JPH07299071A

JPH07299071A - 体腔内用超音波探触子

Info

Publication number: JPH07299071A
Application number: JP9602894A
Authority: JP
Inventors: Toshio Ito; 寿夫伊藤
Original assignee: Aloka Co Ltd
Current assignee: Hitachi Ltd
Priority date: 1994-05-10
Filing date: 1994-05-10
Publication date: 1995-11-14

Abstract

(57)【要約】【目的】従来の径のままで、振動子の挿入位置より前
方の超音波画像を得る体腔内用超音波探触子を提供す
る。【構成】体腔内用超音波探触子１０は、その探触子先
端部に超音波を送受波する振動子１２と、この振動子１
２を保持する振動子ホルダ１３とを有し、振動子ホルダ
１３は、図示しない操作部からの回転（白抜き矢印１０
０の方向に回転）を伝達するシャフト１４に接続されて
いる。そして、上記振動子１２、振動子ホルダ１３及び
シャフト１４は、音響膜を兼ねた可撓性のチューブ１５
内に収納され、チューブ１５内には水が満たされてい
る。また、振動子１２の超音波送受波２００を偏向する
偏向部材１６が振動子１２の上面に設けられている。こ
の偏向部材１６の素材は、その中を通過する音速が水及
び人体中の音速より速い素材で、その上面は挿入方向か
ら後方に向かって上昇するテーパー状に形成される。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は体腔内用超音波探触子、
特に体腔内用超音波探触子の構造の改良に関する。

【０００２】

【従来の技術】医療分野において、超音波探触子は、特
に被検体あるいは診断部の観察等を行うため超音波診断
装置の入力手段として広範囲に利用されている。例え
ば、体腔内用超音波探触子を用いて消化器系あるいは循
環器系の診断を行う場合においては、探触子を手動で操
作し、被検体の体腔内に挿入した探触子先端部を回転操
作して所望の必要な画像診断を行い、患部をＣＲＴ表示
器の画面状に映し出して観察する方法が広く用いられて
いる。一方、内視鏡は、体腔内に挿入され、体腔内壁を
観察したり、内視鏡の先端から鉗子を出して内壁表面の
患部を切除する等に用いられている。

【０００３】図８に示すように、一般に、体腔内用超音
波探触子１１０には、その探触子先端部に挿入方向に対
して直角の超音波を送受波（「矢印１７」で示す）する
振動子１２が設けられており、この振動子１２は振動子
ホルダ１３に保持されている。また、振動子ホルダ１３
は、金属部材又は硬質の樹脂から成り、図示しない操作
部からの回転（白抜き矢印１００の方向に回転）を伝達
するシャフト１４に接続されている。そして、上記振動
子１２、振動子ホルダ１３及びシャフト１４は、音響膜
を兼ねた可撓性のチューブ１５内に収納されている。ま
た、チューブ１５内が水で満たされている。なお、シャ
フト１４は、バネ状になっており若干の弾性を有し、フ
レキシブルシャフトとも呼ばれる。また、チューブ１５
は、通常透明な樹脂によって形成されている。

【０００４】従って、従来の体腔内用超音波探触子１１
０は、挿入方向に対して直角に超音波の送受信エコーを
行うことにより、体腔内又は血管内の真横の壁の超音波
断層画像を得ていた。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
体腔内用超音波探触子は、超音波の送受信エコーが挿入
方向に対して直角であったために、例えば血管内に血栓
Ｘ等の障害物が存在して血管が狭窄している場合、体腔
内用超音波探触子の先端部が邪魔となって振動子が血栓
Ｘ等の部位に到達できないという問題があった（図９を
参照）。このため、血栓Ｘ等の存在及び位置を確認する
ことができず、診断することができなかった。また、体
腔内用超音波探触子の操作者が、更に体腔内用超音波探
触子を挿入していくと、血栓Ｘ等の障害物に損傷を与え
るおそれもあった。

【０００６】そこで、振動子ホルダを挿入方向に対して
所定量傾けて、振動子からの超音波送受波を前方に偏向
し、前方の超音波画像を得ることも考えられる（図１０
を参照）。

【０００７】しかしながら、この場合、振動子ホルダを
傾けた分だけ、従来に比べ径が太くなり、体腔内用超音
波探触子の径を細くするという要求に逆行することとな
る。本発明は、上記従来の課題に鑑みなされたものであ
り、その目的は、従来の径のままで振動子の挿入位置よ
り前方の超音波画像を得る体腔内用超音波探触子を提供
することである。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明に係る体腔内用超音波探触子は、体腔内及び
血管内に挿入し、挿入方向を軸として経内で振動子を回
動させ、回転する超音波エコーによって壁層及び該壁層
近傍の人体組織を回転する超音波エコーによって画像診
断可能な体腔内用超音波探触子において、前記振動子の
上面に設けられ、水及び人体の音速と異なる部材から成
り、振動子と接する面に対向する面が前記振動子の面に
対して傾斜して形成された偏向手段を有し、超音波エコ
ーの送受波の指向性を所定角度前方にすることを特徴と
する。

【０００９】ここで、偏向手段を構成する部材が、その
中を通過する音波が水及び人体中の音速より速い部材か
ら成る場合には、偏向手段の上面は挿入方向から後方に
向かって上昇するテーパー状に形成する。一方、偏向手
段を構成する部材が、その中を通過する音速が水及び人
体中の音速より遅い部材から成る場合には、偏向手段の
上面は挿入方向から後方に向かって下降するテーパー状
に形成する。

【００１０】また、本発明に係る体腔内用超音波探触子
は、更に前記偏向手段の傾斜上面は、その中を通過する
音速と水及び人体中の音速との相対値に応じて凹面又は
凸面であり、前記振動子の超音波エコーの送受波を前方
の特定部位にフォーカスさせることを特徴とする。

【００１１】ここで、偏向手段を構成する部材が、その
中を通過する音波が水及び人体中の音速より速い部材か
ら成る場合には、偏向手段の傾斜上面を更に凹面に形成
する。一方、偏向手段を構成する部材が、その中を通過
する音速が水及び人体中の音速より遅い部材から成る場
合には、偏向手段の傾斜上面を更に凸面に形成する。

【００１２】

【作用】上記体腔内用超音波探触子の構成によれば、振
動子の上面に、その中を通過する音速が水及び人体中の
音速と異なる部材から成り、振動子と接する面に対向す
る面が前記振動子の面に対して傾斜して形成された偏向
手段を有するので、超音波エコーの送受波の指向性を所
定角度前方にすることができる。これにより、体腔内用
超音波探触子の挿入位置より前方の超音波画像を得るこ
とができる。

【００１３】また、前記偏向手段の傾斜上面が、その中
を通過する音速と水及び人体中の音速との相対値に応じ
て凹面又は凸面であるから、前記振動子の超音波エコー
送信を前方の特定部位にフォーカスさせることができ
る。これにより、体腔内用超音波探触子の挿入位置より
前方のある部分に対して鮮明な超音波画像を得ることが
できる。

【００１４】

【実施例】以下、本発明の好適な実施例を図面に基づい
て説明する。

【００１５】図１は、本発明の好適な実施例に係る体腔
内用超音波探触子の構成を示す断面図である。図２は、
本発明の好適な実施例に係る体腔内用超音波探触子の部
分拡大断面図である。

【００１６】第１実施例図１に示すように、体腔内用超音波探触子１０には、そ
の探触子先端部に超音波を送受波する振動子１２が設け
られており、この振動子１２は振動子ホルダ１３に保持
されている。また、振動子ホルダ１３は、金属部材又は
硬質の樹脂から成り、図示しない操作部からの回転（白
抜き矢印１００の方向に回転）を伝達するシャフト１４
に接続されている。そして、上記振動子１２、振動子ホ
ルダ１３及びシャフト１４は、音響膜を兼ねた可撓性の
チューブ１５内に収納されている。また、チューブ１５
内が水で満たされている。なお、シャフト１４は、バネ
状になっており若干の弾性を有し、フレキシブルシャフ
トとも呼ばれる。また、チューブ１５は、通常透明な樹
脂によって形成されている。

【００１７】本発明の特徴は、振動子１２の超音波送受
波を偏向する偏向部材１６を振動子１２の上面に設けた
ことである。本実施例の場合は、この偏向部材１６の素
材をその中を通過する音速が水及び人体中の音速より速
い素材としたので、偏向部材１６の上面は挿入方向から
後方に向かって上昇するテーパー状に形成される。これ
により、超音波送受波の指向性を所定角度前方にするこ
とができ、体腔内用超音波探触子の挿入位置より前方の
超音波画像を得ることができる。

【００１８】偏向部材１６の素材としては、例えばプラ
スチック、金属等の素材が好適である。

【００１９】ここで、図２に示すように、偏向部材１６
の上面の傾斜角度をφ₁、偏向部材１６中の音速を
ｃ₂、またチューブ内に満たされている水の中の音速を
ｃ₁とすると、超音波送受波２００の角度は、θ₁だけ
前方に偏向することができる。すなわち、偏向部材１６
の上面の傾斜角度φ₁と、偏向部材１６中の音速ｃ
₂と、水の中の音速をｃ₁とが分かれば以下に示す関係
式によって、偏向角θ₁を定めることができる。

【００２０】

【数１】ｓｉｎ（φ₁−θ₁）／ｓｉｎφ₁＝ｃ₁／ｃ₂ （ｃ₁＜ｃ₂）従って、体腔内用超音波探触子の操作者は、偏向角θ₁
から超音波の送受波した前方までの距離を認知でき、得
られた円錐状の超音波画像からどこまで診断したかを把
握できる。なお、本実施例の場合は、円錐状の超音波画
像全体を観察することができる。

【００２１】第２実施例図３は、本発明の好適な第２の実施例に係る体腔内用超
音波探触子の部分拡大断面図である。

【００２２】本実施例の特徴は、その中を通過する音速
が水及び人体中の音速より遅い素材から成る偏向部材２
６を振動子１２の上面に設け、振動子１２の超音波送受
波を偏向することとしたことである。そして、偏向部材
２６上面は、挿入方向から後方に向かって下降するテー
パー状に形成されている。これにより、超音波送受波の
指向性を所定角度前方にすることができ、体腔内用超音
波探触子の挿入位置より前方の超音波画像を得ることが
できる。

【００２３】偏向部材２６の素材としては、例えばゴム
系の素材が好適であり、シリコンゴム等が挙げられる。

【００２４】ここで、図３に示すように、偏向部材２６
の上面の傾斜角度をφ₂、偏向部材２６中の音速を
ｃ₃、またチューブ内に満たされている水の中の音速を
ｃ₁とすると、超音波送受波２０２の角度は、θ₂だけ
前方に偏向することができる。すなわち、偏向部材２６
の上面の傾斜角度φ₂と、偏向部材２６中の音速ｃ
₃と、水の中の音速をｃ₁とが分かれば以下に示す関係
式によって、偏向角θ₂を定めることができる。

【００２５】

【数２】ｓｉｎ（φ₂−θ₂）／ｓｉｎφ₂＝ｃ₁／ｃ₃ （ｃ₃＞ｃ₂）従って、体腔内用超音波探触子の操作者は、偏向角θ₂
から超音波の送受波した前方までの距離を認知でき、得
られた円錐状の超音波画像からどこまで診断したかを把
握できる。なお、本実施例の場合も、円錐状の超音波画
像全体を観察することができる。

【００２６】第３実施例図４は、本発明の好適な第３の実施例に係る体腔内用超
音波探触子の部分拡大断面図である。

【００２７】本実施例の特徴は、その中を通過する音速
が水及び人体中の音速より速い素材から成り、その上面
が挿入方向から後方に向かって上昇するテーパー状で、
かつ凹面に形成された偏向部材３６が振動子１２の上面
に設けられていることである。これにより、振動子１２
の超音波送受波の指向性を所定角度前方に偏向し、体腔
内用超音波探触子の挿入位置より前方の超音波画像が得
られ、かつ所定の位置に超音波をフォーカスすることが
できる。なお、偏向部材３６の素材としては、第１実施
例と同様である。偏向部材３６の上面は、凹面となっ
ているために、図４に示すように、超音波送受波２０４
は、特定個所にフォーカスされる。また、傾斜角及び凹
面の角度によって、偏向角が決定される。

【００２８】従って、体腔内用超音波探触子の操作者
は、偏向角から超音波の送受波した前方までの距離を認
知でき、得られた円錐状の超音波画像からどこまで診断
したかを把握できる。また、超音波の送受波をフォーカ
スすることにより、体腔内の所定部位の鮮明な超音波画
像を得ることができ、診断に利用することができる。

【００２９】第４実施例図５は、本発明の好適な第４の実施例に係る体腔内用超
音波探触子の部分拡大断面図である。

【００３０】本実施例の特徴は、その中を通過する音速
が水及び人体中の音速より遅い素材から成り、その上面
が挿入方向から後方に向かって下降するテーパー状で、
かつ凸面に形成された偏向部材４６が振動子１２の上面
に設けられていることである。これにより、振動子１２
の超音波送受波の指向性を所定角度前方に偏向し、かつ
所定の位置に超音波をフォーカスすることができ、体腔
内用超音波探触子の挿入位置より前方の超音波画像を得
ることができる。なお、偏向部材４６の素材としては、
第２実施例と同様である。

【００３１】偏向部材４６の上面は、凸面となっている
ために、図５に示すように、超音波送受波２０５は、特
定個所にフォーカスされる。また、傾斜角及び凸面の角
度によって、偏向角が決定される。

【００３２】従って、体腔内用超音波探触子の操作者
は、偏向角から超音波の送受波した前方までの距離を認
知でき、得られた円錐状の超音波画像からどこまで診断
したかを把握できる。また、超音波の送受波をフォーカ
スすることにより、体腔内の所定部位の鮮明な超音波画
像を得ることができ、診断に利用することができる。

【００３３】以上、本発明の好適な実施例について述べ
たが、図６に示すようにいずれの実施例の場合も、超音
波送受波２１０が挿入方向に対して角度θだけ偏向され
る。従って、体腔内用超音波探触子１０の振動子が所定
部位ａに到達しなくとも、所定部位ａまで超音波送受波
２１０を送波することができ、図７に示すように、円錐
状の超音波画像３００に所定部位ａを映すことができ
る。

【００３４】

【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る体腔
内用超音波探触子によれば、振動子の上面に、その中を
通過する音速が水及び人体中の音速と異なる部材から成
り、振動子と接する面に対向する面が前記振動子の面に
対して傾斜して形成された偏向手段を有するので、超音
波エコーの送波の指向性を所定角度前方にすることがで
きる。これにより、体腔内用超音波探触子の挿入位置よ
り前方の超音波画像を得ることができる。

【００３５】また、前記偏向手段の傾斜上面が、その中
を通過する音速と水及び人体中の音速との相対値に応じ
て凹面又は凸面であるから、前記振動子の超音波エコー
送信を前方の特定部位にフォーカスさせることができ
る。これにより、体腔内用超音波探触子の挿入位置より
前方の所定部位に対して鮮明な超音波画像を得ることが
できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の好適な実施例に係る体腔内用超音波探
触子の構成を示す断面図である。

【図２】本発明の好適な実施例に係る体腔内用超音波探
触子の部分拡大断面図である。

【図３】本発明の好適な第２の実施例に係る体腔内用超
音波探触子の部分拡大断面図である。

【図４】本発明の好適な第３の実施例に係る体腔内用超
音波探触子の部分拡大断面図である。

【図５】本発明の好適な第４の実施例に係る体腔内用超
音波探触子の部分拡大断面図である。

【図６】本発明の体腔内用超音波探触子から偏向された
超音波送波を説明する説明図である。

【図７】本発明の体腔内用超音波探触子によって得られ
た超音波画像の表示例を示す図である。

【図８】従来の体腔内用超音波探触子の構成を示す断面
図である。

【図９】血栓により狭窄した血管に従来の体腔内用超音
波探触子を挿入した状態を説明する図である。

【図１０】従来の構成で超音波送受波を偏向する場合の
体腔内用超音波探触子の構成を示す断面図である。

【符号の説明】

１０体腔内用超音波探触子１２振動子１３振動子ホルダ１４シャフト１５チューブ１６、２６、３６、４６偏向部材 φ₁、φ₂ 傾斜角度 θ₁、θ₂ 偏向角

Claims

【特許請求の範囲】

【請求項１】体腔内及び血管内に挿入し、挿入方向を
軸として経内で振動子を回動させ、回転する超音波エコ
ーによって壁層及び該壁層近傍の人体組織を回転する超
音波エコーによって画像診断可能な体腔内用超音波探触
子において、前記振動子の上面に設けられ、その中を通過する音速が
水及び人体と異なる部材から成り、振動子と接する面に
対向する面が前記振動子の面に対して傾斜して形成され
た偏向手段を有し、超音波エコー送受波の指向性を所定角度前方にすること
を特徴とする体腔内用超音波探触子。
【請求項２】請求項１記載の体腔内用超音波探触子で
あって、更に前記偏向手段の傾斜上面は、その中を通過する音速
と水及び人体中の音速との相対値に応じて凹面又は凸面
であり、前記振動子の超音波エコーの送受波を前方の特
定部位にフォーカスさせることを特徴とする体腔内用超
音波探触子。