JPS6317075Y2 - - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 本考案は、磁気シートジヤケツト内に回転自在
に収納される回転磁気シートに関するものであ
り、特に磁気シート体の回転中心部に配設された
センターコアに対するヨークの取り付け機構を改
良したものである。

本件出願人は、従来、この種の回転磁気シート
をジヤケツト内に回転自在に収納した磁気シート
ジヤケツトの一つとして第１図に示すような構成
のものを提案している。

このジヤケツト内に収納される回転磁気シート
は、円盤用に形成した磁気シート体１の中心穴２
のプラスチツク材等により円筒状に成形したセン
ターコア３を取り付けて構成される。すなわち、
磁気シート体１は、上記中心穴２の周部２Ａを上
記センターコア３の中途部外周に突設したフラン
ジ部４上に接着して固定され、またセンターコア
３の一端面３Ａに形成した環状凹部５内には環状
ヨーク６が接着配設されている。なお、センター
コア３の一端面３Ａの上記凹部５の周壁先端面７
はヨーク６の表面６Ａよりも更に軸方向すなわち
第１図中下方に稍々突出し、図示しない磁気記録
装置への装着基準面を構成している。さらに、セ
ンターコア３には上記ヨーク６に一端８Ａが接す
るとともに他端８Ｂが該コア３の他端面３Ｂに露
出するように軸方向に貫通配設したピン８が設け
られ、このピン８は磁気記録装置側に設けたPG
ピツクアツプ用のコイル９と回転中に対峙し得る
ように配設されている。なお、上記ヨーク６は、
磁気記録装置側のリール台に該ヨーク６と対応す
る位置にチヤツキング用マグネツトと吸引し合つ
てリール台の駆動力をとるとともに、このヨーク
６に連設されている前記ピン８の上方に対応配設
された前記PGピツクアツプ用のコイル９でPGを
取るのに有効なように作用する。

ところで、上記構成のものでは、センターコア
３と磁気シート体１間、及びセンターコア３とヨ
ーク６間は接着により固定されているため、組立
て時に接着剤のはみ出しを生じたり、また接着剤
の化学変化に依る接着力の劣化等の問題を起し易
く、さらに組立ての作業性も劣るという問題があ
つた。

そこで、本考案は上記従来の欠点を解決し、構
成が簡単で製造加工が容易な回転磁気シートを提
供しようとすることを目的とするものである。

また、本考案は前記従来のものにおけるように
接着剤を使用することなく、また部品点数を増や
すことなく、センターコアとヨークの固定が出
来、また容易に磁気シートの回転位相を検出する
ことができるようにしようとすることを目的とす
るものである。

すなわち、本考案は磁気シート体の中心部に配
設したセンターコアの外周部に磁性板嵌合用の環
状溝を設け、この環状溝内に一部が切欠された磁
性環体を嵌着してなることを特徴とするものであ
る。

以下、本考案を図面に示す実施例について説明
する。

第２図はセンターコア３０、第３図はヨーク６
０を示し、第４図はこれらセンターコア３０とヨ
ーク６０を組付け、磁気シート体１の中心穴１Ａ
に取付けた状態を示す。

先ず、この実施例ではセンターコア３０は、軸
方向一端にフランジ部３１が突設され、このフラ
ンジ部３１よりも稍々内方寄り、すなわち第２図
中下方寄りの部分の外周にはヨーク嵌合用の環状
溝３２が刻設されている。

さらに中心部軸方向には図示しない磁気記録装
置の回転駆動軸が挿入係合される駆動軸挿入穴３
３が貫通形成されている。また、ヨーク６０は、
磁性板により一部に切欠き６１を有する円環状の
板体として形成され、この例では上記切欠き６１
の両側に位置する両端部６２Ａ，６２Ｂには治具
係合穴６３Ａ，６３Ｂが穿設されている。そし
て、上記切欠き６１部分は、このヨーク６０を上
記センターコア３０の環状溝３２に適合させる場
合の圧入嵌着部となる部分であり、したがつて前
記両端部６２Ａ，６２Ｂの周縁６４Ａ，６４Ｂ
は、円弧状に形成されているのが望ましい。

そこで、上記ヨーク６０をセンターコア３０に
組付けるには、先ずセンターコア３０を回転シー
ト１の中心穴１Ａに挿入係合し、上記ヨーク６０
の各穴６３Ａ，６３Ｂに図示しない取付け治具の
先端を係合して、ヨーク６０を第３図Ｂ中に一点
鎖線６０Ａとして示す如く変形させて切欠き６１
を広げて前記コア３０の環状溝３２に組付け、上
記治具をヨーク６０から取外すと、ヨーク６０の
両端６２Ａ，６２Ｂ間は元の形状に復帰して環状
溝３２内に係合組付けられ、前記センターコア３
０のフランジ部３１との間には磁気シート体１を
挾持することになる。

なお、上記ヨーク６０は第４図に示す如く、
PGピツクアツプコイル９と対峙してPG検出でき
るように、前記環状溝３２内に組付けられた状態
において、ヨーク外周部付近がPGピツクアツプ
コイル９上方に位置するようにセンターコア３０
の外周に突出するように形成されている。そし
て、第４図の如く組付けられ、磁気シート体１の
回転中心部にセンターコア３０を取付けられた回
転磁気シートは、ジヤケツト９内に回転自在に収
納されるものである。

上記構成においては、センターコア３０に対す
るヨーク６０の取り付けは、コア３０の外周に設
けた環状溝３２への嵌着に依り実現でき、また、
磁気シート体１も、コア６０のフランジ部３１と
ヨーク６０間に挾持されることにより取り付けら
れ、従来のもののように接着剤を用いる必要な
く、容易に確実な取付状態を実現できる。

さらに、PG検出も、上述の如くヨーク６０の
一部に切欠き６１が設けられているので、ヨーク
６０の磁性金属体部分とこの切欠き６１部分によ
り容易に実現できる。

なお、上記センターコア３０に設けた環状溝３
２内へのヨーク６０の嵌着状態を強固にするため
には、第５図に示す如く、ヨーク６０の切欠き６
１の両端６２Ａ，６２Ｂ部分に内周方向へ突設さ
れた係合突部６５Ａ，６５Ｂを設けるとともに、
これら係合突部６５Ａ，６５Ｂが相対係合し得る
係合凹部３４Ａ，３４Ｂを前記環状溝３２の内底
部３２Ａに形成することにより容易に実現でき
る。

さらに、環状溝３２の断面形状を、たとえば第
６図に示す如く底部３２Ａに向い両側穴壁３２
Ｂ，３２Ｃが狭幅となるテーパ穴状に形成してお
けば、ヨーク６０と環状溝３２間の寸法のバラツ
キ等を吸収でき、常にガタツキのない、しつかり
とした嵌合状態を実現できる。

上述のように、本考案においては、磁気シート
体の回転中心部に取り付けられるセンターコアと
ヨークとの取り付けを簡単な操作により容易に安
定した状態に組付け固定することができる。

特に、磁気シートジヤケツト全体の形状が手の
平上に載る程度の小型に形成されるものに収納さ
れて用いられる場合には、必然的に上記センター
コア及びヨークの形状は数ミリ単位の小形に形成
されるものであるため、従来のもののように接着
剤を用いる必要なく、単にセンターコアの環状溝
とヨークとの嵌着係合のみにより実現できる本考
案においては組立工程を簡略化できる。

【図面の簡単な説明】

第１図は従来例を示す概略縦断面図、第２図乃
至第４図は本考案の実施例を示す図であり、第２
図はセンターコアの縦断面図、第３図Ａはヨーク
の平面図、第３図Ｂはヨークをセンターコアに装
着する状態を略示する平面図、第４図は本考案に
よる回転磁気シートを収納した磁気シートジヤケ
ツトの概略縦断面図、第５図は本考案の他の実施
例を示す一部切欠斜視図、第６図は本考案の他の
実施例を示す要部断面図である。 １……磁気シート体、３，３０……センターコ
ア、３１……フランジ部、３２……環状溝、６，
６０……ヨーク、６１……切欠き、６２Ａ，６２
Ｂ……ヨークの両端。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 磁気シート体の中心部に配設したセンターコア
   の外周部に磁性板嵌合用の環状溝を設け、この環
   状溝内に一部が切欠された磁性環体を嵌着してな
   る回転磁気シート。