JPH0729842U - ウェーハ収納容器 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 ウェーハ収納容器内でのウェーハ支持緩衝材
の倒れ込み防止とねじれ方向の変形防止を図り、ウェー
ハを安定保持する。 【構成】 ウェーハＷの多数枚をそれぞれ一定間隔をお
いて配列坦持しうる弾性リブ１を複数並列突設して各弾
性リブ１，１間にＶ溝状のウェーハ収納溝２を形成した
ケース状のキャリア３を、ウェーハ収納容器本体４に嵌
脱自在に設け、該容器本体４に蓋体５が開閉自在に設け
られ、該蓋体５の内面に嵌装されるウェーハ緩衝材支持
枠体にウェーハの上端縁に当接する押え片６対設すると
共に、該ウェーハ緩衝材支持枠体８が支承される係止部
材９と固定部材１０とを前記蓋体５の内面に突設したこ
とで、ウェーハの反発力を受けても緩衝支持部材が倒れ
込まず、ねじれ変形も起こらないでウェーハの保持力の
バラツキがなく安定的に保持できる。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、半導体関連のウェーハ，マスク原板，フォトマスクなどの精密基板 を安全に輸送，保管，取り扱えるウェーハ収納容器に関するものである。

【０００２】

【従来の技術】

一般に、半導体単結晶柱体をスライスして薄板状としたウェーハなどの精密基 板は、各種電子機器類での集積回路を作るためにユーザーに向けて大量に輸送， 保管する場合が多く、高価で薄くて脆く、しかも汚染を極端に嫌う半導体ウェー ハを損傷，汚染から守るために取扱上、運搬用の密閉容器内に多数枚を安全に配 列保持収容する配慮が必要である。 従来、この輸送用容器内では、各ウェーハを互いに接触，衝突しないように一 定間隔をおいて個別に整然と配列されて収容するのに、樹脂またはゴムの弾性片 を持った支持板などの緩衝材により弾性的に保持して、輸送中の振動を緩衝して ウェーハの破損やウェーハの支持部材とのガタつき摩擦接触によって生ずる微粉 の発生を防止していて、このウェーハを弾性的に保持する緩衝材として実開平１ −１２９８３６号公報などが知られている。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

ところが、容器内に緩衝材を介在配備しても、緩衝材ケース内での固定手段が 図５Ａのようになかったりすると、緩衝部ａの枠部ｄがケースｃ内で倒れ込んで しまったり、図５Ｂのように緩衝部ａを支えるリブｂをケースｃに設けても、枠 部ｄが外方側に広がるようにねじれて変形するなど固定手段が適切でない場合に は、ウェーハ保持力にバラツキが生じてウェーハの破損や汚染に影響を与えるこ とが多い。即ち、ウェーハの反発力で緩衝材におけるウェーハの弾性押え片だけ でなく、押え片の支持部までがずれたり倒れ込んでしまってウェーハ保持力の低 下やバラツキが生じ、十分な弾性的保持機能が得られず、またガタつきによって ウェーハ面を汚したり、摩擦接触で微粉発生の原因ともなって汚染防止をも十分 満足できないなど不具合があって、しかも取扱作業も厳格，煩雑となって信頼性 の上でも問題があった。 本考案では、これら従来の諸欠点を除去しようとするもので、ウェーハの安定 確実な担持ができ、容器内でのウェーハの緩衝吸収保持機能を大巾に向上させ、 取扱処理を簡便化させることを目的としたものである。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案は、ウェーハの多数枚をそれぞれ一定間隔をおいて配列担持しうる弾性 リブを複数並列突設して各弾性リブ間にウェーハ収納溝を内部に備えたウェーハ 収納容器本体に蓋体が開閉自在に設けられ、該蓋体の内面に嵌装されるウェーハ 緩衝材支持枠体にウェーハの上端縁に当接する押え片を対設すると共に、該ウェ ーハ緩衝材支持枠体が支承される係止部材と固定部材とを前記蓋体内面に突設し たものである。

【０００５】

【作用】

容器本体内に挿入されたウェーハは、蓋体をかぶせると、ウェーハ収納溝上に 嵌挿されるウェーハ緩衝材支持枠体が緩衝材としてウェーハ押え片の支持部を係 止部材と固定部材との間に嵌入支持させて緩衝材の支持部が倒れ込まないし、ま た固定部材にウェーハ緩衝材支持枠体の支持部が当たってねじれ方向に変形する ことを防止して安全に支持できる。即ち、ウェーハの反発力を受けても緩衝材支 持枠体は係止部材で支えられ、固定部材で停止されているために倒れ込まないし 、両部材間に緩衝材枠部が固定されているので、ねじれ変形も起こらない。 このため、緩衝材支持部の倒れ込みやねじれ変形で押圧力が吸収されてしまう ことなく、弾性押え片のみの変形に従ったウェーハ保持力が得られて、ウェーハ 保持力はバラツキが少なく、設計値に近いものとなり緩衝性も良好で、ウェーハ は安定的に保持される。 しかも、ウェーハは収納溝の隙間をおいてそれぞれ個別に支持されるため、輸 送中における振動に充分に対応し、緩衝的保持で安全性が大巾に高められ、ウェ ーハが他の部品と接触し微粉を発生したり、損傷を受ける恐れがなく用いられる し、ウェーハの出し入れや閉蓋などの取扱も簡便安全で収納，保管，運搬の各作 業に良好に用いられるものである。

【０００６】

【実施例】

本考案の実施例を図１乃至図５の例で説明すると、ウェーハＷの多数枚をそれ ぞれ一定間隔をおいて配列担持しうる弾性リブ１を複数並列突設して各弾性リブ １，１間にＶ溝状のウェーハ収納溝２を形成したケース状のキャリア３を、ウェ ーハ収納容器本体４に嵌脱自在に設け、該容器本体４に蓋体５が開閉自在に設け られ、該蓋体５の内面に嵌装されるウェーハ緩衝材支持枠体８にウェーハの上端 縁に当接する押え片６を支持部７で対設すると共に、該ウェーハ緩衝材支持枠体 ８が支承される係止部材９と固定部材１０とを前記蓋体５の内面に突設してウェ ーハ収納容器としてある。

【０００７】 前記ウェーハ押え片６は、前記ウェーハ収納溝２の上面に対設されるスリット １１或いは凹部を形成した帯状片で支持部７から折り曲げられ、ウェーハ上端縁 を弾性的に嵌支するもので、四角形のウェーハ緩衝材支持枠体８と一体に対向し て一対成形されていて、該支持枠体８で蓋体５の内面に嵌挿セットできるように してある。

【０００８】 前記係止部材９と固定部材１０とは、緩衝材としてのウェーハ押え片６の支持 部７の倒れ込み防止とずれ込み防止のための支持部７を受ける板状リブまたは突 壁で構成され、該板状リブとした場合、係止部材９では機能面を考慮して支持部 ７の高さの４分の１以上の高さとし、蓋体５内の内方側に設けると共に、係止部 材９だけでは板状リブ先端を中心とした回転方向にねじれ変形を起こすので、係 止部材９に沿設した板状リブの固定部材１０で支持部７を挟持支承できるように してあって、該固定部材１０が、前記ウェーハ緩衝材支持枠体８の容器本体４で の内外方向への移動を阻止する一対の板状リブ或いは突壁で構成されているが、 係止凹部で両壁を形成してもよい。

【０００９】 前記容器本体４と蓋体５との嵌合周縁部にはリング状のシール部材１２を介在 配備して密閉性を良好にしてある。 なお、前記キャリア３は、合成樹脂系の弾性材で成形され、容器本体４との間 に隙間をあけて嵌装保持できるように容器本体４，底面の凸壁１４に嵌め込まれ 、上方外周縁には対向してフランジ１３を設けて容器本体４への出入れ取扱い操 作がしやすい内箱状に構成して、ウェーハ収納溝２を容器本体４の内部に備えら れるようにしてあるが、ウェーハ収納溝２を容器本体内に直接設けて備えてもよ い。 また、この容器本体４及び蓋体５は、内外圧の変化に対応できるように適所に リブを備えた強靱な構造体とし、その製作には内容物が透視可能なポリカーボネ ート，ポリプロピレン，ポリエチレン，ＰＢＴ樹脂などのプラスチックからなる 剛性の高い合成樹脂材質を用いるのが好ましい。

【００１０】 図４の実施例では、前記係止部材９と固定部材１０とが、前記蓋体５の壁体を 凹凸面９₁ ，１０₁ で形成したもので、該凹部及び凸部間に前記ウェーハ緩衝材 支持枠体８が嵌装定着できるようにしてある。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、ウェーハの多数枚をそれぞれ一定間隔をおいて配列担持しうる弾性 リブを複数並列突設して各弾性リブ間にウェーハ収納溝を内部に備えたウェーハ 収納容器本体に蓋体が開閉自在に設けられ、該蓋体の内面に嵌装されるウェーハ 緩衝材支持枠体にウェーハの上端縁に当接する押え片を対設すると共に、該ウェ ーハ緩衝材支持枠体が支承される係止部材と固定部材とを前記蓋体内面に突設し たことにより、ウェーハの反発力を受けても緩衝材支持枠体は係止部材で支えら れ、固定部材で停止されているために倒れ込まないし、両部材間に緩衝材枠部が 固定されているので、ねじれ変形も起こらない。 このため、緩衝材支持部の倒れ込みやねじれ変形で押圧力が吸収されてしまう ことなく、弾性押え片のみの変形に従ったウェーハ保持力が得られて、ウェーハ 保持力はバラツキが少なく、設計値に近いものとなり緩衝性も良好で、ウェーハ は安定的に保持されるし、ウェーハ容器本体へ挿入が迅速かつ容易で単純作業で の多量処理を安全に行うことが可能となり、ウェーハ上端縁部は常に押え片によ り収納溝の中心にセットされて接触されるのは一部のみで担持ができ、挿入時お よび挿入後の輸送中または保管中において、ウェーハが容器内の収納溝から外れ たりすることなく、かつガタつかないで振動に耐え、他の部品との接触による微 粉発生や損傷を受けるおそれがなく、振れ止めで容器内における安定した担持が 可能で、担持させる取扱操作も簡便である。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例を示す分離状態の斜視図であ
る。

【図２】図１の例の使用状態の縦断面図である。

【図３】図１の例の蓋体の内面を示す平面図である。

【図４】本考案の他の実施例の縦断面図である。

【図５】従来例の使用状態の縦断面図で、Ａは固定手段
のないもの、Ｂは固定手段が不適切なもの。

【符号の説明】

Ｗ ウェーハ １ 弾性リブ ２ ウェーハ収納溝 ３ キャリア ４ 容器本体 ５ 蓋体 ６ ウェーハ押え片 ７ 支持部 ８ ウェーハ緩衝材支持枠体 ９ 係止部材 １０ 固定部材 １１ スリット １２ シール部材

Claims (4)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 ウェーハの多数枚をそれぞれ一定間隔を
   おいて配列担持しうる弾性リブを複数並列突設して各弾
   性リブ間にウェーハ収納溝を内部に備えたウェーハ収納
   容器本体に蓋体が開閉自在に設けられ、該蓋体の内面に
   嵌装されるウェーハ緩衝材支持枠体にウェーハの上端縁
   に当接する押え片を対設すると共に、該ウェーハ緩衝材
   支持枠体が支承される係止部材と固定部材とを前記蓋体
   内面に突設したことを特徴とするウェーハ収納容器。
2. 【請求項２】 前記係止部材と固定部材が、前記ウェー
   ハ緩衝材支持枠体の容器本体での内外方向への移動を阻
   止する一対の板状リブ或いは突壁である請求項１記載の
   ウェーハ収納容器。
3. 【請求項３】 前記係止部材と固定部材が、前記蓋体壁
   に形成した凹凸面で備えられている請求項１記載のウェ
   ーハ収納容器。
4. 【請求項４】 前記ウェーハ押え片が、前記ウェーハ収
   納溝の上面に対設されるスリット或いは凹部を形成した
   帯状片で支持枠体から折り曲げられ、ウェーハ上端縁を
   弾性的に嵌支するものである請求項１，２または３記載
   のウェーハ収納容器。