JPH0729732A - 薄膜磁気素子 - Google Patents
薄膜磁気素子Info
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Abstract
れ、DC/DCコンバータなどの小容量(数ワット程
度)の電源部品として用いられる薄膜磁気素子に関し、
製造上の困難さを伴わずにQ値を向上することができる
薄膜磁気素子の提供する。 【構成】 絶縁性基板上に、コイル導体4としての機能
を有する帯状の導電性金属層と、該導電性金属層の上下
の層間絶縁膜5を介して該導電性金属層を挟むように形
成された磁心としての機能を有する磁性層6a,6bと
を有し、特定の周波数の信号を前記導電性金属層に印加
することにより使用される薄膜磁気素子であって、前記
磁性層6a,6bの膜厚が3〜5μmであり、前記導電
性金属層の膜厚が前記磁性層6a,6bの膜厚の10〜
20倍であり、かつ前記周波数は0.1〜5MHzであ
ることを含み構成する。
Description
より詳しくは、絶縁性基板上に薄膜形成技術によって形
成され、DC/DCコンバータなどの小容量(数ワット
程度)の電源部品として用いられる薄膜磁気素子に関す
る。
ト程度)の電源部品として用いられるため、使用される
スイッチング周波数が0.5〜5MHz、占有面積が4
〜25mm2 程度という制限が課されており、このよう
な範囲で、Q値(=ωL/R:ω(=2πf)は使用角
周波数,fは使用周波数)の大きいものが望まれてい
る。
5(a)のような平面形状がジグザク形状の、或いは図
5(b)のようなスパイラル形状の導電性金属膜からな
るコイル導体を上下の層間絶縁膜を介して磁性膜で挟む
ようにして絶縁性基板上に形成されている。なお、図4
(b)は図4(a)のA−A線断面図である。
ドコイルで巻いた従来からある構造のインダクタを平面
的な構造としたものと同等な機能を有する。即ち、コイ
ル導体がソレノイドコイルに相当し、磁性層が磁心に相
当する。そして、Q値の大きいものが得られるように、
通常、単位面積当たりのインダクタンスLを大きくし、
コイル導体の抵抗Rを小さくするようにしている。ま
た、磁心として用いる磁性層については、保磁力HC が
小さく、比透磁率μ及び飽和磁束密度BS が大きい材料
が好ましい。例えば、HC が0.5(Oe )以下、μ=
5000,BS =1(T)程度の特性を有する磁性材料が好
ましい。これにより、磁気飽和を起こすことなく、大き
な磁束変化を引き起こすことができる。また、渦電流を
抑制するためには、抵抗率は大きい方が好ましいが、反
面、透磁率や飽和磁束数密度が小さくなるため、実用上
は適度な抵抗率を有する材料を用いている。
作成するには、まず、シリコン基板21上に形成された
下地絶縁膜22の上に、一層目のコイル導体23aをパタ
ーニングにより形成した後、下層の層間絶縁膜22で被
覆する。続いて、層間絶縁膜22上に膜厚数μmの磁性
層26をパターニングにより形成した後、磁性層26を
上層の層間絶縁膜25で被覆する。次いで、2層目のコ
イル導体23bをパターニングにより形成する。これによ
り、磁性層26が磁性層26上下の層間絶縁膜25を介
してコイル導体23a,23bで挟まれた薄膜磁気素子が作
成される。なお、27はパッド、28はビアホール(コ
ンタクト部)である。
素子を形成するには、まず、半導体基板上に形成された
下地絶縁膜の上に下層の磁性層を形成した後、該磁性層
上に下層の層間絶縁膜を形成する。続いて、層間絶縁膜
上に導電性金属層を形成し、これをパターニングしてコ
イル導体31,35を形成した後、上層の層間絶縁膜で
被覆する。次いで、層間絶縁膜上に上層の磁性層32,
36を形成する。これにより、コイル導体31,35が
コイル導体31,35上下の層間絶縁膜を介して磁性層
で挟まれた薄膜磁気素子が作成される。
のうち、図5(b)に示すスパイラル形状のコイル導体
35が磁性回路と鎖交する磁束数を最も多くすることが
できる。即ち、単位面積当たりのインダクタンスLを最
も高くすることができるといえる。
気素子では、構造上の問題から、従来の立体的なコイル
と比較してQ値の大きな薄膜磁気素子を作成することは
難しい。
の断面積を大きくすると抵抗値を小さくすることができ
るが、コイル導体23a,23b,31,35として導電性
金属層の薄膜を用いているため、製造上、導電性金属層
の断面積を大きくすべく膜厚を十分に厚くすることが難
しいという問題がある。
くまで厚くできたとしても、抵抗値は小さくなるが、導
電性金属層の膜厚の増加にともなってL値も小さくな
り、Q値の向上にはつながり難い。この問題を解決する
ため、使用周波数を上げて低いL値を補おうとすると、
コイル導体23a,23b,31,35の膜厚が厚いため渦
電流損失による抵抗の増加を招く。
て創作されたものであり、製造上の困難さを伴わずにQ
値を向上することができる薄膜磁気素子の提供を目的と
する。
導体としての機能を有する帯状の導電性金属層と、該導
電性金属層の上下の層間絶縁膜を介して該導電性金属層
を挟むように形成された磁心としての機能を有する磁性
層とを有し、特定の周波数の信号を前記導電性金属層に
印加することにより使用される薄膜磁気素子において、
上記課題を解決するための本発明の第1の手段として
は、前記磁性層の膜厚を3〜5μmとすると共に、前記
導電性金属層の膜厚を前記磁性層の膜厚の10〜20倍
とし、かつ前記周波数を0.1〜5MHzに設定してな
ることを特徴とする。
性層を、絶縁膜により互いに絶縁分離されて積層された
多層の磁性膜としたことを特徴とする。ここで、前記磁
性層は少なくとも100層の磁性膜からなることが望ま
しい。
の困難さを伴わずに高いQ値が得られるような薄膜磁気
素子を作成するには、使用周波数に応じて最適な構造を
決定することが必要になる。
用周波数0.1〜5MHzを用いた場合に、薄膜磁気素
子として製造上の困難さを伴わずに高いQ値が得られる
ような磁性層の膜厚及び導電性金属層の膜厚の適正な値
を実験により見いだした。即ち、本発明の薄膜磁気素子
においては、そのような適正な値として、磁性層の膜厚
を3〜5μmとし、導電性金属層の膜厚を磁性層の膜厚
の10〜20倍としている。これにより、製造上の困難
さを伴わずにQ値を向上することができる。
は、磁性層は、絶縁膜により互いに絶縁分離されて積層
された少なくとも100層の磁性膜からなる。従って、
絶縁分離されたそれぞれの磁性膜の膜厚は薄いので、見
かけ上の抵抗率が大きくなり、これにより、渦電流を抑
制することができる。しかも、磁性層全体で見た場合に
は、100層以上の磁性膜が積層されているので、磁性
層の実質上の断面積は大きい。このため、十分な鎖交磁
束数が得られるので、製造上の困難さを伴わずにQ値を
向上することができる。
ついて説明する。
について説明する断面図、図1(b)は薄膜磁気素子の
平面図で、平面形状がスパイラル状のコイル導体を有す
る。なお、図1(a)は図1(b)のB−B線断面を示
す。
リコン基板1を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜と
該シリコン酸化膜上にスパッタにより形成されたシリコ
ン窒化膜とからなる下地絶縁膜である。これらが絶縁性
基板を構成する。3は薄膜トランス及び薄膜インダクタ
として使用される薄膜磁気素子であって、下地絶縁膜2
上に形成されている。薄膜磁気素子3は帯状のアルミニ
ウム膜又は銅膜からなるコイル導体4と、コイル導体4
を互いに絶縁し、かつ該コイル導体4と該コイル導体4
を挟んで形成される軟磁性膜6a,6bとを絶縁する層
間絶縁膜5と、該層間絶縁膜5を介して該コイル導体4
を上下両側から挟んで形成されている軟磁性膜6a,6
bからなる。ここで、軟磁性膜6a,6bは、比透磁率
μS 〜5000,保磁力HC 〜0.2(Oe ),抵抗率ρ〜
60(μΩcm)を有する材料、例えば、CoFeBSiOやCo
HfTa等が用いられる。また、製造上の困難さを伴わずに
Q値を高くすることができるように、軟磁性膜6a,6
bの膜厚は3〜5μmとされ、コイル導体4の膜厚は軟
磁性膜6a,6bの膜厚の10〜20倍とされている。
7,8はコイル導体の両端部に形成されたパッドであ
る。
コイル導体4を用いているが、平面形状がジクザク状、
その他の形状のコイル導体を用いることができる。
いて図1を参照しながら説明する。
リコン酸化膜を形成した後、シリコン酸化膜上にスパッ
タによりシリコン窒化膜を形成し、2層の下地絶縁膜2
を形成する。
の軟磁性層6aをスパッタにより形成する。次いで、ポ
リイミドをスピンコーティングし、焼成して軟磁性層6
a上に下層の層間絶縁膜5を形成した後、該絶縁膜5上
に軟磁性層6aの膜厚の10〜20倍に当たる膜厚30
〜100μmのアルミニウム膜又は銅膜を形成し、更に
パターニングしてコイル導体4を形成する。
て焼成することにより、コイル導体4を被覆して平坦な
上層の層間絶縁膜5を形成する。続いて、該層間絶縁膜
5上に膜厚3〜5μmの軟磁性層6bをスパッタにより
形成すると、薄膜磁気素子が完成する。
コイル導体4の膜厚の適正な値を見いだすために行った
実験について説明する。
薄膜磁気素子を作成した後、薄膜磁気素子のL,R,Q
を測定した。
のコイル導体を有し、上記した作成方法と同様な方法に
より作成された。即ち、コイル導体4は幅170μmの
帯状のアルミニウム膜が互いの間隔10μmを保持して
10回巻かれ、4×4mm2の占有面積を有する。L,
R,Qの膜厚依存性を調査するため、アルミニウム膜の
膜厚は種々変えている。また、軟磁性層6a,6bは膜
厚5μmを有し、コイル導体との上下の間隔をそれぞれ
約10μmに保持して形成されている。更に、この薄膜
磁気素子のL,R,Qの測定は測定周波数1MHzで行
われた。
(a)〜(c)に示す。それによれば、図3(a)よ
り、L値はアルミニウム膜の膜厚の増加に伴い、単調に
減少する。
ウム膜の膜厚の増加に伴い、急激に減少する。しかし、
アルミニウム膜の膜厚が40μm以上でほぼ0.3Ω付
近に落ちつく。更に、図3(c)により、Q値はアルミ
ニウム膜の膜厚の増加に伴い、単調に増加し、膜厚が5
0μmのところでQ値は最大値となる。アルミニウム膜
の膜厚をそれ以上増やすと、逆に緩やかに減少してい
く。図3(c)によれば、アルミニウム膜の膜厚が30
〜100μmの範囲で20以上のQ値が得られる。
の膜厚の10〜20倍となっている。
い、磁性層の膜厚を3〜5μmとし、導電性金属層の膜
厚を磁性層の膜厚の10〜20倍とすることにより、製
造上の困難さを伴わずに高いQ値が得られる。
れば、使用周波数として0.1〜5MHzを用い、軟磁
性層6a,6bの膜厚を3〜5μmとし、コイル導体4
の膜厚を軟磁性層6a,6bの膜厚の10〜20倍とし
ている。このように、使用周波数に応じた軟磁性層6
a,6bの膜厚及びコイル導体4の膜厚の適正な値を実
験により見いだし、適用しているので、製造上の困難さ
を伴わずにQ値を向上することができる。
て説明する側面図である。
リコン基板を熱酸化して形成されたシリコン酸化膜と該
シリコン酸化膜上にスパッタにより形成されたシリコン
窒化膜とからなる下地絶縁膜である。これらが絶縁性基
板を構成する。9は薄膜トランス及び薄膜インダクタと
して使用される薄膜磁気素子であって、下地絶縁膜2上
に形成されている。薄膜磁気素子9は帯状のアルミニウ
ム膜又は銅膜からなるコイル導体10と、層間絶縁膜1
1を介して該コイル導体10を上下両側から挟んで形成
された軟磁性層12a,12bからなる。ここで、軟磁性層
12a,12bはそれぞれ膜厚50Å以下の絶縁膜13によ
り互いに分離された100層以上の薄い軟磁性膜14か
らなる。軟磁性層12a,12bの全体の膜厚が3〜5μm
となるように、一層当たりの軟磁性膜14の膜厚は50
0Å以下とされる。また、コイル導体10の膜厚は軟磁
性層12a,12bの膜厚の10〜20倍とされている。更
に、軟磁性膜14として、第1の実施例と同様に、CoFe
BSiOやCoHfTa等が用いられる。なお、CoFeBSiO膜の場
合、絶縁膜13としてシリコン酸化膜を用いるのが好ま
しく、CoHfTa膜の場合には絶縁膜13としてシリコン窒
化膜を用いるのが好ましい。
いて図2を参照しながら説明する。
リコン酸化膜を形成した後、シリコン酸化膜上にスパッ
タによりシリコン窒化膜を形成し、2層の下地絶縁膜2
を形成する。
下の軟磁性膜14と膜厚50Å以下の絶縁膜13とを交
互に積層し、互いに絶縁分離された100層以上の軟磁
性膜14からなる軟磁性層12aを形成する。軟磁性膜1
4及び絶縁膜13はともにスパッタにより形成される。
同様な方法により下層の層間絶縁膜11を形成した後、
層間絶縁膜11上に軟磁性層12aの膜厚の10〜20倍
に当たる膜厚30〜100μmのアルミニウム膜又は銅
膜をスパッタにより形成し、更にパターニングしてコイ
ル導体10を形成する。
施例と同様な方法により平坦な上層の層間絶縁膜11を
形成した後、該層間絶縁膜11上に軟磁性層12aの形成
方法と同様な方法により軟磁性層12aと同様な構造の軟
磁性層12bを形成すると、薄膜磁気素子9が完成する。
れば、軟磁性層12a,12bは、絶縁膜13により互いに
絶縁分離された100層以上の軟磁性膜14からなる。
従って、絶縁分離されたそれぞれの軟磁性膜14の膜厚
は薄いので、見かけ上の抵抗値が大きくなる。これによ
り、渦電流を抑制することができる。しかも、軟磁性層
12a,12b全体で見た場合には、100層以上の軟磁性
膜14が積層されているので、軟磁性層12a,12bの実
質上の断面積が大きい。これにより、十分な鎖交磁束数
が得られるので、製造上の困難さを伴わずに薄膜磁気素
子9のQ値を向上することができる。
よれば、使用周波数として0.1〜5MHzを用い、磁
性層の膜厚を3〜5μmとし、コイル導体の膜厚を磁性
層の膜厚の10〜20倍としている。このように、使用
周波数に応じた磁性層の膜厚及びコイル導体の膜厚の適
正な値を実験により見いだし、適用しているので、製造
上の困難さを伴わずにQ値を向上することができる。
えば少なくとも100層)の磁性膜からなる。従って、
絶縁分離されたそれぞれの磁性膜の膜厚は薄いので、見
かけ上の抵抗率が大きくなり、これにより、渦電流を抑
制することができる。しかも、磁性層全体で見た場合に
は、磁性層の実質上の断面積は大きく、これにより、十
分な鎖交磁束数が得られるので、製造上の困難さを伴わ
ずに薄膜磁気素子のQ値を向上することができる。
成図である。
成図である。
Claims (3)
- 【請求項1】 絶縁性基板上に、コイル導体としての機
能を有する帯状の導電性金属層と、該導電性金属層の上
下の層間絶縁膜を介して該導電性金属層を挟むように形
成された磁心としての機能を有する磁性層とを有し、特
定の周波数の信号を前記導電性金属層に印加することに
より使用される薄膜磁気素子であって、 前記磁性層の膜厚が3〜5μmであり、前記導電性金属
層の膜厚が前記磁性層の膜厚の10〜20倍であり、か
つ前記周波数は0.1〜5MHzであることを特徴とす
る薄膜磁気素子。 - 【請求項2】 絶縁性基板上に、コイル導体としての機
能を有する帯状の導電性金属層と、該導電性金属層の上
下の層間絶縁膜を介して該導電性金属層を挟むように形
成された磁心としての機能を有する磁性層とを有し、特
定の周波数の信号を前記導電性金属層に印加することに
より使用される薄膜磁気素子であって、 前記磁性層は、絶縁膜により互いに絶縁分離されて積層
された多層の磁性膜からなることを特徴とする薄膜磁気
素子。 - 【請求項3】 請求項2に記載の薄膜磁気素子におい
て、前記磁性層は少なくとも100層の前記磁性膜から
なることを特徴とする薄膜磁気素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5169898A JPH0729732A (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 薄膜磁気素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP5169898A JPH0729732A (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 薄膜磁気素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH0729732A true JPH0729732A (ja) | 1995-01-31 |
Family
ID=15895017
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP5169898A Pending JPH0729732A (ja) | 1993-07-09 | 1993-07-09 | 薄膜磁気素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH0729732A (ja) |
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