JPH07301703A - 高精度光学部品用反射防止膜 - Google Patents

高精度光学部品用反射防止膜

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JPH07301703A
JPH07301703A JP6114202A JP11420294A JPH07301703A JP H07301703 A JPH07301703 A JP H07301703A JP 6114202 A JP6114202 A JP 6114202A JP 11420294 A JP11420294 A JP 11420294A JP H07301703 A JPH07301703 A JP H07301703A
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利明 生水
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文二 秋元
Takeshi Kawamata
健 川俣
Hiroshi Ikeda
浩 池田
Nobuaki Mitamura
宣明 三田村
Yoshiki Nitta
佳樹 新田
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 光学部品を強制加熱せず、蒸発源からの輻射
熱を低く抑え、蒸着する光学部品の形状精度を劣化させ
ず、実用上問題ない耐久性の反射防止膜を得る。 【構成】 低屈折率材料としてSiO2 、高屈折率材料
として蒸発源からの輻射熱の低いWO3 を使用して成膜
する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、干渉計等に代表される
高精度光学部品の表面に施される反射防止膜に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、光学部品の形状精度は、その要求
されるレベルが非常に高まり、研磨工程ではほぼ測定限
界レベルに近い高精度な光学部品が作製されるようにな
ってきている。具体的には、半導体リソグラフィーに用
いられる投影レンズにおいてはλ/30以上(λは使用
波長)の面精度が要求されており、CDプレーヤー等に
使われている光ピックアップ用レンズにおいてもλ/1
0以上の面精度が要求されている。また、これらのレン
ズを評価する干渉計の光学系を構成する光学部品に関し
てはさらに高精度な面形状が要求される。
【0003】一般的に、上記光学部品に施される反射防
止膜としては、例えば特公昭49−15503号公報に
開示される低屈折率材料としてMgF2 、高屈折率材料
としてZrO2 により形成された多層膜構成の発明があ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかるに、前記特公昭
49−15503号公報記載の発明においては以下の様
な欠点がある。すなわち、高精度に研磨加工されたガラ
ス製光学部品にARコート(反射防止膜)を蒸着にて形
成する場合、光学部品の加熱温度を最低でも200℃以
上に保ちつつ蒸着を行う必要があった。なぜならば、蒸
着によって形成される光学膜は、その膜強度および最も
重要な光学特性を満足させるために、基板を加熱するこ
とで蒸着材料の膜硬度や耐久性、さらに最適な屈折率を
得られるようにしている。しかし、このようにせっかく
高精度に加工されたガラス製光学部品に光学膜を蒸着す
る場合、基板を高温に加熱することにより、その形状精
度を損ねてしまう。
【0005】また、基板加熱が行えないプラスチック基
板への反射防止膜として、一般的に知られているのは低
屈折率材料としてSiO2 を用い、高屈折率材料として
ZrO2 やTiO2 またはこれらの混合物、あるいはC
eO2 やZnS等を使う方法である。しかし、ZrO2
やTiO2 は融点が高く、プラスチック基板と言えども
蒸発源からの輻射熱の影響で基板温度は100℃以上に
上昇する。基本的に高精度光学部品に光学膜を成膜する
には基板温度を室温レベル、最高でも50℃以下に保つ
必要がある。
【0006】その対策として、蒸発源から基板までの距
離を長くしたり、蒸発源と基板との間に遮蔽板を設けて
蒸発源からの輻射熱の影響を少なくする方法が考えられ
る。しかし、上記方法はいずれも成膜装置の大幅な改造
が必要となるため、従来のガラス基板上への成膜装置を
そのまま使用することができないという不具合がある。
また前記方法では、必然的に蒸着時間が長くなり、生産
性の点でも好ましくない。
【0007】そこで、蒸発源からの輻射熱の低い材料を
用いることができれば前述の問題点を解決することがで
きる。上記CeO2 やZnSはこの条件を満たす材料で
ある。しかし、CeO2 は傷つきやすくて耐湿性が低い
上に、可視域の短波長側に吸収があるという欠点があ
る。また、ZnSはCeO2 よりもさらに弱くて傷つき
やすく、耐湿性も低くて水溶性があり、成膜後に大気中
へ放置すると特性が変化してしまうという欠点がある。
【0008】請求項1,2および3に係わる発明の目的
は、高精度な形状精度が要求されるガラス製またはプラ
スチック製光学部品の蒸着時の基板温度上昇を防ぎ、蒸
着後も形状精度を変化させない反射防止膜の提供にあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段および作用】課題を解決す
るために、本発明では、蒸発源からの輻射熱の低い高屈
折率材料としてWO3 を使用することとした。従来、W
3 は光学薄膜用材料としてほとんど注目されていなか
った材料である。WO3 は低いエネルギーで容易に蒸発
させることができる材料であり、蒸発源からの輻射熱を
低く抑えることができるため、熱ダメージを基板に与え
ることがない。また、従来から用いられているCeO2
やZnSよりも傷つきにくく、耐湿性も比較的高い。さ
らに、完全に酸化した状態であれば可視域で光の吸収も
ほとんどなく、屈折率は1.95〜2.1を示し、高屈
折率材料として充分な性能を有する反射防止膜を形成す
ることができる。
【0010】請求項1の構成では、設計波長をλとして
1層目のWO3 の膜厚を0.103λ、2層目のSiO
2 の膜厚を0.317λとすることにより、設計波長λ
で反射率を極小にする反射防止膜が可能となる。同様
に、請求項2の構成では、設計波長をλとして1層目の
WO3 の膜厚を0.069λ、2層目のSiO2 の膜厚
を0.080λ、3層目のWO3 の膜厚を0.436
λ、4層目のSiO2 の膜厚を0.241λとすること
により、設計波長λの90%から125%の範囲で反射
率0.5%以下の反射防止波長帯域の広い反射防止膜が
可能となる。同様に請求項3の構成では、設計波長をλ
として1層目のSiO2 の膜厚を0.076λ、2層目
のWO3 の膜厚を0.101λ、3層目のSiO2 の膜
厚を0.329λとすることにより、設計波長λで反射
率を0にする反射防止膜が可能となる。
【0011】
【実施例1】図1は本実施例の反射率特性を示すグラフ
である。本実施例では干渉計用参照レンズ上に設けた反
射防止膜を示す。まず、硝材がBK7で面精度がλ/3
0の参照レンズを真空蒸着装置にセットする。この後、
基板加熱を行わずに排気を開始し、装置内真空度が1×
10-3Paに到達したところで、電子ビーム蒸着により
設計波長を630nmとし、1層目のWO3 を光学膜厚
で65nmまで成膜を行う。次に、1層目と同様に電子
ビーム蒸着で、2層目のSiO2 を光学膜厚で200n
mまで成膜を行う。
【0012】本実施例の2層構成反射防止膜の分光特性
は、図1に示す様に、設計波長およびその近傍では反射
率が極小となっている。反射防止膜成膜後の参照レンズ
の面精度に変化は見られなかった。また、このレンズを
温度70℃,湿度80%の環境下に1週間放置した後、
膜の擦傷性および密着性をテストしたが、実用上問題は
なかった。
【0013】
【実施例2】図2は本実施例の反射率特性を示すグラフ
である。本実施例ではgライン用縮小投影レンズに用い
られる反射防止膜を示す。まず、硝材がBK7で面精度
がλ/30の参照レンズを真空蒸着装置にセットする。
この後、基板加熱を行わずに排気を開始し、装置内真空
度が1×10-3Paに到達したところで、電子ビーム蒸
着により設計波長を436nmとし、1層目のWO3
光学膜厚で30nmまで成膜を行う。次に、1層目と同
様に電子ビーム蒸着で、2層目のSiO2 を光学膜厚で
35nmまで成膜を行う。以下同様に、3層目のWO3
を光学膜厚で190nm、4層目のSiO2 を光学膜厚
で105nmまで成膜を行う。
【0014】本実施例の4層構成反射防止膜の分光特性
は、図2に示す様に、設計波長およびその近傍では反射
率が0.5%以下となっている。反射防止膜成膜後の投
影レンズの面精度に変化は見られなかった。また、この
レンズを温度70℃,湿度80%の環境下に1週間放置
した後、膜の擦傷性および密着性をテストしたが、実用
上問題はなかった。
【0015】
【実施例3】図3は本実施例の反射率特性を示すグラフ
である。本実施例では光ピックアップ用対物レンズ上に
設けた反射防止膜を示す。まず、基材PMMA(アクリ
ル)で面精度がλ/10の対物レンズを真空蒸着装置に
セットする。この後、基板加熱を行わずに排気を開始
し、装置内真空度が1×10-3Paに到達したところ
で、電子ビーム蒸着により設計波長を790nmとし、
1層目のSiO2 を光学膜厚で60nmまで成膜を行
う。次に、1層目と同様に電子ビーム蒸着で、2層目の
WO3 を光学膜厚で80nmまで成膜を行う。以下同様
に、3層目のSiO2 を光学膜厚で260nmまで成膜
を行う。
【0016】本実施例の3層構成反射防止膜の分光特性
は、図3に示す様に、設計波長では反射率が0%となっ
ている。反射防止膜成膜後の光ピックアップ用対物レン
ズの面精度に変化は見られなかった。また、このレンズ
を温度70℃,湿度80%の環境下に1週間放置した
後、膜の擦傷性および密着性をテストしたが、実用上問
題はなかった。
【0017】
【発明の効果】請求項1の膜構成では、設計波長で反射
率が極小となる光学特性を有する。請求項2の膜構成で
は、設計波長の前後の広い波長域で反射率の低い特性が
得られる。請求項3の膜構成では、設計波長で反射率が
0となる特性が得られる。いずれの反射防止膜も蒸着す
る光学部品を強制加熱せず、さらに蒸発源の輻射熱も低
いことから光学部品の面形状を熱の影響で劣化させず、
蒸着前の面精度を維持したまま反射防止膜を形成でき
る。また、反射防止膜の耐久性に関しても、これまで一
般的に用いられてきた光学部品を強制加熱させて蒸着を
行う手法に比べ、問題のないレベルである。
【0018】以上説明したように、本発明の高精度光学
部品用反射防止膜は低屈折率材料としてSiO2 、高屈
折率材料としてWO3 を用い、光学部品を強制加熱せず
に蒸着を行い、蒸発源からの輻射熱を低く抑えることが
でき、蒸着する高精度光学部品の形状精度を劣化させ
ず、また実用上問題ない耐久性も有している。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1を示すグラフである。
【図2】実施例2を示すグラフである。
【図3】実施例3を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 池田 浩 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 三田村 宣明 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内 (72)発明者 新田 佳樹 東京都渋谷区幡ヶ谷2丁目43番2号 オリ ンパス光学工業株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 設計波長をλとし、1層目にWO3 の光
    学膜厚を0.103λ、2層目にSiO2 の光学膜厚を
    0.317λ形成したことを特徴とする高精度光学部品
    用反射防止膜。
  2. 【請求項2】 設計波長をλとし、1層目にWO3 の光
    学膜厚を0.069λ、2層目にSiO2 の光学膜厚を
    0.080λ、3層目にWO3 の光学膜厚を0.436
    λ、4層目にSiO2 の光学膜厚を0.241λ形成し
    たことを特徴とする高精度光学部品用反射防止膜。
  3. 【請求項3】 設計波長をλとし、1層目にSiO2
    光学膜厚を0.076λ、2層目にWO3 の光学膜厚を
    0.101λ、3層目にSiO2 の光学膜厚を0.32
    9λ形成したことを特徴とする高精度光学部品用反射防
    止膜。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002055207A (ja) * 2000-05-29 2002-02-20 Konica Corp 光学部品および光学装置
US7372798B2 (en) 2004-04-08 2008-05-13 Konica Minolta Opto, Inc. Optical element and optical pickup device
JP2009271439A (ja) * 2008-05-09 2009-11-19 Mitsubishi Cable Ind Ltd 反射防止膜を備えた光学部品
WO2015151459A1 (ja) * 2014-04-01 2015-10-08 オリンパス株式会社 光駆動装置
US11553120B2 (en) 2017-10-12 2023-01-10 Canon Kabushiki Kaisha Optical element, optical system, and image pickup apparatus

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