JPH0729506U - 圧送布設用ケーブル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】 圧送通路内を流れる圧縮気体により圧送して
布設するケーブルに関する。 【構成】 圧送通路１内を流れる圧縮気体により圧送し
て布設するケーブル３であって、ケーブル３は吸水紐２
と一体に形成され、ケーブル３及び通路１の内壁との間
にケーブル３が圧送されるための空間を備え、浸水時に
吸水紐２が膨潤し空間を塞ぎ、通路内の走水を防止す
る。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

この考案は、圧送通路内を流れる圧縮気体により圧送して布設するケーブルに 関する。

【０００２】

【従来の技術】

近年、光ファイバを利用した光通信技術の発達に伴い、その利用形態も極めて 多様化してきており、光ファイバ回線の布設に関しても様々な手法が講ぜられ導 入されつつある。 例えばその一つとして、将来必要となるであろうと予想される区間に予め細い パイプ状ダクトや細管を集合したケーブル（チューブ）管を布設しておき、後日 、ケーブルの回線が必要になった時点で、そのケーブル管内に光ファイバケーブ ルを挿通させるという手法がある。この手法の長所は、差当って使わない光ファ イバ回線の先行布設を避け、必要時点において適宜光ファイバ回線を布設してゆ くことにより、初期投資を抑えた点である。上述した手法は、布設スペースの確 保、工事費の節減等の見地から、特にビルディング内の光ケーブル布設において 、ガス管、上下水道等の配管や各種の電気配線等を利用しつつ光通信網を構築し ようとする場合にも有効である。 ところで、予め布設されているケーブル管内に光ファイバケーブルを挿通させ る方法としては特開昭５９−１０４６０７号公報明細書に提案されて「光ファイ バケーブルの布設方法および装置」がある。 この明細書に示された方法は、ケーブル管内に挿通させようとする光ファイバ ケーブルの進行速度より大きい速度で流れる気体媒体による気体の流れを生じさ せて、その圧力で光ファイバケーブルを圧送するものである。

【０００３】

【考案が解決しようとする課題】

圧縮空気で光ファイバケーブルを圧送するチューブは、ケーブルを挿通布設前 及び挿通布設後共に、チューブ内の長手方向にわたって空気が流れる通路（圧送 通路）が存在するので、一度チューブ内に水が侵入すると、走水しやすく、広範 囲にわたりチューブが浸水する。 そのため、銅ケーブルが使用される通信ケーブルでは電気信号が減衰し、光フ ァイバが使用される光通信ケーブルでは光ファイバの強度劣化により寿命低下が 生じる。 そこで本考案は、チューブ内に水が侵入しても走水しない圧送布設用ケーブル を提供することを目的とする。

【０００４】

【課題を解決するための手段】

本考案に係わる圧送布設用ケーブルは、圧送通路内を流れる圧縮気体により圧 送して布設するケーブルであって、前記ケーブルは吸水紐と一体に形成され、前 記ケーブル及び前記通路内壁との間に前記ケーブルが圧送されるための空間を備 え、浸水時に前記吸水紐が膨潤し前記空間を塞ぐことを特徴とする。

【０００５】 また、本考案に係わる他の圧送布設用ケーブルは、圧送通路内を流れる圧縮気 体により圧送して布設するケーブルであって、前記ケーブルの外被は吸水性物質 で形成され、前記ケーブル及び前記通路内壁との間に前記ケーブルが圧送される ための空間を備え、浸水時に前記吸水紐が膨潤し前記空間を塞ぐことを特徴とす る。

【０００６】

【作用】

この考案は上記のように構成されているので、吸水性物質が配置されている場 所に水が侵入すると、圧送通路内で吸水性物質が膨潤する。そのため、吸水性物 質により圧送通路内の空間が塞がれ、チューブ内の走水が防止される。

【０００７】

【実施例】

以下、添付図面を参照して本考案の実施例を説明する。 図３は、光ファイバケーブルを挿通布設する圧送布設用チューブの縦断面図で ある。チューブ１の内部は圧縮気体が送られる圧送通路Ａが確保され、光ファイ バケーブル３の圧送はコンプレッサによりなされる。チューブ１は図４に示すよ うに複数本を束にした状態でチューブケーブル内に配置される。チューブケーブ ルはポリエチレン製ケーブル被覆７を備え、その内部には７本のチューブ１が長 手方向に平置されている。ここでは、外径８ｍｍ、内径６ｍｍのポリエチレン製 チューブを用いて、外径０．９ｍｍのナイロン被覆付きシングルモード型光ファ イバの外周に外被を施している。

【０００８】 図５は、光ファイバケーブルを挿通布設することができるコンプレッサの構造 を示すものである。光ファイバケーブル３はサプライ用リール４に巻かれた状態 で保管されており、入口部５から挿入される。コンプレッサの内部には一対のゴ ム製繰出しローラ６が配置され、光ファイバケーブル３は圧縮気体が導入される チューブ１の入口に送られる。

【０００９】 図１は、この考案の実施例に係わる圧送布設用ケーブルをチューブ内に挿通布 設した状態を示す断面図である。この実施例では合成樹脂系の吸水性物質２を紐 状にしてケーブル３の長手方向に一体化して形成されている。 ５００ｍのチュ−ブを直径１００ｃｍの束状態にし、この中に吸水紐と一体化 されたケーブルを圧送した。なお、チューブ端末から１００ｍ，２００ｍ，３０ ０ｍ，４００ｍの位置に、直径２ｍｍの穴を４ヵ所開け、水深５０ｃｍの水槽に 沈めた。６０日後に、チューブの浸水状態を調べたところ、４ヵ所とも、穴が開 いたところから浸水していたが、吸水性物質が膨張してチューブ内の空間は塞が れていた。そのため、チューブ内の走水は防止されており、浸水した長さはいづ れも穴を中心として１０ｃｍ以内に納まっていた。

【００１０】 なお、この考案は上記実施例に限定されるものではなく、圧送布設条件により 適切なものが選定される。例えば、図２に示すようにケーブル外被を吸水性物質 で形成すると製造が容易であり、また、チューブ内に挿通布設しやすく好適であ る。

【００１１】

【考案の効果】

本考案は、以上説明したように構成されているので、チュ−ブ内に水が侵入し ても走水せず、広範囲にわたってケーブルが浸水することが防止される。

【図面の簡単な説明】

【図１】本実施例に係わる圧送布設用ケーブルをチュー
ブ内に挿通布設した状態を示す断面図である。

【図２】本実施例に係わる他の圧送布設用ケーブルをチ
ューブ内に挿通布設した状態を示す横断面図である。

【図３】圧送布設用チューブを示す縦断面図である。

【図４】チューブケーブルの構造を示す横断面図であ
る。

【図５】光ファイバケーブルを圧送するコンプレッサの
構造を示す断面図である。

【符号の説明】

１：チューブ ２：吸収性物質 ３：光ファイバケーブル ４：サプライ用リール ５：入口部 ６：繰出しローラ ７：被覆 Ａ：圧送通路

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 圧送通路内を流れる圧縮気体により圧送
   して布設するケーブルであって、前記ケーブルは吸水紐
   と一体に形成され、前記ケーブル及び前記通路内壁との
   間に前記ケーブルが圧送されるための空間を備え、浸水
   時に前記吸水紐が膨潤し前記空間を塞ぐことを特徴とす
   る圧送布設用ケーブル。
2. 【請求項２】 圧送通路内を流れる圧縮気体により圧送
   して布設するケーブルであって、前記ケーブルの外被は
   吸水性物質で形成され、前記ケーブル及び前記通路内壁
   との間に前記ケーブルが圧送されるための空間を備え、
   浸水時に前記吸水紐が膨潤し前記空間を塞ぐことを特徴
   とする圧送布設用ケーブル。