JPH07301822A - 薄膜構造、及び薄膜構造形成方法 - Google Patents

薄膜構造、及び薄膜構造形成方法

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JPH07301822A
JPH07301822A JP9511995A JP9511995A JPH07301822A JP H07301822 A JPH07301822 A JP H07301822A JP 9511995 A JP9511995 A JP 9511995A JP 9511995 A JP9511995 A JP 9511995A JP H07301822 A JPH07301822 A JP H07301822A
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chromium
layer
thin film
molybdenum
mocr
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Jackson H Ho
エイチ.ホ ジャクソン
Robert R Allen
アール.アレン ロバート
Tzu-Chin Chuang
チュアング ツ−チン
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Xerox Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 モリブデンとクロミウムから成る導電ライン
によって十分なエッチング適性と導電性が付与される薄
膜構造を提供する。 【構成】 PVDを使用して第1と第2のサブレイヤを
生成し、それらを合わせてモリブデン−クロミウム層を
形成する。リソグラフィを実行してマスク材料のパター
ンを生成する。エッチングを実施して、マスク材料のパ
ターンで被覆されてない領域を除去し、パターン被覆さ
れた部分のモリブデン−クロミウム層では、モリブデン
とクロミウムを含む導電ラインを形成する。さらにエッ
チングによって、導電ライン上にテーパ状エッジを生成
し、導電ラインからマスク材料のパターンを除去する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は薄膜構造に関する。
【0002】
【従来の技術】Noriyama他によるアメリカ特許第5、1
32、819号では、アクティブマトリックス型の液晶
表示装置が示されている。その図4と図5に関して示さ
れ且つ述べられるように、クロミウム(Cr)フィルム
はガラス等の絶縁基板の上面においてスパッタリングす
ることによって形成される。クロミウムフィルムをフォ
トエッチングすることによって、ゲート電極、補助キャ
パシタンスライン、及び導体を形成する。走査ラインは
ゲート電極と一体に形成される。他の幾つかの機能が形
成された後で、モリブデン(Mo)フィルムが形成さ
れ、そのモリブデンフィルムの上にアルミニウム(A
l)フィルムが形成され、そのモリブデン−アルミニウ
ム(Mo−Al)複合フィルムをフォトエッチングする
ことによって、ドレイン電極、ソース電極、及び信号ラ
イン(即ち、コラム選択ライン)を形成する。
【0003】Hikichi 他によるアメリカ特許第5、27
9、980号では、アルファ−タンタルから成る第1の
配線部材を有する薄膜半導体デバイスの製造技術が示さ
れている。その第1コラム57行目から第2コラム5行
目において述べられているように、ゲート電極、ソース
電極、ドレイン電極、及び信号配線等の第1の配線部材
は、ガラス基板に対して良好な接着性を備え且つ次の加
熱処理において品質低下を避けるべく十分な耐熱性を有
する導電性材料から構成されなければならない。タンタ
ル(Ta)、モリブデン(Mo)、チタン(Ti)、及
びクロミウム(Cr)等の高融点(耐熱)金属が従来か
ら用いられているが、タンタルが最も広範囲に使用され
ている。同アメリカ特許の第2コラム15乃至23行目
には、TaWとTaMo等のタンタル合金がある領域に
おいて使用されているが、結果として得られる陽極酸化
フィルムはより大きな耐電圧に貢献することなく、この
ような合金はα−タンタルよりも導電性が低いことが示
されている。TaMoを備えた構造は同アメリカ特許の
図1乃至図9Bに関して示され且つ述べられている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、基板の表面
に薄膜構造を提供するものであり、薄膜構造はモリブデ
ン(Mo)とクロミウム(Cr)から成る導電ラインを
含む。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明の一形態は、表面
を有する基板と、該基板の表面に形成される薄膜構造
と、を有する製品において、モリブデン−クロミウムを
含む導電ラインを有する薄膜構造である。
【0006】本発明の別の形態は、表面を有する基板
と、該基板の表面に形成される薄膜構造と、を有する製
品における薄膜構造であって、該薄膜構造は、画像を表
示するための光制御ユニットのアレイを有し、各光制御
ユニットはユニット信号を受信するためのリードを有す
るとともに、アレイによって表示された画像のセグメン
トを表示させることによってそのユニット信号に応答
し、それぞれがモリブデン−クロミウムを含む2つ以上
の導電ラインを有し、各導電ラインは、光制御ユニット
の集合の各光制御ユニットのリードに接続されて、該集
合内の光制御ユニットにユニット信号を付与する。
【0007】本発明のさらに別の形態は、基板の表面に
薄膜構造を形成する方法であって、物理的蒸着を実行し
てモリブデン−クロミウムを含む第1の層を生成するこ
とを有し、リソグラフィを実行してマスク材料のパター
ンを生成することを有し、該パターンは該第1の層の一
部を被覆する部分を含み、第1の層の被覆部分は導電ラ
インの形状を有し、第1の層の被覆部分がモリブデン−
クロミウムを含む導電ラインを形成するようにエッチン
グを行なってマスク材料のパターンで被覆されてない領
域を除去することを有し、導電ラインを被覆するマスク
材料のパターンの一部を除去する。
【0008】本発明は、結果としてのモリブデン−クロ
ミウム(MoCr)層が、それがCrであるように、但
し純Crよりも大きな導電性を有する場合とほぼ同じ方
法で処理できるように、MoとCrを物理的に蒸着する
ことによって実施することができる。MoとCrは、順
にターゲットを越えて基板を移動させることによって個
別のMoとCrの各ターゲットからスパッタリングする
ことができる。あるいは、MoとCrの両方を1つの合
金ターゲットからスパッタリングすることもできる。M
oCr層が形成された後で、マスク材料のパターンをリ
ソグラフィ技法を用いて形成することもでき、エッチン
グによって、パターンで被覆されてない領域を除去する
ことができる。パターンはMoCr層の一部を被覆する
導電ラインの形状を有する一部を含むので、被覆された
部分はMoCr導電ラインを形成する。さらに、マスク
材料を導電ラインの上側から除去することができる。
【0009】試験によってMoCr層がCrと同様にウ
ェットエッチングできることが示されている。また、試
験によって、50%以下のモリブデンを含むMoCr層
が、Crと同様に、NH4 OHとH2 2 を含み且つ純
Mo層を除去することになる溶液によるクリーニングの
影響を受けないことが示されている。一方、純Moは、
3 PO4 、HNO3 、HFを含む溶液等のシリコン用
エッチング溶液と、H 3 PO4 とCH3 COOHとHN
3 、さらに、H2 SO4 とH2 2 等のアルミニウム
用エッチング溶液を含む、薄膜構造を製造する際に一般
に使用される多くのエッチング溶液による破壊的な化学
作用を受けやすい。
【0010】MoとCrの多くの異なる原子割合によっ
て、純Moよりも容易に処理可能であり、且つ純Crよ
りも導電性の大きな層が形成されることになる。試験に
よって、モリブデンの原子百分率が15乃至85の間の
割合とされる層がこの基準を満たしていることが示され
る。実際の適用において、モリブデンが40乃至60の
間の原子百分率である導電ラインは十分な誤差の限界状
態で使用できる。本発明は、クロミウムとのバランスの
とれた状態でほぼ40乃至60原子百分率のモリブデン
を含む導電ラインで実施されている。
【0011】さらに、MoとCrの種々の原子割合を用
いて異なるエッチング速度でMoCr層を生成すること
ができる。エッチング方法によってテーパ状のMoCr
ラインを生成することができ、比較的厚い導電ラインに
対してもステップカバレッジの問題を大きく軽減するこ
とになる。
【0012】本発明によるMoCr導電ラインは、アク
ティブマトリックス液晶ディスプレイ(AMLCD)の
光制御ユニットのアレイにおける走査ラインであっても
よい。光制御ユニットはそれぞれ薄膜トランジスタ(T
FT)を含み、各導電ラインは例えば、TFTの集合の
ゲートに対し信号を付与するための走査ラインであって
もよい。各走査ラインは、例えば、横列の光制御ユニッ
トにおけるTFTに接続され得る。
【0013】本発明は幾つかの従来技術と比較して有益
である。
【0014】絶縁基板上のCrラインと比較すると、M
oCr合金ラインは同様にエッチング可能であるが、シ
ート抵抗率とフィルム応力が低くなり、より厚いフィル
ムを可能にすることになり、これによってRC遅延時間
を短縮する。代表的な1000オングストローム膜厚の
スパッタ蒸着Crフィルムは、蒸着条件によっては10
乃至30オーム/スクエアの範囲内のシート抵抗率を有
する。より高いアルゴン(Ar)気圧で蒸着されたCr
フィルムは応力が低くなり、従って、次の処理中ではフ
ィルム破壊に影響されにくいが、不都合にもこのような
フィルムは抵抗率が高くなる。反対に、通常のスパッタ
リング条件のもとで蒸着されたMoCr合金のフィルム
は、フィルム応力と抵抗率が非常に低くなり、1000
オングストローム膜厚のMoCrフィルムは応力がゼロ
に近く、また3オーム/スクエア未満で適切に製造され
ている。アレイのサイズが大きくなるほど、MoCr合
金ラインはCrラインよりもすぐれた働きを示す理由
は、MoCrの抵抗が小さく、従ってRC遅延が少なく
なるからである。MoCr合金システムでは、合金組成
を変化させることによってある特性の微調整が可能であ
る。つまり、フィルム応力、Crエッチングにおけるウ
ェットエッチング速度、及び何か他の化学エッチング溶
液に対する抵抗が微調整可能な特性の例である。さら
に、MoCr合金システムは、異なるエッチング速度を
付与するために層の内部で変化させることができ、テー
パ状のエッジを可能にする。
【0015】アルミニウムラインと比較して、MoCr
は耐高熱性金属であるので、ディスプレイ製造における
化学誘電性蒸着の一般的な範囲とされる300乃至40
0℃等の高熱処理に耐え得るものである。一方、アルミ
ニウムは高熱処理ではヒロック(盛り上がり部分)を形
成する。ヒロックはアルミニウムラインが使用された際
のデバイス不良の主因である。
【0016】Mo−Ta合金ラインと比較して、MoC
rラインは、Crに適用可能なウェットエッチング技法
を用いて製造することができ、一方、Mo−Taライン
は、広範囲且つしばしば均一性問題を有する、プラズマ
エッチング等のドライエッチング処理を用いて製造され
るにすぎない。
【0017】MoCrラインはまた、MoCr合金シス
テムによって大域アクティブマトリックスディスプレイ
の性能が向上されるので有利である。
【0018】
【実施例】「合金」は肉眼的に同質の2つ以上の金属の
混合物の材料である。
【0019】合金、又は2つ以上の構成要素から成る他
の混合物において、構成要素の原子の数量間の関係は、
「原子百分率」、「原子割合」、又は「原子比」として
表示できる。
【0020】「MoCr」又は「モリブデン−クロミウ
ム」は、モリブデンとクロミウムを含む合金を意味す
る。MoCrはまた、フィルム特性に影響を及ぼさない
1つ以上の微量の付加金属を含むこともある。
【0021】図1は、モリブデン−クロミウム(MoC
r)導電ラインを含む薄膜構造を示す。図2はMoCr
導電ラインを生成する際の一般的な動作を示す。
【0022】図1において断面図で示される製品10
は、薄膜構造16が形成される表面14を備えた基板1
2を有する。薄膜構造16は導電ライン18を有し、導
電ライン18はモリブデン−クロミウムを含む。導電ラ
イン18は表面14上にあってもよいが、図1の省略符
号によって示唆されるように、薄膜構造16は、MoC
r導電ライン18と表面14の間に1つ以上の層を含む
ことがある。薄膜構造16はまた、MoCr導電ライン
18上に1つ以上の層を含むこともある。
【0023】図2において、ボックス30における動作
は物理的蒸着法(PVD)を実行することによって始ま
り、モリブデン−クロミウムを含む層を生成する。ボッ
クス32における動作は、リソグラフィを実行すること
によって、導電ラインの形状を有するMoCr層の一部
を被覆するマスク材料のパターンを生成する。ボックス
34における動作はエッチングを行なうことによって、
ボックス32からのマスク材料のパターンで被覆されて
ない領域を除去する。ボックス34におけるエッチング
の結果、MoCr層の被覆部分はMoCr導電ラインを
形成する。ボックス36における動作はMoCr導電ラ
インからマスク材料のパターンを除去する。
【0024】上述された一般的特徴を多数の方法で実行
して、MoCr導電ラインを備えた薄膜構造を提供す
る。後述されるように、一般的特徴は多数の方法で実行
されている。後述される実行方法の一つに従ってMoC
r導電ラインを含む製品は、Martin,R.; Chuang,T.; St
eemers,H.; Allen,R.; Fulks,R.; Stuber,S.; Lee,D.;Y
oung,M.; Ho,J.; Nguyen,M.; Meuli,W.; Fiske,T.; Bru
ce,R.; Thompson,M.; Tilton,M.; Silverstein,L.D.に
よる「P-70: A 6.3-Mpixel AMLCD," SID 93 Digest, 19
93, pp.704-707」にも記載されている。
【0025】図3はMoCr走査ラインを備えたアレイ
の部分的配置を示す。図4は図3のアレイにおける光制
御ユニットの配置を示す。
【0026】図3におけるアレイ70は、走査ライン7
2、74、・・・76、及びデータライン80、82、
・・・84を含む。走査ライン72、74、・・・76
はMoCr導電ラインであり、走査ライン74・・・7
6はそれぞれ、横列の光制御ユニットに接続されて、そ
の列の光制御ユニットを選択する信号を付与する。図示
の光制御ユニット90は、例えば、走査ライン74から
その信号を受信する。
【0027】ある具体例では、アレイ70における各光
制御ユニットはその走査ラインから2値走査信号を受信
することによって、光制御ユニットが選択されたり、さ
れなかったりする。従って、走査ラインの導電性が重要
であるのは、導電性が低下すると走査信号が減衰且つ遅
延することになるからである。MoCr導電ラインはこ
の問題を解消するために十分な導電性を付与する。
【0028】図4は光制御ユニットを示すものであり、
薄膜構造の幾つかの層を示し、上側層は、下側層を覆い
隠す基板の表面から最も離れている。
【0029】図4に示される最上層は上部金属層であ
り、光制御ユニットにおけるトランジスタのチャネルリ
ードに接続されるデータライン110を形成し、上部金
属層はまた、後述される他の幾つかの特徴も形成する。
図示される次の層はインジウム−スズ−酸化物(IT
O)の層であり、これは透明電極112を形成する。次
の層は上部窒化層であり、トランジスタの一部であるア
イランド144を形成する。図示の最下層はMoCr層
であり、これはゲートライン116を形成し、これに接
続されるとともにトランジスタのゲートリードとしての
役割をするゲートリード118を形成する。
【0030】データライン110は、0.2オーム/ス
クエア(sq.)の抵抗値で実行可能であり、−8V、
0V、+8Vにおいて駆動可能である。データライン1
10はデータ信号を、図4にその一つが図示される縦列
の2進制御ユニットに付与する。ゲートリード118上
に延出するデータライン110の一部はトランジスタの
ソースリードと接続する。
【0031】ゲートライン116は同様にして、走査信
号を横列の2進制御ユニットに付与する。ゲートライン
116は1.4オーム/スクエア(sq.)の抵抗値で
実行可能であり、+15Vと−15Vで駆動可能であ
る。
【0032】データライン110とゲートライン116
の幅はそれぞれ10μmである。データライン110は
クロスオーバー領域120におけるゲートライン116
と交差する。クロスオーバー領域120は、上部窒化層
によって形成される絶縁体と、必要ならば他の機能を有
し、2本のラインが適切に信号を導電しその2本のライ
ンにおける信号が干渉しないことを保証する。
【0033】透明電極112はドレインライン122を
通ってトランジスタのドレインリードに接続し、ドレイ
ンリードは上部金属層によって形成される。従って、ト
ランジスタがゲートライン116によってゲートリード
118に付与される走査信号のために導電性である場
合、透明電極112はデータライン110からドレイン
ライン122を通って駆動信号を受信し且つ記憶する。
【0034】透明電極112はまた充電リード124に
接続し、充電リード124は記憶コンデンサの一方の電
極を実行し、上部金属層によって形成される。MoCr
層によって形成されるゲートライン126は記憶コンデ
ンサのもう一方の電極を実行し、ゲートライン126は
また同じ縦列における前の2進制御ユニットに走査信号
を付与する。
【0035】図5は、MoCr層を生成するために2つ
のターゲット(物標)をどのように使用できるかを示
す。図6は図5のように生成されるMoCr層を示す。
【0036】図5に示されるチャンバ140は、従来の
マグネトロンスパッタリングマシンの真空チャンバであ
ってもよい。チャンバ140には、ターゲット142、
即ち、純クロミウムターゲットと、ターゲット144、
即ち、純モリブデンターゲットがある。基板146はチ
ャンバ140内にあって、クロミウムを蒸着するための
ターゲット142に隣接した第1の位置と、モリブデン
を蒸着するためのターゲット144に隣接した第2の位
置の間で前後移動可能であるように取付けられる。スパ
ッタリングは従来の技術を用いて実行することができ
る。
【0037】図6は基板146上に形成される層160
を示す。層160の厚さは、例えば、1500オングス
トロームであってもよく、図示では、4つの極薄サブレ
イヤ162、164、166及び168を含む。サブレ
イヤ162と166は、例えば、クロミウムでもよく、
一方、サブレイヤ164と168はモリブデンでもよ
い。基板146上のサブレイヤは、基板146に接着す
るのであれば、モリブデン又はクロミウムの何れでもよ
い。
【0038】層160内のサブレイヤが十分に薄層であ
る場合、層160は、クロミウム及びモリブデン原子の
混合によりMoCr合金を形成する。図5と図6に示さ
れた技術は、図3に示されるようなアレイを生成するべ
く首尾よく使用されている。
【0039】図7は、より均一のMoCr層をどのよう
に生成できるかを示すものである。図7に示された技術
は図5のそれと同一であるが、2つのターゲットではな
く、1つの金属ターゲットを備えている。
【0040】図7におけるチャンバ180には、ターゲ
ット182、即ち、Mo(x)Cr(y)合金ターゲッ
トがあり、x/yはMoとCrの原子比である。基板1
84はまた、チャンバ180内にあって、スパッタリン
グを実行して原子を従来の方法でターゲット182から
基板184に転送できるように、取り付けられる。
【0041】Mo(x)Cr(y)合金ターゲットは、
見たところスパッタリングによって薄膜構造を生成する
際に使用されていなかったので、これまでは利用されて
いなかった。しかしながら、本発明の達成の結果、この
ようなターゲットは、ニューヨーク州、オレンジバーグ
のマテリアル・リサーチ・コーポレーション(Material
Research Corporation )を含む多数の供給源から利用
できるようになった。
【0042】図7の技術はまた、図3に示されたような
アレイを生成するためにも首尾よく用いられている。M
oCr層の生成後、クロミウム導電ラインを得るための
従来の技術を用いてエッチング及び他の作業を実施する
ことができる。モリブデンの40乃至60の原子百分率
とクロミウムの60乃至40の原子百分率の割合によっ
て、エッチング適性及び導電性の所望の特性を備えたM
oCr導電ラインが生成される。
【0043】図8はテーパ状のMoCr導電ラインを生
成する際の動作を示す。図9は図8と同様に生成された
テーパ状のMoCr導電ラインの断面図を示す。
【0044】図8において、ボックス200における動
作は物理的蒸着法(PVD)を実行することによって始
まり、Mo(x1 )Cr(1−x1 )、即ち、x1 はM
oの原子百分率、(1−x1 )はCrの原子百分率であ
る合金、を含む第1のサブレイヤを生成する。ボックス
202における動作は物理的蒸着法(PVD)を実行し
て、Mo(x2 )Cr(1−x2 )を含む第2のサブレ
イヤを生成し、ここで、x1 >x2 の場合、第2のサブ
レイヤのエッチング速度は第1のサブレイヤのエッチン
グ速度よりもかなり速い。第1と第2のサブレイヤを一
緒にして、モリブデンとクロミウムを含む層が形成さ
れ、サブレイヤはそれぞれMoCr合金を含んでいる。
【0045】ボックス204における動作はリソグラフ
ィを実行することによって、導電ラインの形状を有する
モリブデンとクロミウムの層の一部を被覆するマスク材
料のパターンを生成する。ボックス206における動作
はエッチングを行なって、ボック204からのマスク材
料のパターンで被覆されてない領域を除去する。ボック
ス206におけるエッチングの結果、MoCr層の被覆
された部分はモリブデンとクロミウムを含む導電ライン
を形成する。さらに、ボックス206における動作はパ
ターン境界線の下で差動的にエッチングを行なって導電
ライン上にテーパ状エッジを生成する。ボックス208
における動作は導電ラインからマスク材料のパターンを
除去する。
【0046】図9は図8と同様の動作を用いて形成され
る導電ラインを示す。導電ラインは基板220上に形成
され、基板220は薄膜構造が形成され得る表面222
を有する。
【0047】導電ライン230は表面222上に形成さ
れ、下側サブレイヤ232はMo(x1 )Cr(1−x
1 )のd1の厚さを有し、上側サブレイヤ234はMo
(x 2 )Cr(1−x2 )のd2の厚さを有し、x1
2 とする。適切な値を選択することによって、導電ラ
イン230は上側サブレイヤ234のエッチング速度の
下側サブレイヤ232のエッチング速度に関する所望の
エッチング速度比R(但し、1<R<3)で形成するこ
とができる。例えば、x1 は83でd1は4600オン
グストロームであり、x2 は87でd2は400オング
ストロームであると、エッチング速度比はR=2.5と
なる。エッチング速度比とサブレイヤの厚さはさらに、
テーパ角度θを決定することによって、導電ライン23
0のエッジ236と238が表面222から角度θにお
いて形成される。導電ライン230はこのように500
0オングストロームの厚さを有する。
【0048】上述された具体例では、スパッタリングを
使用してクロミウムとモリブデンを蒸着させる。他の物
理的蒸着技法、例えば、真空蒸着や電子ビーム蒸着、を
使用することもできる。
【0049】上述された具体例では、モリブデンとクロ
ミウムの特定の原子割合を使用しているが、上述された
範囲内の他の原子百分率を使用してもよい。さらに、上
述された具体例では、モリブデンとクロミウムのみを含
む合金を使用しているが、MoCr導電ラインの所望の
特性を減じることなく他の金属の小さな原子百分率を付
加することもできる。
【0050】上述された具体例は、MoCr層が同質
か、又はサブレイヤを含む例を含んでいる。結果として
MoCr合金が得られる他の内部構造を使用することも
できる。
【0051】上述された具体例は一般にはガラス基板上
にMoCr層を形成する。しかしながら、上部ゲート構
造では、MoCr層は基板よりもむしろポリシリコン層
に形成されてもよく、基板はガラス以外の絶縁材料でも
よい。
【0052】上述された具体例では、指定された順序に
よる特定の処理工程が用いられている。異なる順序によ
る工程、又は他の処理工程で本発明を実施することも可
能である。
【0053】本発明は、アクティブマトリックス液晶デ
ィスプレイ(AMLCD)のアレイの製造を含む、多く
の方法において適用することができる。例えば、薄膜構
造、又は構成要素のリードを接続する導電ラインを有す
る他の構造を備えた走査アレイを製造する際に本発明を
使用することもできる。
【0054】本発明が適用されるAMLCDでは優れた
総合的性能が付与されている。ほぼ630万個の光制御
ユニットを使用することにより驚くほど満足のいくよう
に実施される。
【0055】
【発明の効果】本発明は上記のように構成されるので、
異なるエッチング速度でモリブデン−クロミウム合金の
サブレイヤを生成且つエッチングしてテーパ状導電ライ
ンを製造することを可能にし、モリブデン−クロミウム
導電ラインを使用することによって、フィルムの応力と
抵抗率が小さく且つ耐高熱性金属ゆえに高熱処理に耐え
得るので、アクティブマトリックスディスプレイの性能
が向上されるような薄膜構造の製造を可能にするという
効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】モリブデン−クロミウム導電ラインを含む薄膜
構造を示す概略図である。
【図2】図1に示されるようなMoCr導電ラインを生
成する際の一般的動作を示すフローチャートである。
【図3】MoCr導電ラインを備えた光制御ユニットの
アレイの配置の概略平面図である。
【図4】図3のアレイの実施における光制御ユニットの
配置の平面図である。
【図5】モリブデンターゲット(物標)とクロミウムタ
ーゲットを備えたスパッタリングチャンバの概略図であ
る。
【図6】図5のスパッタリングチャンバにおいて生成さ
れるMoCr層の断面図である。
【図7】モリブデン−クロミウム合金ターゲットを備え
たスパッタリングチャンバの概略図である。
【図8】モリブデンとクロミウムを含むテーパ状の導電
ラインを生成する際の動作を示すフローチャートであ
る。
【図9】図8にあるように生成されるテーパ状の導電ラ
インを示す概略断面図である。
【符号の説明】
220 基板 222 表面 230 導電ライン 232 下側サブレイヤ 234 上側サブレイヤ 236 エッジ 238 エッジ
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ロバート アール.アレン アメリカ合衆国 カリフォルニア州 94109 サンフランシスコ オ’ファレル ストリート 888 アパートメント ナ ンバー 202 (72)発明者 ツ−チン チュアング アメリカ合衆国 カリフォルニア州 95070 サラトガ アロウヘッド レーン 21451

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面を有する基板と、該基板の表面に形
    成される薄膜構造と、を有する製品において、モリブデ
    ン−クロミウムを含む導電ラインを有する薄膜構造。
  2. 【請求項2】 表面を有する基板と、該基板の表面に形
    成される薄膜構造と、を有する製品における薄膜構造で
    あって、 画像を表示するための光制御ユニットのアレイを有し、
    各光制御ユニットはユニット信号を受信するためのリー
    ドを有するとともに、アレイによって表示された画像の
    セグメントを表示させることによってそのユニット信号
    に応答し、 それぞれがモリブデン−クロミウムを含む2つ以上の導
    電ラインを有し、各導電ラインは、光制御ユニットの集
    合の各光制御ユニットのリードに接続されて、該集合内
    の光制御ユニットにユニット信号を付与する、薄膜構
    造。
  3. 【請求項3】 基板の表面に薄膜構造を形成する方法で
    あって、 物理的蒸着を実行してモリブデン−クロミウムを含む第
    1の層を生成することを有し、 リソグラフィを実行してマスク材料のパターンを生成す
    ることを有し、該パターンは該第1の層の一部を被覆す
    る部分を含み、第1の層の被覆部分は導電ラインの形状
    を有し、 第1の層の被覆部分がモリブデン−クロミウムを含む導
    電ラインを形成するようにエッチングを行なってマスク
    材料のパターンで被覆されてない領域を除去することを
    有し、 導電ラインを被覆するマスク材料のパターンの一部を除
    去する、薄膜構造形成方法。
JP9511995A 1994-04-28 1995-04-20 薄膜構造、及び薄膜構造形成方法 Pending JPH07301822A (ja)

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