JPH0693334A - 熱鋼帯焼なましなしの標準結晶粒配向珪素鋼の製法 - Google Patents

熱鋼帯焼なましなしの標準結晶粒配向珪素鋼の製法

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JPH0693334A
JPH0693334A JP3281441A JP28144191A JPH0693334A JP H0693334 A JPH0693334 A JP H0693334A JP 3281441 A JP3281441 A JP 3281441A JP 28144191 A JP28144191 A JP 28144191A JP H0693334 A JPH0693334 A JP H0693334A
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soaking
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱鋼帯の熱間焼なまし工程を省略し非常に短
時間の均熱と温度を制御した2工程冷却サイクルからな
る中間焼なまし−冷却サイクルを行うことにより炭化物
を微細化し良好で一定した磁性をもつ最終製品を提供す
る。 【構成】 熱珪素鋼帯を用意し、該鋼帯のスケ−ルを除
き、該熱鋼帯を焼なましせずに冷間圧延して中間厚と
し、約900℃〜約930℃の均熱温度で中間焼なまし
を行い、焼なました珪素鋼を毎分約260℃〜約585
℃の冷却速度で第1工程の徐冷を行つて約595℃±3
0℃の温度とし、次に毎分約1390℃〜約1945℃
の速度の第2急冷工程を行つて約315℃〜約540℃
の温度まで下げ、続いて水冷、最終厚への冷間圧延、脱
炭、焼なまし皮膜の適用、最終焼なましを行つて約0.
18mmから約0.45mmの最終厚をもつ標準結晶粒
配向珪素鋼を製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の技術分野】本発明は約0.45mm〜約0.18
mm(約18ミル〜約7ミル)の厚さの標準結晶粒配向
珪素鋼を熱鋼帯焼なましなしに製造する方法、および炭
化物の析出を抑制するために最初の冷間圧延工程後の中
間焼なましが極めて短時間で且つ2部分の温度制御冷却
サイクルからなる前記製法に関する。
【0002】
【背景技術】本発明の教示はミラ−指数により(11
0)[001]と名付けられるキュウブ−オン−エッジ
配向をもつ珪素鋼に適用される。この種の珪素鋼は一般
に結晶粒が配向した珪素鋼と呼ばれる。結晶粒配向珪素
鋼は2つの基本的なカテゴリに分割される。標準結晶粒
配向珪素鋼と高透磁率結晶粒配向珪素鋼とである。標準
結晶粒配向珪素鋼は主要結晶粒成長抑制材としてマンガ
ンおよび硫黄(および/またはセレン)を使用し、通常
796A/mで1870以下の透磁率をもつ。高透磁率
珪素鋼は結晶粒成長抑制材として硫化マンガンおよび/
またはセレン化マンガンに加えて、もしくは代わりに、
窒化アルミニウム、窒化硼素または業界において造られ
た既知の他の種に依存し、1870より大きい透磁率を
もつ。本発明の教示は標準結晶粒配向珪素鋼に適用可能
である。
【0003】標準結晶粒配向珪素鋼の慣用の処理方法は
慣用の装置での珪素鋼の融成物の製造、得られた珪素鋼
の精錬およびインゴツトもしくはストランド鋳造スラブ
の形態に鋳造することからなる。鋳造珪素鋼は好適には
重量%で表して約0.1%以下の炭素、約0.025%〜
約0.25%のマンガン、約0.01%〜約0.035%
の硫黄および/またはセレン、約2.5%〜約4.0%の
珪素、但し目標珪素含量は3.15%、約50ppm以
下の窒素、約100ppm以下の全アルミニウム、およ
び残部は本質的に鉄からなる。所望に応じ、硼素および
/または銅の添加を行つてもよい。
【0004】鋼融成物をインゴツトに鋳造した場合には
鋼を熱間圧延してスラブにするか、インゴツトから直接
圧延して鋼帯とする。連続的に鋳造する場合には米国特
許第4,718,951号の方法によりスラブを予備圧延
してもよい。工業的実施には鋼帯鋳造も本発明の方法か
らは有利である。スラブは1400℃(2550°F)
で熱鋼帯の厚さに熱間圧延し、約30秒間の均熱期間約
1010℃(1850°F)の熱鋼帯焼なましを行い、
得られた熱鋼帯を環境温度に空冷する。その後で、材料
を冷間圧延して中間厚とし、約950℃(約1740
℃)で30秒間均熱して中間焼なましを行い、例えば空
冷して環境温度に冷却する。中間焼なましに続いて珪素
鋼を冷間圧延して最終厚にする。最終厚の珪素鋼を慣用
の脱炭焼なまし処理するが、この処理は鋼を再結晶さ
せ、また炭素含量を非時効レベルに低下させ且つフェイ
アライト表面酸化物を生成させる。この脱炭焼なましは
通常約830℃〜約845℃(約1525°F〜約15
50°F)の温度で湿潤水素含有雰囲気中で炭素含量を
約0.003%またはそれ以下にするのに充分な時間行
われる。その後で珪素鋼をマグネシアのような焼なまし
分離材で被覆し、約1200℃(約2200°F)の温
度で24時間箱焼なましする。この最終焼なましにより
二次再結晶化が行われる。フォルステライトまたは“ミ
ル”ガラス皮膜がフェイアライト層と分離材皮膜との間
の反応により生成する。
【0005】標準結晶粒配向(キュブ−オン−エッジ)
珪素鋼の代表的製法は米国特許第4,202,711
号;同第3,764,406号;および同第3,843,4
22号明細書に記載されている。
【0006】本発明は、上述の慣用の手順において本発
明の中間焼なましおよび冷却操作を行えば熱鋼帯焼なま
しを省略できるとの知見に基づく。本発明の中間焼なま
しと冷却操作とは好適には比較的低い温度での極めて短
時間の均熱と、温度制御した2工程冷却サイクルとを併
用することを意図するものである。
【0007】本発明の教示は、以下に詳細に説明するよ
うに、先行技術に比して多くの利点を生ずる。上述の範
囲内のすべての最終厚で、慣用の手順により達成される
磁性と少なくとも同等もしくは屡々より良好な磁性が達
成される。この磁性はまた慣用のものより一定してい
る。本発明の教示は焼なましサイクルを20%またはそ
れ以上短縮し、それにより連続生産ラインの生産能力を
増大させる。本発明方法は、鋼を熱間圧延して熱鋼帯と
した後の熱鋼帯焼なましなしに、初めて薄厚の、代表的
には約0.23mm〜約0.18mm(約9ミル〜約7ミ
ル)の、良好な磁気特性をもつ標準結晶粒配向珪素鋼の
製造を可能とするものである。本発明方法は熱鋼帯焼な
ましを実施できない所での薄厚標準結晶粒配向珪素鋼の
製造を可能となすものである。本発明方法の中間焼なま
し温度が比較的低いことは該焼なまし中の珪素鋼の機械
的強度を増大するが、この機械的強度は従来の高い焼な
まし温度では限界ぎりぎりのものであつた。
【0008】ヨ−ロツパ特許第0047129号は高透
磁率珪素鋼の製造に対して705℃から205℃(13
00°Fから400°F)への急冷工程の使用を教示し
ている。この急冷工程により最終製品中の二次結晶粒の
大きさをより小さくすることができる。米国特許第4,
517,932号は高透磁率珪素鋼の製造用に急冷と中
間焼なまし中の制御された脱炭および炭化物を調整する
ための95℃〜205℃(200°F〜400°F)で
の10秒〜60秒間の時効処理とを教えている。
【0009】これらの高透磁率珪素鋼の文献は870℃
(1600°F)で120秒間均熱の極めて低い温度と
長い期間との中間焼なましサイクルを使用し、その後で
705℃(1300°F)からの急冷および炭化物の析
出を調整する時効処理を使用している。しかし、本発明
の中間焼なましでは約620℃(1150°F)以上の
温度からの急冷はマルテンサイト(これは硬さを増大さ
せ、次の冷間圧延のための機械的性質を劣化させ且つ最
終製品の磁性を劣化させる)を生成させるために磁性が
劣化することを知見した。
【0010】上記米国特許第4,517,032号では急
冷後の低温時効処理を使用している。この手順を普通の
結晶粒配向材料に使用すると二次結晶粒の寸法が大きく
なり、且つこの二次結晶粒の寸法の増大は微細な炭化鉄
の析出を損なうことから最終製品の磁性が劣化すること
が見出された。オ−ステナイトの生成を回避するために
約895℃(約1640°F)またはそれ以下の温度で
のより低い温度での焼なましを使用すれば二次相(これ
はミクロ組織から抑制されなければならない)の生成な
しに炭化鉄を充分に溶解させることができるであろう。
しかし、この操作は炭化物を溶解させるために非常に長
期の焼なまし時間を必要とする。このような操作は本発
明の2工程冷却サイクルなしに均熱温度からの直接急冷
を可能とすであろう。
【0011】米国特許第4,478,653号は熱鋼帯焼
なましなしに0.23mm(9ミル)厚の標準結晶粒配
向珪素鋼を製造するために、より高い中間焼なまし温度
を使用できることを教えている。しかし、この特許によ
り製造された0.23mm(9ミル)厚の標準結晶粒配
向珪素鋼は熱鋼帯焼なましを使用する手順を使用すると
きより磁性が一層変わりやすいことが判明した。さら
に、この文献に教示された熱鋼帯焼なまし省略−高温中
間焼なまし操作は熱鋼帯焼なましを使用する上記操作に
比べて一般に0.23mm(9ミル)またはそれ以下の
より薄い厚さでは磁性が劣ることが判明した。最後に、
米国特許第4,478,653号の中間焼なましでの極め
て高い温度は珪素鋼の機械的強度が低下させ、処理を一
層困難なものとする。
【0012】
【発明の開示】本発明によれば、重量%で表して約0.
1%以下の炭素、約0.025%〜0.25%のマンガ
ン、約0.01%〜約0.035%の硫黄および/または
セレン、約2.5%〜約4%の珪素、約100ppm以
下の全アルミニウム、約50ppm以下の窒素および残
部が本質的に鉄から本質的になる珪素鋼を提供する工程
を包含する、約0.45mm〜約0.18mm(約18ミ
ル〜約7ミル)の範囲の厚さをもつ標準結晶粒配向珪素
鋼を処理する方法を提供するものである。所望に応じ、
硼素および/または銅を添加してもよい。
【0013】珪素鋼は熱鋼帯から熱鋼帯焼なましせずに
中間厚に冷間圧延し、冷間圧延した中間厚珪素鋼を約9
00℃〜約1150℃(約1650°F〜約2100°
F)、好適には約900℃〜約930℃(約1650°
F〜約1700°F)で約1秒〜約30秒間、好適には
約3秒〜約8秒間の均熱期間に亙り中間焼なましを行
う。この均熱操作の後で珪素鋼を2工程で冷却する。す
なわち、第1冷却工程は前記均熱温度から540℃〜6
50℃(1000°F〜1200°F)、好適には59
5℃±30℃(1100°F±50°F)の温度に毎分
約835℃(1500°F)以下の冷却速度、好適には
毎分約280℃〜585℃(約500°F〜1050°
F)の冷却速度で徐冷する。第2冷却工程は毎分835
℃(1500°F)以上の急冷工程、好適には毎分13
90℃〜1945℃(2500°F〜3500°F)の
急冷速度で急冷し、続いて約315℃〜約370℃(約
600°F〜約700°F)で水冷することからなる。
中間焼なましの後で珪素鋼を冷間圧延して最終厚とし、
脱炭し、焼なまし分離材を被覆し、最終焼なましを行つ
て二次再結晶化を行う。
【0014】
【好適な実施態様の記載】本発明の実施に際しては、標
準結晶粒配向珪素鋼を得るための手順は慣用のもであ
り、2つの相違点以外は慣用のものと同じである。第1
の相違点は本発明方法は熱鋼帯熱間焼なましをしないこ
とである。第2の相違点は第1工程の冷間圧延の後の本
発明の中間焼なましおよび冷却サイクルの開発である。
【0015】このようにするために、“熱鋼帯”とここ
に称する原料はインゴツト鋳造/連続鋳造および熱間圧
延あるいは鋼帯鋳造のような業界で既知の多くの方法に
より製造できる。珪素鋼の熱鋼帯スケ−ルを除去する
が、第1工程の冷間圧延を実施するに先立つて熱鋼帯の
焼なましは行わない。
【0016】第1工程の冷間圧延後に珪素鋼を本発明の
教示に従い中間焼なましする。本発明の中間焼なましの
時間/温度サイクルの模式図である図1を参照された
い。この図1はまた破線により代表的な先行技術中間焼
なましの時間/温度サイクルを示す。
【0017】本発明の主要な要点は中間焼なましとその
冷却サイクルとを微細な炭化物を微細に分散できるよう
に調整できることを知見した点にある。炭化物の再微細
化は0.18mm(7ミル)またはそれ以下の最終厚に
おいてさえも、熱鋼帯焼なましの必要性なしに、広範囲
の融成物中の炭素に亙つて最終製品に良好な一定した磁
気特性をもつ標準結晶粒配向珪素鋼の製造を可能とな
す。
【0018】鋼帯を炉に入れて中間焼なましの昇温部分
中に約20秒後に約675℃(約1250°F)で再結
晶化がおこり、その後で通常の結晶粒の成長がおこる。
再結晶化の始発点は図1において“0”で示される。約
690℃(約1280°F)以上で図1の“A”で示す
ように炭化物が溶解し始める。この溶解は続行され温度
が上昇するにつれて促進される。約900℃(約165
0°F)以上で少量のフェライトがオ−ステナイトに変
態する。オ−ステナイトは炭素を一層迅速に溶解させ通
常の結晶粒の成長を制限し、それにより中間焼なまし結
晶粒寸法を確立する。先行技術の中間焼なましは約95
0℃(約1740°F)で25〜30秒間の均熱により
行われた。本発明の中間焼なまし操作は約1〜30秒、
好適には約3秒〜8秒の均熱時間である。均熱温度は重
要ではないことが決定された。均熱は約900℃〜約1
150℃(約1650°F〜約2100°F)の温度、
好適には約900℃〜約930℃(約1650°F〜約
1700°F)の温度、さらに好適には約915℃(約
1680°F)の温度で行われる。この短い均熱時間と
低い均熱温度とが好適である。この理由はオ−ステナイ
トの生成量が少なくなるからである。前からあるフェラ
イト粒界に分散した島の形態で存在するオ−ステナイト
は一層微細となる。こうして、オ−ステナイトを分解さ
せてフェライトとし微細な炭化鉄を後から析出させるた
めに炭素を固溶させるのが一層容易となる。均熱温度を
上げるかまたは均熱時間を長くすると、オ−ステナイト
の島を大きくし、このことは前のフェライトの地に比べ
て急速に炭素リツチなものとなる。オ−ステナイト成長
とオ−ステナイトの炭素リツチ化とは冷却中におけるオ
−ステナイトの分解を阻害する。炉を出た時の所望の組
織は、約5%以下のオ−ステナイトが微細な島としてフ
ェライト地全体に均一に分散した再結晶フェライト地か
らなるものである。中間焼なましの終了時点では炭素は
固溶し冷却に際して容易に再析出できる状態にある。中
間焼なまし時間と均熱温度とを再編成した主要な理由は
オ−ステナイトの島の成長を抑制するにある。この低い
温度は生成するオ−ステナイトの平衡体積割合は低下さ
せる。この短い時間は炭素の拡散を減少させ、それによ
つてオ−ステナイトの成長を抑制し且つオ−ステナイト
の不当なリツチ化を抑制する。この低い鋼帯温度と、減
少したオ−ステナイトの体積割合と、オ−ステナイトの
一層微細な形態とは冷却サイクル中でのオ−ステナイト
の分解を一層容易にする。
【0019】均熱直後に、冷却サイクルを開始する。本
発明の冷却サイクルは2段階で行うことを意図するもの
である。すなわち、均熱工程から図1の点“E”に延び
る第1段階は前記均熱温度から約540℃〜約650℃
(約1000°F〜約1200°F)、好適には約59
5℃±30℃(約1100°F±50°F)の温度に徐
冷する工程である。この第1徐冷段階はオ−ステナイト
を分解して炭素が飽和したフェライトを生成する。平衡
状態下では約900℃〜約770℃(約1650°F〜
約1420°F)でオ−ステナイトは分解して炭素が飽
和したフェライトを生成する。しかし、冷却操作の動力
学はオ−ステナイトの分解は最も早くても中間の815
℃(1500°F)までの範囲までは開始されないが5
95℃(1100°F)より若干低い温度まで続行す
る。
【0020】第1冷却段階でオ−ステナイトの分解がで
きないとマルテンサイト及び/またはパ−ライトを生成
する。マルテンサイトがもし存在すると二次結晶粒が大
きくなり、(110)[001]配向の質を低下させ
る。マルテンサイトの存在は冷間圧延の第2段階におけ
るエネルギ−の貯蔵に悪影響を与え、最終珪素鋼製品の
磁性を劣化させ且つより一定しない磁性のものとなす。
最後に、マルテンサイトは最終珪素鋼の機械的性質、特
に冷間圧延特性を劣化させる。パ−ライトはマルテンサ
イトより良性であるがやはり炭素炭素を望ましくない形
態に結合する。
【0021】上述したように、オ−ステナイトの分解は
図1のほぼ“C”点で始まり、ほぼ“E”点まで続く。
“D”点で炭素飽和フェライトから微細な炭化鉄が析出
し始める。平衡条件下では炭化物は炭素飽和フェライト
から690℃(1280°F)以下の温度で析出し始め
る。しかし、実際の操作は炭化物の析出はを始めさせる
には若干過冷却することが必要であり、約650℃(1
200°F)で初めて開始される。オ−ステナイトの炭
素リツチフェライトへの分解およびそのフェライトから
炭化物の析出は若干重なることに留意されたい。炭化物
は2形態で存在する。それは結晶粒間フィルムとして、
および微細な結晶粒間析出物として存在する。前者は約
570℃(約1060°F)以上の温度で析出し、後者
は約570℃(1060°F)以下の温度で析出する。
図1の“C”点から“E”点に延びる徐冷の第1段階は
毎分835℃(1500°F)以下の冷却速度、好適に
は毎分約280℃〜約585℃(約500°F〜約10
50°F)の冷却速度である。
【0022】冷却サイクルの第2段階、すなわち急冷段
階は図1の“E”点で始まり315℃と540℃(60
0°Fと1000°F)との間の“G”点まで延び、こ
の“G”点で鋼帯を水冷して急冷段階を完了する。水冷
後の鋼帯温度は65℃(150°F)以下であり、これ
は図1では室温[25℃(75°F)]として示され
る。第2冷却段階中の冷却速度は好適には毎分約139
0℃〜約1945℃(約2500°F〜約3500°
F)、さらに好適には毎分1665℃(3000°F)
以上である。これにより確実に微細な炭化鉄が析出す
る。
【0023】上述のことから本発明の全中間焼なまし−
冷却サイクルは所望のミクロ組織を得るプロセスに必要
であり、精密な制御が重要であることが明らかである。
図1に示す先行技術によるサイクル時間は毎分約57メ
−トル(毎分約220フィ−ト)の鋼帯速度で少なくと
も3分を必要とし、水浴(図示せず)中で終了する。本
発明の中間焼なましサイクル時間は約2分10秒を必要
とし、このことは毎分約80メ−トル(毎分約260フ
ィ−ト)の鋼帯速度を使用することを可能となす。従っ
て、本発明の焼なましサイクルは連続生産ラインの生産
性をより大きいものとすることができることに留意され
たい。この焼なまし後に時効処理は必要でないか、ある
いは所望もされない。この理由は時効処理は二次結晶粒
の大きさを大きくし、これは最終珪素鋼製品の磁性を劣
化させるからである。
【0024】中間焼なましの後に冷間圧延の第2工程を
行うが、この工程では珪素鋼は所望の最終厚に圧下珪素
鋼はその後脱炭され、焼なまし分離で被覆され最終焼な
ましして二次再結晶を行う。
【0025】工場で目標珪素含量3.15%の2種の標
準結晶粒配向珪素鋼の融成物(ヒ−ト)を処理した。こ
れら2種のヒ−トの化学成分を下記表1に掲げる:
【0026】
【表1】 表 1 ヒ−ト C Mn S Si Al N Cu A 0.0280 0.0592 0.0215 3.163 0.0016 0.0033 0.094 B 0.0288 0.0587 0.0216 3.175 0.0013 0.0029 0.083
【0027】処理は熱鋼帯焼なましなしで行い、上記2
種のヒ−トの各々を別々にして最終厚を0.28mm
(11ミル)、0.23mm(9ミル)および0.18m
m(7ミル)としたが、これらの各々に対してそれぞれ
3つの異なる中間厚を使用した。すなわち、上記0.2
8mm、0.23mmおよび0.18mmの最終厚の材料
の各々に対する3つの異なる中間厚を下記表2に掲げ
る:
【0028】
【表2】 表 2 中 間 厚 最終厚 (mm) (インチ) 0.18mm(7ミル) 0.48 0.019 0.53 0.021 0.58 0.023 0.23mm(9ミル) 0.53 0.021 0.58 0.023 0.63 0.025 0.28mm(11ミル) 0.56 0.22 0.61 0.024 0.64 0.026
【0029】最終厚0.18mm(7ミル)、0.23m
m(9ミル)および0.28mm(11ミル)の材料に
対する標準の先行技術による目標厚はそれぞれ0.53
mm(0.021インチ)、0.58mm(0.023イ
ンチ)および0.61mm(0.024インチ)である。
上記珪素鋼に本発明による中間焼なましと冷却サイクル
とを行つた。このために珪素鋼を約915℃(約168
0°F)で約8秒間均熱し、その後で毎分約470℃〜
約670℃(約850°F〜約1200°F)の冷却速
度で約570℃(約1060°F)に冷却し、次いで毎
分約830℃〜約1100℃(約1500°F〜約20
00°F)の冷却速度で約350℃(約600°F)に
冷却した後65℃(150°F)以下に水冷した。珪素
鋼を最終厚に冷間圧延し、830℃(1525°F)で
湿潤水素含有雰囲気中で脱炭し、マグネシアを被覆し、
1200℃(2200°F)で24時間湿潤水素中で箱
焼なましを行つた。
【0030】ヒ−トAおよびBのコイルの前側と裏側と
の平均結果を下記表3にまとめた:
【表3】
【0031】先行技術の結果に基づけば0.18mm
(7ミル)、0.23mm(9ミル)および0.28mm
(11ミル)厚材料に対する目標15kGa鉄心損の値
はそれぞれ0.867W/kg(0.390W/lb)、
0.933W/kg(0.420W/lb)および1.0
67W/kg(0.480W/lb)であつた。0.18
mm(7ミル)、0.23mm(9ミル)および0.28
mm(11ミル)厚の各々について先行技術の中間厚で
も僅かな鉄心損の改善が達成されたことに注意された
い。このことは最適の中間厚は本発明の中間焼なましサ
イクルを採用することにより厚い方に移動したことを明
らかに示すものである。H−10透磁率も厚い方の中間
厚で改善されたことに注意されたい。
【0032】こうして、本発明は標準結晶粒配向珪素鋼
の部分オ−ステナイトグレ−ドへの適用について記載し
てきた。完全フェライトグレ−ドのものはbbc型結晶
構造からfcc型結晶構造への変態をうけない。これは FSI=2.54+40.53*(C+N)+0.43*(Mn+Ni)+0.22*Cu
−2.65*Al−3.95*P−1.26(Cr+Mo)−Si として計算されるフェライト安定度指数から決定でき
る。
【0033】上記値が0.0に等しいかそれ以下の値を
もつ組成のものは完全フェライトである。正のフェライ
ト安定度指数の値が大きくなることは存在するオ−ステ
ナトの体積割合が大きくなることを表わす。完全フェラ
イト組成の場合には急冷を均熱操作の終わりにおいて直
接開始できる。この理由はオ−ステナイトが存在しない
から1つの徐冷工程が必要ないからである。
【0034】本発明の精神を逸脱することなく種々の改
変を行い得るものと理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の中間焼なまし/温度サイクルと代表的
先行技術の中間焼なましの中間焼なまし/温度サイクル
とを説明するグラフである。

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】重量%で表して2.5%〜4%の珪素を含
    有する熱珪素鋼帯を用意し、もし熱鋼帯スケ−ルが存在
    したらこれを除去し、熱鋼帯焼なましせずに中間厚に冷
    間圧延し、該中間厚材料を900℃〜1150℃(16
    50°F〜2100°F)の均熱温度で約1秒〜約30
    秒間の均熱期間にわたり中間焼なましを行い、前記均熱
    温度から540℃〜650℃(1000°F〜1200
    °F)の温度に毎分835℃(1500°F)以下の冷
    却速度で徐冷工程を行い、その後で315℃〜540℃
    (600°F〜1000°F)の温度へ毎分835℃
    (1500°F)以上の冷却速度で急冷工程を行い、次
    いで水冷し、最終厚に冷間圧延し、脱炭し、脱炭した珪
    素鋼を焼なまし分離材で被覆し、得られた珪素鋼を最終
    焼なましして二次再結晶化させることからなる、0.1
    8mm〜0.46mm厚の標準結晶粒配向珪素鋼の製
    法。
  2. 【請求項2】珪素含量が3.15重量%である、請求項
    1記載の製法。
  3. 【請求項3】中間焼なましを3〜8秒間の均熱期間行
    う、請求項1記載の製法。
  4. 【請求項4】該中間焼なましを900℃〜930℃(1
    650°F〜1700°F)の均熱温度で行う、請求項
    1記載の製法。
  5. 【請求項5】該中間焼なましを915℃(1680°
    F)の均熱温度で行う、請求項1記載の製法。
  6. 【請求項6】該徐冷工程を595℃±30℃(1100
    °F±50°F)の均熱温度で終了する、請求項1記載
    の製法。
  7. 【請求項7】徐冷工程を毎分280℃〜585℃(50
    0°F〜1050°F)の冷却速度で行う請求項1記載
    の製法。
  8. 【請求項8】急冷工程を毎分1390℃〜1945℃
    (2500°F〜3500°F)の冷却速度で行う請求
    項1記載の製法。
  9. 【請求項9】中間焼なましを915℃の均熱温度で3秒
    〜8秒の均熱期間行い、徐冷工程を毎分280℃〜58
    5℃(500°F〜1050°F)の冷却速度で行い、
    該徐冷工程を595℃±30℃(1100°F±50°
    F)の温度で終了し、急冷工程を毎分1390℃〜19
    45℃(2500°F〜3500°F)の冷却速度で行
    う、請求項1記載の製法。
  10. 【請求項10】珪素鋼が重量%で表して本質的に0.1
    %までの炭素、0.025%〜0.25%のマンガン、
    0.01%〜0.035%の硫黄および/またはセレン、
    2.5%〜4%の珪素、100ppm以下のアルミニウ
    ム、50ppm以下の窒素、所望に応じ硼素および銅を
    含み、残部が本質的に鉄からなる、請求項1記載の製
    法。
  11. 【請求項11】珪素の重量%が3.15%である、請求
    項9記載の製法。
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