JPH0729677Y2 - 偏向ヨークの磁界補正用フェライトシート - Google Patents

偏向ヨークの磁界補正用フェライトシート

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JPH0729677Y2
JPH0729677Y2 JP1990026481U JP2648190U JPH0729677Y2 JP H0729677 Y2 JPH0729677 Y2 JP H0729677Y2 JP 1990026481 U JP1990026481 U JP 1990026481U JP 2648190 U JP2648190 U JP 2648190U JP H0729677 Y2 JPH0729677 Y2 JP H0729677Y2
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ferrite sheet
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【考案の詳細な説明】 〔産業上の利用分野〕 本考案は耐熱性に優れるとともに、偏向ヨークの湾曲し
た被着面に容易に沿わせることができ、使用途上におい
ても偏向ヨークの湾曲面から浮き上がることなく湾曲面
に密着し続けることができ、その磁界補正効果に狂いが
生ずることのない偏向ヨークの磁界補正用フェライトシ
ートに関する。
〔従来の技術〕
ブラウン管に装着される偏向ヨークの磁界補正には、フ
ェライト粉末を均一分散した合成樹脂をシート状に成形
した磁界補正用フェライトシートが用いられている。こ
の磁界補正用フェライトシートは第6図に示されるよう
に、フェライトシートaを偏向ヨークAの湾曲した内面
に貼り付けるとともに、その上から脱落防止用の被覆テ
ープbを貼り付けて使用している。そして、被着面が湾
曲面であることからバインダーとしての合成樹脂にはゴ
ム系や塩化ビニル系の柔軟性を有する合成樹脂を用いて
いる。フェライトシートaは偏向ヨークAの湾曲面に密
着させて貼り付けることが重要であり、この密着性が磁
界補正効果を大きく左右する。
〔考案が解決しようとする課題〕 ところで、近年のテレビ受像機は大型化や高品位化がは
かられる傾向にあり、これに伴って偏向ヨークからの発
熱量も飛躍的に増大する傾向にあり、このため磁界補正
用フェライトシートとしても耐熱性を有するものが求め
られだしている。これに対応して、合成樹脂としてポリ
プロピレン等の高耐熱性を有する合成樹脂を用いること
が提案されているが、ポリプロピレンに代表される高耐
熱性合成樹脂は柔軟性に乏しく、硬くて脆い傾向があ
り、湾曲した被着面への取り付けが困難である。また強
力な接着剤によって一時的に湾曲形状に沿わして貼り付
けることができたとしても、使用の過程で弾性復元して
脱落することも予想される。またテレビ使用時と未使用
時とでは偏向ヨーク表面の温度は極端に相違するため、
このような温度変化による合成樹脂の膨張、収縮作用も
無視できず、合成樹脂の膨張、収縮作用によってフェラ
イトシートが反ったり脱落するおそれも極めて高い。ま
た、剥がれ落ちないまでもフェライトシートの偏向ヨー
クの湾曲した貼着面を構成する巻線との距離が変化して
磁界補正効果に狂いが生じる問題もある。
本考案はかかる現況に鑑みてなされたものであり、耐熱
性に優れるとともに、被着面の湾曲形状や屈曲形状に容
易に沿わせることができ、しかも長年にわたって偏向ヨ
ークの湾曲面との密着状態を維持することが可能で、調
整作業によって実現された磁界補正効果を長年にわたっ
て持続することができる偏向ヨークの磁界補正用フェラ
イトシートを提供せんとするものである。
〔課題を解決するための手段〕
上記課題を解決した本考案の偏向ヨークの磁界補正用フ
ェライトシートは、フェライト粉を均一分散させた硬く
て脆い性質を有する耐熱性合成樹脂を用いて成形したシ
ート体に折曲案内用の条溝が単数又は複数条刻設され、
且つそのシート体の背面に粘着剤層が形成されたもので
あることを特徴としている。
バインダーとしては被着面の発熱温度等、使用環境温度
に耐え得る耐熱性を有するものであれば任意の合成樹脂
が採用可能であるが、特にポリプロピレンを用いること
が好ましい。
〔作用〕
本考案のフェライトシートを偏向ヨークに取り付けると
きには、フェライトシートの裏面に設けられた粘着剤層
を偏向ヨークの巻線表面に接触させることによってフェ
ライトシートを仮止めする。偏向ヨークの被着面は湾曲
しているが、本フェライトシートには折曲案内用の条溝
が刻設されているので、フェライトシートを被着面の湾
曲形状に沿わせることは容易である。仮止め後は、取り
付け位置を微調整したのち、裏面に本止め用粘着層が形
成された脱落防止用の被覆テープを積層して固定する。
フェライトシートは高耐熱性樹脂をバインダーとしてい
ることから比較的硬いがフェライトシートを折曲案内用
の条溝によって多段階に僅かずつ折り曲げることによっ
て、偏向ヨークの湾曲面形状に完全に密着した状態とな
すことができる。そしてこの密着状態は長年にわたって
維持され調整時の磁界補正効果がそのまま持続される。
また、テレビ使用時と未使用時とでは偏向ヨーク表面の
温度は極端に相違するが、このような温度変化による合
成樹脂の膨張、収縮も折曲案内用の条溝によって吸収緩
和されるので、フェライトシートが反ったり脱落するこ
とはない。
〔実施例〕
次に本考案の詳細を図示した実施例に基づいて説明す
る。第1図(イ)は本考案のフェライトシートの1実施
例の断面図であり、第1図(ロ)は同実施例の平面図で
ある。図中1は離型紙であり、この離型紙1の上に裏面
に仮止め用粘着剤層2を形成した単位構造のフェライト
シート3,3…の連設体を積層した構成としている。各フ
ェライトシート3を区分する破断用溝部4の深さは、フ
ェライトシート3の厚みの一部を残存させたものであっ
ても、又、離型紙1のみを残存させて隣接するフェライ
トシート3を完全に切離したものであってもよい。
フェライトシート3はニッケルジンクフェライトやマン
ガンジンクフェライト等のソフトフェライトを耐熱性合
成樹脂に均一分散して作製される。耐熱性合成樹脂は本
フェライトシートの使用環境に対応して適宜選択される
が、例えば本フェライトシートを偏向ヨークの磁界補正
用シートとして用いる場合は、ポリプロピレンやポリメ
チルペンテンを用いることが好ましい。これら合成樹脂
を用いれば120℃〜140℃におよぶ巻線の発熱にも充分耐
えることが可能となり、大型テレビや高品位テレビに使
用することができる。
各フェライトシート3には折曲案内用の条溝5がフェラ
イトシート3の長手方向に沿って刻設されている。図例
のものは二本の条溝5を等間隔で並行に並べているが、
条溝5の本数は任意であり被着面の形状に即して選択さ
れる。又、条溝5は第2図(イ)に示す如く格子状にし
たり、更に、被着面がラッパ形状に湾曲しているときな
どは第2図(ロ)に示す如く条溝間の間隔を一方から他
方にかけて狭くすることもできる。
条溝5の断面形状は略V字形とすることが好ましいが、
第3図(イ)、(ロ)に示す如く、型としたりU字形
とすることもできる。又、条溝5は第3図(ハ)に示す
如く、仮止め用粘着剤層2を積層する側に刻設してもよ
い。このようにしたときには、条溝5を拡開させること
でフェライトシート3を曲げることができるので、条溝
5の形状は図例の如く逆U字形とする必要はなく、条溝
5は単なる切り込みで代用することもできる。
以上説明したのは、離型紙1にフェライトシート3のみ
を積層したものであり、使用に際しては、破断用溝部4
によって離型紙1から1枚のフェライトシート3を取り
外し、裏面に形成された仮止め用粘着剤層2を被着面に
押し当ててその位置を微調整した後に、フェライトシー
ト3の上から裏面に本止め用粘着剤層が形成されたアセ
テートテープ等の被覆テープを外装して位置固定するも
のであるが、第4図として示すものは、取付けの手間を
省くために、フェライトシートと被覆テープをあらかじ
め一体化した状態で提供せんとするものである。即ち、
離型紙1の上に裏面に仮止め用粘着剤層2が形成された
フェライトシート3を所定間隔をおいて配置するととも
に、このフェライトシート3の上に裏面に本止め用粘着
剤層6が形成された被覆テープ7を外装したものであ
る。フェライトシート3に刻設する条溝5の深さはフェ
ライトシート3の厚み部分を一部残した深さとすること
も可能であるが、本実施例の場合、フェライトシート3
には被覆テープが積層されていることから、フェライト
シート3がばらばらになることはなく、従って変形を容
易とする観点からは条溝5を深くしてフェライトシート
3を条溝5によって完全に切離することが好ましい。
以上、説明したフェライトシート3の使用状態は第5図
で示される。フェライトシート3は折曲案内用の条溝5
によって、多段階に徐々に変形させることができるの
で、偏向ヨークの湾曲した巻線B表面にフェライトシー
ト3を密着させることができる。従って、磁界補正効果
を最大限に発揮することができる。しかも、本フェライ
トシート3はバインダーとして耐熱性合成樹脂を用いて
いるから、大型テレビや高品位テレビ等の発熱量の大き
い偏向ヨークに対しても使用できる。
〔考案の効果〕
本考案の偏向ヨークの磁界補正用フェライトシートは、
フェライト粉を均一分散させた耐熱性硬質合成樹脂を用
いて成形したシート体に折曲案内用の条溝を単数又は複
数条刻設し、且つそのシート体の背面に粘着剤層を形成
した構成としたので、大型テレビや高品位テレビ等の発
熱量の多い受像機に用いた場合にも特性が劣化すること
のない優れた耐熱性を発揮できる。
しかもこのような耐熱性を有する硬質樹脂を使用しなが
らも、折曲案内用の条溝を単数又は複数条設けているの
で、フェライトシートを偏向ヨークの湾曲面に沿わして
密着させることが可能であり、特に折曲案内用の条溝を
複数条設けたときには、フェライトシートを多段階に徐
々に曲げて変形させることが可能であり、偏向ヨークの
湾曲面に対する密着性をより高めることができる。そし
てこの密着状態は裏面の粘着剤によって長年にわたって
維持され調整時の磁界補正効果がそのまま持続される。
また、テレビ使用時と未使用時とでは偏向ヨーク表面の
温度は極端に相違するが、このような温度変化による合
成樹脂の膨張、収縮も折曲案内用の条溝によって吸収緩
和できるので、フェライトシートが反ったり脱落するこ
とはなく、調整時の磁界補正効果が狂うことはない。
【図面の簡単な説明】
第1図(イ)は本考案のフェライトシートの1実施例の
断面図、第1図(ロ)は同実施例の平面図、第1図
(ハ)は同実施例の要部拡大断面図、第2図(イ),
(ロ)は条溝の他の態様を示す説明図、第3図(イ),
(ロ),(ハ)は条溝の断面形状の他の態様を示す説明
図、第4図はフェライトシートと被覆テープを一体化し
た実施例の断面図、第5図は本フェライトシートを偏向
ヨークに取付けた状態を示す要部断面説明図、第6図は
従来例である。 A……偏向ヨーク、B……巻線、a……フェライトシー
ト,b……被覆テープ、1……離型紙、2……仮止め用粘
着剤層、3……フェライトシート、4……破断用溝部、
5……条溝、6……本止め用粘着剤層、7……被覆テー
プ。

Claims (1)

    【実用新案登録請求の範囲】
  1. 【請求項1】偏向ヨークの湾曲面に沿って取りつけられ
    る磁界補正用フェライトシートであって、その構成が、
    フェライト粉を均一分散させた硬くて脆い性質を有する
    耐熱性合成樹脂を用いて成形したシート体に折曲案内用
    の条溝が単数又は複数条刻設され、且つそのシート体の
    背面に粘着剤層が形成されたものである偏向ヨークの磁
    界補正用フェライトシート。
JP1990026481U 1990-03-14 1990-03-14 偏向ヨークの磁界補正用フェライトシート Expired - Fee Related JPH0729677Y2 (ja)

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