製造することができる。そし
て、本発明の製造法による人工榾木は、乾燥/湿潤を繰
り返すことにより、仕込み時の重量の70〜110%程
度の榾木重量となることが特徴である。因に、軽くなり
過ぎた榾木または重くなり過ぎた榾木は、いずれも、優
良品質子実体の発生率が低くなる。

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 培養容器中に収容され且つ総培地重量に
    対して10重量%以下の栄養源を含む培養基に椎茸菌を
    接種して培養し、培養容器内において、椎茸菌糸が培養
    基に蔓延した菌床を形成させ、次いで、培養容器外にお
    いて、菌床の表面に繰り返し乾燥/湿潤状態を与えて菌
    床の熟成を行なうことを特徴とする椎茸人工榾木の製造
    法。
JP3263132A 1991-09-13 1991-09-13 椎茸人工榾木の製造法 Expired - Lifetime JPH07108154B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3263132A JPH07108154B2 (ja) 1991-09-13 1991-09-13 椎茸人工榾木の製造法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP3263132A JPH07108154B2 (ja) 1991-09-13 1991-09-13 椎茸人工榾木の製造法

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KR100449947B1 (ko) * 2002-05-03 2004-09-24 농업회사법인 하나바이오텍(주) 꽃송이버섯(하나비라다케, 학명: Sparassis CripsaWulf.:Fr. )의 인공재배법

Citations (1)

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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH03280813A (ja) * 1990-03-23 1991-12-11 Nakano Vinegar Co Ltd しいたけの栽培法

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