JPH07295207A - 高強度フッ素系膜ペリクル - Google Patents
高強度フッ素系膜ペリクルInfo
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- JPH07295207A JPH07295207A JP9086894A JP9086894A JPH07295207A JP H07295207 A JPH07295207 A JP H07295207A JP 9086894 A JP9086894 A JP 9086894A JP 9086894 A JP9086894 A JP 9086894A JP H07295207 A JPH07295207 A JP H07295207A
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- pellicle film
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Abstract
(57)【要約】 (修正有)
【目的】 本発明は単層の非晶質フッ素系ポリマーから
なるペリクル膜に比べて膜強度が向上し、エアーブロー
に対する耐圧性が顕著に向上した高強度フッ素系膜ペリ
クルの提供を目的とするものである。 【構成】 本発明の高強度フッ素系膜ペリクル膜は、少
なくとも2種類の非晶質フッ素ポリマーの多層膜からな
るものとしてなることを特徴とするものである。
なるペリクル膜に比べて膜強度が向上し、エアーブロー
に対する耐圧性が顕著に向上した高強度フッ素系膜ペリ
クルの提供を目的とするものである。 【構成】 本発明の高強度フッ素系膜ペリクル膜は、少
なくとも2種類の非晶質フッ素ポリマーの多層膜からな
るものとしてなることを特徴とするものである。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は高強度フッ素系膜ペリク
ル、特にはLSI、超LSIなどの半導体装置あるいは
液晶表示板を製造する際のゴミよけとして使用される、
実質的に 500nm以下の光を用いる露光方式における帯電
防止された高強度フッ素系膜ペリクルに関するものであ
る。
ル、特にはLSI、超LSIなどの半導体装置あるいは
液晶表示板を製造する際のゴミよけとして使用される、
実質的に 500nm以下の光を用いる露光方式における帯電
防止された高強度フッ素系膜ペリクルに関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】LSI、超LSIなどの半導体装置ある
いは液晶表示板などの製造においては、半導体ウェハー
あるいは液晶用原版に光を照射してパターニングを作成
するのであるが、この場合に用いる露光原版(マスクま
たはレチクルと呼ばれる)にゴミが付着していると、こ
のゴミが光を吸収したり、光を曲げてしまうため、転写
したパターニングが変形したり、エッジががさついたも
のとなるほか、下地が黒く汚れ、寸法、品質外観などが
損なわれ、半導体装置や液晶表示板などの性能や製造歩
留りの低下を来すという問題があった。このため、これ
らの作業は通常クリーンルームで行われているが、クリ
ーンルーム内でも露光原版を常に清浄に保つことが困難
であるので、露光原版の表面にゴミよけのための露光用
の光をよく通過させるペリクルを貼着する方法が一般に
行なわれている。
いは液晶表示板などの製造においては、半導体ウェハー
あるいは液晶用原版に光を照射してパターニングを作成
するのであるが、この場合に用いる露光原版(マスクま
たはレチクルと呼ばれる)にゴミが付着していると、こ
のゴミが光を吸収したり、光を曲げてしまうため、転写
したパターニングが変形したり、エッジががさついたも
のとなるほか、下地が黒く汚れ、寸法、品質外観などが
損なわれ、半導体装置や液晶表示板などの性能や製造歩
留りの低下を来すという問題があった。このため、これ
らの作業は通常クリーンルームで行われているが、クリ
ーンルーム内でも露光原版を常に清浄に保つことが困難
であるので、露光原版の表面にゴミよけのための露光用
の光をよく通過させるペリクルを貼着する方法が一般に
行なわれている。
【0003】すなわち、これによれば、ゴミは露光原版
の表面上には直接付着せず、ペリクル上に付着するた
め、リソグラフィー時に焦点を露光原版のパターン上に
合わせておけば、ペリクル上のゴミは転写に無関係とな
る。なお、このペリクルの構造は紫外線をよく通過させ
るニトロセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セ
ルロースなどのセルロース系ポリマーの薄膜をアルミニ
ウム、ステンレス、プラスチックなどの材質からなるペ
リクル枠の上部に接着させたものとされる。しかし、近
年パターンの集積化が進むにつれて露光光源の短波長化
が進み、これに伴ってペリクル膜の耐光性が問題とされ
るようになってきたことから、この膜材料としては非晶
質フッ素系ポリマーを使用することが提案されている
(特開平 3-67262号公報参照)。
の表面上には直接付着せず、ペリクル上に付着するた
め、リソグラフィー時に焦点を露光原版のパターン上に
合わせておけば、ペリクル上のゴミは転写に無関係とな
る。なお、このペリクルの構造は紫外線をよく通過させ
るニトロセルロース、酢酸セルロース、プロピオン酸セ
ルロースなどのセルロース系ポリマーの薄膜をアルミニ
ウム、ステンレス、プラスチックなどの材質からなるペ
リクル枠の上部に接着させたものとされる。しかし、近
年パターンの集積化が進むにつれて露光光源の短波長化
が進み、これに伴ってペリクル膜の耐光性が問題とされ
るようになってきたことから、この膜材料としては非晶
質フッ素系ポリマーを使用することが提案されている
(特開平 3-67262号公報参照)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、この非晶質フ
ッ素系ポリマーは従来公知のセルロース系ポリマーと比
較すると引張降伏値が低いために、エアーブロー時にし
わが発生し易いという欠点がある。したがって、ペリク
ル使用時にペリクル膜に異物が付着したときに、これを
除去する目的でセルロース系ポリマーと同じブロー条件
でエアーブローすると、この非晶質フッ素系ポリマーに
は膜が伸びたり、しわ、破れがしばしば発生するが、こ
のエアーブロー工程はペリクル使用上必須の工程である
ことからこの工程はなくすことができず、この非晶質フ
ッ素系ポリマーについてはこのエアーブロー工程にも耐
えられる膜強度を持つものとすることが必要とされる。
ッ素系ポリマーは従来公知のセルロース系ポリマーと比
較すると引張降伏値が低いために、エアーブロー時にし
わが発生し易いという欠点がある。したがって、ペリク
ル使用時にペリクル膜に異物が付着したときに、これを
除去する目的でセルロース系ポリマーと同じブロー条件
でエアーブローすると、この非晶質フッ素系ポリマーに
は膜が伸びたり、しわ、破れがしばしば発生するが、こ
のエアーブロー工程はペリクル使用上必須の工程である
ことからこの工程はなくすことができず、この非晶質フ
ッ素系ポリマーについてはこのエアーブロー工程にも耐
えられる膜強度を持つものとすることが必要とされる。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明はこのような不
利、問題点を解決した非晶質フッ素系ポリマーからなる
ペリクルに関するものであり、これはペリクル膜を少な
くとも2種類の非晶質フッ素系ポリマーの多層膜からな
るものとしてなることを特徴とするものである。
利、問題点を解決した非晶質フッ素系ポリマーからなる
ペリクルに関するものであり、これはペリクル膜を少な
くとも2種類の非晶質フッ素系ポリマーの多層膜からな
るものとしてなることを特徴とするものである。
【0006】すなわち、本発明者らは非晶質フッ素系ポ
リマーからなるペリクル膜の強度を向上させる方法につ
いて種々検討した結果、ペリクル膜を種類の異なる2種
以上の非晶質ポリマーの多層膜からなるものとすると、
厚みが同じでもエアーブローに対する耐圧性が顕著に向
上することを見出し、このようにして作られたペリクル
膜はそれが非晶質フッ素ポリマーからなるものであって
も通常のエアーブローを行ったときに、この膜が伸びた
り、破れたりすることが無くなることを確認し、この複
数の非晶質フッ素系ポリマーの具体的な組み合わせなど
を研究して本発明を完成させた。
リマーからなるペリクル膜の強度を向上させる方法につ
いて種々検討した結果、ペリクル膜を種類の異なる2種
以上の非晶質ポリマーの多層膜からなるものとすると、
厚みが同じでもエアーブローに対する耐圧性が顕著に向
上することを見出し、このようにして作られたペリクル
膜はそれが非晶質フッ素ポリマーからなるものであって
も通常のエアーブローを行ったときに、この膜が伸びた
り、破れたりすることが無くなることを確認し、この複
数の非晶質フッ素系ポリマーの具体的な組み合わせなど
を研究して本発明を完成させた。
【0007】
【作用】本発明は高強度フッ素系膜ペリクルに関するも
のであり、これは前記したようにペリクル膜を少なくと
も2種類の非晶質フッ素系ポリマーの多層膜からなるも
のとしてなることを特徴とするものであるが、このペリ
クル膜はその厚さが従来公知の単独の非晶質フッ素系ポ
リマーからなるペリクル膜の厚さと同じであっても、エ
アーブローに対する耐圧性が顕著に向上するので、通常
のエアーブローでは伸びや破れなどが発生しない、強度
の強いものになるという有利性が与えられる。
のであり、これは前記したようにペリクル膜を少なくと
も2種類の非晶質フッ素系ポリマーの多層膜からなるも
のとしてなることを特徴とするものであるが、このペリ
クル膜はその厚さが従来公知の単独の非晶質フッ素系ポ
リマーからなるペリクル膜の厚さと同じであっても、エ
アーブローに対する耐圧性が顕著に向上するので、通常
のエアーブローでは伸びや破れなどが発生しない、強度
の強いものになるという有利性が与えられる。
【0008】本発明の高強度フッ素系膜ペリクルは非晶
質フッ素系ポリマーからなるものとされるが、この非晶
質フッ素系ポリマーは公知のものでよく、したがってこ
れは例えばつぎの化学式
質フッ素系ポリマーからなるものとされるが、この非晶
質フッ素系ポリマーは公知のものでよく、したがってこ
れは例えばつぎの化学式
【化1】 (m、nは正の整数)で示されるテフロンAF[米国デ
ュポン社製商品名]、または化学式
ュポン社製商品名]、または化学式
【化2】 (nは正の整数)で示されるサイトップ[旭硝子(株)
製商品名]などが例示される。
製商品名]などが例示される。
【0009】この非晶質フッ素系ポリマーからなるペリ
クル膜の製造は、これらの化合物をフッ素系の溶媒、た
とえばパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)
やパーフルオロ(2−プロピルテトラヒドロピラン)な
どを用いて3〜10%の濃度に溶解した後、スピンコータ
ーやナイフコーターを用いる溶液キャスター法で成膜す
ればよいが、しかし、この非晶質フッ素系ポリマーから
なるペリクル膜を単独のポリマーからなる厚さが通常の
0.8〜3μmの膜とすると、このものはセルロース系の
ペリクル膜と同等の条件でエアーブローを行うと伸びや
破れが発生するので、この場合には膜の厚みを増加させ
ればよいのであるが、このときには他の重要な性能の1
つである光線の透過率が低下するという問題点が生ず
る。
クル膜の製造は、これらの化合物をフッ素系の溶媒、た
とえばパーフルオロ(2−ブチルテトラヒドロフラン)
やパーフルオロ(2−プロピルテトラヒドロピラン)な
どを用いて3〜10%の濃度に溶解した後、スピンコータ
ーやナイフコーターを用いる溶液キャスター法で成膜す
ればよいが、しかし、この非晶質フッ素系ポリマーから
なるペリクル膜を単独のポリマーからなる厚さが通常の
0.8〜3μmの膜とすると、このものはセルロース系の
ペリクル膜と同等の条件でエアーブローを行うと伸びや
破れが発生するので、この場合には膜の厚みを増加させ
ればよいのであるが、このときには他の重要な性能の1
つである光線の透過率が低下するという問題点が生ず
る。
【0010】そのため、本発明のペリクルは上記したよ
うに2種類以上の非晶質フッ素系ポリマーの多層膜とす
ることが必要とされるので、この製造は種類の異なる非
晶質フッ素系ポリマーを用いて繰り返して成膜すること
が必要とされる。そこで、本発明にしたがって、このペ
リクル膜を2種類以上の非晶質フッ素系ポリマーの多層
膜とすると、このものは単層の非晶質フッ素系ポリマー
からなるペリクル膜に比べて膜強度が向上したものとな
ってエアーブローに対する耐圧性が顕著に向上したもの
となり、エアーブローによっても伸びたり、破れたりと
いうことがなくなるので、このものは特に強度向上のた
めに厚膜化する必要がなく、ここの厚さは従来品と同様
の 0.8〜3μmとすることができ、光線の透過率が低下
することもないので、通常のペリクル膜と同様の用途に
使用することができる。
うに2種類以上の非晶質フッ素系ポリマーの多層膜とす
ることが必要とされるので、この製造は種類の異なる非
晶質フッ素系ポリマーを用いて繰り返して成膜すること
が必要とされる。そこで、本発明にしたがって、このペ
リクル膜を2種類以上の非晶質フッ素系ポリマーの多層
膜とすると、このものは単層の非晶質フッ素系ポリマー
からなるペリクル膜に比べて膜強度が向上したものとな
ってエアーブローに対する耐圧性が顕著に向上したもの
となり、エアーブローによっても伸びたり、破れたりと
いうことがなくなるので、このものは特に強度向上のた
めに厚膜化する必要がなく、ここの厚さは従来品と同様
の 0.8〜3μmとすることができ、光線の透過率が低下
することもないので、通常のペリクル膜と同様の用途に
使用することができる。
【0011】本発明の高強度フッ素系膜ペリクルはその
強度を向上させるために、上記したように種類の異なる
2種以上の非晶質フッ素系ポリマーの多層膜とされる
が、ここに使用する2種以上の非晶質フッ素系ポリマー
はガラス転移温度差が5℃以上あるものとすることがよ
い。したがって、これについては例えばガラス転移温度
が 108℃の非晶質フッ素系ポリマーの膜(A膜)と、ガ
ラス転移温度が 160℃である非晶質フッ素系ポリマーの
膜(B膜)とよりなる2層膜とすることがよく、これを
ペリクル膜として使用すると、同じ厚さのA膜、B膜の
みからなるペリクル膜に比べて膜のエアーブローに対す
る耐圧性が顕著に向上される。なお、この構成はA膜+
B膜だけが例示されているが、これはA膜+B膜+A膜
またはB膜+A膜+B膜の3層からなるもの、さらには
4層からなるものとしてもく、さらにはA、B以外のこ
こに例示していない非晶質フッ素系ポリマーを組み合わ
せてもよい。
強度を向上させるために、上記したように種類の異なる
2種以上の非晶質フッ素系ポリマーの多層膜とされる
が、ここに使用する2種以上の非晶質フッ素系ポリマー
はガラス転移温度差が5℃以上あるものとすることがよ
い。したがって、これについては例えばガラス転移温度
が 108℃の非晶質フッ素系ポリマーの膜(A膜)と、ガ
ラス転移温度が 160℃である非晶質フッ素系ポリマーの
膜(B膜)とよりなる2層膜とすることがよく、これを
ペリクル膜として使用すると、同じ厚さのA膜、B膜の
みからなるペリクル膜に比べて膜のエアーブローに対す
る耐圧性が顕著に向上される。なお、この構成はA膜+
B膜だけが例示されているが、これはA膜+B膜+A膜
またはB膜+A膜+B膜の3層からなるもの、さらには
4層からなるものとしてもく、さらにはA、B以外のこ
こに例示していない非晶質フッ素系ポリマーを組み合わ
せてもよい。
【0012】
【実施例】つぎに本発明の実施例、比較例をあげる。 実施例1 ガラス転移温度が 160℃である、テトラフルオロエチレ
ンとパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソール)の共重合体であるテフロンAF1600[米国デュ
ポン社製商品名]をその溶剤・フロリナートFC−75
[住友スリーエム(株)製商品名]に溶解して濃度2%
の溶液を調製し、この溶液を直径 200mm、厚さ3mmの表
面研磨した石英基板面に、スピンコーターを用いて膜厚
が0.42μmの透明膜を形成させ、 180℃で15分間乾燥し
た。
ンとパーフルオロ(2,2−ジメチル−1,3−ジオキ
ソール)の共重合体であるテフロンAF1600[米国デュ
ポン社製商品名]をその溶剤・フロリナートFC−75
[住友スリーエム(株)製商品名]に溶解して濃度2%
の溶液を調製し、この溶液を直径 200mm、厚さ3mmの表
面研磨した石英基板面に、スピンコーターを用いて膜厚
が0.42μmの透明膜を形成させ、 180℃で15分間乾燥し
た。
【0013】ついで、ガラス転移温度が 108℃である、
パーフルオロ(ブテニル、ビニル、エーテル)(BV
E)の重合体であるサイトップCTXSタイプ[旭硝子
(株)製商品名]をその溶剤・CTSolv 180[旭硝子
(株)製商品名]に溶解し濃度2%の溶液を調製し、こ
の溶液を上記のスピンコートした膜の上に、スピンコー
ターを用いて膜厚が0.42μmになるように成膜し、 180
℃で15分間乾燥して膜厚が0.84μmの二層膜からなるペ
リクル膜を形成したところ、このものの光線透過率は9
9.5%であった。つぎに、このペリクル膜にノズルの吹
き出し口が直径1mmであるエアーガンを用いて、ノズル
先端から膜までの距離10mm、ブロー時間10秒、ガス圧を
0.5kgf刻みで2.0kgfから4.0kgfとするという条件でエア
ーブローしたところ、後記する表1に示したとおりの結
果が得られ、このものはエアーブローに対して強い耐圧
性を持つものであることが確認された。
パーフルオロ(ブテニル、ビニル、エーテル)(BV
E)の重合体であるサイトップCTXSタイプ[旭硝子
(株)製商品名]をその溶剤・CTSolv 180[旭硝子
(株)製商品名]に溶解し濃度2%の溶液を調製し、こ
の溶液を上記のスピンコートした膜の上に、スピンコー
ターを用いて膜厚が0.42μmになるように成膜し、 180
℃で15分間乾燥して膜厚が0.84μmの二層膜からなるペ
リクル膜を形成したところ、このものの光線透過率は9
9.5%であった。つぎに、このペリクル膜にノズルの吹
き出し口が直径1mmであるエアーガンを用いて、ノズル
先端から膜までの距離10mm、ブロー時間10秒、ガス圧を
0.5kgf刻みで2.0kgfから4.0kgfとするという条件でエア
ーブローしたところ、後記する表1に示したとおりの結
果が得られ、このものはエアーブローに対して強い耐圧
性を持つものであることが確認された。
【0014】実施例2 実施例1で使用したガラス転移点が 108℃である非晶質
フッ素系ポリマー・サイトップCTXSタイプ(前出)
をその溶剤・CTSolv 180(前出)に溶解して濃度2%の
溶液を調製し、この溶液を直径 200mm、厚さ3mmの表面
研磨した石英基板面に、スピンコーターを用いて膜厚が
0.42μmの透明膜を形成させ、 180℃で15分間乾燥し
た。
フッ素系ポリマー・サイトップCTXSタイプ(前出)
をその溶剤・CTSolv 180(前出)に溶解して濃度2%の
溶液を調製し、この溶液を直径 200mm、厚さ3mmの表面
研磨した石英基板面に、スピンコーターを用いて膜厚が
0.42μmの透明膜を形成させ、 180℃で15分間乾燥し
た。
【0015】ついで、ガラス転移温度が69℃である、パ
ーフルオロ(アリル、ビニル、エーテル)(AVE)の
重合体[旭硝子(株)製商品名]をその溶剤・CTSolv 1
80(前出)に溶解して濃度2%の溶液を調製し、この溶
液を上記のスピンコートした膜の上に、スピンコーター
を用いて膜厚が0.42μmになるように成膜し、 180℃で
15分間乾燥して膜厚が0.84μmの二層膜からなるペリク
ル膜を形成したところ、このものの光線透過率は99.5%
であった。このペリクル膜について実施例1と同じ条件
でエアーブローしたところ、後記する表1に示したとお
りの結果が得られ、このものはエアーブローに対して強
い耐圧性を持つものであることが確認された。
ーフルオロ(アリル、ビニル、エーテル)(AVE)の
重合体[旭硝子(株)製商品名]をその溶剤・CTSolv 1
80(前出)に溶解して濃度2%の溶液を調製し、この溶
液を上記のスピンコートした膜の上に、スピンコーター
を用いて膜厚が0.42μmになるように成膜し、 180℃で
15分間乾燥して膜厚が0.84μmの二層膜からなるペリク
ル膜を形成したところ、このものの光線透過率は99.5%
であった。このペリクル膜について実施例1と同じ条件
でエアーブローしたところ、後記する表1に示したとお
りの結果が得られ、このものはエアーブローに対して強
い耐圧性を持つものであることが確認された。
【0016】比較例1 実施例1で使用したガラス転移点が 108℃である非晶質
フッ素系ポリマー・サイトップCTXSタイプ(前出)
をその溶剤・CTSolv 180(前出)に溶解して濃度5%の
溶液を調製し、この溶液を直径 200mm、厚さ3mmの表面
研磨した石英基板上に、スピンコーターを用いて膜厚が
0.84μmの透明膜を形成させ、 180℃で15分間乾燥した
ところ、光線透過率が99.5%であるペリクル膜が得られ
たので、このペリクル膜について実施例1と同じ条件で
エアーブローしたところ、後記する表1に示したとおり
結果が得られ、このものは3.0kgfのエアーブローで膜が
伸びた。
フッ素系ポリマー・サイトップCTXSタイプ(前出)
をその溶剤・CTSolv 180(前出)に溶解して濃度5%の
溶液を調製し、この溶液を直径 200mm、厚さ3mmの表面
研磨した石英基板上に、スピンコーターを用いて膜厚が
0.84μmの透明膜を形成させ、 180℃で15分間乾燥した
ところ、光線透過率が99.5%であるペリクル膜が得られ
たので、このペリクル膜について実施例1と同じ条件で
エアーブローしたところ、後記する表1に示したとおり
結果が得られ、このものは3.0kgfのエアーブローで膜が
伸びた。
【0017】比較例2 実施例1で使用したガラス転移点が 160℃である非晶質
フッ素系ポリマー・テフロンAF1600(前出)をその溶
剤フロリナートFC−75(前出)に溶解し、濃度3%の
溶液を調製し、この溶液を直径 200mm、厚さ3mmの表面
研磨した石英基板上に、スピンコーターを用いて膜厚が
0.84μmの透明膜を形成させ、 180℃で15分間乾燥した
ところ光線透過率が99.5%であるペリクル膜が得られた
ので、このペリクル膜について実施例1と同じ条件でエ
アーブローしたところ、つぎの表1に示したとおりの結
果が得られ、このものは2.5kgfのエアーブローで膜が破
れた。
フッ素系ポリマー・テフロンAF1600(前出)をその溶
剤フロリナートFC−75(前出)に溶解し、濃度3%の
溶液を調製し、この溶液を直径 200mm、厚さ3mmの表面
研磨した石英基板上に、スピンコーターを用いて膜厚が
0.84μmの透明膜を形成させ、 180℃で15分間乾燥した
ところ光線透過率が99.5%であるペリクル膜が得られた
ので、このペリクル膜について実施例1と同じ条件でエ
アーブローしたところ、つぎの表1に示したとおりの結
果が得られ、このものは2.5kgfのエアーブローで膜が破
れた。
【0018】
【表1】
【0019】
【発明の効果】本発明は高強度フッ素系膜ペリクルに関
するものであり、これは前記したようにペリクル膜を少
なくとも2種類の非晶質フッ素系ポリマーの多層膜から
なるものとしてなることを特徴とするものであるが、こ
のものは単層の非晶質フッ素系ポリマーからなるペリク
ル膜に比べて膜強度が向上したものとなり、エアーブロ
ーに対する耐圧性が顕著に向上したものとなるので、特
に強度向上のために厚膜化する必要がなく、したがって
光線透過率の減少もないという有利性をもつものとなる
ので、通常のペリクル膜と同様の用途に使用することが
できる。
するものであり、これは前記したようにペリクル膜を少
なくとも2種類の非晶質フッ素系ポリマーの多層膜から
なるものとしてなることを特徴とするものであるが、こ
のものは単層の非晶質フッ素系ポリマーからなるペリク
ル膜に比べて膜強度が向上したものとなり、エアーブロ
ーに対する耐圧性が顕著に向上したものとなるので、特
に強度向上のために厚膜化する必要がなく、したがって
光線透過率の減少もないという有利性をもつものとなる
ので、通常のペリクル膜と同様の用途に使用することが
できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 永田 愛彦 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 樫田 周 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内 (72)発明者 久保田 芳宏 群馬県安中市磯部2丁目13番1号 信越化 学工業株式会社精密機能材料研究所内
Claims (2)
- 【請求項1】 ペリクル膜を少なくとも2種類の非晶質
フッ素ポリマーの多層膜からなるものとしてなることを
特徴とする高強度フッ素系膜ペリクル。 - 【請求項2】 ペリクル膜を構成する非晶質フッ素系ポ
リマーがガラス転移温度の差が5℃以上あるものを少な
くとも1種含むものである請求項1に記載した高強度フ
ッ素系膜ペリクル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9086894A JPH07295207A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 高強度フッ素系膜ペリクル |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP9086894A JPH07295207A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 高強度フッ素系膜ペリクル |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07295207A true JPH07295207A (ja) | 1995-11-10 |
Family
ID=14010512
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP9086894A Pending JPH07295207A (ja) | 1994-04-28 | 1994-04-28 | 高強度フッ素系膜ペリクル |
Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JPH07295207A (ja) |
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US6770404B1 (en) | 1999-11-17 | 2004-08-03 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Ultraviolet and vacuum ultraviolet transparent polymer compositions and their uses |
US6824930B1 (en) | 1999-11-17 | 2004-11-30 | E. I. Du Pont De Nemours And Company | Ultraviolet and vacuum ultraviolet transparent polymer compositions and their uses |
US7438995B2 (en) | 2001-05-14 | 2008-10-21 | E.I. Du Pont De Nemours And Company | Use of partially fluorinated polymers in applications requiring transparency in the ultraviolet and vacuum ultraviolet |
WO2013018730A1 (ja) * | 2011-07-29 | 2013-02-07 | 旭硝子株式会社 | リソグラフィ用ペリクル、ペリクル付きフォトマスクおよび露光処理方法 |
-
1994
- 1994-04-28 JP JP9086894A patent/JPH07295207A/ja active Pending
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JPWO2013018730A1 (ja) * | 2011-07-29 | 2015-03-05 | 旭硝子株式会社 | リソグラフィ用ペリクル、ペリクル付きフォトマスクおよび露光処理方法 |
US9223200B2 (en) | 2011-07-29 | 2015-12-29 | Asahi Glass Company, Limited | Pellicle for lithography, pellicle-mounted photomask, and exposure treatment method |
CN103718105B (zh) * | 2011-07-29 | 2016-08-17 | 旭硝子株式会社 | 光刻用薄膜、带薄膜的光掩模及曝光处理方法 |
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