JP2003182299A - 樺細工品の製造方法 - Google Patents

樺細工品の製造方法

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JP2003182299A
JP2003182299A JP2001402720A JP2001402720A JP2003182299A JP 2003182299 A JP2003182299 A JP 2003182299A JP 2001402720 A JP2001402720 A JP 2001402720A JP 2001402720 A JP2001402720 A JP 2001402720A JP 2003182299 A JP2003182299 A JP 2003182299A
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Japan
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bark
birch
cherry
cherry bark
powder
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JP2001402720A
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Hiroki Tomioka
浩樹 冨岡
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TOMIOKA SHOTEN KK
Original Assignee
TOMIOKA SHOTEN KK
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Abstract

(57)【要約】 【課 題】桜皮の皮目部分が皮を削った際に生じる欠落
部分によって、商品としての価値を損なうこと無く、ま
た、貴重な桜皮を余す事無く使用できる樺細工の製造方
法を提供するものである。 【解決手段】下地材に桜の皮を貼着して樺細工品と成る
製造方法において、桜皮の皮目部分が皮を削った際に欠
落する部分および陥没した節目等の凹部に摺漆を施し、
前記摺漆の粘着力を利用し金粉、銀粉等の装飾粉体を摺
漆表面に付着させ、再度摺漆による塗着を繰り返して、
欠落部分ならびに陥没した節目等の凹部を埋めるように
表現し、美観を損なわないようにした事を特徴とする樺
細工品の製造方法を提供し、上述にある種々の問題点を
解決している。

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は桜皮を使用した細工
品において、特に桜皮を削り剥いだ欠落部分および節目
等の陥没によって美観を損なうことが無い、桜皮細工品
の製造方法に関するものである。 【0002】 【従来の技術】従来の技術として桜皮を貼着した樺細工
製品、即ち桜の樹皮を薄く削って得た桜皮を木板或いは
合板の台材に貼り付ける細工品は、茶筒や小物入れ又は
花台等を始めとして家財道具とされる装飾細工品として
種々の形を呈するものが多く存在しているものであり、
特にこの種のものは樺細工とする伝統的工芸品として一
般に知られている。 【0003】従来より、樺細工とした伝統的工芸品の技
法である製造方法としては、以下の手順によって製造さ
れている。 1.採取され乾燥した桜皮をサンドペーパーや刃物を用
いて皮を削る。 2.上記に於ける削りとった桜皮と、製品の下地材(合
板形成品、ハードボード、木無垢材等からの形成品)に
ニカワその他の接着剤を塗り接着接合する。 3.桜皮の皮目部分が皮を削った際に欠落するので、皮
目部分の欠落部分(節目)に同一種の天然桜皮の粉を使
用して接着し埋める。 4.接着した後、再度、サンドペーパー或いは刃物等で
研磨する。 5.仕上げにバフ研磨仕上げか表面塗装仕上げを行う。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】特殊なものとしては桜
皮を使用して匠な樺貼り技術によって得ることができ
る、たたみ皮貼り、二度皮貼りなどの技術があるものの
の、いわゆる伝統工芸独特の職人技として長年に渡る技
術習得により完成されたものであり、特に二度皮貼りな
どの場合は、桜皮を一度剥いだ樹皮の下にもう一度再生
された皮を利用するもので、この二度目の皮の利用後に
は桜の木から製品化できる皮が育たないことから非常に
貴重なものであり、また大量に生産するものでもないた
め、いわゆる超一品とする高級装飾品となるものが殆ど
であった。 【0005】また、桜皮を絵模様に表し動植物や風景を
表現したものなど蒔絵とされる表現技術によって、外観
美を追及するものなどが種々存在するものであったが、
本来、桜皮を使用した樺細工品は一般的に食器類や家具
類などの家財道具の一つとしての使用を目的とするもの
であるが、その一方で巧みな技術によって完成されるが
故に高価過ぎる点から装飾品として扱われことも多く、
本来使用頻度の多い器物は使用よりも鑑賞用とされる事
が多いことである。 【0006】蓋し前述した製造方法は、長年に渡りその
工程が何等変わることなく行われてきているものであ
り、たたみ皮貼り、二度皮貼りなどの技法も製造過程に
おける方法においては、前述した製造方法が用いられい
る。この従来の製造方法では、貴重とされる桜皮であっ
ても桜皮独特の皮模様にある節目も、体裁の良い外観美
に優れたものを選び出すことも職人の感性とされたた
め、桜皮の皮目部分が皮を削った際に欠落する部分や、
剥ぎ取る前から損傷が激しいものは、使用に耐え難いた
め破棄又は焼却されるものも多いものであった。 【0007】本発明はこれら従来の製造技術に於ける問
題点に鑑み、その問題点を解決するべく、桜皮の皮目部
分が皮を削った際に生じる欠落部分によって、商品とし
ての価値を損なうこと無く、また、貴重な桜皮を余す事
無く使用できる樺細工の製造方法を提供するものであ
る。 【0008】 【課題を解決するための手段】前記の問題点を解決すべ
く種々研究の結果、上記目的は本発明によって有効に達
成することができる。すなわち本発明にかかる樺細工品
は、下地材に桜の皮を貼着して樺細工品と成る製造方法
において、桜皮の皮目部分が皮を削った際に欠落する部
分および陥没した節目等の凹部に摺漆を施し、前記摺漆
の粘着力を利用し金粉、銀粉等の装飾粉体を摺漆表面に
付着させ、再度摺漆による塗着を繰り返して、欠落部分
ならびに陥没した節目等の凹部を埋めるように表現し、
美観を損なわないようにした事を特徴とする樺細工品の
製造方法を提供し、上述にある種々の問題点を解決して
いる。 【0009】 【発明の実施の形態】本発明は、数回における摺り漆の
技法を用いて金粉、銀粉等の装飾粉体を桜皮材に蒔き以
下の工程を経て完成することができる。 【0010】以下に本発明における桜皮を使用する樺細
工品の製造方法の実施例を図1乃至図8の添付図面に基
いて具体的に説明する。図1は、採取され乾燥した桜皮
をサンドペーパーや刃物を用いて削り剥ぎ取った状態の
外観図であり、図2は、削り剥いだ欠落部分および節目
等の陥没した凹部の状態を示す点線部Aの拡大図であ
る。また図3は、削り剥ぎ取った桜皮の断面図である。 【0011】これらの図に示す通り、桜皮1は桜の木の
樹皮を剥ぎ取り乾燥された後、皮貼り材として加工用に
サンドペーパーや刃物等で薄く皮を削り取って使用され
る。この際、桜皮1の使用表面には傷、打痕等のヘコミ
の他に桜の皮の特徴でもある、桜皮の皮目部分が皮を削
った際に欠落し縞模様の凹部2及び凹部2aが表れる。
特に欠落の状態が激しい場合に、節目痕のように大きな
陥没となる凹部2aなどが、凹部2内にあることも特徴
でそれぞれが均等な凹状態となっている訳ではない。こ
のような桜皮1を使用して下地材に貼りながら製品とす
る樺細工は、第1工程の薄く剥ぎ取りする際に、ある程
度の利用ができるものと、使用に耐えることができない
ものとに選別される。 【0012】樺細工品としては、単に下地材表面にだけ
貼る物と、図4に示すように下地材3を鏡板として表裏
に桜皮1を貼るものがあり、表裏貼り加工工程は全て同
じ加工が施される。このことにおいて本発明における方
法では、表裏どちらにも桜皮を貼った場合においても同
様の手順で行うことができる。 【0013】図5は、樺細工の一実施例として茶筒に桜
皮を貼っている状態を表す外観図である。この場合、茶
筒本体5には蓋4が挿入される部分以外は桜皮を全面的
に貼る加工が通常用いられている。つまり図5に於いて
研磨及び塗装などその他、加工完成前となる荒皮状態と
した桜皮1aを蓋4上面に接着した状態を示している
が、蓋4側面及び茶筒本体5の底面部分及び周辺部分と
なる、未着部6とした下地素材にも桜皮1を接着する。 【0014】次に、図5乃至り図8について図9の工程
手順を示すフローチャートを使用し、加工手順を説明す
ると。図5における蓋4及び茶筒本体5の外周部に工程
2として、工程1で剥ぎ取り削った桜皮1と製品の下地
材(この場合、蓋4及び茶筒本体5)にニカワその他の
接着剤を塗り接着接合する。次に工程3は従来例では最
終工程の前に行っていた工程であるが、本発明では第3
工程として接着後に再度サンドペーパー、刃物等で研磨
を行う。この工程3が実際には最終研磨と成る。次に工
程4として貼着した桜皮1全体の陥没した部分や欠落し
た皮目部分の凹部2及び凹部2aに摺り漆を施す。工程
5として図6に示すように摺漆した部分に金粉、銀粉等
の装飾粉体7を蒔き拭き取る。この場合、工程4で施し
た摺り漆によって凹部2及び凹部2aには漆が塗り込ま
れている事から、この漆の粘着力を利用して装飾粉体7
が取着される。なお実施において使用した装飾粉体7
は、金消し粉とされる黄金色の色彩として装飾効果に優
れる粉体を使用したが、装飾用銀粉など桜皮の装飾を引
き出す粉体であれば如何なる色合いの粉体であってもよ
く、また、漆以外の塗料でも実施ができることから、そ
の他種々の装飾効果に優れた粉体の使用は全て本発明に
包含される。 【0015】工程6は最終工程として、その後数回摺り
漆の技法を施す。このことによって図7及び図8に示す
ように、装飾粉体7が凹部2及び凹部2aに蒔かれ欠落
した皮目部分に埋ったような蒔き皮目8となる。特に、
凹部2aは凹部2内部で陥没した部分であるため、工程
5及び工程6によって装飾粉体7が程よく蒔かれること
から、均一に取着された装飾粉体7によって外観を損な
うことが無く、特に凹部分のへこみが大きい場合であっ
ても装飾粉体によって表面に程よく埋った状態に見え、
欠落の著しい桜皮であっても対応できるものである。 【0016】本発明では以上の工程を行えばよく従来例
にあった最終工程の、仕上げにバフ研磨仕上げ又は表面
塗装仕上げというのが摺り漆の技法を用いるため必要と
しない。以上の実施により、本発明は樺細工製品の製造
を行うものである。 【0017】 【発明の効果】従来は陥没や欠落した皮目部分の穴埋め
作業は、同一材の桜皮の粉体を使用していたことから、
天然の樹皮であるため原材料によって埋める箇所が多い
とコスト高となっており、また、商品として常に良い材
料が先利用されるため、欠落・欠損等が少々あるだけで
も後回しにされることから在庫が蓄積していく一方であ
ったが、本発明によれば少々悪いとされる材料もより良
く活用されることになる。更に、欠落部分が多いものは
使用されず焼却されているものであったが、本発明の樺
細工品の製造方法によれば、上記欠点を全て克服できる
ことによって生ずる効果に加え、欠落部分を気にするこ
となく商品価値を高めることができ、しかも粉体を蒔い
て拭き取ることでよいことから、穴埋めに要する時間を
必要としないため、製造に要する大幅の時間短縮が図れ
る。特に、従来技術では桜皮の選定及び皮貼り及び埋め
に要する技術が、大幅に改善されることから誰にでも簡
単に行え、更には天然の桜皮を使用する上で、使用でき
る商品の選定のためにより多くの皮を要したが、必要以
上に余計な購入を控えることができ特段の経済的効果を
奏するものである。以上の如く本発明による樺細工品の
製造方法によって生ぜしめる効果は絶大なものであり、
極めて実用的有益なる優れた経済効果を奏するものであ
る。
【図面の簡単な説明】 【図 1】 桜皮を削り剥ぎ取った状態の外観図であ
る。 【図 2】 点線部Aの拡大図。 【図 3】 図1に於ける桜皮の要部断面図である。 【図 4】 表裏に桜皮を施した例の断面図である。 【図 5】 茶筒に桜皮を貼っている状態を表す外観図
である。 【図 6】 工程4を施す状態を表す外観図である。 【図 7】 工程4、5を施した後の状態を表す外観
図。 【図 8】 点線部Bの拡大図。 【図 9】 加工工程手順を示すフローチャート図。 【符号の説明】 1: 桜皮 7: 装
飾粉体 1a: 桜皮 8: 蒔
き皮目 2: 凹部2 8a:
蒔き皮目 2a: 凹部 3: 下地材 4: 蓋 5: 茶筒本体 6: 未着部(下地素材)

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 【請求項 1】下地材に桜の皮を貼着して樺細工品と成
    る製造方法において、桜皮の皮目部分が皮を削った際に
    欠落する部分および陥没した節目等の凹部に摺漆を施
    し、前記摺漆の粘着力を利用し金粉、銀粉等の装飾粉体
    を摺漆表面に付着させ、再度摺漆による塗着を繰り返し
    て、欠落部分ならびに陥没した節目等の凹部を埋めるよ
    うに表現し、美観を損なわないようにした事を特徴とす
    る樺細工品の製造方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN100398340C (zh) * 2004-06-26 2008-07-02 李朝阳 仿真白桦树皮工艺品的制作方法
JP2011251718A (ja) * 2010-06-01 2011-12-15 Fujiki Denshiro Shoten Inc 輪筒の製造方法
CN104972543A (zh) * 2014-04-03 2015-10-14 广东盈然木业有限公司 一种木地板表面处理方法

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