JPH07300365A - 窒化ケイ素焼結体及びその製造方法 - Google Patents
窒化ケイ素焼結体及びその製造方法Info
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- JPH07300365A JPH07300365A JP6111761A JP11176194A JPH07300365A JP H07300365 A JPH07300365 A JP H07300365A JP 6111761 A JP6111761 A JP 6111761A JP 11176194 A JP11176194 A JP 11176194A JP H07300365 A JPH07300365 A JP H07300365A
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 本発明は、高強度で高密度の窒化ケイ素焼結
体及びその製造方法を提供する。 【構成】 本発明は、Si3 N4 粉末、焼結助剤として
Al2 O3 とY2 O3 及びSiO2 から成る原料総量に
対して1.5±0.5wt%のSiO2 が含有されてい
る混合原料の焼結体である。該焼結体中にSi−Al−
Y−O−N系の粒界相が均一に分散され、焼結密度が9
9.0%以上の高密度であって緻密質構造を有してい
る。Si3 N4 焼結体における粒界相面積割合は10±
2%の範囲に存在し、均一に分散されている。
体及びその製造方法を提供する。 【構成】 本発明は、Si3 N4 粉末、焼結助剤として
Al2 O3 とY2 O3 及びSiO2 から成る原料総量に
対して1.5±0.5wt%のSiO2 が含有されてい
る混合原料の焼結体である。該焼結体中にSi−Al−
Y−O−N系の粒界相が均一に分散され、焼結密度が9
9.0%以上の高密度であって緻密質構造を有してい
る。Si3 N4 焼結体における粒界相面積割合は10±
2%の範囲に存在し、均一に分散されている。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、高強度で高密度の緻
密質な組織を有する窒化ケイ素焼結体及びその製造方法
に関する。
密質な組織を有する窒化ケイ素焼結体及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、窒化ケイ素は、高温下における強
度、良好な耐腐食性、良好な耐温度衝撃性を有している
ので、構造体への応用において注目されてきた。特に、
最近、Si3 N4 セラミックスについて、強度をアップ
して微小構造のエンジン部品等に適用するための開発が
行なわれている。従来、Si3 N4 焼結体で緻密質で高
強度を有するためには、一般に、金属酸化物、金属窒化
物、金属酸窒化物等が必要である。そして、上記のよう
なSi3 N4 焼結体を得るため、適正な焼結助剤組成を
見つけ出す試み、或いはSi3 N4 結晶粒子径、粒子径
分布と強度との相関付け等が行われている。
度、良好な耐腐食性、良好な耐温度衝撃性を有している
ので、構造体への応用において注目されてきた。特に、
最近、Si3 N4 セラミックスについて、強度をアップ
して微小構造のエンジン部品等に適用するための開発が
行なわれている。従来、Si3 N4 焼結体で緻密質で高
強度を有するためには、一般に、金属酸化物、金属窒化
物、金属酸窒化物等が必要である。そして、上記のよう
なSi3 N4 焼結体を得るため、適正な焼結助剤組成を
見つけ出す試み、或いはSi3 N4 結晶粒子径、粒子径
分布と強度との相関付け等が行われている。
【0003】また、特開平3−97673号公報には、
窒化ケイ素焼結体の製造方法が開示されている。該窒化
ケイ素焼結体の製造方法は、焼結助剤の含有量が10w
t%以下となるように窒化ケイ素原料と焼結助剤とを混
合して成形体を形成し、この成形体を所定の焼結温度ま
で昇熱せしめる過程で、1400℃以上1650℃以下
の温度条件で成形体を所定時間保持する保持工程を設
け、保持工程完了後に成形体を所定の焼結温度まで加熱
し焼成するものである。該公報には、保持工程における
温度条件が上記の範囲に設定されているのは、1400
℃未満であると、遊離シリカの放散効果が小さくなり、
1650℃を超えると成形体表面部に液相が生成し始
め、焼結反応が急速に進行して成形体の収縮速度が大き
くなり、成形体内部に残留する遊離シリカ量が残留する
ためであると記載されている。
窒化ケイ素焼結体の製造方法が開示されている。該窒化
ケイ素焼結体の製造方法は、焼結助剤の含有量が10w
t%以下となるように窒化ケイ素原料と焼結助剤とを混
合して成形体を形成し、この成形体を所定の焼結温度ま
で昇熱せしめる過程で、1400℃以上1650℃以下
の温度条件で成形体を所定時間保持する保持工程を設
け、保持工程完了後に成形体を所定の焼結温度まで加熱
し焼成するものである。該公報には、保持工程における
温度条件が上記の範囲に設定されているのは、1400
℃未満であると、遊離シリカの放散効果が小さくなり、
1650℃を超えると成形体表面部に液相が生成し始
め、焼結反応が急速に進行して成形体の収縮速度が大き
くなり、成形体内部に残留する遊離シリカ量が残留する
ためであると記載されている。
【0004】また、特開平3−183660号公報に
は、窒化珪素質焼結体の製造方法が開示されている。該
窒化珪素質焼結体の製造方法は、0.5wt%以上4.
0wt%以下の酸化珪素を含む窒化珪素粉末に、0.1
wt%以上酸化珪素含有量以下の1種または2種以上の
周期律表3a族元素の酸化物を添加した混合体を5気圧
以上200気圧以下で且つ1800〜2000℃の窒素
雰囲気中でかさ密度が理論密度の95%以上となるまで
焼成したものである。
は、窒化珪素質焼結体の製造方法が開示されている。該
窒化珪素質焼結体の製造方法は、0.5wt%以上4.
0wt%以下の酸化珪素を含む窒化珪素粉末に、0.1
wt%以上酸化珪素含有量以下の1種または2種以上の
周期律表3a族元素の酸化物を添加した混合体を5気圧
以上200気圧以下で且つ1800〜2000℃の窒素
雰囲気中でかさ密度が理論密度の95%以上となるまで
焼成したものである。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、窒化ケ
イ素焼結体の機械的強度は、焼結体内のSi3 N4 粒子
強度、気孔サイズ、気孔分布、粒界相状態等の様々な因
子に支配されているものである。窒化ケイ素焼結体の母
相中の粒界相状態で大きく寄与するのは、その化学的組
成、結晶構造、アモルファス、その分布状態(例えば、
均一分布、不均一分布)である。そこで、窒化ケイ素焼
結体の長所を活かすため、窒化ケイ素焼結体を遮熱エン
ジン部品等の部材に適用することが行われているが、そ
の場合に、窒化ケイ素焼結体に高い強度が要求されるの
で、窒化ケイ素焼結体の強度を如何にアップするかの課
題がある。
イ素焼結体の機械的強度は、焼結体内のSi3 N4 粒子
強度、気孔サイズ、気孔分布、粒界相状態等の様々な因
子に支配されているものである。窒化ケイ素焼結体の母
相中の粒界相状態で大きく寄与するのは、その化学的組
成、結晶構造、アモルファス、その分布状態(例えば、
均一分布、不均一分布)である。そこで、窒化ケイ素焼
結体の長所を活かすため、窒化ケイ素焼結体を遮熱エン
ジン部品等の部材に適用することが行われているが、そ
の場合に、窒化ケイ素焼結体に高い強度が要求されるの
で、窒化ケイ素焼結体の強度を如何にアップするかの課
題がある。
【0006】この発明の目的は、上記の課題を解決する
ことであり、エンジン部品等に適用できる十分に高強度
で緻密質の窒化ケイ素焼結体を提供することであり、S
i3N4 粉末に焼結助剤と共に予め設定されたSiO2
を添加することによって、Si3 N4 焼結体の組織を緻
密質にし、母相中に粒界相を均一に分散させて高強度に
構成した窒化ケイ素焼結体及びその製造方法を提供する
ことである。
ことであり、エンジン部品等に適用できる十分に高強度
で緻密質の窒化ケイ素焼結体を提供することであり、S
i3N4 粉末に焼結助剤と共に予め設定されたSiO2
を添加することによって、Si3 N4 焼結体の組織を緻
密質にし、母相中に粒界相を均一に分散させて高強度に
構成した窒化ケイ素焼結体及びその製造方法を提供する
ことである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明は、上記の目的
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、Si3 N4 粉末、焼結助剤としてAl2 O
3 とY2 O3 及びSiO2 から成る原料総量に対して
1.5±0.5wt%のSiO2 が含有されている混合
原料の焼結体であり、該焼結体中にSi−Al−Y−O
−N系の粒界相が均一に分散され、焼結密度が99.0
%以上の高密度であって緻密質構造を有していることを
特徴とする窒化ケイ素焼結体に関する。また、この窒化
ケイ素焼結体において、前記粒界相の面積割合が10±
2%の範囲にコントロールされている。
を達成するために、次のように構成されている。即ち、
この発明は、Si3 N4 粉末、焼結助剤としてAl2 O
3 とY2 O3 及びSiO2 から成る原料総量に対して
1.5±0.5wt%のSiO2 が含有されている混合
原料の焼結体であり、該焼結体中にSi−Al−Y−O
−N系の粒界相が均一に分散され、焼結密度が99.0
%以上の高密度であって緻密質構造を有していることを
特徴とする窒化ケイ素焼結体に関する。また、この窒化
ケイ素焼結体において、前記粒界相の面積割合が10±
2%の範囲にコントロールされている。
【0008】又は、この発明は、Si3 N4 粉末、焼結
助剤としてAl2 O3 とY2 O3 及びSiO2 から成る
原料総量に対して1.5±0.5wt%のSiO2 を配
合した混合原料からスラリーを作製し、該スラリーを造
粒処理して粒状物とし、該粒状物をCIPを用いて成形
体に成形し、該成形体の保持工程として焼結温度より低
い保持温度1750℃で2時間にわたって保持して仮焼
成体とし、次いで、該仮焼成体をN2 ガス圧の下で予め
設定した焼結温度で焼結したことを特徴とする窒化ケイ
素焼結体の製造方法に関する。また、この窒化ケイ素焼
結体の製造方法において、前記Si3 N4 粉末が90w
t%であり、SiO2 と焼結助剤との合計が10wt%
であり、焼結助剤のY2 O3 とAl2 O3 との配合割合
はY2 O3 :Al2 O3 =5:3に調整されているもの
である。更に、前記仮焼成体の焼結工程において、9.
3kg/cm2 のN2 ガス圧の下で1900℃の焼結温
度で6時間焼成するものである。
助剤としてAl2 O3 とY2 O3 及びSiO2 から成る
原料総量に対して1.5±0.5wt%のSiO2 を配
合した混合原料からスラリーを作製し、該スラリーを造
粒処理して粒状物とし、該粒状物をCIPを用いて成形
体に成形し、該成形体の保持工程として焼結温度より低
い保持温度1750℃で2時間にわたって保持して仮焼
成体とし、次いで、該仮焼成体をN2 ガス圧の下で予め
設定した焼結温度で焼結したことを特徴とする窒化ケイ
素焼結体の製造方法に関する。また、この窒化ケイ素焼
結体の製造方法において、前記Si3 N4 粉末が90w
t%であり、SiO2 と焼結助剤との合計が10wt%
であり、焼結助剤のY2 O3 とAl2 O3 との配合割合
はY2 O3 :Al2 O3 =5:3に調整されているもの
である。更に、前記仮焼成体の焼結工程において、9.
3kg/cm2 のN2 ガス圧の下で1900℃の焼結温
度で6時間焼成するものである。
【0009】
【作用】この発明による窒化ケイ素焼結体及びその製造
方法は、上記のように構成されており、次のように作用
する。即ち、この窒化ケイ素焼結体は、Si3 N4 粉
末、焼結助剤としてAl2 O3 とY2 O3 及びSiO2
から成る原料総量に対して1.5±0.5wt%のSi
O2 が含有されている混合原料の焼結体であり、該焼結
体中に粒界相が均一に分散されているので、焼結密度が
99.0%以上の高密度になり、緻密質構造を形成する
ことができ、高強度になる。また、この窒化ケイ素焼結
体は、母相中でのSiO2 の含有量が、特に、1.5w
t%である時が最も高強度となり且つ緻密質になって好
ましいものである。しかも、この窒化ケイ素焼結体で
は、粒界相はSi−Al−Y−O−N系の非晶質ガラス
であり、該粒界相の面積割合が10±2%の範囲にコン
トロールされている。
方法は、上記のように構成されており、次のように作用
する。即ち、この窒化ケイ素焼結体は、Si3 N4 粉
末、焼結助剤としてAl2 O3 とY2 O3 及びSiO2
から成る原料総量に対して1.5±0.5wt%のSi
O2 が含有されている混合原料の焼結体であり、該焼結
体中に粒界相が均一に分散されているので、焼結密度が
99.0%以上の高密度になり、緻密質構造を形成する
ことができ、高強度になる。また、この窒化ケイ素焼結
体は、母相中でのSiO2 の含有量が、特に、1.5w
t%である時が最も高強度となり且つ緻密質になって好
ましいものである。しかも、この窒化ケイ素焼結体で
は、粒界相はSi−Al−Y−O−N系の非晶質ガラス
であり、該粒界相の面積割合が10±2%の範囲にコン
トロールされている。
【0010】また、この窒化ケイ素焼結体の製造方法
は、Si3 N4 粉末にAl2 O3 及びY2 O3 の焼結助
剤を配合すると共に、総量のうち1〜2wt%のSiO
2 を添加して作ったスラリーをCIPを用いて成形し、
該成形体の保持工程として焼結温度より低い保持温度1
750℃で2時間にわたって保持して仮焼成体とし、次
いで、該仮焼成体をN2 ガス雰囲気で予め設定した焼結
温度で焼結したので、粒界相が母相中に均一に分散し、
粒界相の面積割合が10±2%の範囲になり、高強度の
緻密質が形成される。即ち、保持温度は、前掲特開平3
−97673号公報に開示された窒化ケイ素焼結体の製
造方法における1400℃〜1650℃の範囲より高い
温度、即ち、1750℃であり、SiO2 の含有量が
1.5±0.5wt%にコントロールされているので、
Si3 N4 焼結体について上記の特性を得ることができ
る。そして、SiO2 の含有量が上記範囲より多くても
少なくても上記特性を確保することができないものであ
る。
は、Si3 N4 粉末にAl2 O3 及びY2 O3 の焼結助
剤を配合すると共に、総量のうち1〜2wt%のSiO
2 を添加して作ったスラリーをCIPを用いて成形し、
該成形体の保持工程として焼結温度より低い保持温度1
750℃で2時間にわたって保持して仮焼成体とし、次
いで、該仮焼成体をN2 ガス雰囲気で予め設定した焼結
温度で焼結したので、粒界相が母相中に均一に分散し、
粒界相の面積割合が10±2%の範囲になり、高強度の
緻密質が形成される。即ち、保持温度は、前掲特開平3
−97673号公報に開示された窒化ケイ素焼結体の製
造方法における1400℃〜1650℃の範囲より高い
温度、即ち、1750℃であり、SiO2 の含有量が
1.5±0.5wt%にコントロールされているので、
Si3 N4 焼結体について上記の特性を得ることができ
る。そして、SiO2 の含有量が上記範囲より多くても
少なくても上記特性を確保することができないものであ
る。
【0011】
【実施例】以下、図面を参照して、この発明による窒化
ケイ素焼結体及びその製造方法の実施例を説明する。図
1は窒化ケイ素焼結体中のSiO2 の含有量に対する4
点曲げ強度を示すグラフ、図2は窒化ケイ素焼結体中の
SiO2 の含有量に対する焼結密度を示すグラフ、及び
図3は窒化ケイ素焼結体中の粒界相面積割合に対するデ
ータ数頻度を示すグラフである。
ケイ素焼結体及びその製造方法の実施例を説明する。図
1は窒化ケイ素焼結体中のSiO2 の含有量に対する4
点曲げ強度を示すグラフ、図2は窒化ケイ素焼結体中の
SiO2 の含有量に対する焼結密度を示すグラフ、及び
図3は窒化ケイ素焼結体中の粒界相面積割合に対するデ
ータ数頻度を示すグラフである。
【0012】この発明による窒化ケイ素焼結体は、Si
3 N4 粉末、焼結助剤としてAl2O3 とY2 O3 及び
SiO2 から成る原料総量に対して1.5±0.5wt
%、言い換えれば、1〜2wt%のSiO2 が含有され
ている混合原料の焼結体である。しかも、この窒化ケイ
素焼結体は、母相中にSi−Al−Y−O−N系の非晶
質ガラスの粒界相が均一に分散され、焼結密度が99.
0%以上の高密度であって緻密質構造を有しているもの
である。更に、Si3 N4 焼結体における粒界相はSi
−Al−Y−O−N系の非晶質ガラスである。そして、
この窒化ケイ素焼結体は、Si3 N4 焼結体中で粒界相
の面積割合が10±2%の範囲にコントロールされ、S
i3 N4 焼結体中に粒界相が均一に分散されており、高
強度で高密度の焼結体となっている。
3 N4 粉末、焼結助剤としてAl2O3 とY2 O3 及び
SiO2 から成る原料総量に対して1.5±0.5wt
%、言い換えれば、1〜2wt%のSiO2 が含有され
ている混合原料の焼結体である。しかも、この窒化ケイ
素焼結体は、母相中にSi−Al−Y−O−N系の非晶
質ガラスの粒界相が均一に分散され、焼結密度が99.
0%以上の高密度であって緻密質構造を有しているもの
である。更に、Si3 N4 焼結体における粒界相はSi
−Al−Y−O−N系の非晶質ガラスである。そして、
この窒化ケイ素焼結体は、Si3 N4 焼結体中で粒界相
の面積割合が10±2%の範囲にコントロールされ、S
i3 N4 焼結体中に粒界相が均一に分散されており、高
強度で高密度の焼結体となっている。
【0013】この発明による窒化ケイ素焼結体は、次の
ようにして製造することができる。即ち、この窒化ケイ
素焼結体の製造方法は、Si3 N4 粉末に、Al2 O3
及びY2 O3 の焼結助剤を配合すると共に、総量のうち
1.5±0.5wt%のSiO2 を添加してスラリーを
作製する。該スラリーをスプレードライヤによって造粒
処理して粒状物を作った。該粒状物をCIPを用いて、
成形圧2000kg/cm2 で成形して成形体を作製し
た。該成形体の保持工程として、保持温度1750℃で
2時間にわたって保持して仮焼成体とした。次いで、仮
焼成体をN2 ガス圧9.3kg/cm2 で焼結温度19
00℃で6時間焼成して焼結体を得た。また、Si3 N
4 粉末が90wt%であり、SiO2 と焼結助剤との合
計が10wt%であり、焼結助剤のY2 O3 とAl2 O
3 との配合割合はY2 O3 :Al2 O3 =5:3であ
る。ここで、窒化ケイ素焼結体中の合計の遊離シリカの
量(%)は、添加したSiO2 が遊離シリカとなる量
(%)より若干多くなっている。ここで、合計の遊離シ
リカ量は、添加したSiO2 の遊離シリカ量にSi3 N
4 粉末の表面シリカ量が含まれるものである。
ようにして製造することができる。即ち、この窒化ケイ
素焼結体の製造方法は、Si3 N4 粉末に、Al2 O3
及びY2 O3 の焼結助剤を配合すると共に、総量のうち
1.5±0.5wt%のSiO2 を添加してスラリーを
作製する。該スラリーをスプレードライヤによって造粒
処理して粒状物を作った。該粒状物をCIPを用いて、
成形圧2000kg/cm2 で成形して成形体を作製し
た。該成形体の保持工程として、保持温度1750℃で
2時間にわたって保持して仮焼成体とした。次いで、仮
焼成体をN2 ガス圧9.3kg/cm2 で焼結温度19
00℃で6時間焼成して焼結体を得た。また、Si3 N
4 粉末が90wt%であり、SiO2 と焼結助剤との合
計が10wt%であり、焼結助剤のY2 O3 とAl2 O
3 との配合割合はY2 O3 :Al2 O3 =5:3であ
る。ここで、窒化ケイ素焼結体中の合計の遊離シリカの
量(%)は、添加したSiO2 が遊離シリカとなる量
(%)より若干多くなっている。ここで、合計の遊離シ
リカ量は、添加したSiO2 の遊離シリカ量にSi3 N
4 粉末の表面シリカ量が含まれるものである。
【0014】この窒化ケイ素焼結体の製造方法では、S
iO2 の添加量の最適値は次のようにして分かった。即
ち、SiO2 の添加量を変更した種々のSi3 N4 焼結
体を製造するに当たって、Si3 N4 粉末の含有量は9
0wt%で変化させずに、SiO2 の含有量を0.9〜
4.3wt%の範囲で変化させ、それに対応して焼結助
剤としてのY2 O3 とAl2 O3 との添加量をほぼ上記
比率(Y2 O3 :Al2 O3 =5:3)で変化させた。
そして、Si3 N4 焼結体の製造工程における焼成工程
は、上記と同様な焼成工程で行った。得られたSi3 N
4 焼結体について、4点曲げ強度(MPa)と焼結密度
(%)を測定し、結果を図1と図2に示している。ま
た、図3に示すグラフは、Si3 N4 焼結体における粒
界相面積割合(%)に対する頻度を示すものである。図
3については、得られたSi3 N4焼結体のSEM写真
から画像処理して、所定サイズの写真面積Aにおける粒
界相面積Bを測定し、B/Aの比を粒界相面積割合
(%)とした。図3は、上記作業を別のSEM写真に対
して反復して行い、表れるデータ数の頻度をプロットし
たものである。
iO2 の添加量の最適値は次のようにして分かった。即
ち、SiO2 の添加量を変更した種々のSi3 N4 焼結
体を製造するに当たって、Si3 N4 粉末の含有量は9
0wt%で変化させずに、SiO2 の含有量を0.9〜
4.3wt%の範囲で変化させ、それに対応して焼結助
剤としてのY2 O3 とAl2 O3 との添加量をほぼ上記
比率(Y2 O3 :Al2 O3 =5:3)で変化させた。
そして、Si3 N4 焼結体の製造工程における焼成工程
は、上記と同様な焼成工程で行った。得られたSi3 N
4 焼結体について、4点曲げ強度(MPa)と焼結密度
(%)を測定し、結果を図1と図2に示している。ま
た、図3に示すグラフは、Si3 N4 焼結体における粒
界相面積割合(%)に対する頻度を示すものである。図
3については、得られたSi3 N4焼結体のSEM写真
から画像処理して、所定サイズの写真面積Aにおける粒
界相面積Bを測定し、B/Aの比を粒界相面積割合
(%)とした。図3は、上記作業を別のSEM写真に対
して反復して行い、表れるデータ数の頻度をプロットし
たものである。
【0015】この窒化ケイ素焼結体の4点曲げ強度(M
Pa)は、図1から分かるように、母相中に含有するS
iO2 の含有量が1.5±0.5wt%の範囲の時に高
強度になり、特に、1.5wt%程度の時が最も高強度
になる。また、窒化ケイ素焼結体の焼結密度(%)は、
図2から分かるように、母相中に含有するSiO2 の含
有量が1.5±0.5wt%の範囲の時に高密度にな
り、特に、1.5wt%の時が最も高密度になる。
Pa)は、図1から分かるように、母相中に含有するS
iO2 の含有量が1.5±0.5wt%の範囲の時に高
強度になり、特に、1.5wt%程度の時が最も高強度
になる。また、窒化ケイ素焼結体の焼結密度(%)は、
図2から分かるように、母相中に含有するSiO2 の含
有量が1.5±0.5wt%の範囲の時に高密度にな
り、特に、1.5wt%の時が最も高密度になる。
【0016】また、窒化ケイ素焼結体中の粒界相の面積
割合は、図3に示すように、10±2%の範囲にコント
ロールされており、粒界相の面積割合が上記の範囲の時
が、高強度で且つ高密度になって緻密質のSi3 N4 焼
結体を得ることができ、特に、Si3 N4 焼結体中の粒
界相面積割合が10%の時が最もデータ数としては頻度
が高いものであった。このことは、Si3 N4 焼結体中
の粒界相が10±2%の範囲に存在して均一であること
を示している。
割合は、図3に示すように、10±2%の範囲にコント
ロールされており、粒界相の面積割合が上記の範囲の時
が、高強度で且つ高密度になって緻密質のSi3 N4 焼
結体を得ることができ、特に、Si3 N4 焼結体中の粒
界相面積割合が10%の時が最もデータ数としては頻度
が高いものであった。このことは、Si3 N4 焼結体中
の粒界相が10±2%の範囲に存在して均一であること
を示している。
【0017】これに対して、従来品として、SiO2 を
添加していないSi3 N4 粉末と焼結助剤から成る原料
を焼結して作製したSi3 N4 焼結体の粒界相面積割合
のデータ数頻度を測定すると、図3に示すように、粒界
相面積割合が広範囲にわたっており、Si3 N4 焼結体
中の粒界相が不均一であることが分かる。
添加していないSi3 N4 粉末と焼結助剤から成る原料
を焼結して作製したSi3 N4 焼結体の粒界相面積割合
のデータ数頻度を測定すると、図3に示すように、粒界
相面積割合が広範囲にわたっており、Si3 N4 焼結体
中の粒界相が不均一であることが分かる。
【0018】
【発明の効果】この発明による窒化ケイ素焼結体及びそ
の製造方法は、上記のように構成されており、次のよう
な効果を有する。即ち、この窒化ケイ素焼結体は、Si
3 N4粉末と焼結助剤としてのAl2 O3 及びY2 O3
の他に、SiO2 が原料総量に対して1.5±0.5w
t%含有されているものであり、該焼結体中に粒界相が
均一に分散されているので、焼結密度が99.0%以上
の高密度になり、緻密質構造を形成でき、高強度にな
る。従って、この窒化ケイ素焼結体は、遮熱エンジンの
高強度を要求されるエンジン部品等に適用されると、耐
熱性、耐腐食性等の長所を活かしつつ、高強度で高密度
の長所を活かすことができる。
の製造方法は、上記のように構成されており、次のよう
な効果を有する。即ち、この窒化ケイ素焼結体は、Si
3 N4粉末と焼結助剤としてのAl2 O3 及びY2 O3
の他に、SiO2 が原料総量に対して1.5±0.5w
t%含有されているものであり、該焼結体中に粒界相が
均一に分散されているので、焼結密度が99.0%以上
の高密度になり、緻密質構造を形成でき、高強度にな
る。従って、この窒化ケイ素焼結体は、遮熱エンジンの
高強度を要求されるエンジン部品等に適用されると、耐
熱性、耐腐食性等の長所を活かしつつ、高強度で高密度
の長所を活かすことができる。
【0019】また、この窒化ケイ素焼結体の製造方法
は、Si3 N4 粉末にAl2 O3 及びY2 O3 の焼結助
剤を配合すると共に、総量のうち1.5±0.5wt%
のSiO2 を添加した原料で成形体を作製し、該成形体
を保持工程として焼結温度より低い保持温度1750℃
で2時間にわたって保持して仮焼成体としたので、該仮
焼成体をN2 ガス圧の下で予め設定した焼結温度で焼結
したので、粒界相が焼結体中に均一に分散し、粒界相の
面積割合が10±2%の範囲になり、高強度の緻密質が
形成され、高強度の窒化ケイ素焼結体を得ることができ
る。
は、Si3 N4 粉末にAl2 O3 及びY2 O3 の焼結助
剤を配合すると共に、総量のうち1.5±0.5wt%
のSiO2 を添加した原料で成形体を作製し、該成形体
を保持工程として焼結温度より低い保持温度1750℃
で2時間にわたって保持して仮焼成体としたので、該仮
焼成体をN2 ガス圧の下で予め設定した焼結温度で焼結
したので、粒界相が焼結体中に均一に分散し、粒界相の
面積割合が10±2%の範囲になり、高強度の緻密質が
形成され、高強度の窒化ケイ素焼結体を得ることができ
る。
【図1】この発明によるSi3 N4 焼結体中のSiO2
の含有量に対する4点曲げ強度を示すグラフである。
の含有量に対する4点曲げ強度を示すグラフである。
【図2】この発明によるSi3 N4 焼結体中のSiO2
の含有量に対する焼結密度を示すグラフである。
の含有量に対する焼結密度を示すグラフである。
【図3】この発明によるSi3 N4 焼結体中の粒界相面
積割合に対するデータ数頻度を示すグラフである。
積割合に対するデータ数頻度を示すグラフである。
Claims (5)
- 【請求項1】 Si3 N4 粉末、焼結助剤としてAl2
O3 とY2 O3 及びSiO2 から成る原料総量に対して
1.5±0.5wt%のSiO2 が含有されている混合
原料の焼結体であり、該焼結体中にSi−Al−Y−O
−N系の粒界相が均一に分散され、焼結密度が99.0
%以上の高密度であって緻密質構造を有していることを
特徴とする窒化ケイ素焼結体。 - 【請求項2】 前記粒界相の面積割合が10±2%の範
囲にコントロールされていることを特徴とする請求項1
に記載の窒化ケイ素焼結体。 - 【請求項3】 Si3 N4 粉末、焼結助剤としてAl2
O3 とY2 O3 及びSiO2 から成る原料総量に対して
1.5±0.5wt%のSiO2 を配合した混合原料か
らスラリーを作製し、該スラリーを造粒処理して粒状物
とし、該粒状物をCIPを用いて成形体に成形し、該成
形体の保持工程として焼結温度より低い保持温度175
0℃で2時間にわたって保持して仮焼成体とし、次い
で、該仮焼成体をN2 ガス圧の下で予め設定した焼結温
度で焼結したことを特徴とする窒化ケイ素焼結体の製造
方法。 - 【請求項4】 前記Si3 N4 粉末が90wt%であ
り、SiO2 と焼結助剤との合計が10wt%であり、
焼結助剤のY2 O3 とAl2 O3 との配合割合はY2 O
3 :Al2 O3 =5:3であることを特徴とする請求項
3に記載の窒化ケイ素焼結体の製造方法。 - 【請求項5】 前記仮焼成体の焼結工程において、9.
3kg/cm2 のN2 ガス圧の下で1900℃の焼結温
度で6時間焼成することを特徴とする請求項3に記載の
窒化ケイ素焼結体の製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6111761A JPH07300365A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 窒化ケイ素焼結体及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP6111761A JPH07300365A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 窒化ケイ素焼結体及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07300365A true JPH07300365A (ja) | 1995-11-14 |
Family
ID=14569523
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP6111761A Pending JPH07300365A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 窒化ケイ素焼結体及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07300365A (ja) |
-
1994
- 1994-04-28 JP JP6111761A patent/JPH07300365A/ja active Pending
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20040227 |
|
A131 | Notification of reasons for refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131 Effective date: 20040824 |
|
A02 | Decision of refusal |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02 Effective date: 20041221 |