JPH0730018U - 脱穀機における排塵選別装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 本考案は、扱室の下部からその後方の排塵選
別室に亙る選別風路に漏下選別部を有する揺動選別体を
架設した脱穀機において、揺動選別体の風選性能及び排
塵性能を向上することができる脱穀機における排塵選別
装置を提供せんとするものである。 【構成】 扱室の下部からその後方の排塵選別室に亙る
選別風路に漏下選別部を有する揺動選別体を架設した脱
穀機において、前記排塵選別室の後部上方中央寄りに、
軸心が前後方向になった軸流型でかつ大径の排塵ファン
を設け、該排塵ファンのケーシングの前面に下部から上
方に向かう吸引案内板を設けた脱穀機における排塵選別
装置。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、穀稈等の茎稈を脱穀選別処理する脱穀機における排塵選別装置に関 する。

【０００２】

【従来の技術】

従来、扱室の下部からその後方の排塵選別室に亙る選別風路に一番漏下選別部 と二番漏下選別部を有する揺動選別体を架設した脱穀機において、前記排塵選別 室の側壁の後部寄りに排塵ファンを設けた脱穀機の排塵選別装置を既に提案した 。 また、排塵選別室の後壁下部に、揺動選別体の後端と対面する排塵口を設け、 該排塵口に横幅の略全体に亙る横断流ファンを設けて、揺動選別体の終端から後 方へ投擲される藁屑及び排塵選別体内に浮遊する藁屑を吸引排出するようにした 脱穀機の排塵装置も既に知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

前記既知の脱穀機の排塵選別装置のうち、前者は、揺動選別体が架設されてい る選別風路は前後方向であるのに対し、排塵ファンにより形成された吸引風の方 向は横方向であるので、それらの選別風の方向が排塵選別室の後部で略直角に交 叉するので、主選別風路の風力が揺動選別体の幅方向において変化すると共に乱 流が発生して風選効果が低下するという問題点があった。また、後者は、送風風 車と排塵ファンの風向きは、平面視では略一致するが、側面視では上昇角が極め て小さくなって、漏下選別部を吹き抜けることが困難になり、藁屑の吹き分け作 用が著しく低かった。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、扱室の下部からその後方の排塵選別室に亙る選別風路に揺動選別体 を架設した脱穀機において、前記排塵選別室の後部上方中央寄りに、軸心が前後 方向になった軸流型でかつ大径の排塵ファンを設けることにより前述の課題を解 決した。

【０００５】

【作用】

扱室内で発生して揺動選別体に落入した脱穀物は、後方へ揺動移送される間に 送風風車による主選別風により風選されながら一番漏下選別及び二番漏下選別さ れ、前記主選別風は、排塵選別室後部の排塵ファンの直前下部では、該排塵ファ ンのケーシングの下部から立ち上がった吸引案内板に受け止め案内されて排塵フ ァンにより平面視で同じ方向でかつ上部側へ吸入されることとなり、それにより 排塵ファンへの風向を急な上昇角度に変換され、揺動選別体の漏下選別部を下方 から上方へ吹き抜ける選別風の吹き分け作用が向上する。

【０００６】

【実施例】

本考案の一実施例を図面について説明すると、１は扱室２内に軸架した扱胴で あって、受網３の下方に設けた送風風車５は後方の排塵選別室６に亙る部位を選 別風路に形成しており、この選別風路に前後揺動するように架設した揺動選別体 ７は、波型の移送板８と、その後部に連設されていて多数のフィンを漏下間隙を 隔てて配列してなる粗選別部１０と、該粗選別部１０の下方に装着されていて一 番受樋１１上に臨む一番漏下選別部となる選別網１２と、その後方にあって二番 漏下選別部を構成すると共に二番受樋１３上に臨むストローラック１４と、一番 流板１５と二番流板１６とで構成されている。

【０００８】 また、前端部が前記扱室２の後部に設けた送塵口１８の一側に連通した処理室 ２０は、前記排塵選別室６の一側上部を経て後端部近傍に達しており、下部から 内側に亙る部位は処理胴受網２１にて形成され、内部には、多数の処理歯２２ｂ ・・・を有する処理胴２２を軸架し、後端部には内向きに開口した排出口２３を 設け、前記処理胴２２の後端部の処理歯２２ｂは上記排出口２３と対面している ので、処理室２０の後端まで移行した藁屑等は、上記処理歯２２ｂ・・により他 側に向けて投擲される。

【０００９】 更に、前記排塵選別室６の後壁２４の上部には、下部が解放された案内ガイド 板２５で覆われた上部排塵口２６を、その下部には前記ストローラック１４の後 端と対面する下部排塵口２７を設け、処理胴軸２２ａの後端を支持する板体から なる伝動フレーム２８は、脱穀機のフレームを構成している天板２９の下面及び 側板２９ａの内面並びに後壁２４に固定されていて周縁を後方へ向けて折曲する ことによりケース状に形成してある。

【００１０】 そして、前記伝動フレーム２８の処理室２０と反対側へ延出した部分には、回 転軸３０が前後方向になっている軸流型の排塵ファン３１を支架してあり、前記 回転軸３０に取付けたＶプーリー３２は、処理胴軸２２ａに取付けたＶプーリー ３３により遊動輪３５ａ及びテンションプーリー３５ｂが介装されたＶベルト３ ６を介して駆動され、排塵ファン３１のケーシング３７は前記後壁２４と一体的 の形成してあり、該ケーシング３７の下部寄り前縁には、斜め前方上方に向けて 傾斜していて上向き円弧状に湾曲した吸引案内板３８を取付け、吸引案内板３８ とその前方の四番流板３４との間は吸入風路に形成されている。なお、前記吸引 案内板は、ケーシング３７の下部側を閉鎖するように立ち上がっていても良い。

【００１１】 また、前記後壁２４の下縁（下部排塵口２７の上縁となる部分）は後方へ向け て折曲してあり、この折曲部２４ａは、後方から見ると、ケーシング３７の下部 に沿う部分は円弧状に湾曲して両側が立ち上り、処理室２０側の斜めの立上部か ら処理室２０の下方に亙る部位は略水平になり、その端部側は斜め下方に向けて 傾斜しており、排風ガイド板３９は図３に示し如く前記折曲部２４ａと同様な形 状に折曲されて下方へ膨出した湾曲部３９ａと上方膨出部３９ｂと下降傾斜部３ ９ｃとからなり、その前端部を前記折曲部２４ａの上面に重合し、複数の取付片 ４０・・を後壁２４に螺着その他適宜の手段で固定してある。

【００１２】 その結果、後面視では、図２に示すごとく処理室２０の下部からケーシング３ ７に亙る部分が上方に大きく膨出し、側面視では、図１に示すごとく、処理室２ ０の排出口２３は後壁２４及び排風ガイド板３９よりも前方に位置しているので 、排出口２３の藁屑投擲方向前部（前後方向から見て側方部分）に、前記送風風 車５からの選別風がストローラック１４を斜め上方後方へ吹き抜ける広い空間が 形成され、前記排出口２３から投擲排出される藁屑等は、上記空間を経てストロ ーラック１４に、前方からの選別風を受けながらでも横方向に広く分散しながら 落入し、その間に風選することができると共に、ストローラック１４により漏下 選別がなされて混入していた少量の穀粒は、二番物として二番受樋に落入して揺 動選別体７により前方から移送されて篩選別された二番物に合流し、これが従来 のものと同様（図示を省略）に二番還元される。前記二番物を風選する時、スト ローラック１４を通って斜め上方へ吹き上げる選別風は、吸引案内板３８の下面 により受け止め案内されされながら斜め後方下向きに方向変換させられて下部排 塵口２７に向かうので、ストローラック１４から浮上した藁屑を迅速に排出して 二番漏下選別部に風選性能を向上することができる。

【００１３】 また、前記吸引案内板３８は、排塵ファン３１の直前下部から吹き上げる選別 風を阻止し、排塵ファン３１は、吸引案内板３８の前縁より前方を強力に吸引す るので、吸引風と、送風風車５により圧送されて選別網１２及び粗選別部１０を 吹き抜ける選別風とが斜め後方上方へ向かう選別風として合成され、それにより 揺動選別体７の粗選別部１０及び選別網１２上の被選別物中の藁屑を良好に吹き 分け浮上させることができると共に、その直前の四番流板３４の前部に形成され る四番口３４ａをも吸引して塵埃が四番口３４ａから吹き出すのを防止すること ができる。更に、排塵ファンに３１は軸流型であるので、前後幅を狭くすること ができると共につまりなく吸引して上部排塵口２６から斜め下方後方へ向けて排 出される。その際、排風ガイド板３９は、排塵ファン３１の排風と、下部排塵口 ２７から吹き出す排風とが干渉するのを防止するので、それぞれの風選性能を十 分に発揮することができる。 ４１はこの脱穀機をコンバインの機台に搭載した場合、前処理装置の穀稈搬送 装置により後送された刈取穀稈を受け継ぐべく前方へ延出していて、扱口の側部 に挟扼レールと共に沿うフィードチェーン、４２は排藁搬送チェーン、４３はデ ィスク型のカッター、４４は供給口、４５は一番受樋からの一番穀粒を脱穀機の 側部に搭載されている穀粒タンク４６に揚送して投入する揚穀筒である。

【００１４】

【考案の効果】

本考案は、前述のように構成したので、吸引案内板３８は、揺動選別体７の漏 下選別部を斜め上方へ吹き抜ける選別風が排塵ファン３１の下部側へ吸入するの を抑制乃至阻止して上部で吸引することとなり、それにより前記吹き上げる選別 風を強化すると共に、その方向を更に上向きに変換させて藁屑吹き分け性能を一 層向上することができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】脱穀機の縦断面図である。

【図２】要部の横断面図である。

【図３】同上の斜視図である。

【図４】同上平断面図である。

【符号の説明】 ２ 扱室 ５ 送風風車 ７ 揺動選別体 ２０ 処理室 ２２ａ 処理胴軸 ２３ 排出口 ２４ 後壁 ２５ 案内ガイド板 ２６ 上排塵口 ２７ 下排塵口 ３０ 回転軸 ３１ 排塵ファン ３８ 吸引案内板 ３９ 排風ガイド板

フロントページの続き (72)考案者 後藤 秀雄 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 １ 三菱農機株式会社内 (72)考案者 梅林 竜司 島根県八束郡東出雲町大字揖屋町667番地 １ 三菱農機株式会社内

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 扱室２の下部からその後方の排塵選別室
   ６に亙る選別風路に一番漏下選別部と二番漏下選別部を
   有する揺動選別体７を架設した脱穀機において、前記排
   塵選別室６の後部上方中央寄りに、軸心が前後方向にな
   った軸流型でかつ大径の排塵ファン３１を設け、該排塵
   ファン３１のケーシング３７の前部に下部から立ち上が
   った吸引案内板３８を設けことを特徴とする脱穀機にお
   ける排塵選別装置。