JP2005104794A - タルク - Google Patents

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Ryohei Watanabe
辺 良 平 渡
Goji Hamaya
家 剛 司 浜
Katsuhiro Takai
井 勝 広 高
Takeshi Minoda
武 美濃田
Yasuyuki Hatakeyama
山 泰 幸 畠
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Abstract

【課題】本発明は、熱可塑性樹脂に添加して溶融混合する場合に、嵩密度が高くても分散性に優れる圧縮タルクを提供すること、および圧縮タルクの分散性の度合いを熱可塑性樹脂に混合する前に評価することができる指標を提供することを目的としている。
【解決手段】本発明のタルク(圧縮タルク)は、平均一次粒子径0.1〜10μmの粉末タルクを直に圧縮することなく脱気した後に圧縮して得られる顆粒状のタルクであって、嵩密度が0.6〜0.94g/cm3であり、かつ、破壊率が70〜100重量%であ
ることを特徴とする。
【選択図】なし

Description

本発明は、タルクに関し、さらに詳しくは、粉末タルクを直に圧縮することなく脱気した後に圧縮して得られるタルクであって、嵩密度が高くても、熱可塑性樹脂に添加して混練機等にて溶融混合した際に良好な分散性を示すタルクに関する。
各種無機質充填剤は、増量材、補強材、難燃剤、アンチブロッキング剤等として各種のプラスチックスに添加されており、身の回りの各種プラスチック製品に多用されている。また、無機質充填剤は、一次粒子径が細かいものの方が機械物性等の改良効果があることは公知である。
一般的に各種無機質充填剤を各種熱可塑性樹脂に添加する場合には、一軸あるいは二軸混練機、ニーダー、バンバリーミキサー等を用いて、無機質充填剤と熱可塑性樹脂とを溶融混練した後、必要な場合は押出機等を通した後、ストランドカッターまたはアンダーウォーターカッター等を用いる造粒工程を経て、無機質含有の熱可塑性樹脂ペレットを得る。このようにして得られた熱可塑性樹脂ペレットは、射出成形機、押出成形機、ブロー成形機等を用いて再度、加熱溶融され製品に成型される。
各種の無機質充填剤と熱可塑性樹脂とを溶融混練する場合、無機質充填剤の平均粒子径が小さくなればなるほど、その嵩密度が小さくなり、そのため嵩比容が大きくなり溶融混練する際に混練機のスクリュー等への食い込みが悪化したり、熱可塑性樹脂組成物の吐出量が低下したりして混練および造粒の生産性、作業性は落ち、熱可塑性樹脂組成物の生産量が落ちる。この現象は、無機質充填剤に内包される内部空気が原因となっている。その解決策として、ローラー圧縮成形機を用いて無機質充填剤を圧縮することにより脱気して無機質充填剤の嵩密度を大きくすれば、混練機のスクリューへの食い込みが良くなり、造粒の生産性、作業性が改善されることは公知である(特許文献1)。
ところで、無機質充填剤のうち、タルクは、熱可塑性樹脂の高剛性化、低収縮率化等の目的で改質剤として熱可塑性樹脂に添加される。ポリプロピレン系樹脂にタルクとエラストマー等を添加した混合物は、自動車用バンパー、インスツルメントパネル、ドアトリムおよびピラー用の材料として広く使用されている。
しかしながら、近年ポリプロピレン系樹脂を原料として射出成形機を用いて成型する自動車外装部品のバンパー等の大型部品は、コストダウン化の一環として、あるいは成形サイクルを短縮するために、薄肉化されており、それに伴いポリプロピレン系樹脂の高剛性化、高流動化が進んでいる。
たとえば、以前はバンパー材であるポリプロピレン系樹脂(組成物)は、MFR(ASTM
D1238、230℃、荷重2.16kg)が10g/10分以下のものが主流であったが、最近は10g/10分を超え、MFRが20〜50g/10分のポリプロピレン系樹脂(組成物)が用いられるようになり、多様化している。中には、MFRが100g/10分前後のポリプロピレン系樹脂(組成物)からなる自動車内装材料も存在する。
また、原料樹脂中に添加されたタルクの圧縮物(以下、「圧縮タルク」と称する場合がある。)は、樹脂の混練時における剪断力によって、粒子間が分離、分散される。樹脂のMFRが高くなると剪断力が小さくなるために、従来の圧縮により脱気された嵩密度が0.6〜0.8g/cm3の高嵩密度圧縮タルクでは、溶融混練時に圧縮されたタルクを完
全に分離、分散することはできず、タルクの一部は凝集塊のままになっている。そのため、混練装置として一軸あるいは二軸押出機を使用した場合は、押出機先端のダイス手前に設置されたスクリーンメッシュに凝集塊が徐々に詰まり、スクリーンメッシュへの圧力が上がってくるが、混練樹脂の吐出量が低下してくるために、数時間おきにスクリーンメッシュを交換しなくてはならないという問題があった。また、スクリーンを通過した凝集塊は樹脂中に分散してない状態で入っているために、その樹脂を使用した成形品の耐衝撃特性が悪化し、また成形品表面にブツ状に見えて外観を悪化させるという問題があった。
これらの問題を解決する方法としては、圧縮度合いを落として、嵩密度を0.4〜0.6g/cm3 に調整した、脱気および圧縮処理されたタルクを用いれば、圧縮度合いが小さくなり嵩密度が低くなるに従って圧縮されたタルクは分散しやすくなるため、溶融混練時の樹脂中でのタルクの分散状態は改善され、スクリーンメッシュの詰まりも少なくなり、耐衝撃特性と表面外観が良好な成型品が得られる。
しかしながら、タルクの嵩密度が低くなった分、溶融混練を行なう押出機のスクリューへの食い込みが悪くなるため、混練樹脂の吐出量が少なくなり、混練樹脂の生産性が悪くなるという問題がある。
すなわち、高MFRの熱可塑性樹脂に、上記の脱気および圧縮処理されたタルクを添加して混練しても、嵩密度が0.6g/cm3 より低くなるに従って圧縮されたタルクの分散性は良くなるので、成型品の耐衝撃特性や表面外観を悪化させることはないが、押出機における溶融混練物の生産性が悪化して行く。
したがって、従来より、嵩密度が高くても分散性の良好な圧縮タルクの出現が望まれている。また、熱可塑性樹脂への添加、溶融混練時における圧縮タルクの分散性を事前に評価できる指標も求められている。
本願発明者らは、このような状況下で鋭意研究した結果、圧縮タルクの製造条件を適正化することにより、高嵩密度であっても従来の脱気および圧縮処理して得られる圧縮タルクよりも分散性に優れる圧縮タルクを得ることができること、および溶融混練時の圧縮タルクの分散性を事前に評価できる手段を見出し、本発明を完成した。
より具体的に説明すると、本願発明者らは、従来の脱気および圧縮処理して得られた高嵩密度のタルク二次粒子は、二次粒子の外部と内部で圧縮度合いが異なり、二次粒子の内部になる程圧縮度合いが大きく、高嵩密度になっているためにタルク一次粒子同士が強く密着しており、熱可塑性樹脂との溶融混練時に圧縮されたタルク二次粒子の中央部の一次粒子間が分離、分散しにくくなっていると考え、粉末タルクをより均一に脱気と圧縮を行なうことによって、従来の脱気、圧縮工程を採用したタルクの製造方法により得られた圧縮タルクよりも、樹脂組成物中での分散性が飛躍的に改善された圧縮タルクを製造することができることを見出した。粉末タルクを均一に脱気するために、粉末タルクを直に圧縮することなく脱気する方法を採用した。
さらに、本願発明者らは、脱気した後に圧縮処理して得られたタルクの評価方法としては、タルクの嵩密度と破壊率が、樹脂組成物中のタルクの分散度合いと相関関係があることを見出した。
すなわち、平均一次粒子径0.1〜10μmの粉末タルクを、嵩密度が0.6〜0.94g/cm3、好ましくは0.70〜0.85g/cm3、破壊率が70〜100重量%、好ましくは75重量〜100重量%、さらに好ましくは81〜100重量%となるように、粉末タルクを直に圧縮することなく脱気する脱気工程と圧縮工程をこの順で行なって得
られたタルクであれば、樹脂組成物中での分散性が飛躍的に改善することが分かった。このようにして得られた圧縮タルクを使用すると、たとえば、MFR(ASTM D1238、230℃、荷重2.16kg)が60g/10分というような流動性の高いポリプロピレン樹脂を使用しても、溶融混練作業を、混練物の生産性を阻害することなく行なうことができ、優れた機械物性と表面外観を有したポリプロピレン樹脂成型品を得ることができることを見出し、本発明を完成した。
特許第3241746号公報
本発明は、上記のような従来技術に伴う問題を解決しようとするものであって、熱可塑性樹脂に添加して溶融混合する場合に、嵩密度が高くても分散性に優れる圧縮タルクを提供することを目的としている。
また、本発明は、圧縮タルクの分散性の度合いを熱可塑性樹脂に混合する前に評価することができる指標を提供することを目的としている。
本発明に係るタルク(圧縮タルク)は、
平均一次粒子径0.1〜10μmの粉末タルクを直に圧縮することなく脱気した後に圧縮して得られる顆粒状のタルクであって、嵩密度が0.6〜0.94g/cm3であり、
かつ、破壊率が70〜100重量%であることを特徴としている。
本発明に係るタルクの嵩密度は0.7〜0.85g/cm3であることが好ましい。
また、本発明に係るタルクの破壊率は75〜100重量%であることが好ましい。
本発明によれば、ポリプロピレン系樹脂等の熱可塑性樹脂中における分散性に優れるタルクを提供することができる。このタルクは、熱可塑性樹脂との混練、熱可塑性樹脂組成物の造粒作業を阻害することはない。本発明に係るタルクを用いれば、タルクが良好に分散している熱可塑性樹脂組成物の製造が可能となる。
本発明により得られる上記効果は、以下の機構によって発現するものと考えられる。
すなわち、圧縮タルクの製造方法において、脱気、圧縮装置の運転条件をバランス良く設定すること(脱気工程では真空度を高め、圧縮工程ではタルクにかかる圧力を弱め、ロールの回転数を落とす。従来の圧縮タルクの製造方法では、脱気工程の真空度が低く、タルクにかかる圧力が強く、ロールの回転数も高い。)により、樹脂との混練および造粒の作業性と、混練物のペレットの生産性を低下することのない範囲の嵩密度を維持し、圧縮されたタルク二次粒子の中心部分に過度に圧力が掛からない、すなわち、圧縮されたタルク二次粒子の中央部に、嵩密度の非常に高い凝集物(硬く締まりすぎた凝集物(芯))ができない、全体的に均一に圧縮された適度な破壊率(硬さ)の圧縮タルクを得ることができる。その結果として、熱可塑性樹脂との混練、および熱可塑性樹脂組成物の造粒作業を阻害することなく、タルクが良好に分散している熱可塑性樹脂組成物の製造が可能となる。
以下、本発明に係るタルクについて具体的に説明する。
本発明に係るタルクは、粉末タルクを直に圧縮することなく脱気した後に圧縮された顆粒状のタルク(以下、単に「チップタルク」、または「圧縮タルク」ともいう。)であって、脱気される前のタルクの平均粒子径すなわち平均一次粒子径が0.1〜10μmであり、脱気および圧縮処理して得られるタルク粒子すなわち二次粒子が0.6〜0.90g/cm3の嵩密度と70重量%以上の破壊率を有している。
本発明における嵩密度と破壊率は、下記の方法により求められた値である。
まず嵩密度の測定方法について説明する。
脱気および圧縮処理されたタルク試料を、JIS K5101に規定されたカサ比重測定装置の漏斗に適量入れる。次いで、この試料を、JIS K5101に規定された嵩密度測定装置に付属する受器に山盛りになるまで投入し、受器の投入口から上部の山盛りになった試料をヘラで削り取り、受器内の試料の重量を測定し、下式にて算出する.
嵩密度(g/cm3)=受器内の試料の重量(g)/受器の容量(cm3
次に、破壊率の測定方法について説明する。
まず脱気および圧縮処理されたタルク試料100gを、ボールミル磁性ポット(内径100mm×内深100mm、外径120mm、口径65mm)に投入し、35g(直径30mm)の磁性球3個を粉砕メディアとして加え、磁性蓋をした後ボールミルにて75rpmで15分間粉砕する。次いで、粉砕された試料を500μmの篩にかけ、篩から落ちたタルク粉の重量を秤量し、下式にて算出する。
破壊率(重量%)=[W1 /W0 ]×100
(式中のW1は、篩から落ちたタルク粉の重量(Xg)であり、W0は、タルク試料の
初期重量(100g)である。)
この試験方法は、旧全国購買農業協同組合連合会の「粒剤の物理的試験方法」に規定された磁性ポット、磁性球を使用した試験方法である。
本発明に係るタルク(チップタルク)の形状は、顆粒状で、棒状、粒状、フレーク状、不定形など特に制限はなく、嵩密度と破壊率が上記範囲内にあればよい。
次に、本発明に係るタルクの製造方法について説明する。
本発明に係るタルクの製造に際して用いられる粉末タルクは、平均一次粒子径が0.1〜10μm、好ましくは0.2〜8μm、さらに好ましくは0.5〜6μmであり、その形状は特に制限はない。
本発明に用いる無機質充填剤である粉末タルクは、樹脂との親和性を高めるために、その表面をトリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール等のアルコール類、トリエチルアミン等のアルカノールアミン、オルガノポリシロキサン等の有機シリコーン系化合物、ステアリン酸等の高級脂肪酸、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム等の脂肪酸金属塩、ポリエチレンワックス、流動パラフィン等の炭化水素系滑剤、リジン、アルギニン等の塩基性アミノ酸、ポリグリセリンおよびそれらの誘導体、並びにシラン系カップリング剤、チタネート系カップリング剤、アルミニウム系カップリング剤等のカップリング剤から選ばれる少なくとも1種で処理しておくこともできる。
本発明の脱気、圧縮された無機質充填剤であるタルクに、脱気、圧縮前の粉末タルク100重量%に対して分散剤を0.05〜5重量%、好ましくは0.1〜2重量%配合すれ
ば、脱気、圧縮されたタルク二次粒子と熱可塑性樹脂とを溶融混練するときに密着した一次粒子の分散性が向上するので好ましい。
用いる分散剤は、一般に知られているものでよく、たとえば前述のようなアルコール類、アルカノールアミン、有機シリコーン系化合物、高級脂肪酸、脂肪酸金属塩、炭化水素系滑剤、塩基性アミノ酸、ポリグリセリンおよびそれらの誘導体などが挙げられる。
本発明においては、これらの分散剤から選ばれる1種か、あるいは2種以上を用いることができ、前述の表面処理を行なった無機質充填剤であるタルク粒子に分散剤を加えて後に、脱気、圧縮することもできる。また、分散剤を加えずに脱気、圧縮したタルク二次粒子を熱可塑性樹脂と溶融混練するときに、さらに分散剤を加えて造粒してもよい。
さらに、本発明の脱気、圧縮された無機質充填剤であるタルクには、脱気、圧縮する前に、必要に応じて、本発明の特徴を損なわない範囲で、分散剤の他に種々の添加剤を配合した後、脱気、圧縮してもよい。そのような添加剤として、酸化防止剤、重金属不活性剤、有機系充填剤等を用いることができ、それらを1種類または2種類以上を併用することができる。具体的には、たとえば有機系充填剤としては木粉、パルプ粉、プラスチックスビーズ、プラスチックスバルーン等の増量剤、ハロゲン系等の難燃剤、ベンゾフェノン、ベンゾトリアゾール等の紫外線吸収剤、フェノール系等の酸化防止剤、抗菌・抗カビ剤、アニオン系、カチオン系、非イオン系等の帯電防止剤、フタロシアニン、キナクリドン、べンジジン等の顔料、アゾ系、キノン系等の染料などが挙げられる。勿論、これらの種々の添加剤は、脱気、圧縮したタルク二次粒子を熱可塑性樹脂と溶融混合するときに加えてもよい。
本発明に係るタルクは、まず平均一次粒子径0.1〜10μmの粉末タルクを直に圧縮することなく脱気し、次いで、圧縮することにより得ることができる。
たとえば、図1に示すような脱気装置[栗本鉄鋼(株)製の嵩比重増加機、商品名 クリバックKV−200型]1のホッパー2に、たとえば嵩比重0.12の粉タルクを入れ、400〜420Torrの真空度で脱気しながら、脱気装置1中の搬送スクリュー3を回転数39〜42rpmで回転させて脱気装置1中に通し、嵩密度が0.35g/cm3 になるまで脱気する。
次に、脱気したタルクを脱気装置排出口4から圧縮装置[栗本鉄鋼(株)製の圧縮機、商品名 ローラーコンパクタRCP400W型]5のサービスホッパー6に落とし、サービスホッパー6中のホッパースクリュー7を19〜20rpmで回転させて脱気したタルクを、たとえば0.5mm間隔にした2本の圧縮ロール8a、8b間に押し込む。この2本の圧縮ロール8a、8bを油圧60〜65kg/cm2 で押しつけ、6.0〜6.5rpmで回転させ、その間に脱気したタルクを通して圧縮し、目的とする脱気、圧縮されたタルクを得る。
[実施例]
以下、本発明を実施例により説明するが、本発明は、これら実施例により何ら限定されるものではない。
まず、粉末タルクとして平均一次粒子径1.8μmの粉タルク・ハイフィラー#5000PJ〔商品名;松村産業(株)製〕を、脱気装置〔栗本鉄鋼(株)製の嵩密度増加機、商品名 クリバックKV−200型〕にて脱気し、次いで、脱気されたタルクを、サービスホッパーに付随のホッパースクリューを用いて、圧縮装置〔栗本鉄鋼(株)製の圧縮機、商品名 ローラーコンパクタRCP400W型〕に送って圧縮し、圧縮タルクを得た。
上記の各々の装置の運転条件を表1に示す。また、得られた圧縮タルクの嵩密度と破壊率を前述した方法で測定した。その結果を表1に示す。
次に、ポリプロピレンブロックコポリマーパウダー(A)[MFR(ASTM D1238、230℃、荷重2.16kg)=30g/10分、エチレン・プロピレン共重合物含有量=23質量%
、エチレン・プロピレン共重合物のエチレン含量=40モル%]75重量部と、エチレン・1−ブテン共重合体(B)[ムーニー粘度ML1+4(100℃)=16、エチレン含量
=82モル%]3重量部と、上記圧縮タルク(T−1)22重量部と、フェノール系耐熱安定剤(C)[商標名 イルガノックス(Irganox)1010、チバスペシャリティーケミカ
ル社製]0.10重量部と、リン系耐熱安定剤(D)[商標名 イルガフォス(Irgafos
)168、チバスペシャリティーケミカル社製]0.10重量部と、ステアリン酸カルシウ
ム(E)0.10重量部とを、タンブラーミキサーを用いて混合した。
次いで、得られた混合物を、混練機ホッパーに直接投入し、二軸混練機[日本製鋼所(株)製、CIM−50](シリンダー温度設定180℃、スクリュー回転数750/810rpm)に通した後、先端のブレーカープレート内側にステンレス製スクリーンメッシュ(60/80/60メッシュ)を取り付けたスクリュー径65mmの一軸押出機[東芝機械(株)製、SE−65](シリンダー温度設定200℃、スクリュー回転数120rpm)に通し、押出機先端のダイスから出て来るストランドを水槽に通して冷却した後、ストランドカッターを通して所定の長さに切断して樹脂組成物のペレットを得た。なお、上記一軸押出機の樹脂押出量は50kg/Hrであった。
次に、得られた樹脂組成物のペレットに、黒のマスターバッチ(東京インキ(株)製PPCM 895Y−176)を3%添加して射出成形機にて縦100mm、横350mm、厚み3mmの平板を作製して、平板片面について0.5mm以上の大きさの表面異物を大ブツ、0.5mm以下の大きさの表面異物を小ブツとして目視観察により数えた。また、この3mm厚の平板を使用して、以下の条件で高速面衝撃試験を実施し、破壊エネルギーおよび延性エネルギーの測定を行なった。
<高速面衝撃試験の条件>
測定温度=−30℃
受け穴直径=1インチ
撃芯先端は半球状で直径=0.5インチ
撃芯が平板に当たる時の速度=5m/秒
ここに、破壊エネルギーとは、撃芯が平板を突き抜けて破壊する時の全エネルギーを示し、延性エネルギーとは、破壊応力が降伏点を過ぎた後の破壊エネルギーを示す。
また、脆化温度の測定を、JIS K7216規格に従って行なった。
これらの結果を表2に示す。
[比較例1]
まず、粉末タルクとして平均一次粒子径1.8μmの粉タルク・ハイフィラー#5000PJ[商品名;松村産業(株)製]を、脱気装置[栗本鉄鋼(株)製の嵩密度増加機、商品名 クリバックKV−200型]にて脱気し、次いで、脱気されたタルクを、サービスホッパーに付随のホッパースクリューを用いて、圧縮装置[栗本鉄鋼(株)製の圧縮機、商品名 ローラーコンパクタRCP400W型]に送って圧縮し、圧縮タルク(T−2)を得た。上記の各々の装置の運転条件を表1に示す。また、得られた圧縮タルク(T−2)の嵩密度と破壊率を前述した方法で測定した。その結果を表1に示す。
次に、実施例1において、圧縮タルク(T−1)の代わりに上記圧縮タルク(T−2)を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物のペレットを得た。
次に、得られた樹脂組成物のペレットに、黒のマスターバッチ(実施例1で使用したマスターバッチと同じ。)を3%添加して射出成形機にて縦100mm、横350mm、厚み3mmの平板を作製して、平板片面について0.5mm以上の大きさの表面異物を大ブツ、0.5mm以下の大きさの表面異物を小ブツとして目視観察により数えた。また、この3mm厚の平板を使用して、実施例1と同じ条件で高速面衝撃試験を実施し、破壊エネルギーおよび延性エネルギーの測定を行なった。また、脆化温度の測定を、JIS K7216規格に従って行なった。
これらの結果を表2に示す。
[比較例2]
まず、圧縮していない平均粒子径1.8μmの粉タルク・ハイフィラー#5000PJ[商品名;松村産業(株)製](T−3)を用意した。このタルク(T−3)の嵩密度および破壊率を表1に示す。
実施例1において、圧縮タルク(T−1)の代わりに、粉タルク(T−3)[圧縮していない平均粒子径1.8μmの粉タルク・ハイフィラー#5000PJ(商品名;松村産業(株)製)]を用いた以外は、実施例1と同様にして、樹脂組成物のペレットを得た。
次に、得られた樹脂組成物のペレットに、黒のマスターバッチ(実施例1で使用したマスターバッチと同じ。)を3%添加して射出成形機にて縦100mm、横350mm、厚み3mmの平板を作製して、平板片面について0.5mm以上の大きさの表面異物を大ブツ、0.5mm以下の大きさの表面異物を小ブツとして目視観察により数えた。また、この3mm厚の平板を使用して、実施例1と同じ条件で高速面衝撃試験を実施し、破壊エネルギーおよび延性エネルギーの測定を行なった。また、脆化温度の測定を、JIS K7216規格に従って行なった。
これらの結果を表2に示す。
ポリプロピレンブロックコポリマーパウダー(F)[MFR(ASTM D1238、230℃、荷重2.16kg)=55g/10分、エチレン・プロピレン共重合物含有量=11質量%、エチ
レン・プロピレン共重合物のエチレン含量=40モル%]63重量部と、実施例1で用いたエチレン・1−ブテン共重合体(B)15重量部と、圧縮タルク(T−1)22重量部と、フェノール系耐熱安定剤(C)[商標名 イルガノックス(Irganox)1010、チバス
ペシャリティーケミカル社製]0.10重量部と、リン系耐熱安定剤(D)[商標名 イルガフォス(Irgafos)168、チバスペシャリティーケミカル社製]0.10重量部と、ステアリン酸カルシウム(E)0.10重量部とを、タンブラーミキサーを用いて混合した。
次いで、得られた混合物を、混練機ホッパーに直接投入し、二軸混練機[日本製鋼所(株)製、CIM320S](シリンダー温度設定初期:200℃、押出安定後120℃、スクリュー回転数362/406rpm)に通した後、先端のダイス内側にステンレス製スクリーンメッシュ(60/100/40/20メッシュ)を取り付けたスクリュー径380mmの一軸押出機[日本製鋼所(株)製](シリンダー温度設定初期200℃、押出安定後60℃、スクリュー回転数600rpm)に通し、押出機先端のダイスから出て来るストランドをアンダーウォーターカットで樹脂組成物のペレットを作製した。
このペレットを作製する工程において、ダイス内側のスクリーン前圧力上昇時間を測定した。具体的には、樹脂押出量8.8ton/Hrで運転を行ない、スクリーン交換後、
ダイス内側のスクリーン前圧力が16MPaを超えるまでの時間を測定した。その結果を表3に示す。
[比較例3]
実施例2において、圧縮タルク(T−1)の代わりに圧縮タルク(T−2)を用いた以外は、実施例2と同様にして、樹脂組成物のペレットを作製した。
このペレットを作製する工程において、ダイス内側のスクリーン前圧力上昇時間を、実施例2と同様にして、測定した。その結果を表3に示す。
Figure 2005104794
Figure 2005104794
Figure 2005104794
図1は、本発明に係るタルクの製造で用いられる、脱気装置と圧縮装置との組み合わせの一例を示す模式図である。
符号の説明
1:脱気装置
2:ホッパー
3:搬送スクリュー
4:脱気装置排出口
5:圧縮装置
6:サービスホッパー
7:ホッパースクリュー
8a、8b:圧縮ロール

Claims (3)

  1. 平均一次粒子径0.1〜10μmの粉末タルクを直に圧縮することなく脱気した後に圧縮して得られる顆粒状のタルクであって、嵩密度が0.6〜0.94g/cm3 であり、かつ、破壊率が70〜100重量%であることを特徴とするタルク。
  2. 前記嵩密度が0.7〜0.85g/cm3である請求項1に記載のタルク。
  3. 前記破壊率が75〜100重量%である請求項1または2に記載のタルク。

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