JPH0729501A - カラー受像管 - Google Patents

カラー受像管

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Publication number
JPH0729501A
JPH0729501A JP16826493A JP16826493A JPH0729501A JP H0729501 A JPH0729501 A JP H0729501A JP 16826493 A JP16826493 A JP 16826493A JP 16826493 A JP16826493 A JP 16826493A JP H0729501 A JPH0729501 A JP H0729501A
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JP
Japan
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picture tube
shadow mask
color picture
divided
face plate
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Application number
JP16826493A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Kiyono
和之 清野
Koji Nishimura
孝司 西村
Toru Takahashi
亨 高橋
Yuji Haraguchi
雄次 原口
Nobuhiko Akou
信彦 阿光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 実質的に矩形状のフェースプレート1 の内面
に形成され、複数個の電子銃11から放出される電子ビー
ムにより複数個の領域R1〜R20 に分割されて走査される
蛍光体スクリーン8 と、各領域に対応した多数の電子ビ
ーム通過孔の形成された有効部を有し、複数個の分割マ
スクに分割されたシャドウマスク9 と、各分割マスクを
支持する架設手段14とを備えるカラー受像管において、
架設手段を各分割マスに固定される固定部と外囲器に固
定されて固定部を支持する支持部とで構成し、これら固
定部と支持部とを異なる材料で構成した。 【効果】 製造工程での熱膨張差に基づく変形を低減で
き、品位良好な画像を再生するカラー受像管とすること
ができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管に係
り、特に実質的に矩形状のフェースプレートの内面に形
成された蛍光体スクリーンと対向するシャドウマスクの
架設手段を改良したカラー受像管に関する。
【0002】
【従来の技術】近年高品位放送あるいはこれにともなう
大画面をもつ高解像度受像管に対して種々の検討がなさ
れている。一般に受像管の高解像度化を達成するために
は、蛍光体スクリーン上の電子ビームのスポット径を小
さくしなければならない。
【0003】これに対して、従来より電子銃の電極構造
の改良あるいは電子銃自体の大口径化、伸長化などが図
られてきたが、未だ十分な成果が得られていない。これ
は、大形管になるにしたがって、電子銃から蛍光体スク
リーンまでの距離が長くなり、電子レンズの倍率が大き
くなりすぎることが最大の原因である。したがって、高
解像度を実現するためには、電子銃から蛍光体スクリー
ンまでの距離(奥行き)を短縮することが重要である。
またこの場合、広角偏向にすると、画面中央と周辺との
倍率差の増大をまねく。そのため、広角偏向にすること
は、高解像度化にとって得策ではない。
【0004】そのため、従来より独立した小形の受像管
を複数個配置して高解像度大画面にする方法が、特開昭
48−90428号公報、特開昭49−21019号公
報、実開昭53−117130号公報などに開示されて
いる。この種の方法は、屋外などに配置する分割数の多
い巨大画面の表示には有効であるが、画面サイズが40
インチ程度の中規模の大画面を表示する場合は、各領域
間の画面の接続部が目立ち、目障りな画像を再生する。
したがって、家庭用テレビ受像機として使用する場合や
計算機利用設計(CAD)における図形表示用の端末機
として使用する場合は、その画面の接続部が致命的な欠
陥となる。
【0005】これに対して、米国特許第3,071,7
06号明細書、実公昭39−25641号公報、特公昭
42−4928号公報、特公昭50−17167号公報
などには、複数個の独立した受像管の蛍光体クリーンを
一体化した構造のものが開示されている。この一体化構
造の蛍光体スクリーンをもつ受像管は、蛍光体スクリー
ンの形成されたフェースプレート、このフェースプレー
トに対向して配置されたリアプレート、このリアプレー
トに隣接する複数のファンネルにより真空外囲器が構成
されている。
【0006】しかし、このような構造では、スクリーン
面が大形になると、大気圧荷重(外圧)に耐えられるよ
うにフェースプレートやリアプレートの肉厚を厚くしな
ければならず、また管軸方向に大きな曲率をもたせるこ
とも必要となる。その結果、外囲器の重量が重くなる。
さらにフェースプレートの曲率が大きくなると、画面が
見にくいものとなる。さらにまた蛍光体スクリーンとネ
ック内に封入される電子銃との距離が大きくなり、電子
レンズが倍率的に好ましくないものとなる。
【0007】上記一体化構造の蛍光体スクリーンをもつ
受像管の問題点を解決する受像管として、特開平5−3
6363号公報には、フェースプレートを平坦にし、そ
のフェースプレートの内面に形成された一体化構造の1
個の蛍光体スクリーンを複数の電子銃から放出される電
子ビームにより、複数の領域に分割して走査するように
した受像管管が示されている。この受像管では、その平
坦なフェースプレートに加わる大気圧荷重を支えるため
に、外囲器の内側に支持体が配置されている。
【0008】しかしこのような構造をシャドウマスクを
有するカラー受像管に適用しようとするとすると、蛍光
体スクリーンに対向して配置されるシャドウマスクも平
坦にしなければならないため、つぎのような問題が生ず
る。
【0009】第1に、シャドウマスクも係止方法が問題
となる。従来のカラー受像管のようにフェースプレート
が球面状をなすものでは、シャドウマスクも球面状に成
形される。したがってその周辺部に強度の高いフレーム
を取付けることにより、シャドウマスクに実用可能な機
械的強度を付与することができ、これをフェースプレー
トの内面に形成される蛍光体スクリーンに対向して、所
定の関係に配置することが容易となる。しかしフェース
プレートが平坦な場合は、シャドウマスクも平坦としな
ければならないため、機械的強度が十分でなくなり、従
来のシャドウマスクのように周辺部にフレームを取付け
て補強しても、蛍光体スクリーンと所定の関係に配置す
ることは容易でない。
【0010】一般に平坦もしくは一方向にのみ曲率をも
つ円筒状のシャドウマスクについては、これに張力を付
与した状態で強度の高いフレームに取付けることによ
り、十分な機械的強度が付与でき、かつそのフレームを
介して蛍光体スクリーンと所定の関係に配置することが
できる。このようなカラー受像管として、フェースプレ
ートに大きな1個のファンネルを接続したものが、特開
平2−158544号公報に示されている。
【0011】しかしこのような構造では、画面の大型化
にともなって、シャドウマスクに必要な張力を増大させ
なければならない。そのために、より強度の高いフレー
ムが必要となり、カラー受像管の重量増加をまねく。し
かもフレームを介してシャドウマスクをフェースプレー
トに係止する係止手段が複雑となる。また係止手段を設
けるための十分なスペースが必要となる。
【0012】第2に、シャドウマスクの架設精度が問題
となる。通常カラー受像管の蛍光体スクリーンは、写真
印刷法により、カラー受像管に組込まれるシャドウマス
クをフォトマスクとして、フェースプレートの内面に塗
布形成された蛍光体スラリなどの蛍光体スクリーン形成
部材層などを露光することにより形成される。したがっ
てシャドウマスクとフェースプレート内面との間隔(q
値)が所定値からずれると、蛍光体スクリーンを構成す
る蛍光体層の配列間隔は、その影響を受けるが、蛍光体
スクリーン全域での連続性には影響しない。しかし一体
化構造の1個の蛍光体スクリーンを複数個の領域に分割
して走査するカラー受像管では、シャドウマスクは、多
数の電子ビーム通過孔の形成されている有効部が、上記
複数個の領域に対応して、電子ビーム通過孔の形成され
ていない非有効部を介して非連続に形成されるため、蛍
光体スクリーンは、隣接領域間でq値の影響を受ける。
q値が所定値より大きいときは、隣接領域間で蛍光体層
が重複し、q値が所定値より小さいときは、隣接領域間
で蛍光体層間に間隙ができる。
【0013】また蛍光体スクリーンをフォトマスクある
いは乾板などを用いて形成するマスターマスク法により
形成する場合も、q値は、正確に設定しなければならな
い。これは、マスターマスク法によれば、連続性の蛍光
体スクリーンを精度よく形成することはできるが、q値
がずれると、カラー受像管に組立てた場合、電子ビーム
が蛍光体層に正しくランディングしない、いわゆるミス
ランディングが生ずる。また隣接領域間でラスターが重
複したり、間隙が生じたりする。
【0014】さらに蛍光体スクリーンの形成とは別に、
q値の必要精度は、水平偏向角度やシャドウマスクの電
子ビーム通過孔の配列ピッチにもよるが、概ね0.05
mm程度である。これは、従来のカラー受像管において必
要とするq値の必要精度が0.5mm程度であることと比
較して、きわめて高精度の設定が必要であることを示し
ている。そのため、平坦なフェースプレートの内面に形
成された一体化構造の1個の蛍光体スクリーンを複数個
の領域に分割して走査するカラー受像管では、シャドウ
マスクを既知の手段により架設することは、実質的に不
可能である。
【0015】第3に、シャドウマスクの変形の問題があ
る。シャドウマスクが変形すると、q値がずれるため、
ミスランディングが生ずる。このシャドウマスクの変形
としては、シャドウマスクを架設手段に固定するときに
発生する変形と、架設手段に固定したのち、カラー受像
管の加熱処理工程で発生する変形とがある。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、平坦な
フェースプレートの内面に形成された一体化構造の1個
の蛍光体スクリーンを複数個の領域に分割して走査する
カラー受像管については蛍光体スクリーンに対向して配
置されるシャドウマスクも平坦にしなければならないた
め、シャドウマスクの係止方法、シャドウマスクの架設
精度、シャドウマスクの変形などの問題がある。そのシ
ャドウマスクの変形については、シャドウマスクを架設
手段に固定するときに発生する変形と、架設手段に固定
したのち、カラー受像管の加熱処理工程で発生する変形
とがある。
【0017】このシャドウマスクの変形のうち、架設手
段に固定するときに発生する変形は、その固定方法を工
夫することによりかなり回避できる。しかし固定後、カ
ラー受像管の加熱処理工程で発生する変形については、
シャドウマスク材料と架設手段材料の熱膨張の差が原因
であるので、各材料の熱膨張特性そのものを考慮する必
要がある。すなわち、熱膨張特性のみを考慮するなら
ば、シャドウマスクと架設手段とを同じ材料で構成すれ
ばよいことになる。
【0018】しかしシャドウマスクは、従来のカラー受
像管で知られているように、電子ビームの衝突による熱
変形を極力小さくするため、低膨張材がよく、一方、架
設手段は、電子ビームを偏向する偏向磁界のバランスを
保つため、非磁性材がよい。したがってシャドウマスク
と架設手段とを同じ材料で構成するためには、低膨張か
つ非磁性の材料を選択しなければならないが、これら2
つの特性を満足する材料を見付けることは、現実的に困
難である。
【0019】つまり、平坦なフェースプレートの内面に
形成された蛍光体スクリーンに対向して、平坦なシャド
ウマスクを配置する必要があるカラー受像管について
は、カラー受像管の加熱処理工程でのシャドウマスクの
変形が問題となり、実用化が困難である。しかもこのカ
ラー受像管では、画面の大型化に対してシャドウマスク
を高精度に架設することが困難であるなどの問題があ
る。
【0020】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、たとえば平坦なシャドウマスクを
高精度に架設することができ、さらにシャドウマスクの
架設手段を簡単かつ軽量化し、特に熱変形に強いカラー
受像管とすることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】実質的に矩形状のフェー
スプレートおよびこのフェースプレートと対向する実質
的に矩形状のリアプレートを有する外囲器と、フェース
プレートの内面に形成され、複数個の電子銃から放出さ
れる電子ビームにより複数個の領域に分割されて走査さ
れる蛍光体スクリーンと、各領域に対応する部分に多数
の電子ビーム通過孔の形成された有効部を有し、複数個
の分割マスクに分割されたシャドウマスクと、各分割マ
スクを支持する架設手段とを備えるカラー受像管におい
て、架設手段を各分割マスクが固定される固定部と外囲
器に固定されて固定部を支持する支持部とで構成し、こ
れら固定部と支持部とを異なる材料で構成した。
【0022】また、架設手段の固定部を各分割マスクと
同一材料とした。
【0023】また、架設手段の固定部を構成する材料と
各分割マスクを構成する材料とが500℃以下の温度で
熱膨張特性が逆転するものとした。
【0024】また、架設手段の固定部と支持部とを各分
割マスクの垂直軸を通り蛍光体スクリーンに垂直な平面
上の複数箇所でのみ固定した。
【0025】
【作用】上記のように、各分割マスクを支持する架設手
段を各分割マスクが固定される固定部と外囲器に固定さ
れて固定部を支持する支持部とで構成し、これら固定部
と支持部とを異なる材料で構成すると、固定部を各分割
マスクと同一材料または熱膨張特性が各分割マスクの熱
膨張特性に近い材料で形成することにより、カラー受像
管の熱処理工程での熱膨張差に基づく変形を低減でき
る。
【0026】また固定部を支持する支持部に、磁気特性
を考慮して、非磁性材料を使用することにより、電子ビ
ームを偏向するための偏向磁界をバランスよく保つこと
ができる。
【0027】また固定部と支持部とを各分割マスクの垂
直軸を通る蛍光体スクリーンに垂直な平面上で固定する
ことにより、固定部と支持部の水平方向の熱膨張の影響
を低減することができる。
【0028】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0029】図1にその一実施例に係るカラー受像管の
全体の構成を、また図2にそのカラー受像管を分解して
示す。このカラー受像管は、実質的に矩形状の平坦なフ
ェースプレート1と、このフェースプレート1の周縁部
にフリットガラスなどの接合材により接合され、フェー
スプレート1に対して実質的に垂直に延在する側壁2
と、この側壁2を介してフェースプレート1と対向しか
つ平行にフリットガラスなどの接合材により接合された
実質的に矩形状の平坦なリアプレート3と、このリアプ
レート3にフリットガラスなどの接合材により接合され
た複数個のファンネル4とからなる真空外囲器5を有す
る。その複数個のファンネル4は、それぞれリアプレー
ト3に形成されている複数個の開孔6のまわりに接合さ
れ、図示例では、水平方向(X方向)に5個、垂直方向
(Y方向)に4個、計20個のファンネル4が接合され
ている。
【0030】上記フェースプレート1の内面には、青、
緑、赤に発光する垂直方向に細長いストライプ状の3色
蛍光体層が水平方向に規則的に並列配置され、この3色
蛍光体層間を埋込むようにブラックストライプ層が設け
られた一体化構造の1個の蛍光体スクリーン8が形成さ
れている。そしてこの蛍光体スクリーン8に対向して、
その内側に後述するシャドウマスク9が配置されてい
る。一方、複数個のファンネル4の各ネック10内にそ
れぞれ電子銃11が配設されている。さらにフェースプ
レート1とリアプレート3との間に複数個の棒状支持体
12が設けられている。この支持体12は、真空外囲器
5のフェースプレート1およびリアプレート3に加わる
大気圧荷重を支えるためのものであり、蛍光体スクリー
ン8に当接する先端部が楔状に形成され、この先端部が
後述する電子ビームにより分割して走査される蛍光体ス
クリーン8の複数個の領域の各交点上に位置するよう
に、基端部がフリットガラスなどの接合材によりリアプ
レート3に固定されている。
【0031】このカラー受像管においては、上記各電子
銃11から放出される電子ビームを各ファンネル4の外
側に装着された偏向装置(図示せず)の発生する磁界に
より、水平および垂直方向に偏向し、シャドウマスク9
を介して蛍光体スクリーン8を水平、垂直方向に複数個
の領域、図示例では水平方向に5個、垂直方向に4個、
計20個の領域R1 〜R20に分割して走査する。そして
この分割走査により蛍光体スクリーン8上に描かれる画
像は、電子銃11や偏向装置に印加される信号により繋
がり、蛍光体スクリーン8の全面に切れ目のない1つの
大きな画像を再生する構造となっている。
【0032】上記シャドウマスク9は、低熱膨張材とし
て既知の板厚0.12mmのインバー材で形成され、電子
ビームにより分割して走査される複数個の領域に対応す
る部分を多数の電子ビーム通過孔の形成された有効部と
し、垂直方向には、この有効部が非有効部を介して繋が
っているが、水平方向には、上記水平方向の領域の分割
数に対応した個数、図示例では5個に分割され、その分
割マスクM1 〜M5 が水平方向に所定間隔離れて並列配
置されている。そしてこの各分割マスクM1 〜M5 は、
それぞれリアプレート4の垂直方向両端部にフリットガ
ラスなどの接合材により固定された架設手段14に取付
けられている。
【0033】このようにシャドウマスク9を水平方向に
複数個の分割マスクM1 〜M5 に分割すると、電子ビー
ムの衝撃により発熱しても、その熱が隣接分割マスクに
伝わらないので、従来のカラー受像管装置の場合に生じ
たシャドウマスクの熱膨張によるピュリティドリフトを
防止できる。なお、垂直方向には連がっているが、垂直
方向は、蛍光体スクリーン8の3色蛍光体層が垂直方向
に長いストライプ状に形成されているため、シャドウマ
スクの熱膨張の影響は受けない。
【0034】上記架設手段14は、図3に示すように、
各分割マスクM1 〜M5 (M1 について図示)の垂直方
向の両端部を固定する断面L字形の固定部15と、この
固定部15を支持する断面コの字形の支持部16とから
なり、この支持部16がフリットガラスなどの接合材に
よりリアプレート3に固定されている。この支持部16
に対して固定部15は、支持部16の上部稜線に沿って
この支持部16の垂直辺部17V および上部水平辺部1
7H の外側を覆うように固定部15の水平および垂直辺
部18V ,18H を密着させ、各分割マスクM1 〜M5
の垂直軸 MZを通る蛍光体スクリーンに垂直な平面上の
複数箇所、図示例では2箇所19a ,19b で溶接固定
されている。
【0035】しかもこの例のカラー受像管においては、
固定部15は、各分割マスクM1 〜M5 と同一材料(イ
ンバー材)もしくは熱膨張特性が各分割マスクM1 〜M
5 を構成する材料と500℃以下の温度で逆転する材
料、たとえばインバー材からなる各分割マスクM1 〜M
5 に対して、50%Ni−Fe合金(インバー材と熱膨
張特性曲線が450℃付近で交差する)で形成される。
これに対して、支持部16は、固定部15と異なる非磁
性材料で形成されている。より具体的には、板厚0.1
2mmのインバー材からなる各分割マスクM1 〜M5 に対
して、固定部15を板厚0.3〜0.5mmの50%Ni
−Fe合金で形成され、支持部16を板厚0.5〜0.
8mmの非磁性ステンレス鋼材で形成される。
【0036】このようなカラー受像管は、つぎのような
方法により製造することができる。すなわち、あらかじ
めフェースプレート10の内面に、従来のカラー受像管
と同様に写真印刷法により一体化構造の蛍光体スクリー
ン8を形成する。またシャドウマスク9も、従来のシャ
ドウマスクと同様にフォトエッチング法により形成す
る。分割マスクM1 〜M5 は、フォトエッチング法によ
り複数個の有効部をもつシャドウマスクを形成したの
ち、これを切断して複数個の分割マスクM1 〜M5 とし
てもよく、また初めから各分割マスクM1 〜M5 を独立
に形成してもよい。なお、この分割マスクM1 〜M5
は、平坦な状態で使用されるため、従来のシャドウマス
クのようにプレス成形による曲面成形は必要でない。ま
たリアプレート3の内面の所定位置に、フェースプレー
ト1およびリアプレート3に加わる大気圧荷重を支える
ための複数個の支持体12および各分割マスクM1 〜M
5 を支持するための架設手段14の複数個の支持部16
を塗布されたフリットガラスの加熱焼結により固定して
おく。さらに複数個のファンネル4のネック10内に電
子銃11を封止しておく。
【0037】そして上記リアプレート3に固定された支
持部16に固定部15を溶接し、さらにこの固定部15
に各分割マスクM1 〜M5 を張力を加えた状態で固定す
る。この分割マスクM1 〜M5 の張力を加えた状態での
固定は、支持部16を撓めて固定部15に分割マスクM
1 〜M5 を溶接し、その後、支持部16の撓みを解放す
ることにより得られる。
【0038】つぎに上記蛍光体スクリーン8の形成され
たフェースプレート10、側壁2を構成する複数個の側
壁片、支持体12および各分割マスクM1 〜M5 が固定
されたリアプレート3および電子銃11の封止された複
数個のファンネル4を所定の関係に位置決めし、これら
を塗布されたフリットガラスの加熱焼結により一体に接
合する。その後、この一体に組立てられた外囲器5を排
気することにより製造される。
【0039】このカラー受像管装置の製造方法として
は、上記以外にファンネル4をリアプレート3に接合し
たのちに、そのネック10内に電子銃11を封止しても
よく、またあらかじめ側壁2をフェースプレート1やリ
アプレート3に接合しておいてもよい。またあらかじめ
各分割マスクM1 〜M5 に固定部15を溶接し、この固
定部15を支持部16に溶接してもよく、上記以外の各
種方法により製造することができる。またあらかじめ固
定部15と支持部16とを一体に溶接して、アプレート
3に接合してもよい。
【0040】ところで、上記のようにリアプレート3に
架設手段14の支持部16を固定しておき、この支持部
16に固定部15を介してシャドウマスク9を取付ける
と、シャドウマスク9と蛍光体スクリーン8との間隔を
容易に所定精度にすることができる。しかもその架設手
段14の加工精度をあまり高くする必要がないという利
点が得られる。たとえばフェースプレート1の内面に形
成される蛍光体スクリーン8のストライプ状の3色蛍光
体層の配列ピッチを0.6mm、ブラックストライプの幅
を約0.1mmとすると、各蛍光体層が連続的に配列され
るためには、電子ビームにより分割して走査される複数
個の領域R1 〜R20の各隣接部の重複または間隙をブラ
ックストライプの幅の1/2以下にする必要がある。ま
た蛍光体スクリーン8の各領域R1 〜R20の水平方向の
大きさを80mmとすると、シャドウマスク9から蛍光体
スクリーン8までの間隔(q値)は、8mmとなる。
【0041】いま、複数個の領域R1 〜R20の各隣接部
の重複の許容幅をD、偏向中心から蛍光体スクリーン8
までの距離をL、各領域R1 〜R20の水平方向の大きさ
をHとすると、所定のq値からのずれ量Δqは、 Δq=D・(L−q)/(H/2)+D で表される。したがってこの例のカラー受像管でのq値
の必要精度、すなわち架設手段14の加工精度は、約
0.06mmとなり、一般的な加工により低価格で製造す
ることができる。
【0042】しかも上記のようにシャドウマスク9を支
持する架設手段14を、シャドウマスク9を固定する固
定部15とこの固定部15を支持する支持部16とで構
成し、その固定部15と支持部16の材料を異ならし
め、低熱膨張材として知られているインバー材など、一
般に磁性材料からなるシャドウマスク9に対して、支持
部16を非磁性材料で形成すると、蛍光体スクリーン8
を複数個の領域R1 〜R20に分割して走査する電子ビー
ムを偏向する偏向磁界の変化を軽減でき、所要の偏向磁
界により偏向して、各領域R1 〜R20に所定の画像を再
生することができる。
【0043】またシャドウマスク9とこのシャドウマス
ク9を固定する固定部15とを同一材料または熱膨張特
性が500℃以下で逆転するような熱膨張特性の近似し
た材料で形成すると、カラー受像管の製造工程における
熱処理工程での熱膨張差によるシャドウマスク9の変形
を抑制でき、3色蛍光体層に対する電子ビームのミスラ
ンディングを防止することができる。
【0044】また固定部15と支持部16とを、各分割
マスクM1 〜M5 の垂直軸を通る蛍光体スクリーン8に
垂直な平面上でのみ溶接固定することにより固定部15
と支持部16は、加熱されても幅方向(水平方向)にそ
れぞれ自由に熱膨張するので、熱膨張差による変形を防
止することができる。
【0045】したがって、上記のように構成することに
より、蛍光体スクリーン8上に品位良好な画像を再生す
るカラー受像管が得られる。
【0046】つぎに、他の実施例について説明する。
【0047】前記実施例では、シャドウマスクを支持す
る架設手段を、断面コの字形の支持部に対して断面L字
形の固定部を支持部の上部稜線に沿って、その水平およ
び垂直辺部を覆うように固定部の各辺部を密着させて固
定したが、図4に示すように、この架設手段14は、リ
アプレートに固定された断面コの字形の支持部16に対
して、その垂直辺部17Vの外側に固定部15を背中合
せに、しかも固定部15の水平辺部18H を支持部16
の水平辺部17H よりも低く固定し、その固定部15の
水平辺部18H に各分割マスクM1 〜M5 を溶接固定し
てもよい。
【0048】このような架設手段14を備えるカラー受
像管は、前記実施例のカラー受像管と同様の効果が得ら
れるが、さらに支持部16の水平辺部17H が各分割マ
スクM1 〜M5 の受け面となるため、固定部15の水平
辺部18H に各分割マスクM1 〜M5 を溶接するとき、
その分割マスクM1 〜M5 に変形が生じても、その変形
を有効部20に及ぼさないようにすることができるとい
う効果が得られる。
【0049】また前記実施例では、架設手段を断面コの
字形の支持部と断面L字形の固定部とで構成したが、こ
れら支持部および固定部の形状は、断面コの字形、断面
L字形に限定されるものではなく、その他各種形状のも
のが使用可能である。
【0050】なお、この発明は、前記各実施例のカラー
受像管ばかりでなく、特開昭57−44943号公報に
示されているカラー受像管にも適用可能である。ただし
この場合、リアプレートが平坦でないので、シャドウマ
スクを支持する架設手段は、フェースプレート側に設け
ることになる。
【0051】
【発明の効果】実質的に矩形状のフェースプレートおよ
びこのフェースプレートと対向する実質的に矩形状のリ
アプレートを有する外囲器と、フェースプレートの内面
に形成され、複数個の電子銃から放出される電子ビーム
により複数個の領域に分割されて走査される蛍光体スク
リーンと、各領域に対応した多数の電子ビーム通過孔の
形成された有効部を有し、複数個の分割マスクに分割さ
れたシャドウマスクと、各分割マスクを支持する架設手
段とを備えるカラー受像管において、架設手段を各分割
マスクが固定される固定部と外囲器に固定されて固定部
を支持する支持部とで構成し、固定部を各分割マスクと
同一材料または熱膨張特性が各分割マスクの熱膨張特性
に近い材料で形成することにより、カラー受像管の熱処
理工程でのマスクと固定部間の熱膨張差に基づく変形を
低減できる。
【0052】また固定部を支持する支持部に、磁気特性
を考慮して、非磁性材料を使用することにより、電子ビ
ームを偏向するための偏向磁界のバランスを良好に保つ
ことができる。
【0053】また固定部と支持部とを各分割マスクの垂
直軸を通る蛍光体スクリーンに垂直な面上で固定するこ
とにより、固定部と支持部間の水平方向の熱膨張の影響
を低減することができる。
【0054】しかも上記構成により、シャドウマスクに
十分な張力を付与できるので、電子ビームの衝突により
生ずる熱膨張ばかりでなく、シャドウマスクの変形や振
動も吸収し、ピュリティドリフトを十分に抑制すること
ができる。したがって上記のように構成することによ
り、蛍光体スクリーン上に品位良好な画像を再生するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の一実施例であるカラー
受像管の全体を示す斜視図、図1(b)はそのB−B断
面図である。
【図2】上記カラー受像管の分解斜視図である。
【図3】上記カラー受像管の要部構成を示す斜視図であ
る。
【図4】他の実施例の要部構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
1…フェースプレート 2…側壁 3…リアプレート 4…ファンネル 5…外囲器 8…蛍光体スクリーン 9…シャドウマスク 11…電子銃 12…支持体 14…架設手段 15…固定部 16…支持部 M1 〜M5 …分割マスク R1 〜R20…領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 原口 雄次 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内 (72)発明者 阿光 信彦 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に矩形状のフェースプレートおよ
    びこのフェースプレートと対向する実質的に矩形状のリ
    アプレートを有する外囲器と、上記フェースプレートの
    内面に形成され、複数個の電子銃から放出される電子ビ
    ームにより複数個の領域に分割されて走査される蛍光体
    スクリーンと、上記各領域に対応する部分に多数の電子
    ビーム通過孔の形成された有効部を有し、複数個の分割
    マスクに分割されたシャドウマスクと、上記各分割マス
    クを支持する架設手段とを備えるカラー受像管におい
    て、 上記架設手段は、上記各分割マスクが固定される固定部
    と上記外囲器に固定され、上記固定部を支持する支持部
    とからなり、これら固定部と支持部とが異なる材料から
    なることを特徴とするカラー受像管。
  2. 【請求項2】 架設手段の固定部が分割マスクと同一材
    料からなることを特徴とする請求項1記載のカラー受像
    管。
  3. 【請求項3】 架設手段の固定部を構成する材料と分割
    マスクを構成する材料とは500℃以下の温度で熱膨張
    特性が逆転することを特徴とする請求項1記載のカラー
    受像管。
  4. 【請求項4】 架設手段の固定部と支持部とは分割マス
    クの垂直軸を通り蛍光体スクリーンに垂直な平面上で固
    定されていることを特徴とする請求項1記載のカラー受
    像管。
JP16826493A 1993-07-08 1993-07-08 カラー受像管 Pending JPH0729501A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN112725728A (zh) * 2020-12-17 2021-04-30 合肥维信诺科技有限公司 一种掩膜版

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