JPH07299998A - 漆器の模様付け方法 - Google Patents
漆器の模様付け方法Info
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- JPH07299998A JPH07299998A JP11583794A JP11583794A JPH07299998A JP H07299998 A JPH07299998 A JP H07299998A JP 11583794 A JP11583794 A JP 11583794A JP 11583794 A JP11583794 A JP 11583794A JP H07299998 A JPH07299998 A JP H07299998A
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- Japan
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- lacquer
- sheet
- pattern
- patterned
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 漆器の表面に接着して模様を構成する模様漆
シートの厚みを薄くすること。 【構成】 トレーシングペーパに色うるしを塗布して漆
シートを作り、この漆シートを打抜いて模様漆シート
2、2…を作る。重箱素材1に下地を施し、下地上に漆
による下塗り、中塗り及び上塗りを行ない、上塗り面
に、模様漆シート2、2…を、トレーシングペーパを表
に向けてピエロ模様P及び梅花模様U状に接着し、次い
で地の色の色うるしを塗布する。乾燥後、塗装面を水ペ
ーパー及び炭により水研ぎをして表面を平滑にしなが
ら、浮き出た模様漆シート2、2…の外面のトレーシン
グペーパを除去する。更に鹿角の粉で塗装面を摩いて艶
出しをする。
シートの厚みを薄くすること。 【構成】 トレーシングペーパに色うるしを塗布して漆
シートを作り、この漆シートを打抜いて模様漆シート
2、2…を作る。重箱素材1に下地を施し、下地上に漆
による下塗り、中塗り及び上塗りを行ない、上塗り面
に、模様漆シート2、2…を、トレーシングペーパを表
に向けてピエロ模様P及び梅花模様U状に接着し、次い
で地の色の色うるしを塗布する。乾燥後、塗装面を水ペ
ーパー及び炭により水研ぎをして表面を平滑にしなが
ら、浮き出た模様漆シート2、2…の外面のトレーシン
グペーパを除去する。更に鹿角の粉で塗装面を摩いて艶
出しをする。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、種々の素材の大小様々
な漆器に容易に模様付を行なうことができる漆器の模様
付け方法に関するものである。
な漆器に容易に模様付を行なうことができる漆器の模様
付け方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】漆器に模様を付ける技法としては、従
来、上塗りの工程の後に、所望の位置で塗装面を適当な
深さの模様の形状に削り取って模様形状の凹部を形成
し、上記凹部に、地の色とは異なる色うるしを充填塗装
するものがある。多色の模様を描く場合は同様の手順を
使用色の数だけ繰返す訳である。そして乾燥後に表面を
なめらかに研ぎ上げることで模様付けを完了する。
来、上塗りの工程の後に、所望の位置で塗装面を適当な
深さの模様の形状に削り取って模様形状の凹部を形成
し、上記凹部に、地の色とは異なる色うるしを充填塗装
するものがある。多色の模様を描く場合は同様の手順を
使用色の数だけ繰返す訳である。そして乾燥後に表面を
なめらかに研ぎ上げることで模様付けを完了する。
【0003】以上の従来公知の技法では、模様付けに
は、漆塗装面の該当する位置を、まず模様の形状に削り
取らなければならない。この削除は刃物により手作業で
行なわれるものであるが、適当な深さにかつ平滑に行な
うことは熟練者であっても容易なことではない。したが
って極めて非能率的であり、かつその作業中に刃物によ
り必要外の部分に傷を付けてしまうこともたびたびあ
り、こうなると、漆器の商品価値を全く失うことにもな
りかねない。
は、漆塗装面の該当する位置を、まず模様の形状に削り
取らなければならない。この削除は刃物により手作業で
行なわれるものであるが、適当な深さにかつ平滑に行な
うことは熟練者であっても容易なことではない。したが
って極めて非能率的であり、かつその作業中に刃物によ
り必要外の部分に傷を付けてしまうこともたびたびあ
り、こうなると、漆器の商品価値を全く失うことにもな
りかねない。
【0004】そこで、本件発明者は、以上の問題点、即
ち、刃物で手作業により模様部分の削除作業を行なうと
いう問題点を解消すべく、対象物品の素地の上塗り上
に、模様形状の漆シートを貼付して模様を形成すると云
う技法を提案し、特許を得た(第1794593号、特
公平5−240号)。
ち、刃物で手作業により模様部分の削除作業を行なうと
いう問題点を解消すべく、対象物品の素地の上塗り上
に、模様形状の漆シートを貼付して模様を形成すると云
う技法を提案し、特許を得た(第1794593号、特
公平5−240号)。
【0005】この技術は以下の通りである。予め、芯布
材に漆を塗布して漆シートを形成し、更にその漆シート
を所望の模様形状にカットして模様漆シートを形成し、
一方対象物品の素地に、一般の技法により漆塗装用の下
地形成工程、下塗り、中塗り及び上塗りの工程を施し、
上記模様漆シートを、上記対象物品の素地の上塗り上に
貼着した上で、上記模様漆シートの周囲の上記上塗り上
に、上記模様漆シートの厚みを越えるまで所望の色の色
うるしを塗布し、その後、上記模様漆シートの表面が浮
き出るまで一般の技法により研ぎ上げることによる漆器
の模様付け方法である。
材に漆を塗布して漆シートを形成し、更にその漆シート
を所望の模様形状にカットして模様漆シートを形成し、
一方対象物品の素地に、一般の技法により漆塗装用の下
地形成工程、下塗り、中塗り及び上塗りの工程を施し、
上記模様漆シートを、上記対象物品の素地の上塗り上に
貼着した上で、上記模様漆シートの周囲の上記上塗り上
に、上記模様漆シートの厚みを越えるまで所望の色の色
うるしを塗布し、その後、上記模様漆シートの表面が浮
き出るまで一般の技法により研ぎ上げることによる漆器
の模様付け方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本件発明者の上記特許
にかかる技術は、極めて優れたものであるが、模様漆シ
ートの製造に、芯布材を用いたものであるため、漆の厚
みを厚くしないと、最後の研ぎ工程でその芯布材が露出
してしまう虞があり、あまり薄くはできないと云う若干
の問題点がある。即ち、この技術では、充分な厚みを確
保する必要がある。それ故、塗り重ねの回数を多くする
必要があり、他方、漆塗りは、1回の塗り毎に1日程度
室に入れて乾燥固化させる必要があるため、塗り重ねの
回数は必要日数として跳ね返り、完成までの所要日数が
非常に長くなり、高価なものになり易いという問題点が
ある。したがって本発明では、このような漆シートの厚
みを厚くしなければならないと云う問題点を解消するこ
とを解決の課題とするものである。
にかかる技術は、極めて優れたものであるが、模様漆シ
ートの製造に、芯布材を用いたものであるため、漆の厚
みを厚くしないと、最後の研ぎ工程でその芯布材が露出
してしまう虞があり、あまり薄くはできないと云う若干
の問題点がある。即ち、この技術では、充分な厚みを確
保する必要がある。それ故、塗り重ねの回数を多くする
必要があり、他方、漆塗りは、1回の塗り毎に1日程度
室に入れて乾燥固化させる必要があるため、塗り重ねの
回数は必要日数として跳ね返り、完成までの所要日数が
非常に長くなり、高価なものになり易いという問題点が
ある。したがって本発明では、このような漆シートの厚
みを厚くしなければならないと云う問題点を解消するこ
とを解決の課題とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】しかして本発明の一の構
成の要旨とするところは、予め、水によって除去可能な
芯紙材に漆を塗布して漆シートを形成し、更にその漆シ
ートを所望の模様形状にカットして模様漆シートを形成
し、一方対象物品の素地に、一般の技法により漆塗装用
の下地形成工程、下塗り、中塗り及び上塗りの工程を施
し、前記模様漆シートを、上記対象物品の素地の上塗り
上に前記芯紙材が外面に露出する状態で接合固定した上
で、該模様漆シートの周囲の上記上塗り上に、上記模様
漆シートの厚みを越えるまで所望の色の色うるしを塗布
し、その後、前記模様漆シートの芯紙材が除去され、表
面が浮き出て来るまで水研ぎを含む一般の技法により研
ぎ上げることによる漆器の模様付け方法であり、これに
よって前記課題を解決することができる。
成の要旨とするところは、予め、水によって除去可能な
芯紙材に漆を塗布して漆シートを形成し、更にその漆シ
ートを所望の模様形状にカットして模様漆シートを形成
し、一方対象物品の素地に、一般の技法により漆塗装用
の下地形成工程、下塗り、中塗り及び上塗りの工程を施
し、前記模様漆シートを、上記対象物品の素地の上塗り
上に前記芯紙材が外面に露出する状態で接合固定した上
で、該模様漆シートの周囲の上記上塗り上に、上記模様
漆シートの厚みを越えるまで所望の色の色うるしを塗布
し、その後、前記模様漆シートの芯紙材が除去され、表
面が浮き出て来るまで水研ぎを含む一般の技法により研
ぎ上げることによる漆器の模様付け方法であり、これに
よって前記課題を解決することができる。
【0008】また本発明の二の構成の要旨とするところ
は、予め、水によって除去可能な芯紙材に漆を塗布して
漆シートを形成し、更にその漆シートを所望の模様形状
にカットして模様漆シートを形成し、一方対象物品の素
地に、一般の技法により漆塗装用の下地形成工程、下塗
り、中塗り及び上塗りの工程を施し、前記模様漆シート
を、上記対象物品の素地の上塗り上に前記芯紙材が外面
に露出する状態で接合固定し、次いで該芯紙材に含水さ
せ、脆弱化させた後、該芯紙材を除去し、その後、前記
模様漆シートの周囲の前記上塗り上に、該模様漆シート
の厚みを越えるまで所望の色の色うるしを塗布し、更に
その後前記模様漆シートの表面が浮き出て来るまで一般
の技法により研ぎ上げることによる漆器の模様付け方法
であり、これによって前記課題を解決することができ
る。
は、予め、水によって除去可能な芯紙材に漆を塗布して
漆シートを形成し、更にその漆シートを所望の模様形状
にカットして模様漆シートを形成し、一方対象物品の素
地に、一般の技法により漆塗装用の下地形成工程、下塗
り、中塗り及び上塗りの工程を施し、前記模様漆シート
を、上記対象物品の素地の上塗り上に前記芯紙材が外面
に露出する状態で接合固定し、次いで該芯紙材に含水さ
せ、脆弱化させた後、該芯紙材を除去し、その後、前記
模様漆シートの周囲の前記上塗り上に、該模様漆シート
の厚みを越えるまで所望の色の色うるしを塗布し、更に
その後前記模様漆シートの表面が浮き出て来るまで一般
の技法により研ぎ上げることによる漆器の模様付け方法
であり、これによって前記課題を解決することができ
る。
【0009】以上の本発明の一及び二は、模様漆シート
の芯紙材を除去する工程が異なるのみであるから、一に
ついて説明し、二については異なる部分だけを説明す
る。
の芯紙材を除去する工程が異なるのみであるから、一に
ついて説明し、二については異なる部分だけを説明す
る。
【0010】先ず模様漆シートを準備する。初めに漆シ
ートを構成する。上記漆シートは、例えば、次のように
して構成する。例えば、ベニア板のような平面の板材を
下敷板として利用し、該下敷板に剥離紙を剥離面を上面
にして貼付し、その上に芯紙材を載置する。必要に応じ
て該芯紙材の一部を前記剥離紙の剥離面に仮固定する。
仮固定は両面接着テープ等を用いて容易に行なうことが
できる。この剥離紙への仮固定は、特別に行なわない場
合でも、芯紙材に後記色うるしの塗布を行なえば、通
常、含浸する漆により仮固定状態になる。
ートを構成する。上記漆シートは、例えば、次のように
して構成する。例えば、ベニア板のような平面の板材を
下敷板として利用し、該下敷板に剥離紙を剥離面を上面
にして貼付し、その上に芯紙材を載置する。必要に応じ
て該芯紙材の一部を前記剥離紙の剥離面に仮固定する。
仮固定は両面接着テープ等を用いて容易に行なうことが
できる。この剥離紙への仮固定は、特別に行なわない場
合でも、芯紙材に後記色うるしの塗布を行なえば、通
常、含浸する漆により仮固定状態になる。
【0011】次いで、前記芯紙材にはその前面に交互に
縦方向及び横方向に色うるしを塗布し、平滑な漆シート
に仕上げる。上記漆シートは、乾燥後に下敷板から剥離
すれば完成である。なお前記芯紙材としては、種々の板
紙を用いることができるが、水が含浸することによって
脆弱になること、またできれば、背面から塗布されてい
る漆の色が分かること等の点から、トレーシングペーパ
が適当である。こうして芯紙材の表面に色うるしを塗布
して漆シートを完成させる。
縦方向及び横方向に色うるしを塗布し、平滑な漆シート
に仕上げる。上記漆シートは、乾燥後に下敷板から剥離
すれば完成である。なお前記芯紙材としては、種々の板
紙を用いることができるが、水が含浸することによって
脆弱になること、またできれば、背面から塗布されてい
る漆の色が分かること等の点から、トレーシングペーパ
が適当である。こうして芯紙材の表面に色うるしを塗布
して漆シートを完成させる。
【0012】前記模様漆シートは、前記漆シートを所望
の形状にカットして構成する。カットはハサミ、ポンチ
又はカッタ等により行なうことができる。以上のように
して構成した模様漆シートは、対象物品に、一般の技法
により、漆塗装用の下地を形成し、上記下地に、下塗
り、中塗り及び上塗りを施した上で、上記上塗り上に、
模様を構成すべく所望の位置関係で接合固定するもので
ある。なおこの模様漆シートは芯紙材を表にして接合固
定することが重要である。
の形状にカットして構成する。カットはハサミ、ポンチ
又はカッタ等により行なうことができる。以上のように
して構成した模様漆シートは、対象物品に、一般の技法
により、漆塗装用の下地を形成し、上記下地に、下塗
り、中塗り及び上塗りを施した上で、上記上塗り上に、
模様を構成すべく所望の位置関係で接合固定するもので
ある。なおこの模様漆シートは芯紙材を表にして接合固
定することが重要である。
【0013】なお以上の対象物品は、用途及び大小等い
ずれも問わない。たんすのような大型の家具から花瓶や
額絵のような小型の屋内装置品まで、更にはイヤリング
やネクタイピンのような装身具類まで含む。勿論、板膳
やお盆のような比較的平面的な台所用品のようなもの等
も含む。
ずれも問わない。たんすのような大型の家具から花瓶や
額絵のような小型の屋内装置品まで、更にはイヤリング
やネクタイピンのような装身具類まで含む。勿論、板膳
やお盆のような比較的平面的な台所用品のようなもの等
も含む。
【0014】しかして対象物品の前記上塗り上に所望の
模様形状にカットして構成した模様漆シートを芯紙材を
表にして接合固定した後は、本発明の一の場合は、前記
対象物品の表面の模様漆シート上以外の部分に地の色を
構成する所望の色の色うるしを塗布する。塗布を必要な
だけ繰り返し、上記模様漆シートの厚みを僅かに越える
程度の塗布を行なう。なお1回の塗布毎に室に入れて乾
燥固化させるべきことは云うまでもない。
模様形状にカットして構成した模様漆シートを芯紙材を
表にして接合固定した後は、本発明の一の場合は、前記
対象物品の表面の模様漆シート上以外の部分に地の色を
構成する所望の色の色うるしを塗布する。塗布を必要な
だけ繰り返し、上記模様漆シートの厚みを僅かに越える
程度の塗布を行なう。なお1回の塗布毎に室に入れて乾
燥固化させるべきことは云うまでもない。
【0015】最後の塗装の乾燥後は、その塗装面を水ペ
ーパーで研ぎ、次いで炭により水研ぎを行なう。この過
程で前記模様漆シートの芯紙材を水で脆弱にしつつ除去
し、更に鹿角を砕いて形成した角粉等を用いて上記模様
漆シートによる模様が浮き出るように一般の技法により
研ぎ上げる。こうして漆器に所望の模様を容易かつスピ
ーディに付すことができる。
ーパーで研ぎ、次いで炭により水研ぎを行なう。この過
程で前記模様漆シートの芯紙材を水で脆弱にしつつ除去
し、更に鹿角を砕いて形成した角粉等を用いて上記模様
漆シートによる模様が浮き出るように一般の技法により
研ぎ上げる。こうして漆器に所望の模様を容易かつスピ
ーディに付すことができる。
【0016】前記本発明の二の場合は、対象物品の前記
上塗り上に所望の模様形状にカットして構成した模様漆
シートを芯紙材を表にして接合固定した後は、その芯紙
材に、その上に含水した綿や布材等を載せることによ
り、又は水を含んだ筆で付着させることにより、又は霧
吹きをすることにより、含水させ、こうして脆弱になっ
た芯紙材を指その他で除去する。この際、芯紙材の下の
漆をできるだけ傷つけないように注意する。
上塗り上に所望の模様形状にカットして構成した模様漆
シートを芯紙材を表にして接合固定した後は、その芯紙
材に、その上に含水した綿や布材等を載せることによ
り、又は水を含んだ筆で付着させることにより、又は霧
吹きをすることにより、含水させ、こうして脆弱になっ
た芯紙材を指その他で除去する。この際、芯紙材の下の
漆をできるだけ傷つけないように注意する。
【0017】その後、前記模様漆シートの周囲の前記上
塗り上に、該模様漆シートの厚みを越えるまで所望の色
の色うるしを塗布し、更にその後前記模様漆シートの表
面が浮き出て来るまで一般の技法により研ぎ上げる。こ
うして本発明の二の場合も同様に、漆器に所望の模様を
容易かつスピーディに付すことができる。なお以上の本
発明の一及び二のいずれも漆に代えてカシュー漆を採用
することも可能である。
塗り上に、該模様漆シートの厚みを越えるまで所望の色
の色うるしを塗布し、更にその後前記模様漆シートの表
面が浮き出て来るまで一般の技法により研ぎ上げる。こ
うして本発明の二の場合も同様に、漆器に所望の模様を
容易かつスピーディに付すことができる。なお以上の本
発明の一及び二のいずれも漆に代えてカシュー漆を採用
することも可能である。
【0018】
【実施例】以下図面に基づいて本発明の実施例を説明す
る。先ず図1〜図6に基づいて本発明の一についての一
実施例を説明する。これは重箱に適用した例に関する。
る。先ず図1〜図6に基づいて本発明の一についての一
実施例を説明する。これは重箱に適用した例に関する。
【0019】初めに、重箱素材1に後述する処理を施し
た後にその処理表面の所望の位置に接合固定すべき種々
の模様漆シート2、2…を準備する。
た後にその処理表面の所望の位置に接合固定すべき種々
の模様漆シート2、2…を準備する。
【0020】先ず漆シート3を構成する。図2に示した
ように、下敷板としてベニア板4を用い、その一面に剥
離紙5を配し、かつ剥離紙5の剥離面である上面に芯紙
材であるトレーシングペーパ6を載置する。このトレー
シングペーパ6は一端のみを両面接着テープ7で固定す
る。
ように、下敷板としてベニア板4を用い、その一面に剥
離紙5を配し、かつ剥離紙5の剥離面である上面に芯紙
材であるトレーシングペーパ6を載置する。このトレー
シングペーパ6は一端のみを両面接着テープ7で固定す
る。
【0021】この後、上記トレーシングペーパ6に所望
の色の色うるしを塗布する。この色うるしの塗布は平刷
毛によって行なう。概ね4〜5回塗布する。塗布は、一
方向にのみ行なうと、表面に凹凸が生じてしまうので、
縦方向塗りと横方向塗りとを交互に行なう。勿論、1回
塗布する毎に、1日室に入れて乾燥固化させる。この室
に入れての乾燥固化の際に、前記ベニア板4が色うるし
を塗布したトレーシングペーパ6を支持する役割を担当
する。図3に示したように、乾燥後に前記剥離紙5より
剥離すれば漆シート3は完成である。複数色の漆シート
3は、各色うるし毎に以上の塗布工程を繰り返すことで
得られることは云うまでもない。
の色の色うるしを塗布する。この色うるしの塗布は平刷
毛によって行なう。概ね4〜5回塗布する。塗布は、一
方向にのみ行なうと、表面に凹凸が生じてしまうので、
縦方向塗りと横方向塗りとを交互に行なう。勿論、1回
塗布する毎に、1日室に入れて乾燥固化させる。この室
に入れての乾燥固化の際に、前記ベニア板4が色うるし
を塗布したトレーシングペーパ6を支持する役割を担当
する。図3に示したように、乾燥後に前記剥離紙5より
剥離すれば漆シート3は完成である。複数色の漆シート
3は、各色うるし毎に以上の塗布工程を繰り返すことで
得られることは云うまでもない。
【0022】その後、前記漆シート3は、更に、ピエロ
模様P及び梅花模様Uを構成する模様片となる模様漆シ
ート2、2…に打抜くこととする。
模様P及び梅花模様Uを構成する模様片となる模様漆シ
ート2、2…に打抜くこととする。
【0023】他方、図4に示したような桧材素地の重箱
素材1に漆塗装用の下地を構成し、かつ上記下地上に漆
により下塗り、中塗り及び上塗りを行ない、その上塗り
面に、図1に示したように、前記模様漆シート2、2…
を接着する。
素材1に漆塗装用の下地を構成し、かつ上記下地上に漆
により下塗り、中塗り及び上塗りを行ない、その上塗り
面に、図1に示したように、前記模様漆シート2、2…
を接着する。
【0024】先ず上記桧材素地の重箱素材1の下地の構
成について略述する。これは一般の技法である。上記重
箱素材1の素地のはぎ目や木節等を丸刀で浅く掘り、そ
の上で、素地に瀬占うるしを吸い込ませるように塗る。
次いで室内で自然乾燥させる。その後、更に瀬占うるし
と姫糊を等量混合した糊うるしにこくそ綿または木粉を
飽和状態の固さになるまで練り合わせ、これをこくその
中にこくそべらで平に詰める。
成について略述する。これは一般の技法である。上記重
箱素材1の素地のはぎ目や木節等を丸刀で浅く掘り、そ
の上で、素地に瀬占うるしを吸い込ませるように塗る。
次いで室内で自然乾燥させる。その後、更に瀬占うるし
と姫糊を等量混合した糊うるしにこくそ綿または木粉を
飽和状態の固さになるまで練り合わせ、これをこくその
中にこくそべらで平に詰める。
【0025】こくそが乾いて痩せた上に、地の粉と砥の
粉の等量混合物を水練りし、これに約6%の瀬占うるし
を加えて練り合わせた切り子を、少々盛り上げるように
へら付けする。次にこくその上を木地面と平になるよう
に砥石で水研ぎする。その後、糊うるしで麻布を全体に
被覆するように着せて貼付け、次いで乾燥後、布目の凹
凸を中荒砥石で水を用いずに空研ぎして平にする。
粉の等量混合物を水練りし、これに約6%の瀬占うるし
を加えて練り合わせた切り子を、少々盛り上げるように
へら付けする。次にこくその上を木地面と平になるよう
に砥石で水研ぎする。その後、糊うるしで麻布を全体に
被覆するように着せて貼付け、次いで乾燥後、布目の凹
凸を中荒砥石で水を用いずに空研ぎして平にする。
【0026】上記空研ぎ後、水練り地の粉に約60%の
瀬占うるしを練り合わせたものをへら又は下地刷毛で薄
く平らに付ける。乾燥後、これをもう一回行なう。その
次に中荒砥石で平に水研ぎし、研いだ面をへら又は刷毛
により瀬占うるしで固める。その後、上記瀬占うるしで
固めた面に切り子地をへらか刷毛で薄く平に付ける。乾
燥後、これをもう一回行なう。次に切り子地を中荒砥石
で平に水研ぎし、研ぎ面を瀬占うるしで固める。
瀬占うるしを練り合わせたものをへら又は下地刷毛で薄
く平らに付ける。乾燥後、これをもう一回行なう。その
次に中荒砥石で平に水研ぎし、研いだ面をへら又は刷毛
により瀬占うるしで固める。その後、上記瀬占うるしで
固めた面に切り子地をへらか刷毛で薄く平に付ける。乾
燥後、これをもう一回行なう。次に切り子地を中荒砥石
で平に水研ぎし、研ぎ面を瀬占うるしで固める。
【0027】次に以上の下地に構成する前記下塗り、中
塗り及び上塗りについて略述する。先ず上記下地に黒う
るし(無油)に油煙を混ぜたうるしを薄めに平に塗る。
乾燥後、駿河炭で水研ぎをして平にする。その後、下塗
り研ぎ面の凹部をうるし分の多い錆で補修的につけ、乾
燥後に平に研ぐこととする。
塗り及び上塗りについて略述する。先ず上記下地に黒う
るし(無油)に油煙を混ぜたうるしを薄めに平に塗る。
乾燥後、駿河炭で水研ぎをして平にする。その後、下塗
り研ぎ面の凹部をうるし分の多い錆で補修的につけ、乾
燥後に平に研ぐこととする。
【0028】次いで、上記下塗り上に、下塗りと同様
に、黒うるしに油煙を混ぜたうるしを薄めにかつ平に塗
り、中塗りをする。後の手順は上記下塗りと同様であ
る。更に上記中塗り上に上塗りを行なう。研出黒呂色う
るしを上記中塗りと同様に塗る。この後、上記中塗りと
同様に研ぐ。
に、黒うるしに油煙を混ぜたうるしを薄めにかつ平に塗
り、中塗りをする。後の手順は上記下塗りと同様であ
る。更に上記中塗り上に上塗りを行なう。研出黒呂色う
るしを上記中塗りと同様に塗る。この後、上記中塗りと
同様に研ぐ。
【0029】以上のように、上塗りを施した後は、前記
したように、重箱素材1の上塗り上に、模様漆シート
2、2…を接着する。図1に示したように、一つは、ピ
エロ模様Pを構成するように、接着剤を用いてそれらを
貼り付ける。もう一つは梅花模様Uを構成するように貼
り付ける。以上の模様漆シート2、2…は、いずれも芯
紙材であるトレーシングペーパ6が表になるように接着
する。そしてこうしてトレーシングペーパ6を表にして
接着を行なっても、トレーシングペーパ6では、色うる
しの色が透けて見えるので、ピエロ模様Pや梅花模様U
の構成の際等に都合が良い。
したように、重箱素材1の上塗り上に、模様漆シート
2、2…を接着する。図1に示したように、一つは、ピ
エロ模様Pを構成するように、接着剤を用いてそれらを
貼り付ける。もう一つは梅花模様Uを構成するように貼
り付ける。以上の模様漆シート2、2…は、いずれも芯
紙材であるトレーシングペーパ6が表になるように接着
する。そしてこうしてトレーシングペーパ6を表にして
接着を行なっても、トレーシングペーパ6では、色うる
しの色が透けて見えるので、ピエロ模様Pや梅花模様U
の構成の際等に都合が良い。
【0030】次に積み重ねられた各段の境界及び蓋との
境界で、その間にまたがって配置された模様漆シート
2、2…をカットする。このカットは一般のカッタを用
いて行なう。
境界で、その間にまたがって配置された模様漆シート
2、2…をカットする。このカットは一般のカッタを用
いて行なう。
【0031】この後、図5に示したように、まず重箱素
材1を各段毎に分離した上で、各段につき、以下のよう
に、地の色の色うるしの塗布を行なう。地の色の色うる
しとしては黒色の色うるしを用いる。ここでは地の色を
塗布することが目的であるから、なるべくピエロ模様P
や梅花模様Uを構成する模様漆シート2、2…の上は避
けてそれ以外の部分に塗布する。勿論縁の付近には重ね
て塗布することとなるのはやむを得ない。こうして4〜
5回程塗り重ね、模様漆シート2、2…の厚みを越える
まで上記黒色の色うるしを塗り重ねる。
材1を各段毎に分離した上で、各段につき、以下のよう
に、地の色の色うるしの塗布を行なう。地の色の色うる
しとしては黒色の色うるしを用いる。ここでは地の色を
塗布することが目的であるから、なるべくピエロ模様P
や梅花模様Uを構成する模様漆シート2、2…の上は避
けてそれ以外の部分に塗布する。勿論縁の付近には重ね
て塗布することとなるのはやむを得ない。こうして4〜
5回程塗り重ね、模様漆シート2、2…の厚みを越える
まで上記黒色の色うるしを塗り重ねる。
【0032】次に塗装面を研摩する。水ペーパーにより
研ぎ上げ、次いで炭により水研ぎをして、重箱表面を平
滑にし、かつ模様漆シート2、2…の外面のトレーシン
グペーパ6を除去し、漆面を浮き出させる。なお上記ト
レーシングペーパ6は水研ぎの際に含水して脆弱とな
り、容易に除去される。更に鹿角を砕いて粉にした角粉
を用いて一般の技法により、塗装面を摩き、艶出しをす
る。こうして模様付けの工程は完了する。図6は模様付
けが完了した三段重ねの重箱8を示している。
研ぎ上げ、次いで炭により水研ぎをして、重箱表面を平
滑にし、かつ模様漆シート2、2…の外面のトレーシン
グペーパ6を除去し、漆面を浮き出させる。なお上記ト
レーシングペーパ6は水研ぎの際に含水して脆弱とな
り、容易に除去される。更に鹿角を砕いて粉にした角粉
を用いて一般の技法により、塗装面を摩き、艶出しをす
る。こうして模様付けの工程は完了する。図6は模様付
けが完了した三段重ねの重箱8を示している。
【0033】次に図7〜図10に基づいて本発明の二の
一実施例を説明する。これは板膳に適用した例に関す
る。
一実施例を説明する。これは板膳に適用した例に関す
る。
【0034】初めに、板膳素材11に後述する処理を施
した後にその処理表面の所望の位置に貼付すべき模様漆
シート12、12…を準備する。
した後にその処理表面の所望の位置に貼付すべき模様漆
シート12、12…を準備する。
【0035】先ず漆シート13を構成するが、この技法
は前記本発明の一の実施例と全く同様である。即ち、下
敷板としてベニア板を用い、その一面に剥離紙を配し、
かつ剥離紙の剥離面に芯紙材であるトレーシングペーパ
16を載置する。このトレーシングペーパ16は一端の
みを両面接着テープで固定する。
は前記本発明の一の実施例と全く同様である。即ち、下
敷板としてベニア板を用い、その一面に剥離紙を配し、
かつ剥離紙の剥離面に芯紙材であるトレーシングペーパ
16を載置する。このトレーシングペーパ16は一端の
みを両面接着テープで固定する。
【0036】この後、上記トレーシングペーパ16に所
望の色の色うるしを塗布する。色うるしは平刷毛で概ね
4〜5回塗布する。塗布は、縦方向塗りと横方向塗りと
を交互に行なう。こうした作業の後、図7に示したよう
に、乾燥後に前記剥離紙より剥離すれば漆シート13は
完成である。その後、前記漆シート13をピエロ模様P
用の複数種の模様片に打抜いて模様漆シート12、12
…を作成する。
望の色の色うるしを塗布する。色うるしは平刷毛で概ね
4〜5回塗布する。塗布は、縦方向塗りと横方向塗りと
を交互に行なう。こうした作業の後、図7に示したよう
に、乾燥後に前記剥離紙より剥離すれば漆シート13は
完成である。その後、前記漆シート13をピエロ模様P
用の複数種の模様片に打抜いて模様漆シート12、12
…を作成する。
【0037】他方、図8に示したような桧材素地の板膳
素材11に漆塗装用の下地を構成し、かつ上記下地上に
漆により下塗り、中塗り及び上塗りを行ない、その上塗
り面に、図9に示したように、前記模様漆シート12、
12…をピエロ模様Pを構成するように接着する。
素材11に漆塗装用の下地を構成し、かつ上記下地上に
漆により下塗り、中塗り及び上塗りを行ない、その上塗
り面に、図9に示したように、前記模様漆シート12、
12…をピエロ模様Pを構成するように接着する。
【0038】前記桧材素地の板膳素材11の下地の構成
は、一般の技法を用いて行なわれるもので、前記本発明
の一の実施例の場合と全く同様である。また構成された
下地に施す前記下塗り、中塗り及び上塗りについても前
記本発明の一の実施例の場合と全く同様である。
は、一般の技法を用いて行なわれるもので、前記本発明
の一の実施例の場合と全く同様である。また構成された
下地に施す前記下塗り、中塗り及び上塗りについても前
記本発明の一の実施例の場合と全く同様である。
【0039】前記桧材素地の板膳素材11に上塗りまで
施した後は、前記したように、板膳素材11の上塗り上
に、模様漆シート12、12…を接着する。この模様漆
シート12、12…は、前記したように、ピエロ模様P
用の複数種の模様片に打抜かれたもので、図9に示した
ように、適当な位置関係でそれらを配置することで、ピ
エロ模様Pを作り出すことができるものである。なお該
模様漆シート12、12…は、いずれも芯紙材であるト
レーシングペーパ16が表になるように接着する。
施した後は、前記したように、板膳素材11の上塗り上
に、模様漆シート12、12…を接着する。この模様漆
シート12、12…は、前記したように、ピエロ模様P
用の複数種の模様片に打抜かれたもので、図9に示した
ように、適当な位置関係でそれらを配置することで、ピ
エロ模様Pを作り出すことができるものである。なお該
模様漆シート12、12…は、いずれも芯紙材であるト
レーシングペーパ16が表になるように接着する。
【0040】そして、こうしてトレーシングペーパ16
を表にして接着を行なっても、トレーシングペーパ16
では、色うるしの色が透けて見えるので、ピエロ模様P
構成用の模様片である模様漆シート12、12…の色の
選択の際に都合が良い。
を表にして接着を行なっても、トレーシングペーパ16
では、色うるしの色が透けて見えるので、ピエロ模様P
構成用の模様片である模様漆シート12、12…の色の
選択の際に都合が良い。
【0041】次いでピエロ模様Pを構成する模様漆シー
ト12、12…の表面側に露出しているトレーシングペ
ーパ16に、含水させた筆で水を付着させ、4〜5分放
置して充分に含水させる。こうして含水して脆弱化した
トレーシングペーパ16を除去する。除去は、単に脆弱
化したトレーシングペーパ16を指でこするだけでもぼ
ろぼろと取れる。その下に現れる漆を傷つけないように
丁寧に除去作業を行なう。
ト12、12…の表面側に露出しているトレーシングペ
ーパ16に、含水させた筆で水を付着させ、4〜5分放
置して充分に含水させる。こうして含水して脆弱化した
トレーシングペーパ16を除去する。除去は、単に脆弱
化したトレーシングペーパ16を指でこするだけでもぼ
ろぼろと取れる。その下に現れる漆を傷つけないように
丁寧に除去作業を行なう。
【0042】この後、まず板膳素材11について、地の
色の色うるしの塗布を行なう。地の色の色うるしとして
は、この場合は、黒色の色うるしを用いる。ここでは地
の色を塗布することが目的であるから、なるべくピエロ
模様Pの模様漆シート12、12…の上は避けてそれ以
外の部分に塗布する。勿論縁の付近には重ねて塗布する
こととなるのはやむを得ない。こうして4〜5回程塗り
重ね、模様漆シート12、12…の厚みを越えるまで上
記黒色の色うるしを塗り重ねる。
色の色うるしの塗布を行なう。地の色の色うるしとして
は、この場合は、黒色の色うるしを用いる。ここでは地
の色を塗布することが目的であるから、なるべくピエロ
模様Pの模様漆シート12、12…の上は避けてそれ以
外の部分に塗布する。勿論縁の付近には重ねて塗布する
こととなるのはやむを得ない。こうして4〜5回程塗り
重ね、模様漆シート12、12…の厚みを越えるまで上
記黒色の色うるしを塗り重ねる。
【0043】次に塗装面を研摩する。水ペーパーにより
研ぎ上げ、次いで炭により水研ぎをして、板膳表面を平
滑にし、黒色の地の色から模様漆シート12、12…を
浮き出させる。その後、更に鹿角を砕いて粉にした角粉
を用いて一般の技法により、塗装面を摩き、艶出しをす
る。こうして模様付けの工程は完了する。図10は模様
付けが完了した板膳18を示している。
研ぎ上げ、次いで炭により水研ぎをして、板膳表面を平
滑にし、黒色の地の色から模様漆シート12、12…を
浮き出させる。その後、更に鹿角を砕いて粉にした角粉
を用いて一般の技法により、塗装面を摩き、艶出しをす
る。こうして模様付けの工程は完了する。図10は模様
付けが完了した板膳18を示している。
【0044】
【発明の効果】本発明によれば、漆器に模様を描くため
に予め構成する模様漆シートの芯材として水によって除
去可能な芯紙材を用いることとし、前記所定段階まで処
理した対象物品の素材表面に模様漆シートを接合固定す
る際に該芯紙材を表にし、該芯紙材に含水させて除去す
ることとしたものであり、素材に接合後内部に芯材を残
さないものであるため、模様漆シートの厚みを薄くして
も、研ぎ上げる際に、芯材が露出すると云う心配がな
い。それ故、模様漆シートを薄く構成することができ、
製造日数を大幅に短縮し、低廉な漆製品を製造すること
ができるようになる。
に予め構成する模様漆シートの芯材として水によって除
去可能な芯紙材を用いることとし、前記所定段階まで処
理した対象物品の素材表面に模様漆シートを接合固定す
る際に該芯紙材を表にし、該芯紙材に含水させて除去す
ることとしたものであり、素材に接合後内部に芯材を残
さないものであるため、模様漆シートの厚みを薄くして
も、研ぎ上げる際に、芯材が露出すると云う心配がな
い。それ故、模様漆シートを薄く構成することができ、
製造日数を大幅に短縮し、低廉な漆製品を製造すること
ができるようになる。
【図1】重箱素材に模様漆シートをそのトレーシングペ
ーパを表面側にして接着した状態を示した概略斜視図。
ーパを表面側にして接着した状態を示した概略斜視図。
【図2】ベニア板を下敷板としてその上に剥離紙を配
し、該剥離紙上にトレーシングペーパを載せてこれに色
うるしを塗布して漆シートを作る状態を示した概略平面
図。
し、該剥離紙上にトレーシングペーパを載せてこれに色
うるしを塗布して漆シートを作る状態を示した概略平面
図。
【図3】単色の漆シートの概略斜視図。
【図4】重箱素材の概略斜視図。
【図5】模様漆シートを接着して各段毎に分離した状態
を示した重箱素材の概略斜視図。
を示した重箱素材の概略斜視図。
【図6】模様付けの完了した重箱の概略斜視図。
【図7】単色の漆シートの概略斜視図。
【図8】板膳素材の平面図。
【図9】板膳素材に模様漆シートをそのトレーシングペ
ーパを表面側にして接着した状態を示した平面図。
ーパを表面側にして接着した状態を示した平面図。
【図10】模様付けの完了した板膳の平面図。
1 重箱素材 2 模様漆シート 3 漆シート 4 ベニア板 5 剥離紙 6 トレーシングペーパ 7 両面接着テープ 8 重箱 11 板膳素材 12 模様漆シート 13 漆シート 16 トレーシングペーパ 18 板膳 P ピエロ模様 U 梅花模様
Claims (2)
- 【請求項1】 予め、水によって除去可能な芯紙材に漆
を塗布して漆シートを形成し、更にその漆シートを所望
の模様形状にカットして模様漆シートを形成し、 一方対象物品の素地に、一般の技法により漆塗装用の下
地形成工程、下塗り、中塗り及び上塗りの工程を施し、 前記模様漆シートを、上記対象物品の素地の上塗り上に
前記芯紙材が外面に露出する状態で接合固定した上で、
該模様漆シートの周囲の上記上塗り上に、上記模様漆シ
ートの厚みを越えるまで所望の色の色うるしを塗布し、 その後、前記模様漆シートの芯紙材が除去され、表面が
浮き出て来るまで水研ぎを含む一般の技法により研ぎ上
げることによる漆器の模様付け方法。 - 【請求項2】 予め、水によって除去可能な芯紙材に漆
を塗布して漆シートを形成し、更にその漆シートを所望
の模様形状にカットして模様漆シートを形成し、 一方対象物品の素地に、一般の技法により漆塗装用の下
地形成工程、下塗り、中塗り及び上塗りの工程を施し、 前記模様漆シートを、上記対象物品の素地の上塗り上に
前記芯紙材が外面に露出する状態で接合固定し、次いで
該芯紙材に含水させ、脆弱化させた後、該芯紙材を除去
し、 その後、前記模様漆シートの周囲の前記上塗り上に、該
模様漆シートの厚みを越えるまで所望の色の色うるしを
塗布し、 更にその後前記模様漆シートの表面が浮き出て来るまで
一般の技法により研ぎ上げることによる漆器の模様付け
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11583794A JPH07299998A (ja) | 1994-05-02 | 1994-05-02 | 漆器の模様付け方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11583794A JPH07299998A (ja) | 1994-05-02 | 1994-05-02 | 漆器の模様付け方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07299998A true JPH07299998A (ja) | 1995-11-14 |
Family
ID=14672351
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11583794A Pending JPH07299998A (ja) | 1994-05-02 | 1994-05-02 | 漆器の模様付け方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07299998A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110103625A (zh) * | 2019-06-21 | 2019-08-09 | 匠舍(上海)文化艺术发展有限公司 | 一种变色漆器的制备方法 |
-
1994
- 1994-05-02 JP JP11583794A patent/JPH07299998A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
CN110103625A (zh) * | 2019-06-21 | 2019-08-09 | 匠舍(上海)文化艺术发展有限公司 | 一种变色漆器的制备方法 |
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