JPH07300621A - 方向性珪素鋼板のスラブ加熱方法 - Google Patents
方向性珪素鋼板のスラブ加熱方法Info
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- JPH07300621A JPH07300621A JP9254194A JP9254194A JPH07300621A JP H07300621 A JPH07300621 A JP H07300621A JP 9254194 A JP9254194 A JP 9254194A JP 9254194 A JP9254194 A JP 9254194A JP H07300621 A JPH07300621 A JP H07300621A
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- heating
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- silicon steel
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Abstract
(57)【要約】
【目的】加熱装置内での保持時間を長くしても良好な方
向性珪素鋼板が製造可能なスラブ加熱方法を目的としい
る。 【構成】200mm厚の珪素鋼連続鋳造スラブSを鋳造後
直ちに、ガス加熱炉に装入して中心温度が1150〜1
300℃になるまで加熱した後、誘導加熱炉Kに装入
し、N2 ガス雰囲気にてスラブS中心温度が1400℃
に達するまで加熱し、該1400℃で10分間の均熱を
した後、そのまま保持する温度と時間を変更して保持す
る。さらに、スラブを抽出して熱間圧延して2.0mm厚
の熱延鋼帯とし、続けて、冷延,焼鈍を繰り返して2次
再結晶と純化を行った後、絶縁コーティングを施して最
終製品とする。
向性珪素鋼板が製造可能なスラブ加熱方法を目的としい
る。 【構成】200mm厚の珪素鋼連続鋳造スラブSを鋳造後
直ちに、ガス加熱炉に装入して中心温度が1150〜1
300℃になるまで加熱した後、誘導加熱炉Kに装入
し、N2 ガス雰囲気にてスラブS中心温度が1400℃
に達するまで加熱し、該1400℃で10分間の均熱を
した後、そのまま保持する温度と時間を変更して保持す
る。さらに、スラブを抽出して熱間圧延して2.0mm厚
の熱延鋼帯とし、続けて、冷延,焼鈍を繰り返して2次
再結晶と純化を行った後、絶縁コーティングを施して最
終製品とする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、方向性珪素鋼スラブの
加熱方法に関し、特に、圧延方向に優れた磁気特性を有
する一方向性珪素鋼板の素材としての珪素鋼スラブを、
熱間圧延に先立ち、表面から中心に至るまで均一に加熱
する方法の改良に関する。
加熱方法に関し、特に、圧延方向に優れた磁気特性を有
する一方向性珪素鋼板の素材としての珪素鋼スラブを、
熱間圧延に先立ち、表面から中心に至るまで均一に加熱
する方法の改良に関する。
【0002】
【従来の技術】圧延方向に優れた磁気特性を有する一方
向性珪素鋼板を得るには、結晶方位の三次元再結晶粒を
発達させる必要があり、従来から、インヒビターと呼ば
れる微細なSnS、MnSe、AlN、BN、MnS等
を鋼中に分散させ、高温仕上焼鈍中に他の方位の結晶粒
が成長することを抑制するという技術を採用している。
向性珪素鋼板を得るには、結晶方位の三次元再結晶粒を
発達させる必要があり、従来から、インヒビターと呼ば
れる微細なSnS、MnSe、AlN、BN、MnS等
を鋼中に分散させ、高温仕上焼鈍中に他の方位の結晶粒
が成長することを抑制するという技術を採用している。
【0003】そのためのインヒビター分散形態をコント
ロールする方法としては、よく知られているように、熱
間圧延に先立つ加熱装置でのスラブ加熱中に、これら析
出物を一旦、固溶させた後、適当な冷却パターンの下に
熱間圧延を施すことが必要である。ところで、上記スラ
ブの加熱は、一般に、1300℃以上の高温で行う必要
があり、スラブ中心部まで十分な加熱を実現するために
通常のガス燃焼型加熱炉の場合では、スラブ表面温度が
1350℃を超えることになるのが通例で、その際、多
量の溶融スケールが発生し、これが加熱炉の操業性を損
なうばかりでなく、粒界酸化に伴う表面欠陥や耳割れの
原因となっている。
ロールする方法としては、よく知られているように、熱
間圧延に先立つ加熱装置でのスラブ加熱中に、これら析
出物を一旦、固溶させた後、適当な冷却パターンの下に
熱間圧延を施すことが必要である。ところで、上記スラ
ブの加熱は、一般に、1300℃以上の高温で行う必要
があり、スラブ中心部まで十分な加熱を実現するために
通常のガス燃焼型加熱炉の場合では、スラブ表面温度が
1350℃を超えることになるのが通例で、その際、多
量の溶融スケールが発生し、これが加熱炉の操業性を損
なうばかりでなく、粒界酸化に伴う表面欠陥や耳割れの
原因となっている。
【0004】このような実情に対し、従来では、例え
ば、特公昭47−14627号公報に記載されているよ
うに、1300℃以下のスラブ加熱では必要な磁気特性
が得られないとして、そのようなスラブ加熱に加えて1
350℃〜1400℃、特に1380℃の温度に電気的
方法による誘導加熱又は抵抗加熱を行う技術を開示して
いる。
ば、特公昭47−14627号公報に記載されているよ
うに、1300℃以下のスラブ加熱では必要な磁気特性
が得られないとして、そのようなスラブ加熱に加えて1
350℃〜1400℃、特に1380℃の温度に電気的
方法による誘導加熱又は抵抗加熱を行う技術を開示して
いる。
【0005】また、スラブを均一に加熱する方法として
は、例えば、特公昭52−47179号公報や実公昭5
1−41052号公報等に記載のように設備や搬送方法
に工夫をしたものや、特公昭62−103322号公報
に記載されているように誘導加熱の周波数を変更するも
の等が提案されている。
は、例えば、特公昭52−47179号公報や実公昭5
1−41052号公報等に記載のように設備や搬送方法
に工夫をしたものや、特公昭62−103322号公報
に記載されているように誘導加熱の周波数を変更するも
の等が提案されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】熱間圧延操業において
は、加熱装置で加熱したスラブを、該加熱装置から順
次,抽出して熱間圧延工程に搬送するが、圧延スケジュ
ール等の関係から、スラブがその中心部まで所定目的温
度に均一に加熱された後でも、抽出されるまでの間、加
熱装置内に加熱状態で保持する必要がある。
は、加熱装置で加熱したスラブを、該加熱装置から順
次,抽出して熱間圧延工程に搬送するが、圧延スケジュ
ール等の関係から、スラブがその中心部まで所定目的温
度に均一に加熱された後でも、抽出されるまでの間、加
熱装置内に加熱状態で保持する必要がある。
【0007】しかしながら、上記のような従来の技術で
は、スラブ厚み方向の温度を均一にしインヒビターを固
溶させることに主眼を置いたものであるため、所定目的
温度までスラブが均一に加熱された後も、該加熱装置か
ら抽出されるまでの間、上記均一加熱温度にスラブ温度
を保持している。このため、AlNをインヒビターとす
る場合、加熱後の抽出したスラブ表面や中間工程で板面
に膨れが発生するため、加熱装置における高温での保持
時間を規制する必要があるという問題がある。
は、スラブ厚み方向の温度を均一にしインヒビターを固
溶させることに主眼を置いたものであるため、所定目的
温度までスラブが均一に加熱された後も、該加熱装置か
ら抽出されるまでの間、上記均一加熱温度にスラブ温度
を保持している。このため、AlNをインヒビターとす
る場合、加熱後の抽出したスラブ表面や中間工程で板面
に膨れが発生するため、加熱装置における高温での保持
時間を規制する必要があるという問題がある。
【0008】なお、珪素鋼の磁気特性は機械的な歪みに
敏感であり、特に、方向性珪素鋼板のように特性が優れ
ているものほど歪みによる劣化率が大きく、上記のよう
な膨れ発生は出来るだけ抑えたい。本発明は、上記のよ
うな問題点に着目してなされたもので、加熱装置内での
保持時間を長くしても良好な方向性珪素鋼板が製造可能
なスラブ加熱方法を目的としいる。
敏感であり、特に、方向性珪素鋼板のように特性が優れ
ているものほど歪みによる劣化率が大きく、上記のよう
な膨れ発生は出来るだけ抑えたい。本発明は、上記のよ
うな問題点に着目してなされたもので、加熱装置内での
保持時間を長くしても良好な方向性珪素鋼板が製造可能
なスラブ加熱方法を目的としいる。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の方向性珪素鋼板のスラブ加熱方法は、Si
2.0〜4.5重量%、Mn 0.01〜0.15重
量%を含み、且つ、Al,及びS又はSeを合計で0.
005〜0.10重量%含有する方向性珪素鋼スラブ
を、熱間圧延に先立ち均熱温度に誘導加熱するスラブ加
熱方法において、上記スラブ中心部の温度が1300〜
1450℃の均熱温度になるまで加熱した後、上記均熱
温度より10〜100℃だけ低い温度範囲でスラブ温度
を保持することを特徴としている。
に、本発明の方向性珪素鋼板のスラブ加熱方法は、Si
2.0〜4.5重量%、Mn 0.01〜0.15重
量%を含み、且つ、Al,及びS又はSeを合計で0.
005〜0.10重量%含有する方向性珪素鋼スラブ
を、熱間圧延に先立ち均熱温度に誘導加熱するスラブ加
熱方法において、上記スラブ中心部の温度が1300〜
1450℃の均熱温度になるまで加熱した後、上記均熱
温度より10〜100℃だけ低い温度範囲でスラブ温度
を保持することを特徴としている。
【0010】
【作用】誘導加熱装置によるスラブの加熱においては、
加熱温度が高い程、また、高温での保持時間が長い程、
膨れが発生するという知見を得た。また、例えば、13
80℃で均熱加熱しその温度と同じ1380℃で保持し
た場合には、保持時間が所定時間以上となるとスラブ表
面に膨れが発生したが、1400℃で均一加熱した後、
温度を下げて1380℃で保持した場合には、スラブ表
面に膨れが発生しなかった。
加熱温度が高い程、また、高温での保持時間が長い程、
膨れが発生するという知見を得た。また、例えば、13
80℃で均熱加熱しその温度と同じ1380℃で保持し
た場合には、保持時間が所定時間以上となるとスラブ表
面に膨れが発生したが、1400℃で均一加熱した後、
温度を下げて1380℃で保持した場合には、スラブ表
面に膨れが発生しなかった。
【0011】この知見に基づき、本願発明では、スラブ
中心部の温度が1300〜1450℃の均熱温度になる
まで加熱してインヒビターの固溶が完了した後は、加熱
装置からスラブ抽出までの間、上記均熱温度より低い温
度範囲でスラブを保持することで、加熱後のスラブ表面
や中間工程で板面に膨れが発生することを防止する。な
お、本発明を適用する素材としては、Si 2.0〜
4.5重量%、Mn0.01〜0.15重量%を含有
し、且つ、インヒビター成分として、Al、及びS又は
Seを合計で0.005〜0.10重量%含有する方向
性珪素鋼用スラブであり、連続鋳造法や造塊−分塊圧延
法にて得られる。スラブ厚は、特に限定されないが、一
般には150〜350mm厚が適している。
中心部の温度が1300〜1450℃の均熱温度になる
まで加熱してインヒビターの固溶が完了した後は、加熱
装置からスラブ抽出までの間、上記均熱温度より低い温
度範囲でスラブを保持することで、加熱後のスラブ表面
や中間工程で板面に膨れが発生することを防止する。な
お、本発明を適用する素材としては、Si 2.0〜
4.5重量%、Mn0.01〜0.15重量%を含有
し、且つ、インヒビター成分として、Al、及びS又は
Seを合計で0.005〜0.10重量%含有する方向
性珪素鋼用スラブであり、連続鋳造法や造塊−分塊圧延
法にて得られる。スラブ厚は、特に限定されないが、一
般には150〜350mm厚が適している。
【0012】次に、素材に含有される成分量の限定理由
について述べる。Siを含有することは、鋼板の比抵抗
を高め鉄損低減に有効であるが、4.5重量%を上回る
と冷延性が損なわれる。また、2.0重量%を下回ると
鉄損改善効果が弱まることとA3 (α−γ)変態による
結晶方位のランダム化により十分な特性が得られない。
このため、Si量は、2.0〜4.5重量%とされる。
について述べる。Siを含有することは、鋼板の比抵抗
を高め鉄損低減に有効であるが、4.5重量%を上回る
と冷延性が損なわれる。また、2.0重量%を下回ると
鉄損改善効果が弱まることとA3 (α−γ)変態による
結晶方位のランダム化により十分な特性が得られない。
このため、Si量は、2.0〜4.5重量%とされる。
【0013】また、Mn量の下限は熱間脆性による割れ
を生じないようにするために0.01%以上とし、上限
はMnSやMnSeの解離固溶温度を高めないようにす
るために0.15%以下に規制している。Si,Se,
Alは、MnS,MnSe,AlNの形で鋼中に微細分
散し、インヒビターとして作用するもので、これら総量
の下限0.005%はインヒビターとして機能する最低
量であり、上限の0.10%は主に経済的理由からこの
値に限定される。
を生じないようにするために0.01%以上とし、上限
はMnSやMnSeの解離固溶温度を高めないようにす
るために0.15%以下に規制している。Si,Se,
Alは、MnS,MnSe,AlNの形で鋼中に微細分
散し、インヒビターとして作用するもので、これら総量
の下限0.005%はインヒビターとして機能する最低
量であり、上限の0.10%は主に経済的理由からこの
値に限定される。
【0014】インヒビターとしては、勿論、これらの他
にB,Sb,An,Sn,Pb,Bi,Cu,Mo等の
粒界偏析型元素が知られており、これらが加わること
は、この発明の効果を損なうわけでない。なお、Alを
インヒビターとする場合、これにバランスするN量が必
要になるのは言うまでもない。次に、上記温度の限定理
由について述べる。
にB,Sb,An,Sn,Pb,Bi,Cu,Mo等の
粒界偏析型元素が知られており、これらが加わること
は、この発明の効果を損なうわけでない。なお、Alを
インヒビターとする場合、これにバランスするN量が必
要になるのは言うまでもない。次に、上記温度の限定理
由について述べる。
【0015】上記成分を有するスラブは熱間圧延に先立
ち加熱されるが、インヒビターを解離固溶させるために
は、その量や種類に応じた中心温度が1300〜145
0℃の間に、所定時間、例えば10分以上保持する必要
がある。上記スラブの中心温度が1450℃より高い温
度ではノロの発生が多いことと、膨れの発生の危険性が
増すため、上限値を1450℃とした。
ち加熱されるが、インヒビターを解離固溶させるために
は、その量や種類に応じた中心温度が1300〜145
0℃の間に、所定時間、例えば10分以上保持する必要
がある。上記スラブの中心温度が1450℃より高い温
度ではノロの発生が多いことと、膨れの発生の危険性が
増すため、上限値を1450℃とした。
【0016】また、中心温度が1300℃よりも低い
と、必要な磁気特性が得られない。また、均熱後のスラ
ブを保持する温度は、均熱温度よりも10〜100℃低
い温度の範囲が望ましい。(均熱温度−100℃)より
低い温度範囲にスラブ温度を設定すると、解離固溶した
インヒビターがスラブ受台と接している低温部で析出し
てしまう。このため、この析出を防止するために上記下
限値以上に設定した。
と、必要な磁気特性が得られない。また、均熱後のスラ
ブを保持する温度は、均熱温度よりも10〜100℃低
い温度の範囲が望ましい。(均熱温度−100℃)より
低い温度範囲にスラブ温度を設定すると、解離固溶した
インヒビターがスラブ受台と接している低温部で析出し
てしまう。このため、この析出を防止するために上記下
限値以上に設定した。
【0017】また、(均熱温度−10℃)より高い温度
範囲にスラブ温度を設定すると、局所的な高温部が生じ
て膨れ発生の恐れがあるため、上記上限値以下に設定し
た。
範囲にスラブ温度を設定すると、局所的な高温部が生じ
て膨れ発生の恐れがあるため、上記上限値以下に設定し
た。
【0018】
【実施例】本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
本実施例の加熱装置は、連続鋳造工程から送られてきた
珪素鋼連続鋳造スラブを装入し、該スラブを中心温度が
1150〜1300℃まで加熱するガス加熱炉と、その
ガス加熱炉によって加熱されたスラブを中心温度が14
00℃まで加熱する誘導加熱炉Kと、から構成されてい
る。
本実施例の加熱装置は、連続鋳造工程から送られてきた
珪素鋼連続鋳造スラブを装入し、該スラブを中心温度が
1150〜1300℃まで加熱するガス加熱炉と、その
ガス加熱炉によって加熱されたスラブを中心温度が14
00℃まで加熱する誘導加熱炉Kと、から構成されてい
る。
【0019】上記誘導加熱炉Kは、図1に示すような竪
型誘導加熱炉Kであって、下方にスラブ装入口1aが形
成されている箱型の炉本体1の外周を、上下に分割され
た誘導加熱コイル2が水平に巻回している。その誘導加
熱コイル2は、誘導電源3に接続されて、その誘導電源
3から投入される電力によって誘導加熱可能となってい
る。
型誘導加熱炉Kであって、下方にスラブ装入口1aが形
成されている箱型の炉本体1の外周を、上下に分割され
た誘導加熱コイル2が水平に巻回している。その誘導加
熱コイル2は、誘導電源3に接続されて、その誘導電源
3から投入される電力によって誘導加熱可能となってい
る。
【0020】そして、昇降炉床4に支持されたスラブ
が、上記スラブ装入口1aが該炉本体1内に装入可能と
なっている。また、上記炉本体1の上下両端部分には、
炉内に窒素ガス等の不活性ガスを吹き込むための上部吹
き込み口1b及び下部吹き込み口1cが開設されてい
る。また、炉本体1の頂部には、炉内の雰囲気を炉外に
放散するための放散口1dが開口形成されている。上記
上部吹き込み口1b,下部吹き込み口1c,及び放散口
1dは、図示しないアクチュエータによってそれぞれ開
閉可能となっている。
が、上記スラブ装入口1aが該炉本体1内に装入可能と
なっている。また、上記炉本体1の上下両端部分には、
炉内に窒素ガス等の不活性ガスを吹き込むための上部吹
き込み口1b及び下部吹き込み口1cが開設されてい
る。また、炉本体1の頂部には、炉内の雰囲気を炉外に
放散するための放散口1dが開口形成されている。上記
上部吹き込み口1b,下部吹き込み口1c,及び放散口
1dは、図示しないアクチュエータによってそれぞれ開
閉可能となっている。
【0021】上記のような誘導加熱炉Kでは、放散口1
dを開放した状態で、昇降炉床4によって炉内にスラブ
Sを装入した後、下部吹き込み口1cから大量の不活性
ガスを炉内に吹き込み炉内の雰囲気を放散口1dから炉
体外に放出する。そして、炉内の雰囲気が所定濃度の不
活性ガス雰囲気になったら放散口1dを閉じる。この種
の炉における密閉状態の保持は困難であり、必ず程度の
内部雰囲気の放逸は避けることができないので、この放
逸する不活性ガスを補い、且つ外気が炉内に侵入しない
ように上部吹き込み口1bから所望量の不活性ガスを炉
内に吹き込み続ける。
dを開放した状態で、昇降炉床4によって炉内にスラブ
Sを装入した後、下部吹き込み口1cから大量の不活性
ガスを炉内に吹き込み炉内の雰囲気を放散口1dから炉
体外に放出する。そして、炉内の雰囲気が所定濃度の不
活性ガス雰囲気になったら放散口1dを閉じる。この種
の炉における密閉状態の保持は困難であり、必ず程度の
内部雰囲気の放逸は避けることができないので、この放
逸する不活性ガスを補い、且つ外気が炉内に侵入しない
ように上部吹き込み口1bから所望量の不活性ガスを炉
内に吹き込み続ける。
【0022】この状態で、誘導電源3から誘導加熱コイ
ル2に電力が投入されてスラブSが誘導加熱される。そ
して、該誘導加熱によってスラブS中心温度が1400
℃に達したら、その温度で所定時間均熱処置を実施して
インヒビターを解離固溶させ、その後、炉内温度を所定
温度だけ降下させて抽出まで保持する。このスラブSの
均熱終了後の所定温度だけ低下させる方法は、例えば、
誘導加熱コイルの電力を低く抑えることで実現する。
ル2に電力が投入されてスラブSが誘導加熱される。そ
して、該誘導加熱によってスラブS中心温度が1400
℃に達したら、その温度で所定時間均熱処置を実施して
インヒビターを解離固溶させ、その後、炉内温度を所定
温度だけ降下させて抽出まで保持する。このスラブSの
均熱終了後の所定温度だけ低下させる方法は、例えば、
誘導加熱コイルの電力を低く抑えることで実現する。
【0023】なお、炉内の雰囲気温度は、図示しない炉
温測定手段によって測定する。そして、誘導加熱炉Kか
ら抽出されたスラブSは、熱間圧延されて所定の熱延鋼
帯となり、続けて、冷延,焼鈍が繰り返し実施されて二
次再結晶と純化を行った後、絶縁コーティングを施して
最終製品となる。実際に、C 0.07重量%,Si
3.1重量%,Mn 0.07重量%,Se 0.01
5重量%,Al 0.02重量%を含有する200mm厚
の珪素鋼連続鋳造スラブSを鋳造後直ちに、ガス加熱炉
に装入して中心温度が1150〜1300℃になるまで
加熱した後、誘導加熱炉Kに装入し、N2 ガス雰囲気に
てスラブS中心温度が1400℃に達するまで60〜9
0分の間,110Hzの周波数で加熱を行った。
温測定手段によって測定する。そして、誘導加熱炉Kか
ら抽出されたスラブSは、熱間圧延されて所定の熱延鋼
帯となり、続けて、冷延,焼鈍が繰り返し実施されて二
次再結晶と純化を行った後、絶縁コーティングを施して
最終製品となる。実際に、C 0.07重量%,Si
3.1重量%,Mn 0.07重量%,Se 0.01
5重量%,Al 0.02重量%を含有する200mm厚
の珪素鋼連続鋳造スラブSを鋳造後直ちに、ガス加熱炉
に装入して中心温度が1150〜1300℃になるまで
加熱した後、誘導加熱炉Kに装入し、N2 ガス雰囲気に
てスラブS中心温度が1400℃に達するまで60〜9
0分の間,110Hzの周波数で加熱を行った。
【0024】さらに、1400℃で10分間の均熱をし
た後、保持する温度と時間を変更して加熱完了後のスラ
ブSに膨れがないかを観察した。図2が、その結果であ
る。この図2から分かるように、保持する温度が均熱温
度より10℃以上低ければ保持時間が長くても膨れは発
生していないことを確認した。また、上記実施例の方法
で加熱したスラブSと、従来の方法で加熱したスラブS
に対して、加熱後、直ちに熱間圧延して2.0mm厚の熱
延鋼帯とし、続けて、冷延,焼鈍を繰り返して2次再結
晶と純化を行った後、絶縁コーティングを施して最終製
品とした。なお、試料は、従来の方法によるスラブSが
7本で、本実施例の方法によるものが17本である。
た後、保持する温度と時間を変更して加熱完了後のスラ
ブSに膨れがないかを観察した。図2が、その結果であ
る。この図2から分かるように、保持する温度が均熱温
度より10℃以上低ければ保持時間が長くても膨れは発
生していないことを確認した。また、上記実施例の方法
で加熱したスラブSと、従来の方法で加熱したスラブS
に対して、加熱後、直ちに熱間圧延して2.0mm厚の熱
延鋼帯とし、続けて、冷延,焼鈍を繰り返して2次再結
晶と純化を行った後、絶縁コーティングを施して最終製
品とした。なお、試料は、従来の方法によるスラブSが
7本で、本実施例の方法によるものが17本である。
【0025】そして、その最終製品の電磁特性を調べて
みると、下記表1に示す結果を得た。
みると、下記表1に示す結果を得た。
【0026】
【表1】
【0027】この表から分かるように、誘導加熱炉K内
での保持時間が長い,本実施例による加熱方法を適用し
た最終製品であっても、良好な電磁特性が得られてお
り、従来の加熱方法を適用したものとは大きな差が認め
られない。なお、上記実施例では、誘導加熱炉Kとして
竪型誘導加熱炉で説明したが、勿論横型誘導加熱炉であ
ってもよい。
での保持時間が長い,本実施例による加熱方法を適用し
た最終製品であっても、良好な電磁特性が得られてお
り、従来の加熱方法を適用したものとは大きな差が認め
られない。なお、上記実施例では、誘導加熱炉Kとして
竪型誘導加熱炉で説明したが、勿論横型誘導加熱炉であ
ってもよい。
【0028】また、上記実施例では、誘導加熱コイル2
に供給する電力を所定量だけ下げることで、均熱温度か
らの温度降下の手段を示しているが、これに限定される
ものではない。
に供給する電力を所定量だけ下げることで、均熱温度か
らの温度降下の手段を示しているが、これに限定される
ものではない。
【0029】
【発明の効果】以上説明してきたように、本発明の方向
性珪素鋼板のスラブ加熱方法では、均熱加熱終了後の方
向性珪素スラブを加熱装置内で従来よりも長い時間待機
させておいても、加熱装置から抽出する方向性珪素鋼ス
ラブに膨れを発生させることなく且つインヒビターを十
分,解離固溶させることができ、しかも、電磁特性、及
び外観性ともに優れた方向性珪素鋼板を製造することが
できるという効果がある。
性珪素鋼板のスラブ加熱方法では、均熱加熱終了後の方
向性珪素スラブを加熱装置内で従来よりも長い時間待機
させておいても、加熱装置から抽出する方向性珪素鋼ス
ラブに膨れを発生させることなく且つインヒビターを十
分,解離固溶させることができ、しかも、電磁特性、及
び外観性ともに優れた方向性珪素鋼板を製造することが
できるという効果がある。
【図1】本発明に係る実施例の誘導加熱炉を示す側面断
面図である。
面図である。
【図2】本発明に係る実施例におけるスラブ保持時間と
保持温度を変更してスラブ温度を保持した際における、
加熱完了後のスラブ表面の膨れ有無を示す図である。
保持温度を変更してスラブ温度を保持した際における、
加熱完了後のスラブ表面の膨れ有無を示す図である。
K 誘導加熱炉 S スラブ 1 炉本体 1b 上部吹き込み口 1c 下部吹き込み口 2 誘導加熱コイル
Claims (1)
- 【請求項1】 Si 2.0〜4.5重量%、Mn
0.01〜0.15重量%を含み、且つ、Al,及びS
又はSeを合計で0.005〜0.10重量%含有する
方向性珪素鋼スラブを、熱間圧延に先立ち均熱温度に誘
導加熱するスラブ加熱方法において、上記スラブ表層部
の温度が1300〜1450℃の均熱温度になるまで加
熱した後、上記均熱温度より10〜100℃だけ低い温
度範囲でスラブ温度を保持することを特徴とする方向性
珪素鋼板のスラブ加熱方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9254194A JPH07300621A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 方向性珪素鋼板のスラブ加熱方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9254194A JPH07300621A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 方向性珪素鋼板のスラブ加熱方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07300621A true JPH07300621A (ja) | 1995-11-14 |
Family
ID=14057246
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP9254194A Pending JPH07300621A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 方向性珪素鋼板のスラブ加熱方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07300621A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004506093A (ja) * | 2000-08-09 | 2004-02-26 | ティッセンクルップ アッチアイ スペチアリ テルニ ソシエタ ペル アチオニ | 方向性電磁鋼帯の製造におけるインヒビター分散の調整方法 |
-
1994
- 1994-04-28 JP JP9254194A patent/JPH07300621A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2004506093A (ja) * | 2000-08-09 | 2004-02-26 | ティッセンクルップ アッチアイ スペチアリ テルニ ソシエタ ペル アチオニ | 方向性電磁鋼帯の製造におけるインヒビター分散の調整方法 |
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