JPH0729795B2 - 石英ガラス製バーナ - Google Patents

Description

【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は多重管構造の石英ガラス製バーナに係り、特に
複数の流路より夫々燃焼ガスと支燃性ガスとを個別に吹
き出させ、該吹き出し口より加工又は処理位置に達する
までの間に両者を混合させながら所定の火炎流を形成す
る、外部混合式の石英ガラス製バーナに関する。

「従来の技術」 石英ガラスは光学的、熱的、化学的などの諸特性に優れ
ている事から、各種の用途に用いられているが、近年そ
の利用範囲が光ファイバーや半導体工業等のエレクトロ
ニクス分野に拡大するに連れ、一層高純度と高精度化が
要求されて来た。

そしてこのような石英ガラスの熱処理や加工を行う治具
として従来より、金属性の酸水素バーナを用いて加工を
行って来たが、金属性のバーナを用いると、該金属より
遊離した金属蒸気又はその酸化物が、ガス流や火炎流と
ともに前記石英ガラス表面に付着し、高純度の製品を得
られないという問題を有する。

この為、近年前記金属バーナの代わりに石英ガラスのバ
ーナを用いて加工する方法が提案されてきたが、石英ガ
ラスの場合は金属と異なり精密な切削加工が困難である
為に又例え可能であるにしてもその加工工数が大である
為に、一般に管状体を用い該管状体をあぶりながら曲
げ、縮径や拡径、又は溶着等の熱加工手段により形成さ
れていた。

この為前記石英ガラスバーナにおいて例えば酸水素バー
ナを形成する場合は、断面口径の異なる複数の管路を同
心状に配設し、該管路に夫々燃焼ガスと酸素ガスを導入
し、その先端側の吹出口より前記両ガスを噴出させなが
ら外部混合を行う、同心管構造のガスバーナを従来採用
していたが、このような同心管構造では、前記吹出口の
口径を大きくする程、内管より噴出される酸素ガスと外
筒より噴出される水素ガスの混合が不十分になり、強い
火力が得られなかった。

かかる欠点を解消する為に、前記外筒先端部に拡径した
吹出口を設けるとともに、前記外筒内に挿設された単一
の内管（支燃性ガス供給管路）より多数の分岐管を分岐
させ、該分岐管を吹出口噴出方向に延設させる事により
吹出口内に均等に前記分岐管を散在配置させ、吹出口を
大口径化した場合においても、該吹出口より噴出される
水素ガスと分岐管より噴出される酸素ガスとの均一混合
を可能なさしめようとしたる技術が提案されている。

「発明が解決しようとする問題点」 しかしながら前記従来技術のように単一の内管より引き
出された多数の分岐管を吹出口内に散在配置する構成で
は、必然的に、中心側に位置する分岐管群が、その外側
に位置する分岐管群より少なくなり、この結果中心側部
位で支燃性ガスの供給不足が生じ、強い火力を得る事が
不可能になるとともに、その火力強さが不均一化し、被
処理物への適切な熱処理や熱加工を行う事が出来ない。

又かかる欠点を解消する為に、中心側に高密度で分岐管
を散在配置しようとすると、前記分岐管が障害となって
吹出口内に導入された燃焼ガスが中心側に円滑に回ら
ず、やはり火炎強さが周縁側に偏在し、被処理物への適
切な熱処理や熱加工を行う事が出来ない。

又前記従来技術において、単一の内管より直接多数の分
岐管を引き出す構成である為に、前記内管内に伝達され
た酸素ガスの脈動が、そのまま分岐管にも伝達し、安定
した火炎を得る事が出来ない。

又前記従来技術においては、分岐管の数を多くすればす
る程、内管の元圧調整のみで、その先側に位置する多数
の分岐管の噴出ガス量の調整を行う事が困難になり、結
果としてやはり大口径化に対応出来ない。

本発明はかかる従来技術の欠点に鑑み、バーナ吹出口を
大口径化した場合に酸素不足等が生じる事なく、容易に
火力調整と火炎分布制御、更には火炎口径の調整をも容
易に行う事の出来る石英ガラス製バーナを提供する事を
目的とする。

本発明の他の目的とする所は、脈動等が生じる事なく安
定して各分岐管に支燃性ガスを供給し得るとともに、吹
出口内に導入された燃焼ガスが中心側にも周縁側にも偏
在分布する事なく断面方向にほぼ均等な流量分布、又は
制御された流量分布で噴出可能に構成し、これによりバ
ーナ吹出口を大口径化した場合においても安定した火力
強さを得る事の出来る石英ガラス製バーナを提供する事
にある。

「問題点を解決する為の手段」 本発明は、かかる技術的課題を達成する為に、燃焼ガス
を噴出する吹出口内に散在配置され、吹出口噴射方向に
沿って延設する多数の分岐管群の内、少なくとも中心側
に位置する一又は複数の分岐管と、その外側に位置する
一又は複数の分岐管群とを夫々異なる支燃性ガス供給管
路に連接させた点を第１の特徴とする。

この場合前記分岐管群は、中心軸線近傍に位置する第１
の分岐管群と、その外側に位置する第２の分岐管群とを
設け、夫々の分岐管群に異なる支燃性ガス供給管路に連
接させた、いわゆる二系統に形成してもよく（後記第１
実施例参照）、又中心軸線上を通る分岐管と、その周囲
を囲繞する如く配設された第１の分岐管群と、その外側
に位置する第２の分岐管群とを設け、夫々の分岐管群に
異なる支燃性ガス供給管路を連接させたいわゆる三系統
に形成する（後記第２実施例参照）事も可能であり、夫
々使用目的により種々選択される。

又本発明は、前記分岐管群を含む複数の分岐管と対応す
る支燃性ガス供給管路との連接が膨張部位を介して連接
させた事を第２の特徴とする。

この場合、前記膨張部位は吹出口入口側に、好ましくは
略半球状に設けるのがよく、これにより膨張部位周囲を
通過後の燃焼ガスが、負圧化された分岐管延設部位の中
心側に向け移動可能に構成させる事が出来る。

尚、この場合前記吹出口の外壁端を、少なくとも分岐管
開口端より先側まで延設させ、該延設部位を中心側に向
け僅かに縮径させるとともに、更に前記吹出口中心軸の
周囲に位置する各分岐管を夫々中心側に向け所定角度傾
斜させて延設させる事により吹出口より噴出される火炎
が無用に拡がる事なく、中心軸延長線上に合焦させる事
が出来る。

又、本発明は、特に酸水素バーナのみに限定されるもの
ではなく、他の燃焼ガスを用いるバーナ、更には前記支
燃性ガスに塩素ガスを用いたバーナにも容易に適用出来
る。

更に該バーナにより加熱される被加熱部材においても石
英ガラス部材のみに限定されるものではなく、シリコン
その他の半導体を加熱する場合にも用いられる事は自明
である。

「作用」 かかる技術手段によれば、中心側に位置する一又は複数
の分岐管と、その外側に位置する分岐管群とを夫々異な
る支燃性ガス供給管路に連接させた為に、中心側に高密
度で分岐管を散在配置させる事なく、例えば前記支燃性
ガスの供給管路の元圧を変えたり夫々の分岐管群の断面
口径を変える事により、中心側に多くの支燃性ガスを供
給させる事が出来、吹出口を大口径化した場合において
も円滑に強い火力を得る事が可能となるとともに、その
火力強さが均一化し、広域部分の熱処理や熱加工が可能
となる。

又本発明に係るバーナを用いて大型の石英ガラス部材等
を加熱する場合において、必ずしも大口径の火炎のみを
用いる事なく、部分的な加熱を行う場合には中口径の火
炎が、又前記石英ガラス部材等を切断する場合には狭口
径の且つ強力な火炎が必要になり、このような場合に個
々にバーナを交換していたのでは生産性が大幅に低下す
るとともに、前記交換の際の時間損失により必ずしも好
ましい熱処理を行う事が出来ない。

本発明はこのような場合にも単一のバーナで全で対処が
可能である。即ち本発明は例えば中心軸線上を通る分岐
管と、その周囲を囲繞する如く配設された第１の分岐管
群と、その外側に位置する第２の分岐管群とを夫々異な
る支燃性ガス供給管路で連接させたが故に、中心軸線上
を通る分岐管と連接する供給管路の元圧のみを開放制御
する事により狭口径の火炎が、 又前記分岐管と第１の分岐管群と連接する供給管路の元
圧のみを開放制御する事により中口径の火炎が、 更には全ての供給管路の元圧を開放制御する事により大
口径の火炎が得られるとともに、而も該実施例において
は前記夫々の供給管路の元圧を精度よく調整する事によ
り、火炎強さを半径方向に自在に可変させる事が可能で
あり、容易に火力調整と火炎分布制御を行う事が出来
る。

更に本発明においては、前述したように吹出口より噴出
される火炎が無用に拡がる事なく、中心軸延長線上の所
定位置で集束させる事が出来、該所定位置で所定口径の
強力な火炎流を得る事が出来る。

又本発明においては、少なくとも分岐管群を含む複数の
分岐管と支燃性ガス供給管路とを連接させる場合におい
ては、いずれも膨張部位を介して連接する事になる為
に、必然的に分岐管の取付面積が広がる事となり、この
結果外側に位置する分岐管群のように、多数の分岐管を
取付ける場合であってもその取付けが容易化するととも
に該分岐管を吹出口内全域に亙って均等に散在配置する
のが容易になり、これにより前記吹出口を大口径化した
場合においても部分的な酸欠等が生じる恐れが一層低減
し、強い火力と火力分布の均一化が達成される。

又、前記膨張部位（空間）が分岐管群に支燃性ガスが導
入される前のバッファタンクとして機能し、該ガスが膨
張空間で一旦脈動が抑制されて各分岐管に配分される事
となる為に、分岐管内に導入される前記ガスの均等配分
と安定化に寄与し、この結果火力分布の一層の均一化と
火炎流の安定化を達成し得る。

尚、多数の分岐管群を散在配置させたバーナにおいて
は、吹出口内に導入された燃焼ガスが前記多数の分岐管
群の空隙間隔を通過しながら噴出する訳であるが、吹出
口を大口径化すればする程燃焼ガスの吹出流量分布が偏
在化し、断面方向にほぼ均等な流量分布を得るのが困難
になる。

そこで本発明の好ましい実施例によれば、前記膨張部位
を吹出口入口側に、好ましくは略半球状に設ける事によ
り膨張部位周囲を通過後の燃焼ガスが、負圧化された分
岐管延設部位の中心側に向け移動可能に構成する事が出
来る為に、例えば吹出口周縁側に偏在して燃焼ガスが導
入された場合においても、該負圧化された中心側の吸引
力により、吹出口内に導かれた燃焼ガスが中心側に移動
しながら攪拌され、この結果吹出口断面方向にほぼ均等
な流量分布で噴出口開口端より噴出させる事が出来る。

又本発明の好ましい実施例においては、分岐管を連接す
る一の面上に複数の膨張部位を同心上に固着させる事に
より、バーナの内部構造の省面積化と分岐管の同心状の
整列配置が容易になる。

「実施例」 以下、図面を参照して本発明の好適な実施例を例示的に
詳しく説明する。ただしこの実施例に記載されている構
成部品の寸法、材質、形状、その相対配置などは特に特
定的な記載がない限りは、この発明の範囲をそれのみに
限定する趣旨ではなく、単なる説明例に過ぎない。

第１図及び第２図は本発明の第１の実施例に係る石英ガ
ラス熱処理用の石英ガラス製酸水素バーナで、該酸水素
バーナは、該吹出口11側へ向け燃焼ガスを導通させる外
筒１と、該外筒１内に同心上に挿設され、酸素ガスを導
通させる断面口径の異なる二本の支燃性ガス供給管路
２、３とを有する。

外筒１は直線状をなし、その入口端の周縁部に水素ガス
導入管13を連接するとともに、該外筒１の先側を半球状
に拡径12しつつ更にその先側を開口端11まで徐々に縮径
して略円筒ドーム状の吹出口10を形成する。

大径の一の支燃性ガス供給管路２は、第１の酸素ガス導
入管22と連接する入口端より、外筒１内に同心状に挿設
し、該外筒１先側に位置する拡径部位12まで直線状に延
設するとともに、その先側を拡径部位12内壁面に沿って
相似形に拡径させて略半球状の第１の膨張部位21を形成
した後、該膨張部位21の底面側を軸線とほぼX-X′直交
する方向に沿って直線又は僅かに曲面をもたせて封止し
密封空間となすとともに、該封止面22に吹出口10噴射方
向に沿って吹出口開口端11まで延設する多数の分岐管4a
…を連接する。

そして前記分岐管4a…群は、封止面22周縁側とその内側
に位置する同心仮想二重円上に沿って夫々12本と16本の
分岐管4a、4bを溶着させ、同心二重輪状の外側分岐管4
a、4b群を構成するとともに、該夫々の仮想円上に位置
する分岐管4a、4b同士を、該分岐管4a、4b周面の任意地
点で、連結部材6a,6bによりリング状に連結させ、取扱
操作上での破損の恐れを除く。

この場合前記連結部材6a,6b,及び連結部材6cの取付位置
を、軸方向にずらして取り付けるのがよい。

小径の他の支燃性ガス供給管路３も同様に、第２の酸素
ガス導入管32と連接する入口端より、前記一の支燃性ガ
ス供給管路２内に同心状に挿設し、該支燃性ガス供給管
路２先側に位置する第１の膨張部位21内まで直線状に延
設するとともに、その先側を第１の膨張部位21内壁面に
沿って相似形に拡径させて略半球状の第２の膨張部位31
を形成した後、該第２の膨張部位31の底面側を前記封止
面22に固着させ密封空間となす。

そして前記第２の膨張部位31と対応する封止面22の中心
軸X-X′上とその周囲の仮想円上に沿って夫々中心に１
本5b、その周囲に８本の分岐管5aを連接し、該分岐管5
a,5bを吹出口10噴射方向に沿って吹出口開口端11まで延
設する。尚前記８本の分岐管5a,5bも外側分岐管4a、4b
群と同様に連結部材6cによりリング状に連結させてい
る。

そして前記夫々の膨張部位21、31に連接された外側及び
内側分岐管4a、4b、5a群はいずれも、外筒１側の吹出口
10のテーパ状内壁面と平行に、中心軸X-X′側に向け僅
かに傾斜させて延設されており、これにより該分岐管4
a、4b、5a,5bより噴出された酸素ガスが吹出口11中心延
長線上に位置する任意の焦点位置で集束させる事が出来
る。

又前記分岐管4a、4b、5a,5b群は、吹出口開口端11より
噴出される燃焼ガスの流速分布に対応させて、中心側に
位置する内側分岐管5a,5b群の口径を、その外側に位置
する外側分岐管4a、4b群の口径より大に設定している。

又前記夫々の支燃性ガス供給管路２、３は、入口端側で
外筒１及び支燃性ガス供給管路２の端壁14,23と、又膨
張部位21、31側で、多数の小孔7a,8aを有するドーナツ
状支持板７、８により位置決め固着させている。

かかる実施例によれば、水素ガス導入口より外筒１内に
導入された水素ガスは、ドーナツ状支持板７の小孔7aよ
り拡径部位12内に入り込み、第１の膨張部位21壁面に沿
って吹出口10周壁面側に導入される。

そして吹出口10周壁面側に導入された水素ガスは、その
背面側に位置する第１の膨張部位21底面側の封止面22の
存在により中心側が負圧となる為に、分岐管4a、4b、5a
周囲を通過しながら吹出口10中心側に移動しつつ均等に
攪拌されて、半径方向にほぼ均等な流量分布を得る事が
出来、吹出口10開口端11より均等分布で噴出させる事が
出来る。

この場合前記連結部材6a,6b,及び連結部材6cの取付位置
を軸方向にずらして取り付ける事により、吹出口10周壁
面側に導入された水素ガスの中心側への移動が一層容易
になる。

一方、第１及び第２の酸素ガス導入管22、32より夫々の
支燃性ガス供給管路２、３内に導通された酸素ガスは、
該支燃性ガス供給管路２、３と連通する膨張部位21、31
内で一旦バッファされ、脈動の抑制を図った後、各分岐
管4a、4b、5a,5b内に均等配分されて吹出口開口端11よ
り噴出される。

そして前記開口端11より噴出された両ガスは、処理位置
に達するまでの間に攪拌混合されながら、酸水素炎とし
て吹出口11中心延長線上に位置する任意の焦点位置で集
束し、この結果均等な火炎分布で強い火力を得る事が出
来る。

又前記第１及び第２の酸素ガス導入管22、32より導入さ
れる酸素ガス圧を適宜調圧する事により火炎長さや火炎
強さの調整も容易である。

さて、前記実施例においては、中心側に位置する第１の
分岐管群5a,5bが膨張部位31を介して支燃性ガス供給管
路３と連接し、一方その外側に位置する第２の分岐管群
4a、4b、は膨張部位21を介して支燃性ガス供給管路２と
連接する、いわゆる二系統の支燃性ガス噴出構成である
為に、ガス流量の調整を高精度に微調整を行うのが困難
であるとともに、噴出火炎分布の調整においても第１の
酸素ガス導入管22を閉塞させて、中心側に位置する第１
の分岐管群5a,5bのみを吹出し口10より吹出させるよう
に調整して部分的な加熱を行う中口径の火炎を得る事が
出来るが、該バーナにおいては狭口径の且つ強力な火炎
を得る事は出来ない為に、大型の石英ガラス部材等を加
熱処理後、該被加熱石英ガラス部材を切断又は孔開け等
を行う場合には、別異のバーナを必要とし、尚一層の生
産性の向上を図れない場合がある。

第３図及び第４図は前述した実施例の欠点を解消する為
に三系統の支燃性ガス噴出構成を採用した本発明の実施
例に係る石英ガラス製酸水素バーナで、前記実施例との
差異を中心に説明するに、該吹出口11側へ向け燃焼ガス
を導通させる外筒１内には、断面口径の異なる大中小三
本の支燃性ガス供給管路2,30,40が、同心上に挿設され
ている。

大径の一の支燃性ガス供給管路２は、第１の酸素ガス導
入管22と連接する入口端より、外筒１内に同心状に挿設
し、該外筒１先側に位置する拡径部位12まで直線状に延
設するとともに、その先側を拡径部位12内壁面に沿って
相似形に拡径させて略半球状の第１の膨張部位21を形成
した後、該膨張部位21の底面側を封止し密封空間となす
とともに、該封止面22に吹出口10噴射方向に沿って吹出
口開口端11まで延設する同心二重輪状に散在配置した外
側分岐管4a、4b群を連接する。

中径の第２の支燃性ガス供給管路30も同様に、第２の酸
素ガス導入管32と連接する入口端より、前記一の支燃性
ガス供給管路２内に同心状に挿設し、該支燃性ガス供給
管路２先側に位置する第１の膨張部位21内まで直線状に
延設するとともに、その先側を第１の膨張部位21内壁面
に沿って相似形に拡径させて第２の略半球状膨張部位31
を形成した後、該第２の膨張部位31の底面側を前記封止
面22に固着させ密封空間となし、該封止面22の中心線X-
X′周囲の仮想円上に沿って一重輪状に散在配置した内
側分岐管50a群を連接する。

小径の第３の支燃性ガス供給管路40は、第３の酸素ガス
導入管42と連接する入口端より、前記第２の支燃性ガス
供給管路30内の中心軸X-X′に沿って第２の膨張部位31
内まで延設され、その先側に位置する封止面22を貫通さ
せて吹出口10の中心軸X-X′上に配置させた設けた中心
分岐管50bと連接させる。

外筒１と連接する略円筒ドーム状の吹出口10は、その外
壁端を、面一に形成した分岐管開口端より僅かに先側ま
で延設させるとともに、該延設部位10aを中心側に向け
断面Ｒ状に縮径して形成する。

かかる実施例においては、中心軸X-X′上に位置する分
岐管50bは小径の第３の支燃性ガス供給管路40と直接連
通している為に、第３の酸素ガス導入管42のみを開放さ
せる事により、狭口径の且つ強力な火炎を得る事が容易
であり、この結果大型の石英ガラス部材等を加熱処理
後、該被加熱石英ガラス部材を切断又は孔開け等を行う
事が出来、結果として一のバーナで狭口径、中口径及び
大口径の火炎を容易に形成出来、一層の生産性の向上を
図れる。

又本実施例においてはいわゆる三系統の支燃性ガス噴出
構成を採る為に前記作用に記載したようにガス流量の調
整を特に高精度に行う事が出来る。

「発明の効果」 以上記載した如く本発明によれば、大口径の燃焼ガス吹
出口を形成しつつも、火力が低下する事なく、均等で且
つ大なる火力を有する、大口径の火炎を円滑に形成し得
る。

而も本発明によれば、中心側に位置する一又は複数の分
岐管と、その外側に位置する分岐管群を夫々個別の支燃
性ガス供給管路に連接させた為に、該供給管路に導入さ
れる酸素ガス圧を適宜調圧する事により火力調整も容易
に行う事の出来る。等の種々の著効を有する。

【図面の簡単な説明】

第１図は本発明の実施例に係る石英ガラス熱処理用の石
英ガラス製酸水素バーナを示す一部切欠き正面断面図、
第２図（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）（Ｄ）（Ｅ）（Ｆ）（Ｇ）は
第１図の各部位の横断面図である。 第３図及び第４図は他の実施例に係る石英ガラス製酸水
素バーナを示し、第３図はその一部切欠き正面図、第４
図（Ａ）（Ｂ）（Ｃ）は第３図の各部位の横断面図であ
る。 1:外筒、10:吹出口、2,3,30,40:支燃性ガス供給管路、4
a,4b,5a,5b,50a,50b:分岐管、21,31:膨張部位

Claims (8)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】燃焼ガスを噴出する吹出口内に散在配置さ
   れ、吹出口噴射方向に沿って延設する支燃性ガス噴出用
   の多数の分岐管を有する外部混合式の石英ガラス製バー
   ナにおいて、少なくとも中心側に位置する一又は複数の
   分岐管とその外側に位置する一又は複数の分岐管群とを
   夫々異なる支燃性ガス供給管路に連接させるとともに、
   少なくとも前記分岐管群を含む複数の分岐管と、対応す
   る支燃性ガス供給管路との連接が膨張部位を介して連接
   させた事を特徴とする石英ガラス製バーナ
2. 【請求項２】特許請求の範囲第１項記載の石英ガラス製
   バーナにおいて、中心軸線上を通る分岐管とこれに対応
   する支燃性ガス供給管路とが直接的に連接され、一方前
   記中心分岐管の周囲を囲繞する如く配設された第１の分
   岐管群と、その外側に位置する第２の分岐管群とが、夫
   々膨張部位を介して対応する支燃性ガス供給管路に連接
   されている石英ガラス製バーナ
3. 【請求項３】特許請求の範囲第１項記載の石英ガラス製
   バーナにおいて、中心軸線近傍に位置する第１の分岐管
   群と、その外側に位置する第２の分岐管群とが、夫々膨
   張部位を介して対応する支燃性ガス供給管路に連接され
   ている石英ガラス製バーナ
4. 【請求項４】前記膨張部位を吹出口入口側に設けるとと
   もに、該膨張部位周囲を通過後の燃焼ガスが、負圧化さ
   れた分岐管延設部位の中心側に向け移動可能に構成した
   特許請求の範囲第１項記載の石英ガラス製バーナ
5. 【請求項５】前記膨張部位が、略半球又は円筒ドーム形
   状である特許請求の範囲第４項記載の石英ガラス製バー
   ナ
6. 【請求項６】分岐管を連接する一の面上に複数の膨張部
   位を同心上に固着させた特許請求の範囲第１項記載の石
   英ガラス製バーナ
7. 【請求項７】前記吹出口の外壁端を、少なくとも分岐管
   開口端より先側まで延設させるとともに、該延設部位を
   中心側に向け僅かに縮径させた特許請求の範囲第１項記
   載の石英ガラス製バーナ
8. 【請求項８】前記吹出口中心軸の周囲に位置する各分岐
   管を夫々中心側に向け所定角度傾斜させて延設させた特
   許請求の範囲第１項記載の石英ガラス製バーナ