JPH02206599A - 漆器の模様付け方法 - Google Patents

漆器の模様付け方法

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JPH02206599A
JPH02206599A JP2645589A JP2645589A JPH02206599A JP H02206599 A JPH02206599 A JP H02206599A JP 2645589 A JP2645589 A JP 2645589A JP 2645589 A JP2645589 A JP 2645589A JP H02206599 A JPH02206599 A JP H02206599A
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Abstract

(57)【要約】本公報は電子出願前の出願データであるた
め要約のデータは記録されません。

Description

【発明の詳細な説明】 [産業上の利用分野] 本発明は、種々の素材の大小様々な漆器に容易に模様付
を行なうことができる漆器の模様付は方法に関するもの
である。
[従来の技術] 漆器に模様を付ける技法としては、従来、上塗りの工程
の後に、所望の位置で塗装面を適当な深さの模様の形状
に削り取って模様形状の凹部を形成し、上記凹部に、地
の色とは異なる色うるしを充填塗装することが行なわれ
ている。多色の模様を描く場合は同様の手順を使用色の
数だけ繰返す訳である。そして乾燥後に表面をなめらか
に研ぎ上げることで模様付けを完了する。
またいまだ公知とはなっていないが5本発明者は、既に
、次のような漆器の模様付は方法を提案している(特願
昭62−297152号)。
これは、 素地に一般の技法により漆塗装用の下地形成工程、下塗
り、中塗り及び上塗りの工程を経た後、上記上塗り上に
、うるしを透過させない所望模様形状のシートを剥離可
能に貼着した上で、所望の色の色うるしを塗布し。
次に上記模様形状のシートを剥離し、上記剥離した部分
以外を、他の形状のシートで貼着被覆した上で、更に他
の所望の色の色うるしを塗布し、その後上記他の形状の
シートを剥離し、一般の技法により研ぎ上げることによ
る漆器の模様付は方法である。
[発明が解決しようとする課題] 前記従来公知の技法では、模様付けには、漆塗装面の該
当する位置を、まず模様の形状に削り取らなければなら
ない、この削除は刃物により手作業で行なわれるもので
あるが、適当な深さにかつ平滑に行なうことは熟練者で
あっても容易なことではない、したがって圃めて非能率
的であり、かつその作業中に刃物により必要外の部分に
傷を付けてしまうこともたびたびあり、こうなると、漆
器の商品価値を全く失うことにもなりかねない。
本発明者の出願に係る後者の技術は、以上の問題点を解
決すべく、対象物品の素地の上塗り上に地の色の色うる
しを塗布する際に、予め模様形状のシートで所望の位置
を被覆しておき、模様形状の凹部な形成させるようにし
、刃物による削除という厄介な作業をなくし、能率的で
、正確に模様を形成し得る方法を提供したものである。
本発明は、更に、これを発展させ、予め凹部を形成する
ことなく、更に簡単に漆器の模様付けを行ない得るよう
にすることを目的としたものである。
[課題を解決するための手段及びその作用]本発明の構
成の要旨とするところは、 予め、芯布材に漆を塗布して漆シートを形成し、更にそ
の漆シートを所望の模様形状にカットして模様漆シート
を形成し、 一方対象物品の素地に、一般の技法により漆塗装用の下
地形成工程、下塗り、中塗り及び上塗りの工程を施し、 上記模様漆シートを、上記対象物品の素地の上塗り上に
貼着した上で、上記模様漆シートの周囲の上記上塗り上
に、上記模様漆シートの厚みを越えるまで所望の色の色
うるしを塗布し、その後、上記模様漆シートの表面が浮
き出るまで一般の技法により研ぎ上げることによる漆器
の模様付は方法である。
即ち、これを少し詳しく、作用とともに説明すると以下
の通りである。
先ず模様漆シートを準備する。初めに漆シートを構成す
る。
上記漆シートは、例えば、次のようにして構成する。
単色の漆シートを構成する場合には、例えば、方形の枠
体を利用する。上記枠体に芯布材を貼付し、前面から色
うるしを塗布し、更に裏面に透過した色うるしを平滑に
延ばして漆シートを仕上げる。上記漆シートは、乾燥後
に枠体より剥離すれば完成である。上記芯布材としては
、−船釣にはうす絹が良好である。用途によっては麻布
等も適当である。
模様入りの多色の漆シートを構成する場合には、上記の
ような枠体ではな(外力によって容易に変形しない板材
、例えば、ベニヤ板又はガラス板等を利用するのが都合
が良い。予めこれらの板材に剥離面を上面にして剥離紙
を貼付し、上記剥離面上に芯布材を載置する。上記芯布
材には先ず地色の色うるしを塗布する。乾燥後に上記芯
布材の漆塗布面に所望の模様形状に外形を切描いたマス
クシートを剥離可能に貼着する。上記マスクシートは、
言うまでもなく、その外形形状及び貼着位置等を自由に
デザインすることができる。しかし後述するように漆シ
ートはこれをカットして模様漆シートを構成するための
素材であるので、それを考慮してデザインを決定するの
が良い。
上記マスクシートとしては、ビニールテープ又はうるし
が浸透しないように処理された布テープ類等を採用する
ことができる。裏面に粘着剤が塗布され、粘着面に剥離
紙が貼着されたテープ類が使い易い。これらのテープ類
を所望の形状に切出して、またはそのまま単に切断した
だけで使用する。
次に上記マスクシートの周囲に上記地色の色うるしを塗
布する。この色うるしは、当然上記マスクシートの貼着
された部分以外に塗布することを目的としている。必要
回数重ねて塗布し、マスクシートの厚みを僅かに越える
程度の塗布を行なう。
乾燥後は、上記塗布面を水ペーパーによりマスクシート
の上面と同一高さになるまで研ぎ上げ、その後、上記マ
スクシートを剥離する。
次にマスクシートを剥離して生じた凹部を中心に他の所
望の色の色うるしを塗布する。繰り返し上記色うるしを
塗布し、上記凹部がその周囲の高さを僅かに越える高さ
まで上記色うるしで埋まった後、乾燥し、その後、塗布
面全体を水ペーパーで平滑に研ぎ上げ、上記凹部に形成
された模様を地の色との間で明瞭に浮き出させる。
その後、芯布材に漆を塗布した部材を剥離紙より剥離す
れば漆シートは完成である。
なお上記に於いて比較的寸法の大きなマスクシートを用
いて大きな模様を描く場合は、芯布材の地の色の色うる
し上に貼着したマスクシートの縁に沿ってその上に幅の
狭い補助マスクシートを更に貼着し、これにより、マス
クシート以外の部分に色うるしを塗布する際のマスク効
果を高めることができる。この場合は塗布後、すぐに補
助マスクシートを剥離するのが良い、その後に研ぎ上げ
る点は同一である。更に上記マスクシートを剥離した後
、凹部の周囲の縁に沿って、同様に幅の狭い補助マスク
シートを貼着し、凹部内のみの塗布を正確に行なうこと
ができる。
なお以上のようにして構成される漆シートは、皮革程度
の柔軟性を有するものとなるが、特に曲面状のそれ又は
部分的に直角等に折曲したゞものが必要な場合は、上記
板材に代えて、筒体の表面又は角材の角部等を利用して
上記手順で漆シートを構成することができる。
前記模様漆シートは、前記単色の漆シート及び上記模様
付きの多色の漆シートの両者又は一方を所望の形状にカ
ットして構成する。カットはハサミ、ポンチ又はカッタ
等により行なうことができる。
上記のようにして構成した模様漆シートは、対象物品に
、一般の技法により、漆塗装用の下地を形成し、上記下
地に、下塗り、中塗り及び上塗りを施した上で、上記上
塗り上に、模様を構成すべく所望の位置関係で貼付する
ものである。
なお上記対象物品は、用途及び大小等いずれも問わない
、たんすのような大型の家具から花瓶のような小型の屋
内装置品まで、更にはイヤリングやネクタイビンのよう
な装身具類まで含む。
しかして対象物品の上記上塗り上に所望の模様形状にカ
ットして構成した模様漆シートを貼着した後は、上記物
品の表面の模様漆シート上以外の部分に地の色を構成す
る所望の色の色うるしを塗布する。塗布を必要なだけ繰
り返し、上記模様漆シートの厚みを僅かに越える塗布を
行なう。
塗装の乾燥後は、その塗装面を水ペーパーで研ぎ、次い
で炭により水研ぎを行なう。更に鹿角を砕いて形成した
角部等を用いて上記模様漆シートによる模様が浮き出る
ように一般の技法により研ぎ上げる。
こうして漆器に所望の模様を容易かつスピーデイに付す
ことができる。
[実施例] 以下図面に基づいて本発明の詳細な説明する。
先ず第1図〜第10図に基づいて第一の実施例を説明す
る。
これは重箱に適用した例に関する。
初めに、重箱素材1に後述する処理を施した後にその処
理表面の所望の位置に貼付すべき模様漆シート2.2・
・・、3.3・・・を準備する。
そこで先ず単色の漆シート4.4・・・及び二色の漆シ
ート5.5・・−を構成する。
上記単色の漆シート4は、次のようにして構成する。
第2図に示したように、方形の枠体6を準備し、上記枠
体6の一側面に芯材である長方形のうす絹7を糊うるし
で貼着し、上記うす絹7の表面に白色の色うるしを塗布
する。この色うるしの塗布は平刷毛によって行なう、な
お上記枠体6は木質である。
更に上記塗布により上記うす絹7の裏面に透過した色う
るしは平刷毛又は木のへらで平滑に延ばして仕上げる。
第3図に示したように、乾燥後に上記枠体6より剥離す
れば漆シート4は完成である。
次に模様入りの多色の漆シート5は次のようにして構成
する。ここでは比較的模様の小さな漆シート5の例につ
いて説明する。
第4図に示したように、平面長方形のガラス板8の一面
上に、剥離面を上面にして剥離紙9を貼着し、上記剥離
紙9の剥離面に芯材であるうす絹7を載置する。こうし
た上で、上記うす絹7には先ず地の色となる白色の色う
るしを塗布する。上記色うるしの乾燥後に、第5図に示
したように、うす絹7の上記色うるし塗布面に、短冊状
にカットしたマスクシート1O110・・・を剥離可能
に貼着する。なお上記マスクシート10.10・・・は
、裏面に粘着剤を塗布しであるビニールテープに剥離紙
を貼着し、剥離紙側からカッタにより短冊状にカットし
て構成したものである。上記マスクシート10.10・
・・はその両端をうす絹7の縁より外に伸びる長さの余
裕を持たせである。
次に上記マスクシート1O110・・・を貼付したりす
絹7の表面には前記色うるしと同色、即ち、白色の色う
るしを30回程度塗り重ねる。この色うるしは、言うま
でもなく、上記マスクシート10、lO−・・の貼付さ
れた位置以外に塗布することを目的としており、上記程
度の回数を重ねて塗布することにより、上記マスクシー
トl0110・・・の厚みを僅かに越える程度の塗布を
行なう。
そして上記色うるしの乾燥後、直方体状のゴム板に巻き
付けた水ペーパーにより、上記うす絹7の色うるし塗布
面を上記マスクシート10、lO・・・の上面と同一面
になるまで研ぎ上げ、その後上記マスクシート10.1
0・・・を剥離する。このとき前記うす絹7の縁より外
方に伸びた端部を持って容易に剥離することができる。
次に第6図に示したように、こうしてマスクシートl0
110・・・を剥離して生じた凹部11.11・・・に
他の色、即ちここでは赤色の色うるしを塗布する。なお
このとき、作業の都合上、上記凹部11.11・・・以
外の部分にも同時に塗布してしまっでも差し支えはない
、三十回程度、繰り返し上記赤色の色うるしを塗布し、
上記凹部11.11・・・が充分色うるしで埋まった後
、乾燥させ、その後、その表面を、前記のように、直方
体状のゴム板に巻き付けた水ペーパーにより平滑に研ぎ
上げ、上記凹部11.11・・・に塗布充填された色う
るしと、その周囲の地の色とで形成された短冊模様を出
現させる。
次いでこうして構成された漆シート5は、第7図に示し
たように、前記ガラス板8上に貼着した剥離紙9から剥
離すれば完成である。
なお以上於いて、地の色に白色を用いたのは、この漆シ
ート5から、後述するようにして模様漆シート3.3・
・・をカットする際に、これに模様下書きを描き易くか
つ見やす(する趣旨でもある。
ところで別の色の模様の漆シート5は、以上と同手順で
、別の色の色うるしを用いて行なう。
なお重箱素材1の角部に配置すべき模様を構成するため
の漆シート5は、上記ガラス板8に代えて角材を用い、
その角部等を利用して上記と同一の手順で構成する。
その後、前記単色の漆シート4及び多色の漆シート5は
、前者をハサミにより蝶形にカットし、蝶形の模様漆シ
ート2.2・・・を構成し、後者をカッタでカットして
長方形の模様漆シート3.3・・・を構成する。
次に第8図に示したような桧材素地の重箱素材lに漆塗
装用の下地を構成し、かつ上記下地上に漆により下塗り
、中塗り及び上塗りを行ない、その上塗り面に、第1図
に示したように、上記模様漆シート2.2・・−13,
3・・・を貼着する。
まず上記桧材素地の重箱素材1の下地の構成について略
述する。これは一般の技法である。
上記重箱素材1の素地のはぎ目や本節等を丸刃で浅く掘
り、その上で、素地に漏出うるしを吸い込ませるように
塗る。次いで室内で自然乾燥させる。その後、更に漏出
うるしと姫糊を等量混合した糊うるしにこくそ綿または
木粉を飽和状態の固さになるまで練り合わせ、これをこ
(その中にこくそべらで平に詰める。
こ(そが乾いて痩せた上に、地の粉と砥の粉の等NR合
物を水練りし、これに約6%の漏出うるしを加えて練り
合わせた切り子を、少々盛り上げるようにへら付けする
。次にこ(その上を木地面と平になるように砥石で水研
ぎする。。
その後、糊うるしで麻布を全体に被覆するように着せて
貼付け、次いで乾燥後、布目の凹凸を中荒砥石で水を用
いずに空研ぎして平にする。
上記空研ぎ後、水練り地の粉に約60%の漏出うるしを
練り合わせたものをへら又は下地刷毛で薄く平らに付け
る。乾燥後、これをもう−回行なう。その次に中荒砥石
で平に水研ぎし、研いだ面をへら又は刷毛により漏出う
るしで固める。
その後、上記漏出うるしで固めた面に切り子地をへらか
刷毛で薄(平に付ける。乾燥後、これをもう−回行なう
。次に切り子地を中荒砥石で平に水研ぎし、研ぎ面を漏
出うるしで固める。
次に以上の下地に構成する前記下塗り、中塗り及び上塗
りについて略述する。
先ず上記下地に黒うるしく無油)に油煙を混ぜたうるし
を薄めに平に塗る。乾燥後、駿河炭で水研ぎをして平に
する。その後、下塗り研ぎ面の凹部をうるし分の多い錆
で補修的につけ、乾燥後に平に研ぐこととする。
次いで、上記下塗り上に、下塗りと同様に、黒うるしに
油煙を混ぜたうるしを薄めにかつ平に塗り、中塗りをす
る。後の手順は上記下塗りと同様である。
更に上記中塗り上に上塗りを行なう。研出黒呂色うるし
を上記中塗りと同様に塗る。この後、上記中塗りと同様
に研ぐ。
上塗りを施した後は、前記したように、重箱素材1の上
塗り上に、蝶形の模様漆シート2,2・・・及び長方形
の模様漆シート3.3・・・を接着剤により貼着する。
長方形の模様漆シート3.3・・・は二枚を一組とし、
相互に短冊模様をずらした状態で側部で接合し、正方形
の状態にして貼付する。第1図はその一配列例である。
なお角部には、前記したように、角材を利用して構成し
た漆シート5をカットしてなる模様漆シート3.3・・
・を貼着する。
次に積み重ねられた各段の境界及び蓋との境界で、その
間にまたがって配置された模様漆シート2.2・・・、
3.3・・・をカットする。このカットは一般のカッタ
を用いて行なう。
この後、第9図に示したように、まず重箱素材1を各段
毎に分離した上で、各段につき、以下のように、地の色
の色うるしの塗布を行なう。
地の色の色うるしとしては黒色の色うるしを用いる。こ
こでは地の色を塗布することが目的であるから、なるべ
く蝶形の模様漆シート2.2・・・及び長方形の模様漆
シート3.3・・・の上は避けてそれ以外の部分に塗布
する。勿論縁の付近には重ねて塗布することとなるのは
やむを得ない。こうして二〜三十程度塗り重ね、模様漆
シート2.2・・・、3.3・・・の厚みを越えるまで
上記黒色の色うるしを塗り重ねる。
次に塗装面を研摩する。水ペーパーにより研ぎ上げ、次
いで炭により水研ぎをして、重箱表面を平滑にし、黒色
の地の色から模様漆シート2.2・・・及び3.3・・
・の表面を浮き出させる。そうして更に鹿角を砕いて粉
にした色粉を用いて一般の技法により、塗装面を摩き、
艶出しをする。
こうして模様付けの工程は完了する。
第10図は模様付けが完了した三段重ねの重箱12を示
している。
次に第二の実施例を略述する。
これも重箱に適用した例に関する。
初めに、重箱素材21に、第一の実施例と同様に、下地
処理をし、次いで下塗り、中塗り及び上塗りを施した上
でその表面の所望の位置に貼付すべき模様漆シート22
.22・・・を準備する。
上記模様漆シート22.22・・・は、漆シート24.
24・・・をカットして構成するものであり、漆シート
24.24・・・は、第一の実施例の漆シート5と同様
の手順で構成するものである。
第12図に示したように、ガラス板28に剥離紙29を
貼着し、上記剥離紙29の剥離面にうす絹27を載置す
る。上記うす絹27には先ず地の色となる白色の色うる
しを塗布する。上記色うるしの乾燥後に、第13図に示
したように、うす絹27の上記色うるし塗布面に、短冊
状にカットしたマスクシート30.30・・・を並列に
並べて剥離可能に貼着する。
次に上記マスクシート30.30・・・を貼付したりず
絹27の表面には前記色うるしと同色、即ち、白色の色
うるしを30回程度塗り重ね、マスクシート30の厚み
を僅かに越える程度の塗布を行なう。続いて上記色うる
しの乾燥後、水ペーパーにより、第14図に示したよう
に、上記うす絹27の色うるし塗布面を上記マスクシー
ト30.30・・・の上面と同一面になるまで研ぎ上げ
、その後、第15図に示したように、上記マスクシート
30.30・・・を剥離する。
次に上記マスクシート30.30・・・の剥離跡に生じ
た凹部31.31・・・に他の色、即ち、赤色の色うる
しを塗布する。上記凹部31.31・・・が充分色うる
しで埋まった後、乾燥させ、その後、その表面を、前記
のように、水ペーパーにより平滑に研ぎ上げ、第16図
に示したように、上記凹部31.31・・・に塗布充填
された色うるしと、その周囲の地の色とで形成された短
冊模様を出現させる。
次いでこうして構成された漆シート24は、第17図に
示したように、前記ガラス板28上に貼着した剥離紙2
9から剥離すれば完成である。
別の色の模様の漆シート24は同手順で、別の色の色う
るしを用いて構成する。
なお重箱の角部に配置すべき模様を構成するための漆シ
ート24は、上記ガラス板28に代えて角材を用い、そ
の角部等を利用して上記と同一の手順で構成する。これ
も第一の実施例と同一である。
その後、上記漆シート24をポンチで打ち抜き、円形の
模様漆シート22.22・・・を構成する。
次に第18図に示したような桧材素地の重箱素材21に
、前記したように、漆塗装用の下地を構成し、かつ上記
下地上に漆により下塗り、中塗り及び上塗りを行ない、
その上塗り面に、第11図に示したように、上記模様漆
シート22.22・・・を貼着する。第11図はその一
配列例を示している。なお角部には、前記したように、
角材を利用して構成した漆シート24をカットしてなる
模様漆シート22.22・・・を貼付する。
次に積み重ねられた各段の境界及び蓋との境界で、その
間にまたがって配置された模様漆シート22.22・・
・をカットする。
この後、第19図に示したように、まず重箱素材21を
各段毎に分離した上で、各段につき、以下のように、地
の色の色うるしの塗布を行なう。
地の色の色うるしとしては黒色の色うるしを用いる。こ
こでは地の色を塗布することが目的であるから、なるべ
く円形の模様漆シート22.22・・・の上は避けてそ
れ以外の部分に塗布する。勿論縁の付近には重ねて塗布
することとなるのはやむを得ない、こうして二〜三十程
度塗り重ね、模様漆シート22.22・・・の厚みを越
えるまで上記黒色の色うるしを塗り重ねる。
次に一般の技法により塗装面を研摩する。先ず水ペーパ
ーにより研ぎ上げ、次いで炭で水研ぎをする。そうして
重箱表面を平滑にし、黒色の地の色から模様漆シート2
2.22・・・の表面を浮き出させる。最後に更に鹿角
を砕いて粉にした色粉を用いて一般の技法により、塗装
面を摩き、艶出しをする。こうして模様付けの工程は完
了する。
第20図は模様付けが完了した三段重ねの重箱32を示
している。
[発明の効果] 本発明によれば、漆器に模様を描くために、対象の物品
の地の色の色うるしを模様形状に削除するという非常に
困難な工程がなくなり、所定の段階まで処理した物品の
素材表面に、予め構成した模様漆シートを貼着し、その
周囲を地の色の色うるしで塗布した上で研ぎ上げるとい
う簡単な工程で模様が描けるので、能率があがり、失敗
もなくなる利点が得られる。
【図面の簡単な説明】
図面は本発明の実施例を示したものである。 第1図〜第10図は第一の実施例を示したもので、第1
図は、重箱素材に模様漆シートを貼着した状態の概略斜
視図、第2図は枠体にうす絹を貼着した状態を示した概
略斜視図、第3図は単色の漆シートの概略斜視図、第4
図はガラス板に剥離紙を介してうす絹を載置した状態を
示した概略斜視図、第5図は第4図のうす絹に色うるし
を塗布した上でマスクシートを貼着した状態を示した概
略平面図、第6図は第5図の状態から色うるしを塗布し
た上でマスクシートを剥離した状態を示した概略平面図
、第7図は漆シートの一部切欠概略斜視図、第8図は重
箱素材の概略斜視図、第9図は模様漆シートを貼着して
各段毎に分離した状態を示した重箱素材の概略斜視図、
第10図は模様付けの完了した重箱の概略斜視図である
。 第11図〜第20図は第二の実施例を示したもので、第
11図は重箱素材に模様漆シートを貼着した状態の概略
斜視図、第12図はガラス板に剥離紙を介してうす絹を
載置した状態を示した概略斜視図、第13図は第12図
のうす絹に色うるしを塗布した上でマスクシートを貼着
した状態を示した概略斜視図、第14図は第13図のう
す組上に色うるしを塗布した状態を示した一部切欠拡大
断面図、第15図は第14図からマスクシートを剥離し
た状態を示した一部切欠側面図、第16図は第15図の
状態に続いて色うるしを塗布した状態を示した一部切欠
側面図、第17図は漆シートの概略斜視図、第18図は
重箱素材の概略斜視図、第19図は模様漆シートを貼着
して各段毎に分離した状態を示した重箱素材の概略斜視
図、第20図は模様付けの完了した重箱の概略斜視図で
ある。 1.21・・・重箱素材、2.3.22・・・模様漆シ
ート、4.5.24・・・漆シート、6枠体、7.27
・・・うす絹、8.28・・・ガラス板、9.29・・
・剥離紙、10.30・・・マスクシート、11.31
・・・凹部、12.32・・・重箱。

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 予め、芯布材に漆を塗布して漆シートを形成し、更にそ
    の漆シートを所望の模様形状にカットして模様漆シート
    を形成し、 一方対象物品の素地に、一般の技法により漆塗装用の下
    地形成工程、下塗り、中塗り及び上塗りの工程を施し、 上記模様漆シートを、上記対象物品の素地の上塗り上に
    貼着した上で、上記模様漆シートの周囲の上記上塗り上
    に、上記模様漆シートの厚みを越えるまで所望の色の色
    うるしを塗布し、 その後、上記模様漆シートの表面が浮き出るまで一般の
    技法により研ぎ上げることによる漆器の模様付け方法。
JP2645589A 1989-02-04 1989-02-04 漆器の模様付け方法 Granted JPH02206599A (ja)

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JP2645589A JPH02206599A (ja) 1989-02-04 1989-02-04 漆器の模様付け方法

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JP2645589A JPH02206599A (ja) 1989-02-04 1989-02-04 漆器の模様付け方法

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Publication Number Publication Date
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