JPH0729720Y2 - モ−タ軸のスラスト支持装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 産業上の利用分野 本考案は、自動車の窓自動開閉装置（パワーウィンド）
やワイパー等の駆動源に用いられるモータのウォームギ
ヤ付モータ軸（以下モータ軸と省略）のスラスト支持装
置に関するものである。

従来の技術 近年、パワーウィンドを載せた乗用車が多くなってきて
いる。

以下、このような車載用のモータにおける従来のモータ
軸のスラスト支持装置について第２図を用いて説明す
る。

図において、11はギアケースであり、ギアケース11内で
はウォームホイール（図示せず）とモータ軸12に設けた
ウォームギアとが噛み合っている。モータ軸12の軸端部
には穴12aが設けてあり、穴12aには鋼球13が配設されて
いる。鋼球13はスプリング14によってモータ軸方向に付
勢された鋼球受板15と当接している。モータ軸12はギア
ケース11に固定された軸受16に回転自在に嵌入され、モ
ータ軸12の軸端部を軸受16の端面より鋼球受板15方向に
突出させている。

そして、スプリング14と鋼球受板15によりモータ軸に配
設した鋼球３を付勢してモータ軸のスラスト方向の調整
を行っている。

考案が解決しようとする問題点 しかし、このような従来のスラスト支持装置では、モー
タ軸12の軸端が軸受16の端面よりも鋼球受板15方向に突
出しているため、鋼球13を穴12aに入れ忘れた場合、あ
るいは組立時に鋼球が落下し紛失した場合に、鋼球受板
15とモータ軸12との端面が直接当接してしまう。そし
て、この状態でもモータ軸12のスラスト方向の調節が可
能となるため、従来は機器外部から鋼球の紛失を検出す
ることは困難であった。

本考案は上記問題点を解決するもので、鋼球の紛失を機
器外部から簡単に検出する事ができるモータ軸のスラス
ト支持装置を提供するものである。

問題点を解決するための手段 本考案は上述したウォームギア付モータ軸のスラスト支
持装置において、モータ軸の軸端を軸受内部に位置さ
せ、かつ鋼球の一部が前記軸受の端面より突出するよう
に位置させたものである。

作用 上記構成により、鋼球がモータ軸端部の穴にない場合に
は鋼球受板が軸受端面に当接する。この時、モータ軸の
軸端が軸受内部に位置しているため、モータ軸の軸端と
鋼球受板との間に隙間が発生し、モータ軸がスラスト方
向にがたつき、このモータ軸のがたつきによって鋼球の
紛失が検出できる。

一方、鋼球が穴に入っている場合には鋼球の一部が軸受
の端面から突出し、この突出した一部にスプリングによ
り付勢された鋼球受板が当接してモータ軸のスラスト方
向の調節が行える。

実施例 以下、本考案の一実施例を第１図にもとづいて説明す
る。

第１図において、１はギヤケースで、このギヤケース１
の内部にはギヤ（図示せず）を設けており、このギヤと
モータ軸２に設けたギヤ部分2aとを噛み合わせている。
前記モータ軸２の先端部分には穴2bを設けており、この
穴2b内に鋼球３を配設している。前記鋼球３は、スプリ
ング４によってモータ軸方向に付勢させた鋼球受板５と
当接させている。また、前記モータ軸２をギヤケース１
に固定された円筒状の軸受６に回転自在に嵌入させてお
り、軸受６の端面には軸の回転に伴う軸のぶれによる軸
受と軸端の角との接触を防止するために凹状段部6aが設
けてある。そして、前記凹状段部6a内にモータ軸２の軸
端を位置させるとともに、鋼球３の一部分を凹状段部6a
から鋼球受板５方向に突出させている。したがって、組
立て時に穴2bへ鋼球３を入れ忘れた場合には、鋼球受板
５が軸受６と当接する。

この時、モータ軸２の軸端が凹状段部6a内に位置してお
り、モータ軸２の軸端と鋼球受板５との間に隙間が発生
し、モータ軸２がスラスト方向にがたつくことによって
鋼球３の紛失を簡単に検出することができる。また、鋼
球３が穴2bへ配設されている場合には、鋼球受板５と鋼
球３を介してモータ軸２をスプリング４でスラスト方向
に付勢するため、モータ軸２ががたつかない。

考案の効果 以上の説明から明らかなように、本考案によれば鋼球が
紛失した場合に鋼球受板が軸受端面に当接し、モータ軸
の軸端と鋼球受板との間に隙間を生じてモータ軸がスラ
スト方向にがたつくことにより鋼球の紛失を機器外部か
ら容易に検出することができる。これによって検査工程
を簡略化することができると共に不良品の発生を簡単に
発見でき、全体として品質を向上させることができる。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例におけるモータ軸のスラスト
支持装置の要部の断面図、第２図は従来のモータ軸のス
ラスト支持装置の要部の断面図である。 ２……モータ軸、2b……穴、３……鋼球、４……スプリ
ング、５……鋼球受板、６……軸受、6a……凹状段部。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】軸端部に穴を有するウォームギア付モータ
   軸と、前記モータ軸を嵌入し、前記モータ軸をラジアル
   方向に回転自在に軸支する軸受と、前記モータ軸の穴に
   配設される鋼球と、前記軸受の端面に当接する形状を有
   し、スプリングによってモータ軸方向に付勢され前記鋼
   球に当接する鋼球受板とを備えたモータ軸のスラスト支
   持装置において、 前記モータ軸の軸端を前記軸受内部に位置させ、かつ前
   記鋼球の一部が前記軸受の端面より突出するように位置
   させたモータ軸のスラスト支持装置。