JPH0729799Y2 - 多連植付ア−ムにおけるカム軸 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本案はロータリー植付装置において、植付アーム、すな
わち植付爪ケースを多連型とした多連植付アームにおけ
るカム軸に関するものである。

（従来技術） 従来、例えば特願昭60-164863号にみられるようにロー
タリー植付爪を有するものにおいて、複数の植付爪ケー
ス同志を互いに連動連結してこれらを遊星歯車機構のあ
るロータリーケースに連結して駆動するようにしたもの
は、共通のカム軸を利用して各植付爪ケースのプッシュ
レバーを作動している。

（考案が解決しようとする問題点） 以上のものによると、カムをカム軸に固定するためにキ
ー等を使用しなければならない。

したがって、ガタがないようにするためには加工精度を
必要とし、各植付爪ケースにおけるカムの取付を一定の
ものとするには更に加工精度を必要とする。カムにガタ
があると、各植付爪ケースにおける押出爪の押出し引き
上げのタイミングにずれを生じる。

（問題点を解決するための手段） したがって本案の技術的課題は、各植付爪ケースにおけ
る押出し爪の動作にずれを生じない多連植付アームをう
ることを目的とするもので、この技術的課題を解決する
本案の技術的手段は、ロータリー植付装置が具備する複
数の植付爪ケース同志を互いに連動連結して、これらを
遊星歯車機構のあるロータリーケースに連結して駆動す
ることができるようにし、かつカム軸の右端を、遊星歯
車を介して連動する駆動軸に固定された右端の植付爪ケ
ースに支承するとともに、上記カム軸の左端を左端の植
付爪ケースより突出して支持枠の支軸で支持された板体
に固定することにより、各植付爪ケースの押出爪のプッ
シュロッドを作動するプッシュレバーを共通のカム軸を
利用して作動させるようにしたものにおいて、ピン等を
使用しないでカムを固定するために、カム軸の断面形状
を非円形とする構成をとっている。このように断面形状
を非円形とするカム軸に対して固定するカムは、カム軸
の断面形状に相当する形状の透孔を穿設した構成のもの
である。

（実施例） 以下、図面に示す実施例について説明する。先ず、ロー
タリーケースから説明すると、第２図において、入力軸
（１）は植付伝動ケース（２）に対して回転自在であ
る。

入力軸（１）には、太陽歯車（３）が遊嵌されている。
ただし、これは、太陽歯車位相調節部材（４）を介し
て、植付伝動ケース（２）に固定されている。

入力軸（１）の端部には、中空状の２つ割ロータリーケ
ース（５）が軸架されており、ボルト（６）により入力
軸（１）に固定されている。

ロータリーケース（５）には太陽歯車（３）と噛合し、
かつ太陽歯車（３）と同歯数の中間歯車（７）（７）が
中間軸（８）（８）を介して回転自在に設けられてお
り、駆動軸（14）上には、中間軸（８）上の中間歯車
（７）（７）に常時噛合する太陽歯車（３）と同歯数の
遊星歯車（10）（10）が取付けられている。

これら太陽歯車（３）、中間歯車（７）、遊星歯車（1
0）は、回転中心から適宜寸法偏心した歯車である。

さて、回転体としてのロータリーケース（５）がその回
転軸である入力軸（１）により自転すると、植付伝動ケ
ース（２）に対して回転不能の太陽歯車（３）に噛合す
る中間歯車（７）は、ロータリーケース（５）の自転に
伴って、その自転の回転角度と同じ回転角度だけ同方向
に自転する。

この中間歯車（７）に、遊星歯車（10）を介して連動す
る駆動軸（14）は、中間歯車（７）の自転によって、ロ
ータリーケース（５）の自転方向と逆方向に自転するか
ら、後述するように駆動軸（14）に直結する植付爪ケー
ス（13）は、苗載台の方向を向いた姿勢状態で入力軸
（１）を中心に旋回運動することになり、この旋回運動
中において、苗載台に面する側を上から下に下降すると
き、その後述する植付爪（23）の先端部にて苗載台上の
苗マットから苗を一株だけ分割したのち、その下降下限
において圃場面に植付し、その後において圃場面より上
昇するもので、植付時に後述する押出爪（22）が苗を押
出すので、苗は植付爪（23）から離れる。又、前記した
ように、太陽歯車（３）、中間歯車（７）、遊星歯車
（10）の何れもが偏心しているので、植付爪（23）の爪
先端の運動軌跡の閉ループは一方によりカーブし、他方
はより直線に近いところの偏形の楕円状の閉ループ曲線
となっている。

以上のようなロータリー植付爪を多連型とするには、各
植付爪ケース（13a）（13b）（13c）、及び（13d）（13
e）（13f）は互いに連結パイプ（24）で連結する。

そして、遊星歯車（10）（10）と連動する駆動軸（14）
（14）は、右端の植付爪ケース（13a）（13d）に固定さ
れており、左端の植付爪ケース（13c）（13f）は支持枠
（25）の支軸（26）で支持された板体（27）で回転でき
るよう支持されている。

中央の植付爪ケース（13b）（13e）は連結パイプ（24）
（24）によって左右の植付爪ケース（13c）、（13f）；
（13a），（13d）に連結され、かつカム軸（９）によっ
て固定されている。

そして、カム軸（９）の右端は、植付爪ケース（13a）
（13d）に支承され、カム軸（９）の左端は、板体（2
7）に固定されている。

次に、植付爪ケース（13）には、植付爪（23）と押出爪
（22）とがあるが、押出爪（22）は、プッシュロッド
（16）によって往復動し、プッシュロッド（16）の受金
具（17）にはスプリング（18）が作用している。

受金具（17）のピン（19）には、プッシュレバー（21）
が取付けられ、プッシュレバー（21）はその突片（28）
がカム（29）で揺動することにより、スプリング（18）
に抗してプッシュロッド（16）を後退させる。

以上のように、ロータリーケース（５）と連動連結する
駆動軸（14）に固定の植付爪ケース（13d）と板体（2
7）との間にカム軸（９）を張架し、連結パイプ（24）
（24）を介してロータリーケース（５）で板体（27）を
回転せしめることができるので、各植付爪ケース（13
a）（13b）（13c）、（13d）（13e）（13f）の植付爪は
苗を植付けるように作動する。

本案は、以上のようなものにおいてカム軸（９）を非円
形の断面形状としたものである。第１図における（イ）
〜（リ）はその形状を示すもので、そのうち、（ロ）
（ハ）（チ）（リ）は軸受（30）（31）で支持できる
が、（イ）（ニ）（ホ）（ヘ）（ト）の形状は軸受（3
0）（31）で支持できないので、（ヘ）に図示したよう
に外形が軸受で支持できる円形で、カム軸（９）は内部
で支持できるスペ−サ−（32）を用いる。

（イ）は楕円であり、（ニ）（ホ）（ヘ）（ト）はそれ
ぞれ六角形、四角形、菱形、八角形断面のものであり、
（ロ）（ハ）（チ）（リ）は外形が円形であって凹部、
凸部のあるもの、又は円形の両側面を平面に切断した形
のもの等である。

そして、このような断面形状が非円形のカム軸（９）に
対してカム（29）を取付けるには、カム（29）にカム軸
（９）の非円形の断面形状に相当する形状の透孔を穿設
し、この透孔をもってカム（29）をカム軸（９）に貫挿
するものであるから、ピンをその他の固定具を使用する
ことなく、カム（29）とカム軸（９）との間に遊びがな
いように取付けることができる。

（考案の効果） 本考案は、ロータリー式植付装置において、多連植付ア
ームにおけるカム軸の断面形状を非円形としたものであ
るから、この断面形状が非円形のカム軸に取付けるカム
は、非円形のカム軸の断面形状に相当する形状の透孔を
穿設したものであり、この透孔を有するカムをカム軸に
挿通することにより、カム軸と、押出爪の作動に関係す
るプッシュレバーを作動するカムとの間の固定に、ピ
ン、キー等を用いる必要がなく、したがってピン、キー
等によるがたを生ずるおそれがないから、各植付爪ケー
スの押出爪の押し出し及び引き上げのタイミングにずれ
を生ずることなくその作動が円滑となる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本案カム軸を示す説明図、 第２図は多連植付アームの一部切断正面図、 第３、４、５図は植付アームの切断正面図、切断平面
図、切断側面図、 第６図は変形プッシュレバーの拡大図である。 （５）……ロータリーケース （９）……カム軸 （13）……植付アーム

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】ロータリー植付装置が具備する複数の植付
   爪ケース同志を互いに連動連結して、これらを遊星歯車
   機構のあるロータリーケースに連結して駆動することが
   できるようにし、かつカム軸の右端を、遊星歯車を介し
   て連動する駆動軸に固定された右端の植付爪ケースに支
   承するとともに、上記カム軸の左端を左端の植付爪ケー
   スより突出して、支持枠の支軸で支持された板体に固定
   することにより、各植付爪ケースの押出爪のプッシュロ
   ッドを作動するプッシュレバーをカムと共通のカム軸を
   利用して作動させるようにしたものにおいて、カムを固
   定するために、カム軸の断面形状を非円形としたことを
   特徴とする多連植付アームにおけるカム軸。