JPH0277525A - 磁気特性、皮膜特性ともに優れた一方向性電磁鋼板の製造方法 - Google Patents

磁気特性、皮膜特性ともに優れた一方向性電磁鋼板の製造方法

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JPH0277525A
JPH0277525A JP1082400A JP8240089A JPH0277525A JP H0277525 A JPH0277525 A JP H0277525A JP 1082400 A JP1082400 A JP 1082400A JP 8240089 A JP8240089 A JP 8240089A JP H0277525 A JPH0277525 A JP H0277525A
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Japan
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annealing
nitriding
temperature
steel
strip
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JP1082400A
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Inventor
Takashi Kobayashi
尚 小林
Katsuro Kuroki
黒木 克郎
Masayoshi Mizuguchi
水口 政義
Kenichi Yatsugayo
健一 八ケ代
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Nippon Steel Corp
Original Assignee
Nippon Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本発明は、磁気特性、皮膜特性ともに優れた一方向性電
磁鋼板の製造方法に関する。
〔従来の技術〕
一方向性電磁鋼板は、主として変圧器、発電機その他の
電気機器の鉄芯材料として用いられ、磁気特性として励
磁特性と鉄損特性が良好でなければならないことの他良
好な皮膜を有するものでなければならない。
一方向性電磁鋼板は、二次再結晶現象を利用して圧延面
に(110 )面、圧延方向に<001 、>軸をもつ
所謂ゴス方位を有する結晶粒を発達させることによって
得られる。
前記二次再結晶現象は、周知のように、仕上焼鈍過程で
生じるが、二次再結晶の発現を十分なものとするために
は、仕上焼鈍過程における二次再結晶発現温度域まで一
次再結晶粒の成長を抑制するA e N、 MnS、 
MnSe等の微細な析出物所謂インヒビターを鋼中に存
在させる必要がある。従って、を磁鋼スラブは、インヒ
ビター形成元素、例えば^j’+ Mn、  s、 S
e、 N等を完全に固溶させるために、1350〜14
00℃といった高温に加熱される。前記スラブ中に完全
に固溶せしめられたインヒビター形成元素は、熱延板或
は最終冷間圧延前の中間板厚の段階で焼鈍によって、A
 I2 N、 MnS。
MnSeとして微細に析出せしめられる。
このようなプロセスを採るとき、電磁鋼スラブは前述の
ように高温に加熱されるから、溶融スケールの発生が多
量なものとなり、加熱炉補修の頻度を高め、メインテナ
ンスコストを高くするのみならず設備稼動率を低下せし
めさらに、燃料原単位を高くする等の問題がある。
このような問題を解決すべく、電磁鋼スラブの加熱温度
を低いものとし得る一方向性電磁鋼板の製造方法の研究
が進められている。
例えば、特開昭52−24116号公報には、Mの他に
、Zr、 Ti+  B、 Nb、 Ta、  V、 
Cr、 Mo等の窒化物形成元素を鋼中に含有させるこ
とにより、電磁鋼スラブの加熱温度を1100〜126
0℃とする製造方法が提案されている。
また、特開昭59−190324号公報には、C含有量
を0.01%以下の低いものとし、5ISe、  さら
にMとBを選択的に含有させた電磁鋼スラブを素材とし
、冷間圧延後の一次再結晶焼鈍時に鋼板表面を短時間繰
返し高温加熱する所謂パルス焼鈍を行うことにより、電
磁鋼スラブの加熱温度を1300℃以下とすることが提
案されている。
さらに、特公昭61−60896号公報には、Mn含有
量を0.08〜0.45%、S含有量をO,OO7%以
下として(Mn)(S )積を低くし、さらにA7. 
 P。
Nを含有せしめた電磁鋼スラブを素材とすることにより
、スラブ加熱温度を1280℃未満とする製造プロセス
が提案されている。
しかしながら、これら先行技術によって一方向性電磁鋼
板を製造するときは、最終製品のグラス皮膜に°“しも
ふり°゛、“ペアスポッピ゛と呼ばれる欠陥が散見され
ることがある。
(発明が解決しようとする課題〕 本発明は、電磁鋼スラブの加熱温度を1280℃未満の
低いものとして、スラブ加熱のためのエネルギ消費を少
なくするとともに、高温スラブ加熱に起因するメインテ
ナンスコストの上昇、設備稼動率の低下さらには生産性
の低下を抑え、高生産性下に優れた磁気特性と皮膜特性
を有する一方向性電磁鋼板を工業的に安定して生産し得
る製造方法を提供することを目的としてなされた。
〔課題を解決するだめの手段〕
本発明の要旨とする処は、重量%で、C:0.025〜
0.075%、Si:2.5〜4.5%、S≦0.01
2%、酸化溶性A1:o、oto〜0.060%、N≦
0.010%、Mn: 0.08〜0.45%、P:0
.015〜0.045%を含有し、残部Feおよび不可
避的不純物からなる電磁鋼スラブを、1200℃以下の
温度に加熱した後、熱間圧延し、1回または中間焼鈍を
介挿する2回以上の冷間圧延をして最終板厚とし、次い
で脱炭焼鈍をした後、ストリップを走行せしめる状態下
で窒化処理をし、焼鈍分離剤を塗布した後高温仕上焼鈍
することを特徴とする特許 性電磁鋼板の製造方法にある。
以下に、本発明を詳細に説明する。
本発明者等は、電磁鋼スラブの加熱温度を1280゛C
以下の低いものとして、磁気特性、皮膜特性ともに優れ
た一方向性電磁鋼板を安定して製造し得るプロセスにつ
いて研究を重ねた。その結果、スラブ加熱段階では、イ
ンヒビター形成元素、例えばA7, NI Mn.  
Sの鋼中への固溶を完全にせず、脱炭焼鈍後、材料を強
還元雰囲気中、ストリップを走行させる状態下で窒化処
理することによって、(A/,Si)Nを主組成とする
インヒビターが形成され、仕上焼鈍時には雰囲気の露点
を特に制約しなくとも、密着性、外観ともに優れ、′″
しもふり′等の欠陥のないグラス皮膜が形成されること
を見出した。
本発明において、出発材料とする電磁鋼スラブの成分組
成の限定理由は、以下の通りである。
Cは、その含有量が0.025%未満になると、二次再
結晶が不安定となりかつ、二次再結晶した場合でも製品
の磁束密度(B、。値)が1.80 Te5laと低い
ものとなる。
一方、Cの含有量が0.075%を超えて多くなり過ぎ
ると、脱炭焼鈍時間が長大なものとなり、生産性を著し
く損なう。
Siは、その含有量が2.5%未満になると、製品厚み
0.30 wnで、W 、 、、、。で1.05W/k
g以下の最高等級の鉄損特性を有する製品を得ることが
できない。この観点からSi含有量の下限は、望ましく
は3.2%である。
一方、Siの含有量が4.5%を超えて多くなり過ぎる
と、冷間圧延時に、材料の割れ、破断が多発し、安定し
た冷間圧延作業を不可能にする。
本発明の出発材料の成分系における特徴の−っは、Sを
0.012%以下、好ましくは0.0070%以下とす
る点にある。従来、公知の技術、例えば特公昭40−1
5644号公報或いは特公昭47−25250号公報に
開示されている技術においては、Sは二次再結晶を生起
させるに必要な析出物の一つであるMnSの形成元素と
して必須であった。前記公知技術において、Sが最も効
果を発現する含有量範囲があり、それは熱間圧延に先立
って行なわれるスラブの加熱段階でMnSを固溶できる
量として規定されていた。しかしながら、Sの含有が二
次再結晶に有害であるということは、従来、全く知られ
ていなかった。本発明者等は、二次再結晶に必要な析出
物として(A/、5i)Nを用いる一方向性電磁鋼板の
製造プロセスにおいて、素材中のSi含有量が多いスラ
ブを低温度で加熱し、熱間圧延する場合、Sが二次再結
晶不良を助長することを見出した。
素材中のSi含有量が4.5%以下である場合、S含有
量は0.012%以下、好ましくは0.0070%以下
であれば、二次再結晶不良は全く発生しない。
本発明では、二次再結晶に必要な析出物として(Al1
,5i)Nを用いる。
従って、必要最低量のA2Nを確保するためには、酸可
溶性Alとしてo、oio%以上、Nが0.0030%
以上必要である。しかしながら、酸可溶性Afが0.0
60%を超えると、熱延板中の八lNが不適切となり、
二次再結晶が不安定となる。
Nの含有量が0.010%を超えると、ブリスターと呼
ばれる鋼板表面の脹れが発生する。また、Nの含有量が
0.010%を超えると、−成典結晶粒の粒径が調整で
きない。
本発明の出発材料の成分系におけるもう一つの特徴は、
Mn、  Pにある。
本発明では、最高等級の鉄損特性を有する製品を得るた
めに、素材中のSi量を2.5%以上としている。この
高Si材を低温スラブ加熱とその後の熱間圧延を含むプ
ロセスとしたときに発生する二次再結晶不良の問題を、
本発明ではS含有量を極めて低い水準とすることによっ
て解決している。従って、二次再結晶に対する析出物と
してのMnSの働きがなくなるので、得られる製品の磁
束密度が比較的低い。
本発明では、MnとPをそれぞれ適切な量に制御するこ
とによって、BIG値力月、89 Te5la以上の磁
束密度を有する製品が得られるようにしている。
Mn量が少なくなると、二次再結晶が不安定となり、多
くなるとB、。値が高くなるが、一定量以上添加しても
改善効果がな(コストの面でも不利となる。
Pについては、少ないと製品のB10値が低くなり、多
過ぎると冷間圧延時に材料に割れが発生する頻度が高く
なり、また、二次再結晶不良の発生頻度も高くなる。
上述の理由から、B10値が1.89 Te5la以上
の磁束密度の製品が得られかつ、二次再結晶が安定して
おり、圧延時に材料の割れの問題の少ない範囲として、
Mn: 0.08〜0.45%、P:0.O15〜0、
045%とした。
次に、製造プロセスについて説明する。
電磁鋼スラブは、転炉或は電気炉等の溶解炉で鋼を溶製
し、必要に応じて溶鋼を真空脱ガス処理し、次いで、連
続鋳造によって或は造塊後分塊圧延することによって得
られる。然る後、熱間圧延に先立つスラブ加熱がなされ
る。本発明のプロセスにおいては、スラブの加熱温度は
1200℃以下の低いものとして加熱エネルギ消費量を
少なくするとともに、鋼中のAffNを完全には固溶さ
せず不完全固溶状態とする。
また、さらに固溶温度の高いMnSは、上記スラブ加熱
温度では当然のことながら不完全固溶状態である。
加熱後、電磁鋼スラブは熱間圧延され、そのまま或は必
要に応じて焼鈍された後、1回または中間焼鈍を介挿す
る2回以上の冷間圧延を施され、最終板厚とされる。
処で、本発明においては、電磁鋼スラブは1200℃以
下の低い温度に加熱される。
従って、鋼中の//2.Mn、S等を不完全固溶状態と
しており、このままでは、鋼板中に二次再結晶を発現さ
せるための(Af、5t)N 、 MnS等のインヒビ
ターが存在しない。故に、二次再結晶発現以前に、鋼中
にNを侵入させ、インヒビターとして機能する(^ff
i、5i)Nを形成する必要がある。
珪素鋼の低温スラブ加熱材から得られた最終板厚の材料
を二次再結晶する前に窒化する技術は、たとえば特公昭
62−45285号公報に開示されている。しかしなが
ら、本発明のように、ストリップを走行せしめる状態下
に短時間で窒化せしめようとするときは、材料の最表層
のバリアーを除去すべく窒化(N11.+含有)雰囲気
中にH2ガスが混合せしめられていることが必須である
。また、材料を窒化処理するときの酸化ポテンシャルも
後述するように、仕上焼鈍工程における二次再結晶に対
して重要である。
即ち、鋼板の窒化は、ドライな雰囲気(低露点のガス)
下で遂行することが、以下に述べるように健全な二次再
結晶粒を得るために重要である。
従来、鋼板の窒化は、占積率が90%程度のタイトなス
トリップコイルの形態でなされていたつこのようなタイ
トなストリップコイルの状態では、板間の間隙は10μ
m以下と狭く、通気性が非常に悪い。従って、板間の雰
囲気をドライな雰囲気に置換するのに長時間を要するの
みならず、窒化源としてのN2が板間に侵入、拡散する
ためにも長時間を必要とする。これを改善する手段とし
て、ルーズなストリップコイルとして鋼板の窒化処理を
行うことが試みられているけれども、鋼板の窒化処理を
ストリップコイルの形態で行うときの問題である、コイ
ル内温度の不均一さに起因する窒化の不均一さは解決さ
れず、十分とは言えない。
かかる問題を解決するために、本発明においては、脱炭
焼鈍後にNH3雰囲気中でストリップを走行させる状態
下で鋼板の窒化処理を行うことによって、インヒビター
として機能する微細な(八2゜5i)Nを鋼中に形成さ
せる。
一方向性電磁鋼板には、脱炭焼鈍後、その表面に脱炭焼
鈍皮膜が形成され、無垢の全屈表面を窒化する場合とは
異なり、窒化が困難である。
而して、インラインで鋼板(ストリップ)を窒化するこ
とを考える場合、短時間(30秒間〜1分間)に鋼板を
窒化処理できることが不可欠である。
本発明者等は、脱炭焼鈍後の鋼板(ストリップ)を短時
間に窒化処理する方法について種々検討した結果、鋼板
の窒化が、N113ガスに混合するガスの種類に大きく
依存することを見出した。この知見をさらに究明した結
果、N113ガスが鋼中に侵入する際、脱炭焼鈍過程で
形成される皮膜の最表面に形成される20OA程度の厚
さのFe−3i系酸化物が窒素侵入のバリアーとなって
おり、これを除去するような還元性ガスをN1(、ガス
に混合すれば、極めて短時間に鋼板を窒化させ得ること
が判った。
具体的には、NH3ガス中にH2ガスを混合することに
より目的は達成される。さらに、この窒化処理を行うと
きの酸化ポテンシャルが重要な意味をもっており、pH
□O/ P H,≦0,04のドライな雰囲気とするこ
とが重要である。
この上限値を越える酸化ポテンシャルの高い状態で窒化
処理を行うと、薄膜状のシリカ皮膜が材料の最表層全面
を覆い、後の仕上焼鈍におけるインヒビターの抜けに悪
影響を及ぼし、健全な二次再結晶が行われないで細粒組
織となることがわかった。実炉においては、炉壁煉瓦中
からの水分の放出が多いから、十分に注意する必要があ
る。
第1図は、N113ガスに混合するガスを種々変化させ
たときの、脱炭焼鈍後の鋼板(ストリップ)の窒化時間
と鋼中窒素量との関係を、N2とN2の組成比率をパラ
メータにプロットしたものである。
第1図から、混合ガス中の11□比率が高くなるに従っ
て、鋼板の窒化が短時間に起こることがわかる。
ストリップが走行している状態下で窒化せしめる本発明
のような場合は、極めて短時間に窒化を完了する必要が
あり、従って、混合ガス中の11□比率は、75%以上
であることが望ましい。
第1図に示す結果は、NH31度が体積率で1000p
pn+ 、窒化処理温度が800℃のときのものである
二次再結晶に必要な窒化処理時間は、10秒間以上であ
り、好ましくは30秒間以上である。このようにNH,
ガスに混合するガスの種類を変化させることにより、窒
化処理時間を短かくすることができるから、極めて均一
な窒化を可能にするとともに、高い生産性下に低温スラ
ブ加熱を基軸とする一方向性電磁鋼板の製造プロセスを
確立しさらに、優れたグラス皮膜を有する製品を得るこ
とができる。
次に、窒素が最も鋼中に入り易い11□ガスとN113
ガスの混合ガスを雰囲気として、30秒間窒化処理を行
った後、仕上焼鈍して得られた製品が良好な二次再結晶
を示す領域を、窒化処理温度とNH3濃度(NH3/H
z体積率)に対してプロットしたものを、第2図に示す
。第2図から明らかな如く、同−NI+31度であれば
、750〜850℃の温度域で、最も短時間に窒化が起
こる。900℃以上では、集合組織が変化するため、二
次再結晶不良となる。
前述の如き窒化処理を鋼板に対して行っても、脱炭焼鈍
によって形成される皮膜の極く表層部が還元されるだけ
で、シリカは十分な量存在するので、仕上焼鈍後、鋼板
表面には良好なフォルステライト皮膜が形成される。
上述のようにして作成した窒素量の異なる切板試料を、
仕上焼鈍温度880℃までの所謂炉中窒化温度域でN2
ガスの含有比率を変えた雰囲気(NZ以外はN2)で仕
上焼鈍を行い、880〜1200℃までは通常の条件で
仕上焼鈍を行った。
このときの二次再結晶良好域を、第3図に示す。
第3図から明らかな如く、二次再結晶を良好に行わしめ
るには、仕上焼鈍炉中のN2含有比率の低下に伴って鋼
中の窒素量を仕上焼鈍以前に増やしておく必要がある。
タイトなストリップコイルの形態でなされる実際の仕上
焼鈍においては、板間の間隙が部位によって異なるため
、炉内雰囲気と板間における雰囲気が異なり、Nz+I
Iz混合ガスのドライな雰囲気下で鋼板の窒化を行って
も、良好な二次再結晶を行わしめるに必要なインヒビタ
ーが形成されていない場合がある。
180ppm以上の窒素が鋼中に含有されていれば、二
次再結晶を良好に行わしめることができる。
従って、仕上焼鈍雰囲気からストリップコイルの板間に
窒素が供給されるような場合には、鋼中に必ずしも18
0ppm以上の窒素を含有せしめてお(必要はない。し
かしながら、仕上焼鈍雰囲気からストリップコイルの板
間に窒素が供給される場合でも、通常の仕上焼鈍条件で
は、1100pp以上の窒素を鋼中に雰囲気ガスから供
給する以外の手段で侵入せしめておく必要がある。
本発明によれば、仕上焼鈍過程の前半に全く鋼板の窒化
が起こらない状況であったとしても、脱炭焼鈍後の、ス
トリップが走行する状態の下での窒化処理によって、1
80ppm以上の窒素を鋼中に存在させておくことが容
易であり、安定して二次再結晶を起こさせることができ
る。
上述の手段によって、従来、MgOを主成分とする焼鈍
分離剤中に窒化源を添加するという手段によるよりも、
安定して均一な窒化を行うことができる。
このような効果の他に、従来、鋼板の窒化を行うために
厳密に制御されていた、仕上焼鈍過程前半の雰囲気用ガ
スの組成、露点、温度等が、仕上焼鈍以前に鋼板の窒化
を終えていることにより、密着性に優れた良好なグラス
皮膜形成のためにのみ自由にコントロールできるという
効果がある。
第1表に、仕上焼鈍過程前半の雰囲気ガス(11□ニア
5%+N2:25%)の露点を、−20℃1−10℃1
0℃110℃l2O゛C130℃としたときの仕上焼鈍
後の製品のグラス皮膜の密着性、皮膜張力、製品の磁気
特性を示す。
雰囲気ガスの露点が、−20℃1−10℃のものに比し
、o ’c、10℃l2O℃の弱酸化性のものは、皮膜
特性、磁気特性ともに優れていることがわかる。
このように、ストリップが走行する状態下で窒化処理を
行うことにより、グラス皮膜特性、磁気特性ともに優れ
た製品を製造することが可能である。
本発明は、従来、仕上焼鈍炉中で行っていた鋼板の窒化
とグラス皮膜形成過程を分離することにより、優れた磁
気特性と良好なグラス皮膜を併せ有する製品を得ること
を同時に達成できる掻めて優れた一方向性電磁鋼板の製
造方法である。
〔実施例〕
実施例1 重量で、C: 0.050%、Si : 3.2%、M
n:0.07%、 八f:o、025%、S  : O
,OO7%、残部Feおよび不可避的不純物からなる電
磁鋼スラブを、1200℃に加熱した後、熱間圧延し、
2.3謳厚さの熱延板とした。
この熱延板を1120℃X3分間焼鈍した後、冷間圧延
し0.30mm厚さの最終板厚とした。次いで、露点=
60℃,)Itニア5%+N2:25%の混合ガス雰囲
気中、850 ’CX 2分間の脱炭焼鈍をストリップ
に施した後、1500ppm  (((Nl13)/(
l(2ニア5%十Nz:25%))一体積比)のNH3
を含むHzニア5%+N2:25%混合ガスのドライな
雰囲気下に、800℃×30秒間の窒化処理を行った。
然る後、ストリップを冷却し、次いで焼鈍分離剤に水を
添加してスラリー状とし、ロールコータ−で塗布した後
、乾燥炉でストリップ温度が150℃となるまで昇温さ
せて水分を除去し、巻き取ってストリップコイルとした
このストリップコイルを仕上焼鈍炉に装入し、通常の仕
上焼鈍を行った。
得られた製品の磁気特性、グラス皮膜特性を第2表に示
す。
比較材は、仕上焼鈍炉中で、雰囲気ガスおよび焼鈍分離
剤中に添加した窒化源から窒素を供給して鋼板を窒化し
たものである。
実施例2 重量で、C: 0.06%、Si:3.2%、Mn:0
.1%、Aj!:0.03%、S : O,OO8%、
残部Feおよび不可避的不純物からなる電磁スラブを、
1200℃に加熱した後、熱間圧延し、2.3 mm厚
さの熱延板とした。
この熱延板を1150℃X3分間焼鈍した後、冷間圧延
し、0.23mm厚さの最終板厚とした。次いで、露点
:55℃,Ihニア5%+NZ:25%の混合ガス雰囲
気中、830℃×3分間の脱炭焼鈍をストリップに施し
た後、2000ppm  (((Nib)/ (tlz
  : 75 +Nz : 25%)〕=体積比)のN
113を含むH,: 100%のドライな雰囲気下に、
850’CX 15秒間の窒化処理を行った。
然る後、ストリップを冷却し、次いで焼鈍分離剤に水を
添加してスラリー状とし、ロールコータ−で塗布した後
、乾燥炉でストリップ温度が150゛Cとなるまで昇温
させて水分を除去し、巻き取ってストリップコイルとし
た。
次いで、このストリップコイルを仕上焼鈍炉に装入し、
850℃までの昇温過程を10”Cの露点をもつ雰囲気
下に置き、後雰囲気をドライにして仕上焼鈍を継続した
得られた製品の磁気特性およびグラス皮膜特性を第3表
に示す。
比較材は、仕上焼鈍炉中で雰囲気ガスから窒素を供給し
て鋼板を窒化し、仕上焼鈍過程前半を完全ドライの雰囲
気中で処理したものである。
第3表から明らかな如(、本発明によるものは、比較材
に比し、磁気特性のみならず皮膜特性が著しく向上して
いることがわかる。
第   1   表 (0,23mm厚) 注)密着性:180°曲げて剥離しない直径筒   2
    表 ネ)斑点上でフォルステライト皮膜の存在しない部分で
きらきら光り、金属光沢を有する。
〔発明の効果〕
本発明は、従来、仕上焼鈍炉中で行っていた鋼板の窒化
処理を、仕上焼鈍以前にスl−IJツブが走行している
状態下に行うようにしたから、磁気特性、グラス皮膜特
性の双方を向上させる画期的な効果を奏し、その工業的
価値は極めて高い。
【図面の簡単な説明】
第1図は混合ガス種を変化させた時の脱炭焼鈍板の窒化
時間と鋼中窒素量との関係を混合ガス種、量、をパラメ
ーターにプロットした図、第2図はH2ガスにN11.
ガスを混合して、30秒間窒化した試料が仕上焼鈍以前
好な二次再結晶を示す領域を、窒化温度、NHj fi
度に対して示した図、第3図は二次再結晶良好域を仕上
焼鈍炉中のガス雰囲気と鋼中窒素量との関係で示した図
である。 第1図 窒化時1?I (BOO”CNHJ/の0ppyn)第
2図 500    ω0  700   800  900
 (”C)窒化逼虜(窒化時開30形つ 第3図 !tJxj00%プ  イ土上刃←含屯力ら (880
”Cまて”)中′jj′ズ雰児負 手続補正書(自発) 平成 1年5 月29日

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. (1)重量%で、C:0.025〜0.075%、Si
    :2.5〜4.5%、S≦0.012%、酸可溶性Al
    :0.010〜0.060%、N≦0.010%、Mn
    :0.08〜0.45%、P:0.015〜0.045
    %を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる電
    磁鋼スラブを、1200℃以下の温度に加熱した後、熱
    間圧延し、1回または中間焼鈍を介挿する2回以上の冷
    間圧延をして最終板厚とし、次いで脱炭焼鈍をした後、
    ストリップを走行せしめる状態下で窒化処理をし、焼鈍
    分離剤を塗布した後高温仕上焼鈍することを特徴とする
    磁気特性、皮膜特性ともに優れた一方向性電磁鋼板の製
    造方法。
  2. (2)ストリップを走行せしめる状態下でなされる窒化
    処理が、水素ガスおよび窒素ガスを含む混合ガスに濃度
    1000ppm以上のNH_3を混合しかつ、酸化ポテ
    ンシャル:PH_2O/PH_2≦0.04の雰囲気中
    、500〜900℃の温度域でなされるものである請求
    項1記載の方法。
  3. (3)高温仕上焼鈍が、600〜850℃の温度域にお
    ける雰囲気を弱酸化性のものとしてなされるものである
    請求項1或は2記載の方法。
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