JPH07295405A - 用紙搬送ガイド装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】摩擦抵抗が小さくかつ用紙と感光ドラムとの相
対位置を用紙幅方向に均一とした円滑搬送を保障しつつ
小型で長寿命の用紙搬送ガイド装置を提供する。 【構成】用紙搬送方向の上流側でかつ用紙幅方向に離隔
配設された複数の突条部材２２からなる低摩擦ガイド部
と、下流側に配設された用紙幅方向に連続しかつ上下方
向に撓まない全面ガイド部２３Ｔとから形成し、全面ガ
イド部２３Ｔをガラス繊維強化アクリロニトリル・ブタ
ジエン・スチレン系樹脂から形成した。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、電子写真装置の転写部
へ用紙を搬送ガイドする用紙搬送ガイド装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】図５において、複写機，ファクシミリ等
に利用される電子写真装置の転写部Ｃは、一定速度で回
動する感光ドラム１と転写器１０（ケース１１，ワイヤ
ー１２）とを対向配設した構成とされている。２は現像
ローラである。また、用紙Ｐの搬送（Ｘ）方向の上流側
には用紙搬送ガイド装置２００が設けられ、かつ下流側
にも用紙搬送ガイド装置３０が設けられている。

【０００３】上流側の用紙搬送ガイド装置２００は、高
画質転写保証上、用紙Ｐを転写部Ｃに所定角度で進入さ
せつつ感光ドラム１との相対位置を用紙幅方向（図５の
紙面手前から奥行き方向）に均一に搬送ガイドする必要
がある。

【０００４】従来の用紙搬送ガイド装置２００は、Ｘ方
向の下流側に設けたガイドローラ２０１と、その上流側
に設けたガイドプレート２０２とから形成されている。
したがって、用紙Ｐとガイドローラ２０１とがころがり
係合するので低摩擦でありかつ用紙幅方向の全域に亘っ
て感光ドラム１との相対位置を均一化できる。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】ところで、使用する用
紙Ｐの種類が多様化するに従い次のような問題が発生し
ている。すなわち、特に厚紙や高剛性の用紙が使用され
ると、ガイドローラ２０１が図６に誇張表示したように
その軸線Ｚが感光ドラム１から離反する方向Ｚ１に撓ん
でしまうので、用紙Ｐと感光ドラム１との相対位置が用
紙幅方向に不均一となってしまうばかりか、用紙先端が
引掛って円滑搬送が妨げられる。

【０００６】だからと言って，ガイドローラ２０１を太
くすることは装置全体の小型化に反するので許され難
い。また、ガイドローラ２０１を除去してガイドプレー
ト２０２を延長させることも、摩擦抵抗が過大となって
しまうので搬送上許されない。本発明の目的は、摩擦抵
抗が小さくかつ用紙と感光ドラムとの相対位置を用紙幅
方向に均一とした円滑搬送を保障しつつ小型で長寿命の
用紙搬送ガイド装置を提供することにある。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明に係る用紙搬送ガ
イド装置は、用紙搬送方向の上流側から搬送されて来た
用紙を転写部へガイドする用紙搬送ガイド装置であっ
て、前記用紙搬送方向の上流側でかつ用紙幅方向に離隔
配設された複数の突条部材からなる低摩擦ガイド部と、
この低摩擦ガイド部の下流側に配設された用紙幅方向に
連続しかつ上下方向に撓まない全面ガイド部とから形成
し、少くとも該全面ガイド部をガラス繊維強化アクリロ
ニトリル・ブタジエン・スチレン系樹脂から形成したこ
とを特徴とする。

【０００８】

【作用】上記構成による本発明の場合、上流側から搬送
されて来た用紙は、用紙幅方向に離隔配設された複数の
突条部材に係合し転写部の方向に搬送ガイドされる。し
たがって、摩擦抵抗が小さいので、搬送動力を小容量化
しても円滑搬送できる。

【０００９】その後に用紙は、用紙幅方向に連続する全
面ガイド部に搬送ガイドされる。この全面ガイド部は上
下方向に撓まないので、用紙と感光ドラムとの相対位置
を用紙幅方向に均一に保持できる。したがって、厚紙や
高剛性の用紙でも円滑搬送できかつ高画質転写させるこ
とができる。

【００１０】しかし、印刷総枚数が増大する程に全面ガ
イド部が用紙との摩擦によって摩耗したのでは、円滑搬
送や高画質転写を保障できなくなってしまう。ここに、
全面ガイド部が、ガラス繊維強化アクリロニトリル・ブ
タジエン・スチレン系樹脂から形成されているので、例
えば１５０００枚以上の用紙印刷を行っても、摩耗せず
長期間使用に耐えかつ例えば転写器のケースと一体モー
ルド成形できるので低コスト化も達成できる。

【００１１】

【実施例】以下、本発明の実施例を図面を参照して説明
する。本用紙搬送ガイド装置は、図１〜図４に示す如
く、上流側の低摩擦ガイド部（２２）と下流側の全面ガ
イド部２３Ｔとから構成され、かつ全面ガイド部２３Ｔ
をガラス繊維強化アクリロニトリル・ブタジエン・スチ
レン（ＡＢＳ）系樹脂から形成し、用紙Ｐの円滑搬送と
用紙Ｐと感光ドラム１との相対位置を用紙幅方向に一定
かつ均一に保持して高画質転写を保障しつつ１５０００
枚以上の用紙印刷にも耐えられるように形成してある。

【００１２】また、この実施例の場合、低摩擦ガイド部
（２２）と全面ガイド部２３Ｔとを転写器１０のケース
１１と一体モールド成形し、一層の配設位置の高精度化
とコスト低減とを図っている。

【００１３】図１において、転写器１０は、ケース１１
とシールドケース１２と放電ワイヤー１３とからなる。
詳しくは、図２の分解斜視図、図３の外観図および図４
の横断面図に示す。この転写器１０は、図３に示す取付
部材１６によって、感光ドラム１との相対位置を高精度
に保ち固定される。なお、１５は放電ワイヤー１３に電
流を流すための給電端子である。

【００１４】ここに、上流側の用紙搬送ガイド装置２０
を構成する低摩擦ガイド部（２２）は、ケース１１の上
方傾斜面２１に用紙幅方向（図１で紙面手前から奥行き
に向う方向）に離隔配設された複数の突条部材２２から
形成され、用紙Ｐとの係合絶対面積を削減して搬送摩擦
の軽減を図りつつ用紙Ｐを転写部Ｃ（詳しくは、全面ガ
イド部２３Ｔ）に向けて搬送ガイドする。

【００１５】また、低摩擦ガイド部（２２）の下流側に
配設された全面ガイド部２３Ｔは、用紙幅方向に連続し
かつ図１で上下方向に撓まないものと形成してある。す
なわち、ケース１１の上方水平突出部２３の上面側に説
明便宜のために２点鎖線で示すように形成され、その形
状は従来例（図５）のガイドローラ２０１のように円弧
状とされている。用紙Ｐの転写部Ｃへの進入角度を一定
とするためである。

【００１６】因に、全面ガイド部２３Ｔを従来ケース
（１１）と同様に、低コスト化，加工便宜および不導電
性確保の観点から、一般的なアクリロニトリル・ブタジ
エン・スチレン（ＡＢＳ）系樹脂等の合成樹脂から形成
し、厚紙や高剛性の用紙を使用すると、例えば８０００
〜９０００枚の間は高画質転写上問題はないが、例えば
１００００枚以上となると、全面ガイド部２３Ｔが摩耗
してしまうので、寿命上、多枚数印刷型には実用性に欠
ける。

【００１７】ここに、本発明の全面ガイド部２３Ｔは、
ガラス繊維強化ＡＢＳ系樹脂から形成され、ガラス繊維
の耐摩耗性を利用して長寿命化を図っている。もとよ
り、剛性，耐熱性，耐衝撃性，成形加工性，外観品質が
良好である。そこで、この実施例では、全面ガイド部２
３Ｔを図３に示す如く各突条部材２２とともにケース１
１と一体成形したのである。大幅なコスト低減ができ
る。

【００１８】この実施例におけるガラス繊維強化ＡＢＳ
樹脂は、ＮＣ１００Ｇ２０（日本合成ゴム製）を用い
た。このガラス繊維強化ＡＢＳ樹脂のロックウェル硬度
は、Ｒスケールで１１１であり、一般的なＡＢＳ樹脂
（例えば、ＮＣ４７１…日本合成ゴム製）の１１０（Ｒ
スケール）と大差はないが、摺接する用紙Ｐとの耐摩耗
性については著しく異なることを確認している。

【００１９】特に高剛性の用紙、例えばＡ４サイズ〔３
Ｒ９１７２０（８０ｇ／ｍ² ，２１．３ｌｂｓ）…ＲＡ
ＮＫ ＸＥＲＯＸ製〕を使用した場合でも、１５０００
枚以上を印刷しても全面ガイド部２３Ｔの摩耗は認めら
れなかった。また、１２０ｇ／ｍ² の用紙でも摩耗しな
いことが確認された。

【００２０】また、図１に示す下流側の用紙搬送ガイド
装置３０も、転写印刷された用紙Ｐの先端を受ける用紙
幅方向に連続な傾斜平面部３１と，用紙幅方向に離隔配
設された複数の突条部材３２とから形成され、全体とし
てケース１１とシールドケース１２との間に挿入取付け
するものと形成されている。

【００２１】かかる構成の実施例の場合、転写器１０
を、図３に示す取付部材１６を用いて感光ドラム１に対
する相対位置を正確として固定する。すると、ケース１
１と一体成形された上流側用紙搬送ガイド装置２０の感
光ドラム１に対する相対位置も正確に保持される。下流
側の用紙搬送ガイド装置３０についても同様である。

【００２２】ここに、図１で右方向から用紙ＰをＸ方向
に搬送すると、用紙Ｐの先端は、まず低摩擦ガイド部を
形成するところの用紙幅方向に離隔配設された複数の突
条部材２２に係合して転写部Ｃの方向へ搬送ガイドされ
る。したがって、摩擦抵抗が小さいので、円滑搬送でき
るとともに引掛りも生じない。しかも、搬送動力を小容
量化できる。

【００２３】その後に、用紙先端は、用紙幅方向に連続
する全面ガイド部２３Ｔに搬送ガイドされる。この全面
ガイド部２３Ｔは、従来例（図５）の搬送ローラ２０１
のように上下方向に撓んでしまうということがないの
で、用紙Ｐと感光ドラム１との相対位置を用紙幅方向に
均一に保持できる。

【００２４】したがって、厚紙や高剛性の用紙Ｐでも円
滑搬送できるとともに転写部Ｃへの進入角度も一定でか
つ図１に示す電荷だまり２３Ｄとの相対位置も一定とな
るので、高画質転写させることができる。

【００２５】しかも、全面ガイド部２３Ｔをガラス繊維
強化ＡＢＳ系樹脂から形成して耐摩耗性を大幅に向上さ
せてあるので、例えば１５０００枚以上の用紙印刷を行
っても摩滅せず長寿命である。

【００２６】そして、転写部Ｃを通過した用紙Ｐは、下
流側の用紙搬送ガイド装置３０の傾斜平面部３１に当接
して方向変換され、引続き突条部材３２と低摩擦係合し
Ｘ方向に搬送ガイドされる。

【００２７】しかして、この実施例によれば、転写部Ｃ
の上流側用紙搬送ガイド装置２０が、用紙搬送方向の上
流側でかつ用紙幅方向に離隔配設された複数の突条部材
２２からなる低摩擦ガイド部と、下流側に配設された用
紙幅方向に連続しかつ上下方向に撓まない全面ガイド部
２３Ｔとから形成し、全面ガイド部２３Ｔをガラス繊維
強化ＡＢＳ系樹脂から形成されているので、摩擦抵抗を
小さくかつ用紙Ｐと感光ドラム１との相対位置を用紙幅
方向に均一として円滑搬送可能および高画質転写可能で
あるとともに、小型で長期間の安定搬送ガイドを行え
る。

【００２８】また、低摩擦ガイド部（２２）と全面ガイ
ド部２３Ｔとが、ケース１１の上方傾斜面２１に連続的
に形成されているので、両者２２，２３Ｔ間における用
紙Ｐの引掛りを完全に防止できる。

【００２９】また、低摩擦ガイド部（２２）が用紙幅方
向に離隔配設された複数の突条部材２２から形成されて
いるので、Ｘ方向の長さを大きくしても搬送抵抗の増大
分は僅かである。したがって、用紙長手サイズの長短に
対する適応性が非常に大きい。

【００３０】また、全面ガイド部２３Ｔは、円弧形状と
されているので、用紙Ｐの転写部Ｃへの進入角度を理想
的に維持できる。

【００３１】また、上流側の用紙搬送ガイド装置２０
（２２、２３Ｔ）が転写器１０のケース１１と一体成形
されているので、感光ドラム１との相対位置を容易に高
精度に取付けられるとともに、大幅なコスト低減が図れ
る。

【００３２】さらに、下流側の用紙搬送ガイド装置３０
は、ケース１１に着脱可能とされているので、組立が容
易である。とともに、突条部材３２を利用しているの
で、この点からも搬送抵抗を軽減できる。

【００３３】

【発明の効果】本発明によれば、転写部の上流側用紙搬
送ガイド装置が、用紙搬送方向の上流側でかつ用紙幅方
向に離隔配設された複数の突条部材からなる低摩擦ガイ
ド部と、下流側に配設された用紙幅方向に連続しかつ上
下方向に撓まない全面ガイド部とから形成し、全面ガイ
ド部をガラス繊維強化アクリロニトリル・ブタジエン・
スチレン系樹脂から形成されているので、用紙の厚薄や
剛性の大小に拘わらずに摩擦抵抗を小さくかつ用紙と感
光ドラムとの相対位置を用紙幅方向に均一として円滑搬
送可能および高画質転写可能であるとともに、小型で長
期間の安定搬送ガイドを行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例を示す正断面図である。

【図２】同じく、分解斜視図である。

【図３】同じく、外観図である。

【図４】同じく、横断面図である。

【図５】従来例を説明するための正断面図である。

【図６】従来例の問題点を説明するための図である。

【符号の説明】

１ 感光ドラム ２ 現像ローラ １０ 転写器 １１ ケース １３ 放電ワイヤー ２０ 上流側の用紙搬送ガイド装置 ２１ 上方傾斜面 ２２ 突条部材（低摩擦ガイド部） ２３ 上方水平突出部 ２３Ｔ 全面ガイド部 ３０ 下流側の用紙搬送ガイド装置 ３１ 傾斜平面部 ３２ 突条部材 Ｐ 用紙 Ｘ 用紙搬送方向 Ｃ 転写部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 用紙搬送方向の上流側から搬送されて来
   た用紙を転写部へ搬送ガイドする用紙搬送ガイド装置で
   あって、 前記用紙搬送方向の上流側でかつ用紙幅方向に離隔配設
   された複数の突条部材からなる低摩擦ガイド部と、この
   低摩擦ガイド部の下流側に配設された用紙幅方向に連続
   しかつ上下方向に撓まない全面ガイド部とから形成し、
   少くとも該全面ガイド部をガラス繊維強化アクリロニト
   リル・ブタジエン・スチレン系樹脂から形成したことを
   特徴とする用紙搬送ガイド装置。