JPH0730172B2 - 不融性の熱可塑性芳香族ポリエステルの製造法 - Google Patents

不融性の熱可塑性芳香族ポリエステルの製造法

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JPH0730172B2
JPH0730172B2 JP61225009A JP22500986A JPH0730172B2 JP H0730172 B2 JPH0730172 B2 JP H0730172B2 JP 61225009 A JP61225009 A JP 61225009A JP 22500986 A JP22500986 A JP 22500986A JP H0730172 B2 JPH0730172 B2 JP H0730172B2
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Description

【発明の詳細な説明】 <産業上の利用分野> 本発明は不融性の熱可塑性芳香族ポリエステルの製造法
に関する。さらに詳しくは、本発明は溶融成形法等の成
形が可能で、且つ後架橋反応させて不融性にすることが
可能な不融性の熱可塑性芳香族ポリエステルの製造法に
関する。
<従来技術> 高分子量で、二重結合を含有するモノマーを共重合した
熱可塑性芳香族ポリエステル(特開昭62−95308号)は
一般的に製造が困難であり、ゲル化を起さない程度の少
量しか共重合させないものを除いて製造されていない。
一般にはゲル化を起し難い二重結合含有モノマーを共重
合する方法も知られているが、これは特殊な例にすぎな
い。
一方、特開昭59−122514号公報には、不飽和ポリエステ
ル(100部)に対して、飽和ポリエステルを66.7〜400部
を添加し、両者を縮合反応させ、該不飽和ポリエステル
の低収縮化を図ることが開示されている。そして、低収
縮化の対象となる不飽和ポリエステルとしては、その実
施例において、わずかに脂肪族ポリエステルが例示され
ているに過ぎず、同公報には熱可塑性の芳香族飽和ポリ
エステルの不融化といった概念は全く認識がない。
<問題点及び解決手段> そこで本発明者らは、高融点の熱可塑性芳香族ポリエス
テルに二重結合を容易に導入する方法について鋭意検討
した結果、融点が200〜300℃である熱可塑性芳香族ポリ
エステルに対して二重結合を含有する熱可塑性ポリエス
テルを特定量溶融反応せしめることによってゲル化等の
不都合が起こらないことを見出し、本発明に至ったもの
である。
即ち、本発明は芳香族の飽和ジカルボン酸成分を主たる
酸成分とし、脂肪族及び/又は脂環族のジオール成分を
主たるジオール成分とする融点が200〜300℃である熱可
塑性芳香族ポリエステル(A)と、該(A)100部に対
して二重結合を含有するジカルボン酸成分を主とする酸
成分と少なくとも一種のジオール成分とからなり固有粘
度が0.05以上である熱可塑性ポリエステル(B)3.75〜
11.11部とを溶融反応させることを特徴とする不融性の
熱可塑性芳香族ポリエステルの製造法である。
本発明において言う熱可塑性芳香族ポリエステル(A)
とは、飽和ジカルボン酸成分とジオール成分とからなる
熱可塑性芳香族ポリエステルであり、特に芳香族ジカル
ボン酸成分と脂肪族及び/又は脂環族ジオール成分との
ポリエステルが好ましい。ここに芳香族ジカルボン酸成
分とはベンゼン環、ナフタレン環、ビフェニル環、ジフ
ェノキシエタン環等に直接カルボキシル基のついたもの
及び/又はこれらのエステル形成性誘導体(例えば低級
アルキルエステル)よりジオール成分とポリエステルと
した際の残基をいう。特に得られるポリエステルの融点
が200〜300℃とするためには対称形にカルボキシル基の
ついているものが好ましく、特にテレフタル酸、2,6−
ナフタレンジカルボン酸が好ましく用いられる。ジオー
ル成分としては、脂肪族、脂環族のジオールが好ましく
用いられ、炭素数2〜6の直鎖脂肪族グリコール、シク
ロヘキサンジメタノール等が特に好ましい。
かかるジカルボン酸成分とジオール成分よりなるポリエ
ステルは、対応するエステル形成性モノマーを常法によ
り溶融重合させることにより容易に製造可能である。ま
た、必要に応じて固相重合等の手法を適用することは何
ら差しつかえない。
ここで熱可塑性芳香族ポリエステル(A)の融点が200
℃未満の場合、特に本発明の方法を適用しなくとも不融
性の熱可塑性芳香族ポリエステルを容易に得られるし、
また300℃を越える融点のものは、本発明方法によって
も300℃を越える温度で反応させるときにゲル化し易
く、可塑剤等を用いて300℃以下で反応させる必要があ
る。
上記熱可塑性芳香族ポリエステル(A)は、固有粘度が
好ましくは0.4以上、さらに好ましくは0.5以上、なかで
も特に好ましくは0.7以上である。固有粘度が高い方が
同じ固有粘度を有し、目的とする不融性の熱可塑性芳香
族ポリエステルを得る際に、熱可塑性ポリエステル
(B)の固有粘度を低くすることが可能であり、ゲル化
に対する耐性を高くできる。
熱可塑性ポリエステル(B)は、二重結合を含有するジ
カルボン酸成分を主とする酸成分とジオール成分とから
なる固有粘度0.05以上のポリエステルである。ここに二
重結合含有ジカルボン酸とは反応性二重結合を分子内に
有するジカルボン酸であり、例えばフマル酸、マレイン
酸等が好ましくあげられる。ジオール成分は前記ポリエ
ステル(A)に示したものと同様である。また、ジカル
ボン酸成分は二重結合含有ジカルボン酸のみである必要
はなく、飽和ジカルボン酸を共重合することも可能であ
るが、多量の共重合は最終的に得られる本発明の熱可塑
性芳香族ポリエステルの融点を低下させたり、ポリエス
テル(B)の融点が高くなり重合反応が困難となったり
するため、ジカルボン酸成分中二重結合含有ジカルボン
酸の量は30モル%以上にするのが好ましく、特に50モル
%以上にするのが好ましい。共重合するジカルボン酸成
分及びジオール成分はポリエステル(A)で用いるのと
同一のものを使用することが、得られる二重結合含有熱
可塑性ポリエステルの融点低下を防止する意味で好まし
い。
上述のポリエステル(B)は各成分のエステル形成性誘
導体を触媒の存在下、180℃以下の温度で、常圧又は減
圧下に不活性ガス雰囲気下反応させることにより得られ
る。この際、ラジカル禁止剤を併用することはゲル化防
止の上で好ましい。反応時間は用いる原料により異なる
が通常1〜10時間である。
かくして得られるポリエステル(B)は、固有粘度0.05
以上、好ましくは0.1以上、さらに好ましくは0.15〜0.7
である。固有粘度が0.05未満では、最終的に得られる不
融性の熱可塑性芳香族ポリエステルの固有粘度が低くな
り、後の成形が困難になるばかりか、得られる成形品の
物性例えば引張強度が低くなり好ましくない。
本発明にあっては上記ポリエステル(A)及び(B)を
溶融反応させるのであるが、この際(A)と(B)の比
率はポリエステル(A)100部(重量)に対して、ポリ
エステル(B)を3.75〜11.11部の範囲とする。ポリエ
ステル(B)の量が11.11部を越えると、得られるポリ
エステルの融点が低下したり、弾性率が低下して好まし
くなく、また二重結合に後で反応させる場合も11.11部
以下の場合と効率に差は少ない。3.75部未満では二重結
合を含有させる意味が消失する。
この溶融反応はポリエステル(A)の融点+(20〜30)
℃以上300℃未満の温度で不活性ガス雰囲気下溶融混合
することにより実施できる。この際、反応系を減圧にす
ることは目的とするポリエステルの固有粘度を上げる意
味で好ましい方法である。また、反応時間は一義的には
定め難いが、通常1分〜60分、好ましくは2分〜30分で
ある。この反応時間は高温程短時間にする必要がある。
あまりに長時間反応させるのは、ゲル化が起る危険性が
あり好ましくない。反応は透明なポリマー同志でする場
合は、得られるポリマーが透明となるまで反応させるべ
きである。
この反応を行う装置はポリマーの混合ができる装置であ
ればよく、撹拌槽、スクリュー式押出機等が一般的に使
用される。
かくして得られる熱可塑性芳香族ポリエステルは通常の
溶融成形法で繊維、フイルム、その他の成形品に成形し
得、成形後二重結合に反応しうる剤を反応させることに
より種々の性能を付与することができる。
また、得られるポリマーに安定剤、着色剤、補強剤、そ
の他の添加剤を含有させることも可能である。
<実施例> 実施例中、ポリエステルの固有粘度は下記の方法で求め
た。
試料0.6gを精秤し、o−クロロフェノール50mlと混合、
100℃で60分間撹拌しながらポリエステルを溶解させて
後、35℃の恒温下でオストワルド粘度計を用いて動的粘
度を測定する。このようにして試料濃度をゼロに外挿し
た値をもって固有粘度とする。
参考例1(熱可塑性ポリエステル(B)の合成) フマル酸174部、エチレングリコール186部、チタニウム
テトラブトキサイド0.51部及びイルガノックス1035
(チバガイギー社製)1.7部を加熱バス及び撹拌機付
容器に仕込み、内部を十分窒素置換後バス温170℃で反
応させた。留出物が36部になった時点で徐々に減圧し、
最終的に200Paにして反応させた。反応時間は常圧で3
時間、減圧開始後6時間であり、得られたポリマーのオ
ルトクロルフェノール中で測定した固有粘度は0.22であ
った。
実施例1 常法により得られた固有粘度0.72のポリエチレンテレフ
タレート(熱可塑性芳香族ポリエステル(A))96部、
参考例1で得た熱可塑性ポリエステル(B)3.6(ポリ
エステル(A)100部に対して3.75部)及びイルガノッ
クス1035 1部を280℃で二軸押出機を用いて溶融混合
しつつ反応させた。この押出機での平均滞留時間は約5
分であり、吐出されたポリマーは透明であった。これを
冷却後切断してチップ状にした。このチップは融点257
℃、固有粘度0.60であった。
得られたチップを270℃で1000m/分の巻取速度で溶融紡
糸し、ホットローラーで4.2倍に延伸し、160℃で熱固定
して得た糸(75デニール24フィラメント)をメリヤス編
にし、スチレン0.8部、ベンゾイルパーオキサイド0.05
部及びスコアロール400 (花王・アトラス社製)0.2部
を水100部に分散させた液に浴比1対100で仕込み、130
℃で1時間処理した。このものは300℃でも形態を保持
し、架橋されていることが確認された。
参考例2(熱可塑性ポリエステル(B)の合成) 無水マレイン酸147部、1,4−ブタンジオール270部、チ
タニウムテトラブトキサイド0.51部及びイルガノックス
1035 1.7部を参考例と同様に反応させた。常圧反応3
時間、減圧反応4時間で固有粘度0.26の熱可塑性ポリエ
ステル(B)を得た。
実施例2 通常の溶融重合及び固相重合反応によって得られた固有
粘度1.09のポリブチレンテレフタレート90部、参考例2
で得た熱可塑性ポリエステル(B)10部(ポリエステル
(A)100部に対して11.11部)及びイルガノックス1035
1部を実施例1と同様に250℃で押出機により溶融混
練し、反応させた。得られたポリマーの固有粘度は0.77
であり、紡糸延伸後、実施例1と同様の処理をしたもの
は300℃でも形態を保った。
<発明の効果> 本発明によれば、高融点の熱可塑性芳香族ポリエステル
に二重結合を容易に導入することができ、得られる不融
性の熱可塑性芳香族ポリエステルは通常の熱可塑性芳香
族ポリエステルと同様に繊維、フイルム、その他の成形
品に成形できる。成形された不融性の熱可塑性芳香族ポ
リエステルは架橋処理、例えばスチレンモノマー等の二
重結合を有するモノマーと過酸化物等のラジカル発生剤
で処理すれば架橋することが可能である他、二重結合と
反応しうる剤で処理すれば難燃性、染色性、親水性、そ
の他を付与することも可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】芳香族の飽和ジカルボン酸成分を主たる酸
    成分とし、脂肪族及び/又は脂環族のジオール成分を主
    たるジオール成分とする融点が200〜300℃である熱可塑
    性芳香族ポリエステル(A)と、該(A)100部に対し
    て二重結合を含有するジカルボン酸成分を主とする酸成
    分と少なくとも一種のジオール成分とからなり固有粘度
    が0.05以上である熱可塑性ポリエステル(B)3.75〜1
    1.11部とを溶融反応させることを特徴とする不融性の熱
    可塑性芳香族ポリエステルの製造法。
  2. 【請求項2】熱可塑性ポリエステル(B)が、フマル酸
    成分及び/又はマレイン酸成分を主たる酸成分とし、脂
    肪族及び/又は脂環族のジオール成分を主たるジオール
    成分とする熱可塑性ポリエステルである特許請求の範囲
    第1項記載の不融性の熱可塑性芳香族ポリエステルの製
    造法。
JP61225009A 1986-09-25 1986-09-25 不融性の熱可塑性芳香族ポリエステルの製造法 Expired - Lifetime JPH0730172B2 (ja)

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