JPH07297659A - 電力増幅回路 - Google Patents

電力増幅回路

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JPH07297659A
JPH07297659A JP6084237A JP8423794A JPH07297659A JP H07297659 A JPH07297659 A JP H07297659A JP 6084237 A JP6084237 A JP 6084237A JP 8423794 A JP8423794 A JP 8423794A JP H07297659 A JPH07297659 A JP H07297659A
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JP
Japan
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circuit
output
transistor
signal
level
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JP6084237A
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Ryoichi Yokoyama
良一 横山
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NEC Corp
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NEC Corp
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Abstract

(57)【要約】 【目的】出力電圧の波形クリップ時の波形飛びを抑え、
聴感上の悪影響及び不要輻射の発生を低減する。 【構成】入力段回路1の差動対を形成するトランジスタ
Q1,Q2のコレクタ間に、アノードをトランジスタQ
2のコレクタにカソードをトランジスタQ1のコレクタ
にそれぞれ接続したダイオードD1を備えた駆動電流制
限回路7を設ける。このダイオードD1を通して能動負
荷回路11にバイパス電流を流し、入力段回路1の信号
出力端N1の信号レベルの最大値を制限し、出力段駆動
電流Id2の最大値を制限する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明の電力増幅回路に関し、特
に出力段回路の電源電圧を出力信号のレベルに応じて切
換える手段を備えた電力増幅回路に関する。
【0002】
【従来の技術】出力段回路の電源電圧を出力信号の電圧
レベル(瞬時値)に応じて切換える手段を備えた電力増
幅回路は、出力段回路の構成トランジスタの電力損失が
低減されると共に大きな出力が確保できるため、大出力
のオーディオ機器等で採用されることが多い。従来のこ
の種の電力増幅回路の一例を図4に示す。
【0003】この電力増幅回路は、一端に正極性の第1
の電源電圧+VH を受け予め設定された値の定電流を発
生する定電流源回路I1、エミッタを共に定電流源回路
I1の他端と接続しベースに負帰還信号Vnf及び入力
信号Viをそれぞれ対応して入力するトランジスタQ
1,Q2から成る差動対、並びにトランジスタQ3〜Q
5及びエミッタ抵抗RQ1〜R3から成り一端に負極性
の第1の電源電圧−VHを受け上記差動対の負荷となる
3トランジスタ・アーリ効果低減型のカレントミラー回
路の能動負荷回路11を備えトランジスタQ2のコレク
タを信号出力端とする入力段回路1と、一端に電源電圧
−VH を受けるエミッタ抵抗R4の他端にエミッタを接
続してこのエミッタ抵抗と共にエミッタホロア回路を形
成しベースに伝達された入力段回路1の出力信号を増幅
するトランジスタQ6、一端に電源電圧−VH を受ける
エミッタ抵抗R5の他端にエミッタを接続しベースにト
ランジスタQ6のエミッタからの出力信号を受けて増幅
するエミッタ抵抗付きエミッタ接地型のトランジスタQ
8、ベースをトランジスタQ8のコレクタにエミッタを
トランジスタQ6のベースにそれぞれ接続しコレクタに
電源電圧−VH を受けて出力信号の過飽和を防止するト
ランジスタQ7、一端をトランジスタQ8のコレクタと
接続するアイドリング電流設定回路21、並びに一端を
このアイドリング電流設定回路21の他端と接続し他端
に電源電圧+VH を受けて予め設定された値の定電流を
発生する定電流源回路I2を備えアイドリング電流設定
回路21の両端から出力段駆動電流を発生する駆動段回
路2と、トランジスタQ9〜Q12及び抵抗R6,R7
を備え出力段駆動電流を受けてこれを増幅し負荷のスピ
ーカSPを駆動するコンプリメンタリSEPP型の出力
段回路3と、抵抗R8,R7を備え出力段回路3の出力
電圧Voを分圧して負帰還信号Vnfを発生する負帰還
回路4と、出力電圧Voが正の所定のレベルより大きい
ときアクティブレベル、切換制御信号SWCがアクティ
ブレベルのときは出力電圧Voのレベルとは関係なくイ
ンアクティブレベルとなる第1の出力電圧検出信号VD
1を、出力電圧Voが負の所定のレベルより絶対値が大
きいときアクティブレベル、切換制御信号SWCがアク
ティブレベルのときは出力電圧Voのレベルとは関係な
くインアクティブレベルとなる第2の出力電圧検出信号
VD2を発生する出力電圧検出回路5と、第1の出力電
圧検出信号VD1がアクティブレベルのときは正極性の
第1の電源電圧+VH を、インアクティブレベルのとき
はこの第1の電源電圧+VH より低いレベルの正極性の
第2の電源電圧+VL を選択し、第2の出力電圧検出信
号VD2がアクティブレベルのときは負極性の第1の電
源電圧−VH を、インアクティブレベルのときはこの第
1の電源電圧−VH より絶対値が低いレベルの第2の電
源電圧−VL を選択して出力段回路3に供給する電源電
圧切換回路6a,6bとを有する構成となっている。
【0004】上述の入力段回路1、駆動段回路2、及び
出力段回路3等は、多くの書籍(例えばオーム社発行の
LSIハンドブック,半導体回路マニュアル、朝倉書店
発行の集積回路応用ハンドブック等)に記載されている
一般的な回路である。
【0005】出力段回路3に供給される電源電圧Vp
1,Vp2と出力電圧Voとの関係を図5に示す。各電
源電圧±VH ,±VL の間には |+VH |=|−VH |,|+VL |=|−VL |及び |±VH |>|±VL | の関係があり、閾値電圧±VTHに対する出力電圧Voの
レベルによって、Vp1,Vp 2は次のとおりとなる。
【0006】−VTH<Vo<+VTHのとき、Vp1=+
L ,Vp2=−VL Vo≦+VTHのとき、Vp1=+VL ,Vp2=−VH Vo≦+VTHのとき、Vp1=+VH ,Vp2=−VL このように電源電圧を切換えることにより電源電圧が固
定されている通常の電力増幅回路よりも、出力段回路3
のトランジスタのCE間電圧が低く抑圧されて、必要な
大出力の確保と各トランジスタの電力損失の低減が両立
する。
【0007】また、この電力増幅回路では、切換制御信
号SWCをアクティブレベルにして出力電圧Voのレベ
ルに関係なく出力電圧検出信号VD1,VD2をインア
クティブレベルにし、出力段回路3への電源電圧Vp
1,Vp2をそれぞれ+VL ,−VL に固定して消費電
力の低減を優先する動作モードを備えている。なお、入
力段回路1及び駆動段回路2は、電圧利得が高く電源電
圧変動抑圧比(SVRR)が充分でない場合が多く、そ
のため電源電圧の選択切換を行うとこれに伴う大きな雑
音が出力に発生するので、その電源電圧は+VH ,−V
H に固定されている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】この従来の電力増幅回
路では、入力段回路1及び駆動段回路2の電源電圧は+
H ,−VH に固定され、また、切換制御信号SWCに
よって出力段回路3の電源電圧を+VL ,−VL に固定
する動作モードを有しているので、この動作モードのと
き、入力信号Viのレベルによっては、駆動段回路2の
出力電圧振幅が出力段回路3の電源電圧、即ち+VL
ら−VL の範囲を越える場合がある。このとき駆動段電
流の余剰分はQ9,Q11のCB接合順方向電流となっ
て流れ、Q9,Q11の動作は完全に飽和領域にはい
り、これらトランジスタのベース領域にはCB接合順方
向電流に比例した電荷が蓄積される。この蓄積電荷は出
力電圧Voの波形飛びの原因となり、聴感上の悪影響や
不用輻射の増加などの悪影響を及ぼす。以下、この点に
ついて、図6を参照して説明する。
【0009】図6はこの電力増幅回路に出力波形がクリ
ップするレベルの正弦波信号を入力した時の出力電圧波
形である。出力信号Voの正の半周期において、トラン
ジスタQ9が飽和し波形がクリップしている期間では、
定電流源回路I2の電流(以下定電流I2 という)全て
が出力段駆動電流として吐き出されて(出力ソース電
流)、トランジスタQ9のベースに流入する。このとき
トランジスタQ9は飽和状態にあるため、ベースに流入
した電流の大部分はCB接合順方向電流となり、この結
果トランジスタQ9のベース領域には、ほぼ定電流I2
に比例した電荷が蓄積される。クリップする期間をすぎ
ると、トランジスタQ8のコレクタが定電流I2 を吸収
してトランジスタQ9のベース電流が減少し、出力電位
も正弦波に沿って下降し始めることが理想的であるが、
トランジスタQ8のコレクタ電流はトランジスタQ9の
蓄積電荷の吸い出しに費やされるため出力電圧Voの下
降開始までにτ1なるディレイを生ずる。このディレイ
の期間は負帰還増幅回路としての平衡状態から逸脱して
いるが、蓄積電荷の吸い出しが終わると、出力電圧Vo
は急速に下降して正弦波に収束し平衡状態にもどる波形
飛びを見せる。ディレイτ1は蓄積電荷量に比例するの
で、定電流I2 が大きいほど波形飛びは顕著になる。
【0010】一方、負の半周期においては、同様にクリ
ップ帰還にトランジスタQ8のコレクタ電流の大部分が
トランジスタQ11のCB接合順方向電流となってトラ
ンジスタQ11に蓄積電荷を生じさせ、ディレイτ2を
誘発する。ここでトランジスタQ8コレクタ電流につい
て検討すると、クリップ期間においては負帰還が成立せ
ずトランジスタQ1,Q2の差動対には大きな差電圧入
力が加わって完全にアンバランスとなり、定電流源回路
I1の電流(以下、定電流I1 という)は全てトランジ
スタQ2を介してトランジスタQ6のベースに流入し
(能動負荷回路11には流れない)、更にトランジスタ
Q6で電流増幅されてトランジスタQ8のベース電流と
なる。ここで一般的なパラメータの一例として、I1
1mA、Hfe=100を想定すると、トランジスタQ
8のコレクタ電流は10Aにも達しうることになるが、
実際にはトランジスタの最大電流能力で決まる値とし
て、数百mAから数A程度となる。このことは出力段駆
動電流の吸込み電流(出力シンク電流)が出力ソース電
流に比べて極めて大きく、かつ回路定数による最大値の
設定がなされていないことを意味し、よってトランジス
タQ11の蓄積電荷も制限されず、正の半周期に比べて
極めて顕著な波形飛びを引き起こす。またトランジスタ
Q8自体の消費電力の増加を招き、消費電力が安全動作
領域ASOを越えた場合には、その劣化や破壊などの問
題も生じ得る。
【0011】本発明の目的は、出力電圧の波形クリップ
時の波形飛びを抑圧して聴感上の悪影響及び不要輻射の
発生を低減すると共に、駆動段回路の出力トランジスタ
の劣化及び破壊防止することができる電力増幅回路を提
供することにある。また、出力段回路の構成トランジス
タが飽和領域に入らないように出力段駆動電流を制限
し、波形飛び並びにこれに伴う聴感上の悪影響及び不要
輻射の発生を更に低減することができる電力増幅回路を
提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の電力増幅回路
は、第1の電源電圧で動作し入力信号及び負帰還信号に
応答したレベルの信号を出力する入力段回路と、前記第
1の電源電圧で動作し前記入力段回路の出力信号を増幅
して出力段駆動電流を発生する駆動段回路と、供給され
た電源電圧で動作し前記出力段駆動電流を増幅して負荷
を駆動する出力電圧を発生する出力段回路と、前記出力
電圧に応答したレベルの前記負帰還信号を発生する負帰
還回路と、前記出力電圧が所定のレベルより大きいとき
アクティブレベル、制御信号がアイクティブレベルのと
きは前記出力電圧のレベルに関係なく常にインアクティ
ブレベルとなる出力電圧検出信号を出力する出力電圧検
出回路と、前記出力電圧検出信号がアクティブレベルの
ときは前記第1の電源電圧を、インアクティブレベルの
ときはこの第1の電源電圧より低いレベルの第2の電源
電圧を前記出力段回路に供給する電源電圧切換回路と、
前記出力段駆動電流の最大値を制限する駆動電流制御手
段とを有している。
【0013】また、駆動電流制限手段が、入力段回路の
出力信号のレベルの最大値を所定のレベルに制限する回
路として構成され、更に、入力段回路を、エミッタを共
に第1の定電流源回路と接続しベースに負帰還信号及び
入力信号をそれぞれ対応して入力する第1及び第2のト
ランジスタから成る差動対と、この差動対の負荷となる
カレントミラー回路型の能動負荷回路とを備え前記第1
及び第2のトランジスタのうちの一方のコレクタを信号
出力端とする回路とし、出力段回路を、第3及び第4の
トランジスタを備えたコンプリメンタリSEPP型の回
路とし、駆動段回路を、前記入力段回路の出力信号を増
幅するエミッタホロア回路型の第5のトランジスタと、
この第5のトランジスタの出力信号を増幅するエミッタ
抵抗付きエミッタ接地型の第6のトランジスタと、一端
をこの第6のトランジスタのコレクタと接続するアイド
リング電流設定回路と、一端をこのアイドリング電流設
定回路の他端と接続し他端を電源電圧供給端と接続する
第2の定電流源回路とを備え前記アイドリング電流設定
回路の両端から前記出力段回路に出力段駆動電流を供給
する回路とし、駆動電流制限手段を、前記第1及び第2
のトランジスタのコレクタ間に接続されたダイオード素
子を備えこのダイオード素子を通して、前記入力段回路
の定電流源回路から信号出力端への電流を前記能動負荷
回路にバイパスしてこの信号出力端の信号レベルの最大
値を所定のレベルに制限する回路とするか、コレクタを
入力段回路の信号出力端と接続しベースを第6のトラン
ジスタのエミッタと接続しエミッタを所定の電位点と接
続する第7のトランジスタを備えこの第7のトランジス
タを導通させて前記入力段回路の信号出力端の信号レベ
ルの最大値を所定のレベルに制限する回路として構成さ
れる。
【0014】また、駆動電流制限手段に、出力段回路の
構成トランジスタの飽和領域に近い非飽和領域内の動作
状態を検知してこの検知された動作状態で入力段回路の
出力信号のレベルの最大値を所定のレベルに制限する非
飽和内制御部を設け、更に、出力段回路を、第3及び第
4のトランジスタを備えたコンプリメンタリSEPP型
の回路とし、駆動段回路を、入力段回路の出力信号を増
幅するエミッタホロア回路型の第5のトランジスタと、
この第5のトランジスタの出力信号を増幅するエミッタ
抵抗付きエミッタ接地型の第6のトランジスタと、一端
をこの第6のトランジスタのコレクタと接続するアイド
リング電流設定回路と、一端をこのアイドリング電流設
定回路の他端と接続し他端を電源電圧供給端と接続する
第2の定電流源回路とを備え前記アイドリング電流設定
回路の両端から前記出力段回路に出力段駆動電流を供給
する回路とし、前記出力段回路の構成トランジスタの飽
和領域に近い非飽和領域内の動作状態を検知してこの検
知された動作状態で前記第2の定電流源回路からの出力
段駆動電流の最大値を制限する駆動電流制限手段を設け
て構成される。
【0015】
【実施例】次に本発明の実施例について図面を参照して
説明する。
【0016】図1は本発明の第1の実施例を示す回路図
である。
【0017】この実施例が図4に示された従来の電力増
幅回路と相違する点は、入力段回路1の差動対を形成す
るトランジスタQ1,Q2のコレクタ間に、アノードを
トランジスタQ2のコレクタにカソードをトランジスタ
Q1のコレクタにそれぞれ接続するダイオードD1を備
え、このダイオードD1を通して、定電流源回路I1か
ら信号出力端N1(トランジスタQ2,Q5のコレク
タ)への電流を能動負荷回路11にバイパスし、信号出
力端N1の信号レベルの最大値を所定のレベルに制限
し、その結果、駆動段回路2から入力される出力段駆動
電流Id2の最大値を制限するようにした駆動電流制限
回路7を設けた点にある。
【0018】次に、この実施例の動作について説明す
る。
【0019】まず、出力電圧Voがクリップしていない
状態では、負帰還動作によってトランジスタQ1,Q2
のベース及びコレクタの信号のレベル差は小さく、ダイ
オードD1は非導通状態を保ち、実質的には駆動電流制
限回路7が接続されていない状態の従来例と同様の回路
として動作する。
【0020】次に、切換制御信号SWCをアクティブレ
ベルとして出力段回路3への電源で圧Vp1,Vp2を
+VL ,−VL とした低消費電力動作モードの状態にお
いて、出力電圧Voが負の半周期でクリップした場合に
ついて説明する。
【0021】この場合には、負帰還信号Vnfのレベル
は固定されて入力信号Viとのレベル差が大きくなり、
定電流源回路I1の電流I1 (定電流I1 )は全てトラ
ンジスタQ2のエミッタに流入し、信号出力端N1に伝
達される。
【0022】ここで、能動負荷回路11は、エミッタ抵
抗R1,R3の値が等しく、入出力電流比が1対1のカ
レントミラー回路を構成しており、各トランジスタのベ
ース電流は定電流I1 と比較して小さく、無視するもの
とする。
【0023】この状態における従来例では、トランジス
タQ1に電流が流れないので、能動負荷回路11には電
流が流れず、従ってトランジスタQ2のコレクタ電流は
全て駆動段回路2に流入し出力段駆動電流Id2を増大
させる。
【0024】これに対し、この実施例では、まず、ダイ
オードD1を介してトランジスタQ3のベース電流が流
れてそのエミッタ電流によりトランジスタQ4,Q5の
ベース電流が流れ、トランジスタQ5のコレクタ・エミ
ッタ間にはトランジスタQ2のコレクタから直接、トラ
ンジスタQ4のコレクタ・エミッタ間にはダイオードD
1を介して電流が流れる。そして、トランジスタQ4,
Q5のコレクタ・エミッタ間に流れる電流の比は1対1
であるので、ダイオードD1とトランジスタQ5には、
定電流I1 の1/2ずつが分流する。従って、入力段回
路1の信号出力端N1の電圧V・N1は、 V・N1=I1 ×r1×1/2+Vbe・Q4+Vbe・Q3+Vf・D1… (1) (ただし、r1はエミッタ抵抗R1の抵抗値、Vbe・
Q4,Vbe・Q3はトランジスタQ4,Q3のベース
・エミッタ間電圧、Vf・D1はダイオードD1の順方
向電圧、以下同様に表示する。)となる。この(1)式
は、トランジスタQ6のベース電位の上限を意味するも
のであり、従ってトランジスタQ8のコレクタ電流の最
大値Ic・Q8maxを次式のとおり決定することがで
きる。
【0025】 Ic・Q8max=〔V・N1−Vbe・Q6−Vbe・Q8〕/r5 −Ib・Q8…(2) この状態では出力段回路3のトランジスタQ9はカット
オフとなっているので、この(2)式から、出力段駆動
電流Id2(出力シンク電流)の最大値Id2maxを
次のとおり決定することができる。
【0026】 Id2max=Ic・Q8max−I2 …(3) (1)〜(3)式において、定電流I1 ,I2 は任意に
設定することができ、その他の各項はエミッタ抵抗及び
トランジスタの諸元から必然的にその値が定まるので、
出力電駆動電流の最大値Id2maxを回路素子により
任意に設定することができる。
【0027】すなわち、駆動電流制限回路7を設けるこ
とにより、出力段駆動電流の最大値Id2maxを入力
段回路1及び駆動段回路2の回路素子によって設定され
た値に制限することができ、従って出力電圧Voの波形
クリップ次の波形飛びを抑圧して聴感上の悪影響及び不
要輻射の発生を低減することができる。また、トランジ
スタQ8の消費電力も低減するので、その劣化や破壊を
防止することができる。
【0028】図2は本発明の第2の実施例を示す回路図
である。
【0029】この実施例は、駆動電流制限回路7aを、
コレクタを入力段回路1の信号出力端N1と接続しエミ
ッタに負極性の第1の電源電圧−VH を受けベースをト
ランジスタQ8のエミッタと接続するトランジスタQ1
3を備え、このトランジスタQ13を導通させて入力段
回路1の信号出力端N1の信号レベルの最大値を所定の
レベルに制限することにより出力段駆動電流Id2の最
大値を制限する回路としたものである。
【0030】この実施例においては、エミッタ抵抗R5
の電圧降下がトランジスタQ13の動作閾値電圧Vbe
ON・Q13に達するとトランジスタQ13のコレクタ
電流が発生してトランジスタQ6のベース電流をシヤン
トし、そのシヤント電流はエミッタ抵抗R5の電圧降下
の僅かな増加に伴い急激に増加するので、ほぼこの状態
でトランジスタQ6のベース電流は制限される。従っ
て、トランジスタQ8のコレクタ電流も制限され、その
最大値Ic・Q8max及び出力段駆動電流の最大値I
d2maxは次のとおり決定することができる。
【0031】 Ic・Q8max=VbeON・Q13/r5−Ibe・Q8…(4) Id2max=Ic・Q8max−I2 …(5) (4),(5)式において、定電流I2 は任意に設定す
ることができ、その他の各項はエミッタ抵抗及びトラン
ジスタの諸元から必然的にその値が定まるので駆動段回
路2の回路素子によって出力段駆動電流の最大値Id2
maxを任意に設定することができる。従ってこのId
2maxを制限することができ、第1の実施例と同様の
効果が得られる。
【0032】図3は本発明の第3の実施例を示す回路図
である。
【0033】この実施例は、第2の実施例のおける駆動
電流制限回路7aに、トランジスタQ14〜Q16及び
抵抗R10から成り、出力段回路3のトランジスタQ1
1の飽和領域に近い非飽和領域内の動作状態を検知して
この検知された動作状態で入力段回路1の信号出力端N
1の信号レベルの最大値を所定のレベルに制限するよう
にトランジスタQ13のベース電圧を与える非飽和内制
御部を設けて駆動電流制限回路7bとし、更に、トラン
ジスタQ17,Q18から成り、出力段回路2のトラン
ジスタQ9の飽和領域に近い非飽和領域内の動作状態を
検知してこの検知された動作状態で定電流源回路I2か
らの出力段駆動電流Id1(出力ソース電流)の最大値
(Id1max)を制限する駆動電流制限回路7cを設
けたものである。
【0034】この実施例では、トランジスタQ14のエ
ミッタが駆動段回路2aの実質的な出力シンク電流出力
端に相当しており、この電位が下降してトランジスタQ
11のコレクタ電位、即ちVp2に接近すると、トラン
ジスタQ14とベースが共通であるトランジスタQ1
5,Q16のベース・エミッタ間に順方向電圧が与えら
れる。トランジスタQ15,Q16はQ15を入力側と
する1対1のカレントミラー回路を構成し、上記順方向
電圧がVbeONに達するとカレントミラー回路の出力
電流であるトランジスタQ16のコレクタ電流が発生し
て抵抗R8に流入する。トランジスタQ14のエミッタ
電位がわずかに下降するとトランジスタQ16のコレク
タ電流は急激の増加して抵抗R8の電圧降下はトランジ
スタQ13のVbeON・Q13に達し、第2の実施例
と同様にトランジスタQ8のコレクタ電流が制限され、
VbeON/r8=Ic・Q15max=Ic・Q16
maxとすると、Ic・Q8max及びId2maxは
次のとおりとなる。
【0035】 Ic・Q8max=Ib・Q11+I2 +VbeON/r8…(6) Id2max=Ic・Q8max−(I2 +VbeON/r8) =Ib・Q11…(7) ここで、Ib・Q11は、トランジスタQ11のベース
電位がコレクタ電位、すなわち、−VL とほぼ等しくな
ったときのベース電流を意味し、トランジスタQ11が
飽和する直前の出力段駆動電流Id2とみなすことがで
きる。従って、トランジスタQ11の非飽和領域内で動
作させることができ、出力電圧Voの波形クリップ次の
波形飛びを皆無とすることができ、聴感上の悪影響及び
不要輻射の発生を第1,第2の実施例より更に低減する
ことができる。
【0036】一方、駆動電流制限回路7cにおいては、
トランジスタQ9のベース電位が上昇してコレクタ電
位、即ち+VL をわずかに越えると、トランジスタQ1
8の順方向電圧がVBEONを越え、トランジスタQ1
7を介してトランジスタQ9のベースとアイドリング電
流設定回路21に供給されていた定電流I2 がトランジ
スタQ18を介してトランジスタQ9のコレクタ側に急
激にシャントされ始め、出力段駆動電流Id1(出力ソ
ース電流)の最大値が制限される。ここで、トランジス
タQ17のコレクタが出力段駆動電流Id1の出力端に
相当し、その最大値Id1maxは、 Id1max=I2 −Ic・Q8=Ib・Q9…(8) と表すことができる。Ib・Q9はトランジスタQ9が
飽和する直前の出力段駆動電流とId1とみなすことが
でき、トランジスタQ9を非飽和領域内で動作させるこ
とができるので、出力電圧Voの正の半周期において
も、駆動電流制限回路7bによる負の半周期と同様の効
果が得られる。
【0037】なお、上述の実施例では、入力段回路1,
駆動段回路2,2a及び駆動電流制限回路7a〜7cが
バイポーラトランジスタで構成された場合について説明
したが、これら回路は、ユニポーラトランジスタ単独、
或はバイポーラトランジスタとユニポーラトランジスタ
との混成回路であってもよい。
【0038】
【発明の効果】以上説明したように本発明は、出力段駆
動電流の最大値を所定のレベルに制限する駆動電流制限
回路を設けた構成とすることにより、低消費電力モード
における出力電圧の波形クリップ時の波形飛びを抑圧す
ることができるので、聴感上の悪影響及び不要輻射の発
生を低減すると共に駆動段回路の出力トランジスタの劣
化や破壊を防止することができる効果があり、また、駆
動電流制限回路に非飽和内制御部を設けることにより、
出力段回路の構成トランジスタを非飽和領域内で動作さ
せることができて波形飛びを皆無とすることができるの
で、聴感上の悪影響及び不要輻射の発生を更に低減する
ことができる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施例を示す回路図である。
【図2】本発明の第2の実施例を示す回路図である。
【図3】本発明の第3の実施例を示す回路図である。
【図4】従来の電力増幅回路の一例を示す回路図であ
る。
【図5】図4に示された電力増幅回路の動作を説明する
ための出力電圧及び電源電圧の波形図である。
【図6】図4に示された電力増幅回路の課題を説明する
ための出力電圧の波形図である。
【符号の説明】
1 入力段回路 2,2a 駆動段回路 3 出力段回路 4 負帰還回路 5 出力電圧検出回路 6a,6b 電源電圧切換回路 7,7a〜7c 駆動電流制限回路 11 能動負荷回路 21 アイドリング電流設定回路 D1 ダイオード I1,I2 定電流源回路 Q1〜Q18 トランジスタ

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 第1の電源電圧で動作し入力信号及び負
    帰還信号に応答したレベルの信号を出力する入力段回路
    と、前記第1の電源電圧で動作し前記入力段回路の出力
    信号を増幅して出力段駆動電流を発生する駆動段回路
    と、供給された電源電圧で動作し前記出力段駆動電流を
    増幅して負荷を駆動する出力電圧を発生する出力段回路
    と、前記出力電圧に応答したレベルの前記負帰還信号を
    発生する負帰還回路と、前記出力電圧が所定のレベルよ
    り大きいときアクティブレベル、制御信号がアイクティ
    ブレベルのときは前記出力電圧のレベルに関係なく常に
    インアクティブレベルとなる出力電圧検出信号を出力す
    る出力電圧検出回路と、前記出力電圧検出信号がアクテ
    ィブレベルのときは前記第1の電源電圧を、インアクテ
    ィブレベルのときはこの第1の電源電圧より低いレベル
    の第2の電源電圧を前記出力段回路に供給する電源電圧
    切換回路と、前記出力段駆動電流の最大値を制限する駆
    動電流制御手段とを有することを特徴とする電力増幅回
    路。
  2. 【請求項2】 駆動電流制限手段が、入力段回路の出力
    信号のレベルの最大値を所定のレベルに制限する回路と
    して構成された請求項1記載の電力増幅回路。
  3. 【請求項3】 入力段回路を、エミッタを共に第1の定
    電流源回路と接続しベースに負帰還信号及び入力信号を
    それぞれ対応して入力する第1及び第2のトランジスタ
    から成る差動対と、この差動対の負荷となるカレントミ
    ラー回路型の能動負荷回路とを備え前記第1及び第2の
    トランジスタのうちの一方のコレクタを信号出力端とす
    る回路とし、出力段回路を、第3及び第4のトランジス
    タを備えたコンプリメンタリSEPP型の回路とし、駆
    動段回路を、前記入力段回路の出力信号を増幅するエミ
    ッタホロア回路型の第5のトランジスタと、この第5の
    トランジスタの出力信号を増幅するエミッタ抵抗付きエ
    ミッタ接地型の第6のトランジスタと、一端をこの第6
    のトランジスタのコレクタと接続するアイドリング電流
    設定回路と、一端をこのアイドリング電流設定回路の他
    端と接続し他端を電源電圧供給端と接続する第2の定電
    流源回路とを備え前記アイドリング電流設定回路の両端
    から前記出力段回路に出力段駆動電流を供給する回路と
    し、駆動電流制限手段を、前記第1及び第2のトランジ
    スタのコレクタ間に接続されたダイオード素子を備えこ
    のダイオード素子を通して、前記入力段回路の定電流源
    回路から信号出力端への電流を前記能動負荷回路にバイ
    パスしてこの信号出力端の信号レベルの最大値を所定の
    レベルに制限する回路とした請求項2記載の電力増幅回
    路。
  4. 【請求項4】 駆動電流制限手段を、コレクタを入力段
    回路の信号出力端と接続しベースを第6のトランジスタ
    のエミッタと接続しエミッタを所定の電位点と接続する
    第7のトランジスタを備えこの第7のトランジスタを導
    通させて前記入力段回路の信号出力端の信号レベルの最
    大値を所定のレベルに制限する回路とした請求項3記載
    の電力増幅回路。
  5. 【請求項5】 駆動電流制限手段に、出力段回路の構成
    トランジスタの飽和領域に近い非飽和領域内の動作状態
    を検知してこの検知された動作状態で入力段回路の出力
    信号のレベルの最大値を所定のレベルに制限する非飽和
    内制御部を設けた請求項2記載の電力増幅回路。
  6. 【請求項6】 出力段回路を、第3及び第4のトランジ
    スタを備えたコンプリメンタリSEPP型の回路とし、
    駆動段回路を、入力段回路の出力信号を増幅するエミッ
    タホロア回路型の第5のトランジスタと、この第5のト
    ランジスタの出力信号を増幅するエミッタ抵抗付きエミ
    ッタ接地型の第6のトランジスタと、一端をこの第6の
    トランジスタのコレクタと接続するアイドリング電流設
    定回路と、一端をこのアイドリング電流設定回路の他端
    と接続し他端を電源電圧供給端と接続する第2の定電流
    源回路とを備え前記アイドリング電流設定回路の両端か
    ら前記出力段回路に出力段駆動電流を供給する回路と
    し、駆動電流制限手段を、前記出力段回路の構成トラン
    ジスタの飽和領域に近い非飽和領域内の動作状態を検知
    してこの検知された動作状態で前記第2の定電流源回路
    からの出力段駆動電流の最大値を制限する回路とした請
    求項1記載の電力増幅回路。
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Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100403637B1 (ko) * 2002-01-26 2003-10-30 삼성전자주식회사 출력 일그러짐을 최소화하는 파워 앰프 클리핑 회로

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