JP2653948B2 - 熱鋼帯焼なましなしの標準結晶粒配向珪素鋼の製法 - Google Patents

熱鋼帯焼なましなしの標準結晶粒配向珪素鋼の製法

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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は0.45mm〜0.18m
m(18ミル〜7ミル)の厚さの標準結晶粒配向珪素鋼
を熱鋼帯の焼なましなしに製造する方法、および炭化物
の析出を抑制するために最初の冷間圧延工程後の中間焼
なましが極めて短均熱時間で且つ2部分の温度制御冷却
サイクルからなる前記製法に関する。
【0002】
【背景技術】本発明の教示はミラ−指数により(11
0)[001]と名付けられるキュウブ−オン−エッジ
配向をもつ珪素鋼に適用される。この種の珪素鋼は一般
に結晶粒が配向した珪素鋼と呼ばれる。結晶粒配向珪素
鋼は2つの基本的なカテゴリに分割される。標準結晶粒
配向珪素鋼と高透磁率結晶粒配向珪素鋼とである。標準
結晶粒配向珪素鋼は主要結晶粒成長抑制材としてマンガ
ンおよび硫黄(および/またはセレン)を使用し、通常
796A/mで1870以下の透磁率をもつ。高透磁率
珪素鋼は結晶粒成長抑制材としての硫化マンガンおよび
/またはセレン化マンガンに加えて、もしくは代わり
に、窒化アルミニウム、窒化硼素または業界において既
知の他の種に依存し、1870より大きい透磁率をも
つ。本発明の教示は標準結晶粒配向珪素鋼に適用可能で
ある。
【0003】標準結晶粒配向珪素鋼の慣用の処理方法は
慣用の装置での珪素鋼の融成物の製造、得られた珪素鋼
の精錬およびインゴツトもしくはストランド鋳造スラブ
の形態に鋳造することからなる。鋳造珪素鋼は好適には
重量%で表して0.1%以下の炭素、0.025%〜0.
25%のマンガン、0.01%〜0.035%の硫黄およ
び/またはセレン、2.5%〜4.0%の珪素、但し目標
珪素含量は3.15%、50ppm以下の窒素、100
ppm以下の全アルミニウム、および残部は本質的に鉄
からなる。所望に応じ、硼素および/または銅の添加を
行つてもよい。
【0004】鋼融成物をインゴツトに鋳造した場合には
鋼を熱間圧延してスラブにするか、インゴツトから直接
圧延して鋼帯とする。連続的に鋳造する場合には米国特
許第4,718,951号の方法によりスラブを予備圧延
してもよい。工業的実施には鋼帯鋳造も本発明の方法か
らは有利である。スラブは1400℃(2550°F)
で熱鋼帯の厚さに熱間圧延し、30秒間の均熱期間10
10℃(1850°F)の熱鋼帯焼なましを行い、得ら
れた熱鋼帯を環境温度に空冷する。その後で、材料を冷
間圧延して中間厚とし、950℃(1740℃)で30
秒間均熱して中間焼なましを行い、例えば空冷して環境
温度に冷却する。中間焼なましに続いて珪素鋼を冷間圧
延して最終厚にする。最終厚の珪素鋼を慣用の脱炭焼な
まし処理するが、この処理は鋼を再結晶させ、また炭素
含量を非時効レベルに低下させ且つフェイアライト表面
酸化物を生成させる。この脱炭焼なましは通常830℃
〜845℃(1525°F〜1550°F)の温度で湿
潤水素含有雰囲気中で炭素含量を0.003%またはそ
れ以下にするのに充分な時間行われる。その後で珪素鋼
をマグネシアのような焼なまし分離材で被覆し、120
0℃(2200°F)の温度で24時間箱焼なましす
る。この最終焼なましにより二次再結晶化が行われる。
フォルステライトまたは“ミル(mill)”ガラス皮
膜がフェイアライト層と分離材皮膜との間の反応により
生成する。
【0005】標準結晶粒配向(キュブ−オン−エッジ)
珪素鋼の代表的製法は米国特許第4,202,711
号;同第3,764,406号;および同第3,843,4
22号明細書に記載されている。
【0006】本発明は、上述の慣用の手順において本発
明の中間焼なまし及び冷却操作を行えば熱鋼帯焼なまし
を省略できるとの知見に基づく。本発明の中間焼なまし
と冷却操作とは好適には比較的低い温度での極めて短時
間の均熱と、温度制御した2工程冷却サイクルとを併用
することを意図するものである。
【0007】本発明の教示は、以下に詳細に説明するよ
うに、先行技術に比して多くの利点を生ずる。上述の範
囲内のすべての最終厚で、慣用の手順により達成される
磁性と少なくとも同等もしくは屡々より良好な磁性が達
成される。この磁性はまた慣用のものより一定してい
る。本発明の教示は焼なましサイクルを20%またはそ
れ以上短縮し、それにより連続生産ラインの生産能力を
増大させる。本発明方法は、鋼を熱間圧延して熱鋼帯と
した後の熱鋼帯焼なましなしに、初めて薄厚の、代表的
には0.23mm〜0.18mm(9ミル〜7ミル)の、
良好な磁気特性をもつ標準結晶粒配向珪素鋼の製造を可
能とするものである。本発明方法は熱鋼帯焼なましを実
施できない所での薄厚標準結晶粒配向珪素鋼の製造を可
能となすものである。本発明方法の中間焼なまし温度が
比較的低いことは該焼なまし中の珪素鋼の機械的強度を
増大するが、この機械的強度は従来の高い焼なまし温度
では限界ぎりぎりのものであつた。
【0008】ヨ−ロツパ特許第0047129号は高透
磁率珪素鋼の製造に対して705℃から205℃(13
00°Fから400°F)への急冷工程の使用を教示し
ている。この急冷工程により最終製品中の二次結晶粒の
大きさをより小さくすることができる。米国特許第4,
517,932号は高透磁率珪素鋼の製造用に急冷と中
間焼なまし中の制御された脱炭、および炭化物を調整す
るための95℃〜205℃(200°F〜400°F)
での10秒〜60秒間の時効処理を教えている。
【0009】これらの高透磁率珪素鋼の文献は870℃
(1600°F)で120秒間均熱の極めて低い温度と
長い期間との中間焼なましサイクルを使用し、その後で
705℃(1300°F)からの急冷および炭化物の析
出を調整する時効処理を使用している。しかし、本発明
の中間焼なましの場合には620℃(1150°F)以
上の温度からの急冷はマルテンサイト(これは硬さを増
大させ、次の冷間圧延のための機械的性質を劣化させ且
つ最終製品の磁性を劣化させる)を生成させるために磁
性が劣化することを知見した。
【0010】上記米国特許第4,517,032号では急
冷後の低温時効処理を使用している。この手順を標準結
晶粒配向材料に使用すると二次結晶粒の寸法が大きくな
り、且つこの二次結晶粒の寸法の増大は微細な炭化鉄の
析出を損なうから最終製品の磁性が劣化することが見出
された。オ−ステナイトの生成を回避するために895
℃(1640°F)またはそれ以下の温度でのより低い
温度での焼なましを使用すれば二次相(これはミクロ組
織から調整されなければならない)の生成なしに炭化鉄
を充分に溶解させることができるであろう。しかし、こ
の操作は炭化物を溶解させるために非常に長期の焼なま
し時間を必要とするが、本発明の2工程冷却サイクルな
しに均熱温度からの直接急冷を可能とするであろう。
【0011】米国特許第4,478,653号は熱鋼帯の
焼なましなしに0.23mm(9ミル)厚の標準結晶粒
配向珪素鋼を製造するために、より高い中間焼なまし温
度を使用できることを教えている。しかし、この特許に
より製造された0.23mm(9ミル)厚の標準結晶粒
配向珪素鋼は熱鋼帯焼なましを行う手順を使用するとき
より磁性が一層変わりやすいことが判明した。さらに、
この文献に教示された熱鋼帯焼なまし省略−高温中間焼
なまし操作は熱鋼帯焼なましを行う操作に比べて一般に
0.23mm(9ミル)またはそれ以下のより薄い厚さ
では磁性が劣ることが判明した。最後に、米国特許第
4,478,653号の中間焼なましでの極めて高い温度
は珪素鋼の機械的強度が低下させ、処理を一層困難なも
のとする。
【0012】
【発明の開示】本発明によれば、重量%で表して本質的
に0.1%以下の炭素、0.025%〜0.25%のマン
ガン、0.01%〜0.035%の硫黄および/またはセ
レン、2.5%〜4%の珪素、100ppm以下の全ア
ルミニウム、50ppm以下の窒素および残部が本質的
に鉄からなる珪素鋼を用意する工程を包含する、0.4
5mm〜0.18mm(18ミル〜7ミル)の範囲の厚
さをもち標準結晶粒配向をもつ珪素鋼に加工する方法を
提供するものである。所望に応じ、硼素および/または
銅を添加してもよい。
【0013】本発明によれば珪素鋼は熱鋼帯から熱鋼帯
焼なましせずに中間厚に冷間圧延し、冷間圧延した中間
厚珪素鋼を900℃〜1150℃(1650°F〜21
00°F)、好適には900℃〜930℃(1650°
F〜1700°F)で1秒〜30秒間、好適には3秒〜
8秒間の均熱期間の中間焼なましを行う。この均熱操作
の後で珪素鋼を2工程で冷却する。すなわち、第1冷却
工程は前記均熱温度から540℃〜650℃(1000
°F〜1200°F)、好適には595℃±30℃(1
100°F±50°F)の温度に毎分835℃(毎分1
500°F)以下の冷却速度、好適には毎分280℃〜
585℃(毎分500°F〜1050°F)の冷却速度
で徐冷する。第2冷却工程は毎分835℃(毎分150
0°F)以上の急冷工程、好適には毎分1390℃〜1
945℃(毎分2500°F〜3500°F)の急冷速
度で急冷し、続いて315℃〜370℃(600°F〜
700°F)で水冷することからなる。中間焼なましの
後で珪素鋼を冷間圧延して最終厚とし、脱炭し、焼なま
し分離材を被覆し、最終焼なましを行つて二次再結晶化
を行う。
【0014】
【好適な実施態様の記載】本発明の実施に際しては、標
準結晶粒配向珪素鋼を得るための手順は慣用のもであ
り、2つの相違点以外は慣用のものと同じである。第1
の相違点は本発明方法は熱鋼帯の熱間焼なましを行わな
いことである。第2の相違点は第1冷間圧延後の本発明
の中間焼なましおよび冷却サイクルの実施である。
【0015】このようにするために、“熱鋼帯”とここ
に称する原料はインゴツト鋳造/連続鋳造および熱間圧
延、あるいは鋼帯鋳造のような業界で既知の多くの方法
により製造できる。珪素鋼の熱鋼帯のスケ−ルを除去す
るが、第1冷間圧延を実施するに先立つて熱鋼帯の焼な
ましは行わない。
【0016】第1冷間圧延後に珪素鋼を本発明の教示に
従い中間焼なましする。本発明の中間焼なましの時間/
温度サイクルの模式図である図1を参照されたい。この
図1はまた破線により代表的な先行技術中間焼なましの
時間/温度サイクルを示す。
【0017】本発明の主要な要点は中間焼なましとその
冷却サイクルとを、微細な炭化物を分散できるように調
整できることを知見した点にある。炭化物の調粒は0.
18mm(7ミル)またはそれ以下の最終厚においてさ
えも、熱鋼帯焼なましの必要性なしに、融成物中の広範
囲の炭素に亙つて最終製品に良好な一定した磁気特性を
もつ標準結晶粒配向珪素鋼の製造を可能となす。
【0018】鋼帯を中間焼なましの昇温段階中の炉に入
れてほぼ20秒後に675℃(1250°F)で再結晶
化がおこり、その後で通常の結晶粒の成長がおこる。再
結晶化の始発点は図1において“○”で示される。図1
のAで示すように690℃(1280°F)以上で炭化
物が溶解し始める。この溶解は続行され温度が上昇する
につれて促進される。900℃(1650°F)以上で
少量のフェライトがオ−ステナイトに変態する。オ−ス
テナイトは炭素を一層迅速に溶解させ結晶粒の通常の成
長を制限し、それにより中間焼なまし結晶粒寸法を確立
する。先行技術の中間焼なましは950℃(1740°
F)で25〜30秒間の均熱により行われた。本発明の
中間焼なまし操作は1〜30秒、好適には3秒〜8秒の
均熱時間である。均熱温度は重要ではないことが決定さ
れた。均熱は900℃〜1150℃(1650°F〜2
100°F)の温度、好適には900℃〜930℃(1
650°F〜1700°F)の温度、さらに好適には9
15℃(1680°F)の温度で行われる。この短い均
熱時間と低い均熱温度とが好適である。この理由はオ−
ステナイトの生成量が少なくなるからである。前からあ
るフェライト粒界に分散した島の形態で存在するオ−ス
テナイトは一層微細となる。こうして、オ−ステナイト
は分解してフェライトとなり、同時に炭素を固溶体の状
態として後から微細な炭化鉄を析出させるのが一層容易
となる。均熱温度を上げるかまたは均熱時間を長くする
と、オ−ステナイトの島を成長させ、島は前のフェライ
トの地に比べて急速に炭素が富化したものとなる。オ−
ステナイトの成長とオ−ステナイトの炭素富化とは冷却
中におけるオ−ステナイトの分解を阻害する。炉を出た
時の所望の組織は、5%以下のオ−ステナイトが微細な
島としてフェライト地全体に均一に分散した再結晶フェ
ライト地からなるものである。中間焼なましの終了時点
では炭素は固溶し冷却に際して容易に再析出できる状態
にある。中間焼なまし時間と均熱温度とを再編成した主
要な理由はオ−ステナイトの島の成長を抑制するにあ
る。この低い温度は生成するオ−ステナイトの平衡体積
割合は低下させる。この短い時間は炭素の拡散を減少さ
せ、それによつてオ−ステナイトの成長を抑制し且つオ
−ステナイトの不当な富化を抑制する。この低い鋼帯温
度と、減少したオ−ステナイトの体積割合と、オ−ステ
ナイトの一層微細な形態とは冷却サイクル中でのオ−ス
テナイトの分解を一層容易にする。
【0019】均熱直後に、冷却サイクルを開始する。本
発明の冷却サイクルは2段階で行うことを意図するもの
である。すなわち、均熱工程から図1の点“E”に延び
る第1冷却工程は前記均熱温度から540℃〜650℃
(1000°F〜1200°F)、好適には595℃±
30℃(1100°F±50°F)の温度に徐冷する工
程である。この第1冷却(徐冷)工程はオ−ステナイト
を分解して炭素が飽和したフェライトを生成する。平衡
状態下では900℃〜770℃(1650°F〜142
0°F)でオ−ステナイトは分解して炭素が飽和したフ
ェライトを生成する。しかし、冷却操作の動力学はオ−
ステナイトの分解は最も早くても中間の815℃(15
00°F)までの範囲までは開始されないが595℃
(1100°F)より若干低い温度まで続行するような
速度である。
【0020】第1冷却(徐冷)工程でオ−ステナイトの
分解ができないとマルテンサイト及び/またはパ−ライ
トを生成する。マルテンサイトがもし存在すると二次結
晶粒寸法が大きくなり、(110)[001]配向の質
を低下させる。マルテンサイトの存在は第2冷間圧延に
おけるエネルギ−の貯蔵に悪影響を与え、最終珪素鋼製
品の磁性を劣化させ且つより一定しない磁性のものとな
す。最後に、マルテンサイトは最終珪素鋼の機械的性
質、特に冷間圧延特性を劣化させる。パ−ライトはマル
テンサイトより良性であるがやはり炭素を望ましくない
形態に結合する。
【0021】上述したように、オ−ステナイトの分解は
図1のほぼ“C”点で始まり、ほぼ“E”点まで続く。
“D”点で炭素飽和フェライトから微細な炭化鉄が析出
し始める。平衡条件下では炭化物は炭素飽和フェライト
から690℃(1280°F)以下の温度で析出し始め
る。しかし、実際の操作は炭化物の析出を始めさせるに
は若干過冷却することが必要であり、650℃(120
0°F)で初めて開始される。オ−ステナイトの炭素富
化フェライトへの分解とフェライトからの炭化物の析出
とは若干重なることに留意されたい。炭化物は2形態で
存在する。それは結晶粒間フィルムとして、および微細
な結晶粒間析出物として存在する。前者は570℃(1
060°F)以上の温度で析出し、後者は570℃(1
060°F)以下の温度で析出する。図1の“C”点か
ら“E”点に延びる徐冷工程である第1冷却工程は毎分
835℃(1500°F)以下の冷却速度、好適には毎
分280℃〜585℃(500°F〜1050°F)の
冷却速度である。
【0022】冷却サイクルの第2冷却工程、すなわち急
冷工程は図1の“E”点で始まり315℃と540℃
(600°Fと1000°F)との間の“G”点へ延
び、この“G”点で鋼帯を水冷して急冷工程を完了す
る。水冷後の鋼帯温度は65℃(150°F)以下であ
り、これは図1では室温[25℃(75°F)]として
示される。第2冷却工程中の冷却速度は好適には毎分1
390℃〜1945℃(毎分2500°F〜3500°
F)、さらに好適には毎分1665℃(毎分3000°
F)以上である。これにより確実に微細な炭化鉄が析出
する。
【0023】上述のことから本発明の全中間焼なまし−
冷却サイクルは所望のミクロ組織を得る操作に必要であ
り、精密な制御が重要であることが明らかである。図1
に示す先行技術によるサイクル時間は毎分57メ−トル
(毎分220フィ−ト)の鋼帯速度で少なくとも3分間
を必要とし、水浴(図示せず)中で終了する。本発明の
中間焼なましサイクル時間は2分10秒を必要とし、こ
のことは毎分80メ−トル(毎分260フィ−ト)の鋼
帯速度を使用することを可能となす。従って、本発明の
焼なましサイクルは連続生産ラインの生産性をより大き
いものとすることができることに留意されたい。この焼
なまし後に時効処理は必要でないか、あるいは所望もさ
れない。この理由は時効処理は二次結晶粒の寸法を大き
くし、これは最終珪素鋼製品の磁性を劣化させることが
判明したからである。
【0024】中間焼なましの後に第2冷間圧延工程を行
うが、この工程では珪素鋼は所望の最終厚に圧下され、
珪素鋼はその後脱炭され、焼なまし分離材で被覆され最
終焼なましして二次再結晶を行う。
【0025】工場で目標珪素含量3.15%の2種の標
準結晶粒配向珪素鋼の融成物(ヒ−ト)を処理した。こ
れら2種のヒ−トの化学成分を下記表1に掲げる:
【0026】
【表1】 表 1 ヒ−ト C Mn S Si Al N Cu A 0.0280 0.0592 0.0215 3.163 0.0016 0.0033 0.094 B 0.0288 0.0587 0.0216 3.175 0.0013 0.0029 0.083
【0027】処理は熱鋼帯の焼なましなしで行い、上記
2種のヒ−ト各々を別々に、最終厚を0.28mm(1
1ミル)、0.23mm(9ミル)および0.18mm
(7ミル)としたが、これらの各々に対してそれぞれ3
つの異なる中間厚を使用した。すなわち、上記0.28
mm、0.23mmおよび0.18mmの最終厚の材料の
各々に対する3つの異なる中間厚を下記表2に掲げる:
【0028】
【表2】
【0029】最終厚0.18mm(7ミル)、0.23m
m(9ミル)および0.28mm(11ミル)の材料に
ついて標準の先行技術により対象とする中間厚はそれぞ
れ0.53mm(0.021インチ)、0.58mm(0.
023インチ)及び0.61mm(0.024インチ)で
あつた。上記珪素鋼に本発明による中間焼なましと冷却
サイクルとを行つた。このために珪素鋼を915℃(1
680°F)で8秒間均熱し、その後で毎分470℃〜
670℃(毎分850°F〜1200°F)の冷却速度
で570℃(1060°F)に冷却し、次いで毎分83
0℃〜1100℃(毎分1500°F〜2000°F)
の冷却速度で350℃(600°F)に冷却した後65
℃(150°F)以下に水冷した。珪素鋼を最終厚に冷
間圧延し、830℃(1525°F)で湿潤水素含有雰
囲気中で脱炭し、マグネシアを被覆し、1200℃(2
200°F)で24時間湿潤水素中で最終の箱焼なまし
を行つた。
【0030】ヒ−トAおよびBのコイルの前側と裏側と
の平均結果を下記表3にまとめた:
【表3】
【0031】0.18mm(7ミル)、0.23mm(9
ミル)および0.28mm(11ミル)厚の材料につい
て先行技術による結果によれば目標15kGa鉄心損の
値はそれぞれ0.867W/kg(0.390W/l
b)、0.933W/kg(0.420W/lb)および
1.067W/kg(0.480W/lb)であつた。従
って、0.18mm(7ミル)、0.23mm(9ミル)
および0.28mm(11ミル)厚の最終厚の各々につ
いて中間厚を前記先行技術で対象とする中間厚とした場
合でも僅かな鉄心損の改善が達成されたことに注意され
たい。上記各々の最終厚の材料について厚い方の中間厚
に圧延した材料ではより大きい鉄心損の改善さえ達成さ
れた。このことは最適の中間厚は本発明の中間焼なまし
サイクルを採用することにより厚い方に移動したことを
明らかに示すものである。H−10透磁率も厚い方の中
間厚で改善されたことに注意されたい。
【0032】こうして、本発明は標準結晶粒配向珪素鋼
の部分オ−ステナイトグレ−ドへの適用について記載し
てきた。完全フェライトグレ−ドのものはbbc型結晶
構造からfcc型結晶構造への変態をうけない。これは
下記の式で計算れるフェライト安定度指数から決定でき
る:
【0033】上記値が0.0に等しいかそれ以下の値を
もつ組成は完全フェライトである。正のフェライト安定
度指数の値が大きくなることは存在するオ−ステナトの
体積割合が大きくなることを表わす。完全フェライト組
成の場合には急冷を均熱操作の終わりにおいて直接開始
できる。この理由はオ−ステナイトが存在しないから第
1冷却工程の徐冷工程が必要ないからである。
【0034】本発明の精神を逸脱することなく種々の改
変を行い得るものと理解されたい。
【0035】
【効果】本発明の効果は、上に詳細に説明したように、
先行技術に比して多くの利点を生ずる。上述の範囲内の
すべての最終厚で、慣用の手順により達成される磁性と
少なくとも同等もしくは屡々より良好な磁性が達成され
る。この磁性はまた慣用のものより一定している。本発
明の教示は焼なましサイクルを20%またはそれ以上短
縮し、それにより連続生産ラインの生産能力を増大させ
る。本発明方法は、鋼を熱間圧延して熱鋼帯とした後の
熱鋼帯焼なましなしに、初めて薄厚の、代表的には0.
23mm〜0.18mm(9ミル〜7ミル)の、良好な
磁気特性をもつ標準結晶粒配向珪素鋼の製造を可能とす
るものである。本発明方法は熱鋼帯焼なましを実施でき
ない所での薄厚標準結晶粒配向珪素鋼の製造を可能とな
すものである。本発明方法の中間焼なまし温度が比較的
低いことは該焼なまし中の珪素鋼の機械的強度を増大す
るが、この機械的強度は従来の高い焼なまし温度では限
界ぎりぎりのものであつた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間焼なまし/温度サイクルと代表的
先行技術の中間焼なましの中間焼なまし/温度サイクル
とを説明するグラフである。

Claims (11)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で表して2.5%〜4%の珪素を含
    有する珪素鋼の熱鋼帯を用意し、もし熱鋼帯スケ−ル
    が存在したらこれを除去し、熱鋼帯を焼なましせずに中
    間厚に冷間圧延し、該中間厚材料を900℃〜1150
    ℃(1650°F〜2100°F)の均熱温度で1秒〜
    30秒間の均熱期間にわたり中間焼なましを行い、前記
    均熱温度から540℃〜650℃(1000°F〜12
    00°F)の温度に毎分835℃(毎分1500°F)
    以下の冷却速度で徐冷工程を行い、その後で315℃〜
    540℃(600°F〜1000°F)の温度へ毎分8
    35℃(毎分1500°F)以上の冷却速度で急冷工程
    を行い、次いで水冷し、珪素鋼を最終厚に冷間圧延し、
    脱炭し、脱炭した珪素鋼を焼なまし分離材で被覆し、得
    られた珪素鋼を最終焼なましして二次再結晶化させるこ
    とからなる、0.18mm〜0.46mm厚の標準結晶粒
    配向珪素鋼の製法。
  2. 【請求項2】珪素含量が3.15重量%である、請求項
    1記載の製法。
  3. 【請求項3】中間焼なましを3〜8秒間の均熱期間で行
    う、請求項1記載の製法。
  4. 【請求項4】中間焼なましを900℃〜930℃(16
    50°F〜1700°F)の均熱温度で行う、請求項1
    記載の製法。
  5. 【請求項5】中間焼なましを915℃(1680゜F)
    の均熱温度で行う、請求項1記載の製法。
  6. 【請求項6】徐冷工程を595℃±30℃(1100°
    F±50°F)の温度で終了する、請求項1記載の製
    法。
  7. 【請求項7】徐冷工程を毎分280℃〜585℃(毎分
    500°F〜1050°F)の冷却速度で行う請求項1
    記載の製法。
  8. 【請求項8】急冷工程を毎分1390℃〜1945℃
    (毎分2500°F〜3500°F)の冷却速度で行う
    請求項1記載の製法。
  9. 【請求項9】中間焼なましを915℃(1680℃)の
    均熱温度で3秒〜8秒の均熱期間行い、徐冷工程を毎分
    280℃〜585℃(毎分500°F〜1050°F)
    の冷却速度で行い、徐冷工程を595℃±30℃(11
    00°F±50°F)の温度で終了し、急冷工程を毎分
    1390℃〜1945℃(毎分2500°F〜3500
    °F)の冷却速度で行う、請求項1記載の製法。
  10. 【請求項10】珪素鋼が重量%で表して本質的に0.1
    %までの炭素、0.025%〜0.25%のマンガン、
    0.01%〜0.035%の硫黄および/またはセレン、
    2.5%〜4%の珪素、100ppm以下のアルミニウ
    ム、50ppm以下の窒素、所望に応じ硼素および銅を
    含み、残部が本質的に鉄からなる、請求項1記載の製
    法。
  11. 【請求項11】珪素の重量%が3.15%である、請求
    項10記載の製法。
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