JPH07302Y2 - 逆転防止機構 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案はプリンターやタイプライター用のリボンカセッ
ト等に好適な逆転防止機構に関する。

（従来の技術） 従来の逆転防止機構の１例が第５図に示され、入力軸01
に固定された平歯車02の歯02aにその斜方向から板ばね0
3の先端がその弾発力により押し付けられていて、入力
軸01が実線矢印方向に正転するときは板ばね03の先端が
平歯車02の歯02aを順次乗り越えるので入力軸01は正転
できるが、入力軸01が逆転しようとすると、板ばね03の
先端が平歯車02の歯02aに噛合して入力軸01の逆転を阻
止できるようになっている。

従来の逆転防止機構の他の例が第６図に示され、入力軸
04に固定されたラチェットホイール05のラチェット05a
に軸06に回動可能に軸支されたレバー07の一端の爪07a
がレバー07の他端に張設されたコイルスプリング08の弾
発力により押し付けられていて、入力軸04が実線矢印方
向に正転するときは爪07aがラチェット05aを順次乗り越
えるので入力軸04は正転できるが、入力軸04が逆転しよ
うとすると、爪07aがラチェット05aに噛合して入力軸04
の逆転を阻止するようになっている。

（考案が解決しようとする課題） 上記従来の逆転防止機構においては、入力軸01、04が正
転するとき、板ばね03の先端や爪07aが歯02a、ラチェッ
ト05aを乗り越えるためその接触抵抗により入力軸01や0
4の回転トルクを無駄に費消するのみならず板ばね03の
先端や爪07aが歯02a、ラチェット05aを乗り越える度に
次の歯02aやラチェット05aに衝突するので騒音が発生す
るという不具合があった。また、板ばね03やレバー07を
設置するためのスペースを要するため機構が大型となる
という問題があった。

（課題を解決するための手段） 本考案は上記課題を解決するために提案されたものであ
って、その要旨とするところは、ケースに回転自在に軸
支されて軸芯まわりに正転又は逆転しうる入力軸と、こ
の入力軸と平行に伸び上記入力軸の軸芯を中心とする円
弧に沿って正方向又は逆方向に移動するとともに軸芯ま
わりに正転又は逆転自在に上記ケースに支持された従動
軸と、上記入力軸に固定された入力歯車と、上記従動軸
に固定されて上記入力歯車と常時噛合する従動歯車と、
上記ケースに固定され従動軸が上記円弧に沿って逆方向
に移動したとき上記従動歯車と係合する制止部材を具
え、上記入力軸が逆転したときその回転力によって上記
従動軸が上記円弧に沿って逆方向に移動することにより
上記従動歯車が制止部材と係合して上記入力軸及び上記
従動軸の逆転を阻止し、上記入力軸が正転したときその
回転力によって上記従動軸が上記円弧に沿って正方向に
移動することにより上記従動歯車と上記制止部材との係
合が解除されて上記入力軸及び上記従動軸が正転するこ
とを特徴とする逆転防止機構にある。

（作用） 本考案においては、上記構成を具えているため、入力軸
か正転するとその回転力によって従動軸が円弧に沿って
正方向に移動し従動歯車と制止部材との係合が解除され
るので入力軸及び従動軸は正転する。しかし、入力軸が
逆転するとこの回転力によって従動軸が円弧に沿って逆
方向に移動せしめられるので、従動歯車が制止部材と係
合し、その逆転が阻止されるのでこれに伴って入力軸及
び従動軸の逆転も阻止される。

（実施例） 本考案の第１の実施例が第１図ないし第４図に示されて
いる。

第１図ないし第４図において、11は入力軸、12は入力軸
11に固定された入力歯車、13は従動軸、14は入力歯車12
と常時噛合する従動歯車で、従動軸13に固定されてい
る。15はロッド、16は入力軸11に設けられたリボンフィ
ード歯、17は巻取軸18に固定されたリボン巻取スプール
である。

入力軸11、巻取軸18の上下両端は図示しないケーシング
に回転自在に支持され、また、従動軸13の上下両端は入
力軸11の軸芯を中心とする円弧Ａに沿って正方向又は逆
方向に移動しうるようにケーシングに支持され、また、
ロッド15の両端はケーシングに固定されている。

しかして、入力軸11が第３図に実線矢印で示すように、
反時計方向に正転すると、入力軸11に固定された入力歯
車12が正転し、この回転力によって入力歯車12と噛合す
る従動歯車14は一点鎖線矢印で示すように入力軸11の軸
芯を中心とする円弧Ａに沿って正方向、即ち、反時計方
向に移動する。すると、従動歯車14とロッド15との係合
が外れて従動歯車14は図示の位置を占め、従動歯車14は
この状態で実線矢印で示すようにその軸芯まわりに時計
方向に回転し、これに伴って、入力軸11に固定された入
力歯車12及びリボンフィード歯16と噛合するリボン巻取
スプール17が正転してインクリボンを巻き取る。

逆に、入力軸11が第４図に破線で示すように、時計方向
に逆転すると、この回転力によって従動歯車14が円弧Ａ
に沿って逆方向、即ち、時計方向に移動するので、従動
歯車14がロッド15と係合する。かくして、従動歯車14の
逆転が阻止され、これと同時に入力歯車12、リボン巻取
スプール17の逆転が阻止される。

（考案の効果） 本考案においては、入力軸が正転するとこの回転力によ
って従動軸が円弧に沿って正方向に移動し従動歯車と制
止部材との係合が解除されるので、入力軸及び従動軸は
正転する。しかし、入力軸が逆転するとこの回転力によ
って従動軸が円弧に沿って逆方向に移動せしめられるの
で、従動歯車が制止部材と係合し、その逆転が阻止され
るのでこれに伴って入力軸及び従動軸の逆転も阻止され
る。

かくして、従来のもののように入力軸に固定された平歯
やラチエットホィールと噛合してその逆転を阻止する板
ばねやレバーを要しないので、逆転機構の部品点数が減
るとともに構造が簡単となって小型、軽量となる。

また、入力軸の正転時に従来のもののように騒音が発生
することはないとともに入力軸の回転トルクを無駄に費
消することもない。

【図面の簡単な説明】

第１図ないし第４図は本考案の１実施例を示し、第１図
は斜視図、第２図は側面図、第３図は入力軸の正転時に
おける上面図、第４図は入力軸の逆転時における上面図
である。 第５図及び第６図はそれぞれ従来の逆転防止機構を示す
上面図である。 入力軸…11、入力歯車…12、従動軸…13、従動歯車…1
4、制止部材…15、円弧…Ａ

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ケースに回転自在に軸支されて軸芯まわり
   に正転又は逆転しうる入力軸と、この入力軸と平行に伸
   び上記入力軸の軸芯を中心とする円弧に沿って正方向又
   は逆方向に移動するとともに軸芯まわりに正転又は逆転
   自在に上記ケースに支持された従動軸と、上記入力軸に
   固定された入力歯車と、上記従動軸に固定されて上記入
   力歯車と常時噛合する従動歯車と、上記ケースに固定さ
   れ従動軸が上記円弧に沿って逆方向に移動したとき上記
   従動歯車と係合する制止部材を具え、上記入力軸が逆転
   したときその回転力によって上記従動軸が上記円弧に沿
   って逆方向に移動することによって上記従動歯車が制止
   部材と係合して上記入力軸及び上記従動軸の逆転を阻止
   し、上記入力軸が正転したときその回転力によって上記
   従動軸が上記円弧に沿って正方向に移動することにより
   上記従動歯車と上記制止部材との係合が解除されて上記
   入力軸及び上記従動軸が正転することを特徴とする逆転
   防止機構。