JPH0730213B2 - 熱可塑性樹脂組成物 - Google Patents

熱可塑性樹脂組成物

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JPH0730213B2
JPH0730213B2 JP61267229A JP26722986A JPH0730213B2 JP H0730213 B2 JPH0730213 B2 JP H0730213B2 JP 61267229 A JP61267229 A JP 61267229A JP 26722986 A JP26722986 A JP 26722986A JP H0730213 B2 JPH0730213 B2 JP H0730213B2
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talc
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titanate
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【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は剛性にすぐれ、かつ少量のカップリング剤で耐
衝撃強度を大幅に向上させた熱可塑性樹脂組成物に関す
るものであり、バンパー,内装材等の自動車部品あるい
は弱電用部品などの工業材料として有効に利用すること
ができる。
〔従来の技術および発明が解決しようとする問題点〕
熱可塑性樹脂の剛性改良,寸法安定性の向上のために、
タルク,炭酸カルシウム,マイカ等の無機充填材を配合
した複合樹脂が工業材料において幅広く使用されてい
る。
しかしながら、一般的にタルク等の配合は衝撃強度を大
幅に低下させるという欠点を有している。
このため、この改良方法としてタルクの粒子径を細かく
し、その分布をコントロールする方法やタルクを表面処
理してポリマーとの親和性や界面強度を向上する方法等
が提案されている。
これらの改良方法は改良効果は認められるものの、未だ
不充分であり、特に表面処理をする場合には表面処理剤
を多く添加する必要があり、そのため剛性および機械的
物性が低下するという欠点を有していた。
本発明者は上記従来の欠点を解消するため鋭意検討した
ところ、タルクを使用するにあたり、粉砕時に金属系カ
ップリング剤で表面処理されたタルクを用いることによ
り上記欠点を有することなく大幅に衝撃強度を向上しう
ることを見出した。さらに粒子径を特定領域にコントロ
ールしたタルクを使用すればよりすぐれた衝撃強度を示
すことを見出し、これらの知見に基いて本発明を完成す
るに至った。
〔問題点を解決するための手段〕
すなわち本発明は、熱可塑性樹脂50〜97重量%および粉
砕時に金属系カップリング剤で表面処理されたタルク50
〜3重量%からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成
物を提供するものである。
本発明の組成物の一方の成分である熱可塑性樹脂として
は特に制限はなく様々なものを用いることができる。具
体的にはポリプロピレン,ポリエチレン,エチレン−α
−オレフィン共重合体などのポリオレフィン;ナイロン
−6,ナイロン−66,ナイロン−12などのポリアミド;ポ
リアセタール;ポリブチレンテレフタレート,ポリエチ
レンテレフタレートなどのポリエステル等を例示するこ
とができ、これらを単独で或いは2種以上組合せて用い
る。これらの中でも耐熱性,剛性,衝撃強度等にすぐれ
ていることよりポリプロピレンあるいはこのポリプロピ
レンと他の熱可塑性樹脂との混合物が好適に用いられ
る。その中でもメルトインデックスが2〜50g/10分の結
晶性エチレン−プロピレン共重合体が特に好ましい。
本組成物中における熱可塑性樹脂の配合割合は、組成物
全体の50〜97重量%、好ましくは60〜95重量%である。
配合量が50重量%未満であると衝撃強度が低下するため
好ましくない。一方、配合量が97重量%を超えると剛性
が低下するため好ましくない。
本発明の他方の成分は、粉砕しながら金属系カップリン
グ剤で表面処理されたタルクである。
ここで金属系カップリング剤としては通常カップリング
剤と指称される有機金属系のカップリング剤、たとえば
チタニウム系,アルミニウム系,ジルコニウム系などの
金属系化合物を使用することができる。チタニウム系カ
ップリング剤としては例えば、イソプロピルトリイソス
テアロイルチタネート,イソプロピルトリドデシルベン
ゼンスルホニルチタネート,イソプロピルトリス(ジオ
クチルパイロホスフェート)チタネート,テトライソピ
ロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート,テ
トラオクチルビス(ジトリデシルホスファイト)チタネ
ート,テトラ(2,2−ジアリルオキシメチル−1−ブチ
ル)ビス(ジートリデシル)ホスファイトチタネート,
ビス(ジオクチルパイロホスフェート)オキシアセテー
トチタネート,ビス(ジオクチルパイロホスフェート)
エチレンチタネート,イソプロピルトリオクタノイルチ
タネート,イソプロピルジメタクリルイソステアロイル
チタネート,イソプロピルイソステアロイルジアクリル
チタネート,イソプロピルトリ(ジオクチルホスフェー
ト)チタネート,イソプロピルトリクミルフェニルチタ
ネート,イソプロピルトリ(N−アミドエチル・アミノ
エチル)チタネート,ジクミルフェニルオキシアセテー
トチタネート,ジイソステアロイルエチレンチタネート
等が挙げられる。また、アルミニウム系カップリング剤
としては例えば、アセトアルコキシアルミニウムジイソ
プロピレート等が挙げられる。
これらの中でもイソプロピルトリイソステアロイルチタ
ネート,イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニル
チタネート,アセトアルコキシアルミニウムジイソプロ
ピレート等を用いることが好ましい。
本発明においては粉砕されたタルクを使用するにあた
り、粉砕時に上記の金属系カップリング剤で表面処理さ
れたタルクを用いる。ここで粉砕されたタルクとしては
平均粒子径が小さいものが好ましく、通常0.3〜3μ、
より好ましくは0.5〜1.5μのものである。ここで3μを
超えたものであると衝撃強度が低下するため、あまり好
ましくない。
また本発明においては「粉砕しながら」、すなわち「粉
砕時に」金属系カップリング剤で表面処理されたタルク
を用いることが必要である。ここで予め粉砕したタルク
に金属系カップリング剤を加え、スーパーミキサー等で
処理したとしてもタルクが微細になり嵩がはるため均一
コーディングが困難であるばかりか多量のカップリング
剤を必要とする。したがって、曲げ強度など剛性が低下
してしまい好ましくない。一方、カップリング剤を少量
とすると均一コーディングできず、そのため衝撃強度の
改良効果が発現せず好ましくない。
本発明においてはタルクの粉砕時に金属系カップリング
剤で処理するため、このような問題がなく、しかもより
少量でかつよりすぐれた効果を発揮する。これはタルク
の粉砕時に表面ラジカルが発生するとともに、瞬間的に
タルク表面温度も高くなり金属系カップリング剤と強固
に結びつく(メカノケミカル効果)ためと考えられる。
さらに本発明において、タルク以外の無機充填材を用い
たり、或いは金属系カップリング剤の代わりにシラン系
カップリング剤を用いたりしても、本発明の目的を達成
することはできない。具体的にはタルクの代わりに炭酸
カルシウムを用いても剛性が低下してしまい、またタル
クの代わりにマイカを用いても剛性の改良効果が不十分
であり、また衝撃強度が低下してしまう。さらにシラン
系のカップリング剤では衝撃性などの効果がでない。
本発明においてタルクは、タルク100重量部に対して金
属系カップリング剤0.05〜2重量部、好ましくは0.1〜
0.5重量部添加して表面処理されたものである。ここで
金属系カップリング剤の添加量が0.05重量部未満である
と添加効果が十分でなく、一方2重量部を超えると剛性
が低下するため好ましくない。
本発明においてタルクの粉砕はレイモンドミルなどを用
いて30〜100μ程度の粗粒にした後、ジェット粉砕機な
どを使用して微粉化すればよい。そしてこの微粉化する
ときに、同時にジェット流中に金属系カップリング剤を
注入し微粉砕と同時に表面処理を行なえばよい。得られ
る表面処理微粉タルクを分級捕集して所望の平均粒子径
を有するタルクを得る。
本発明の組成物は、上記の如き熱可塑性樹脂と表面処理
タルクを混練することにより得ることができる。
〔発明の実施例〕
製造例1(粉砕時のタルクの表面処理) 粒径数mmを有するタルクをレイモンドミルにて30〜100
μ程度の粗粒にした。次いで、ジェット粉砕機を使用し
て微粉化するときに、同時にジェット流中に第1表に示
す金属系カップリング剤を注入し、微粉砕と同時に表面
処理を実施した。得られた表面処理微粉タルクはミクロ
ンセパレーターにて分級捕集して、各種の平均粒子径を
有するタルクを製造した。
製造例2(粉砕後のタルクの表面処理) 粒径数mmを有するタルクをレイモンドミルにて30〜100
μ程度の粗粒にした。次いで、ジェット粉砕機にて微粉
化を実施してミクロンセパレーターにて分級捕集して、
2種の平均粒子径(2μ,0.9μ)を有する微粉化タルク
を製造した。得られたタルクをそれぞれスーパーミキサ
ーに投入し、さらに所定の金属系カップリング剤を所定
量添加して攪拌し、表面処理を実施した。
実施例1〜10 第1表に示す所定量の熱可塑性樹脂と製造例1で得られ
た表面処理タルクの所定量とをドライブレンドした後、
二軸混練押出機を用いて230℃で混練し、熱可塑性樹脂
組成物を得た。得られた組成物の物性の測定結果を第1
表に示す。
比較例1〜3 タルクとしてカップリング剤を使用しなかったものを用
いたこと以外は、実施例1〜10と同様にして行なった。
結果を第1表に示す。
比較例4〜6 製造例1で得られた表面処理タルクの代わりに製造例2
で得られた表面処理タルクを用いたこと以外は、実施例
1〜10と同様にして行なった。結果を第1表に示す。
比較例7〜8 タルクの代わりに、それぞれ炭酸カルシウム,マイカを
用いたこと以外は製造例1と同様にして表面処理炭酸カ
ルシウム,表面処理マイカを得、このものを製造例1で
得られた表面処理タルクの代わりに用いたこと以外は、
実施例1〜10と同様にして行なった。結果を第1表に示
す。
比較例9 金属系カップリング剤の代わりにシラン系カップリング
剤を用いたこと以外は、実施例2と同様にして行なっ
た。結果を第1表に示す。
1:熱可塑性樹脂(1) PP−1…ポリプロピレン 出光石油化学(株)製 J−765H PP−2…ポリプロピレン 出光石油化学(株)製 J−785H PP−3…ポリプロピレン 出光石油化学(株)製 J−450H 2:熱可塑性樹脂(2) EPR−1…エチレンプロピレンゴム ムーニー粘度20 PE−1…高密度ポリエチレンメルトインデックス=6g/1
0分 3:炭カル…炭酸カルシウム 平均粒径 10μ 4:マイカ…マイカ 平均フレーク径 40μ 5:カップリング剤の種類 ア…イソプロピルトリイソステアロイルチタネート(TT
S) イ…イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタ
ネート ウ…アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート エ…γ−アミノプロピルトリエトキシシラン 6:カップリング剤の添加量 タルク100重量部に対する添加量 7:予め粉砕したものを使用(粉砕後のタルクの表面処
理品) 〔発明の効果〕 叙上の如き本発明の組成物は耐衝撃性にすぐれたもので
ある。しかも本発明の組成物は剛性にもすぐれたもので
ある。さらに本発明の組成物は少量のカップリング剤で
効果を発揮し、衝撃強度が低下することがなく、しかも
多量添加による剛性の低下をも防止することができる。
それ故、本発明は自動車用部品,弱電用部品などの工業
材料として有効に用いることができる。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】熱可塑性樹脂50〜97重量%および粉砕時に
    金属系カップリング剤で表面処理されたタルク50〜3重
    量%からなることを特徴とする熱可塑性樹脂組成物。
  2. 【請求項2】タルクが、タルク100重量部に対して金属
    系カップリング剤0.05〜2重量%添加して表面処理され
    たものである特許請求の範囲第1項記載の組成物。
  3. 【請求項3】表面処理されたタルクの平均粒子径が0.3
    〜3μである特許請求の範囲第1項記載の組成物。
  4. 【請求項4】金属系カップリング剤がチタニウム系また
    はアルミニウム系カップリング剤である特許請求の範囲
    第1項記載の組成物。
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