JPH0737534A - カラー受像管 - Google Patents

カラー受像管

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Publication number
JPH0737534A
JPH0737534A JP18177193A JP18177193A JPH0737534A JP H0737534 A JPH0737534 A JP H0737534A JP 18177193 A JP18177193 A JP 18177193A JP 18177193 A JP18177193 A JP 18177193A JP H0737534 A JPH0737534 A JP H0737534A
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JP
Japan
Prior art keywords
mask
divided
picture tube
shadow mask
phosphor screen
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Pending
Application number
JP18177193A
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English (en)
Inventor
Kazuyuki Kiyono
和之 清野
Koji Nishimura
孝司 西村
Toru Takahashi
亨 高橋
Yuji Haraguchi
雄次 原口
Nobuhiko Akou
信彦 阿光
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Publication date
Application filed by Toshiba Corp filed Critical Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 実質的に矩形状のフェースプレート1 の内面
に複数個の電子銃11から放出される電子ビームにより複
数個の領域R1〜R20 に分割されて走査される蛍光体スク
リーン8 が形成され、この蛍光体スクリーンと対向して
複数個の分割マスクに分割されたシャドウマスク9 が配
置され、その分割マスクが実質的に矩形状のリアプレー
ト3 に固定されたマスク架設手段15に支持されてなるカ
ラー受像管において、マスク架設手段のリアプレートに
固定される部分および分割マスクを支持する部分の少な
くとも一方を櫛歯状に形成した。 【効果】 シャドウマスクの変形を防止して、品位良好
な画像を再生するカラー受像管とすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、カラー受像管に係
り、特に実質的に矩形状のフェースプレートの内面に形
成された蛍光体スクリーンと対向するシャドウマスクを
支持するマスク架設手段を改良したカラー受像管に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年高品位放送あるいはこれにともなう
大画面をもつ高解像度受像管に対して種々の検討がなさ
れている。一般に受像管の高解像度化を達成するために
は、蛍光体スクリーン上の電子ビームのスポット径を小
さくしなければならない。
【0003】これに対して、従来より電子銃の電極構造
の改良あるいは電子銃自体の大口径化、伸長化などが図
られてきたが、未だ十分な成果が得られていない。これ
は、大形管になるにしたがって、電子銃から蛍光体スク
リーンまでの距離が長くなり、電子レンズの倍率が大き
くなりすぎることが最大の原因である。したがって、高
解像度を実現するためには、電子銃から蛍光体スクリー
ンまでの距離(奥行き)を短縮することが重要である。
またこの場合、広角偏向にすると、画面中央と周辺との
倍率差の増大をまねく。そのため、広角偏向にすること
は、高解像度化にとって得策ではない。
【0004】そのため、従来より独立した小形の受像管
を複数個配置して高解像度大画面にする方法が、特開昭
48−90428号公報、特開昭49−21019号公
報、実開昭53−117130号公報などに開示されて
いる。この種の方法は、屋外などに配置される分割数の
多い巨大画面の表示には有効であるが、画面サイズが4
0インチ程度の中規模の大画面を表示する場合は、各領
域間の画面の接続部が目立ち、目障りな画像を再生す
る。したがって、家庭用テレビ受像機として使用する場
合や計算機利用設計(CAD)における図形表示用の端
末機として使用する場合は、その画面の接続部が致命的
な欠陥となる。
【0005】これに対して、米国特許第3,071,7
06号明細書、実公昭39−25641号公報、特公昭
42−4928号公報、特公昭50−17167号公報
などには、複数個の独立した受像管の蛍光体スリーンを
一体化した構造のものが開示されている。この一体化構
造の蛍光体スクリーンをもつ受像管は、蛍光体スクリー
ンの形成されたフェースプレート、このフェースプレー
トに対向して配置されたリアプレート、このリアプレー
トに隣接する複数のファンネルにより真空外囲器が構成
されている。
【0006】しかし、このような構造では、スクリーン
面が大形になると、大気圧荷重(外圧)に耐えられるよ
うにフェースプレートやリアプレートの肉厚を厚くしな
ければならず、また管軸方向に大きな曲率をもたせるこ
とも必要となる。その結果、外囲器の重量が重くなる。
さらにフェースプレートの曲率が大きくなると、画面が
見にくいものとなる。さらにまた蛍光体スクリーンとネ
ック内に封入される電子銃との距離が大きくなり、電子
レンズが倍率的に好ましくないものとなる。
【0007】上記一体化構造の蛍光体スクリーンをもつ
受像管の問題点を解決する受像管として、特開平5−3
6363号公報には、フェースプレートを平坦にし、そ
のフェースプレートの内面に形成された一体化構造の蛍
光体スクリーンを複数の電子銃から放出される電子ビー
ムにより、複数の領域に分割して走査するようにした受
像管が示されている。この受像管では、その平坦なフェ
ースプレートに加わる大気圧荷重を支えるために、外囲
器の内側に支持体が配置されている。
【0008】しかしこのような構造をシャドウマスクを
有するカラー受像管に適用しようとするとすると、蛍光
体スクリーンに対向して配置されるシャドウマスクも平
坦にしなければならないため、つぎのような問題が生ず
る。
【0009】第1に、シャドウマスクの係止方法が問題
となる。従来のカラー受像管のようにフェースプレート
が球面状をなすものでは、シャドウマスクも球面状に成
形される。したがってその周辺部に強度の高いフレーム
を取付けることにより、シャドウマスクに実用可能な機
械的強度を付与することができ、これをフェースプレー
トの内面に形成される蛍光体スクリーンに対向して、所
定の関係に配置することが容易となる。しかしフェース
プレートが平坦な場合は、シャドウマスクも平坦としな
ければならないため、機械的強度が十分でなくなり、従
来のシャドウマスクのように周辺部にフレームを取付け
て補強しても、蛍光体スクリーンと所定の関係に配置す
ることは容易でない。
【0010】一般に平坦もしくは一方向にのみ曲率をも
つ円筒状のシャドウマスクについては、これに張力を付
与した状態で強度の高いフレームに取付けることによ
り、十分な機械的強度が付与でき、かつそのフレームを
介して蛍光体スクリーンと所定の関係に配置することが
できる。このようなカラー受像管として、フェースプレ
ートに大きな1個のファンネルを接続したものが、特開
平2−158544号公報に示されている。
【0011】しかしこのような構造では、画面の大型化
にともなって、シャドウマスクに必要な張力を増大させ
なければならない。そのために、より強度の高いフレー
ムが必要となり、カラー受像管の重量増加をまねく。し
かもフレームを介してシャドウマスクをフェースプレー
トに係止する係止手段が複雑となる。また係止手段を設
けるための十分なスペースが必要となる。
【0012】第2に、シャドウマスクの架設精度が問題
となる。通常カラー受像管の蛍光体スクリーンは、写真
印刷法により、カラー受像管に組込まれるシャドウマス
クをフォトマスクとして、フェースプレートの内面に塗
布形成された蛍光体スラリなどの蛍光体スクリーン形成
部材層を露光することにより形成される。したがってシ
ャドウマスクとフェースプレート内面との間隔(q値)
が所定値からずれると、蛍光体スクリーンを構成する蛍
光体層の配列間隔は、その影響を受けるが、蛍光体スク
リーン全域での連続性には影響しない。しかし一体化構
造の蛍光体スクリーンを複数個の領域に分割して走査す
るカラー受像管では、シャドウマスクは、多数の電子ビ
ーム通過孔の形成されている有効部が、上記複数個の領
域に対応して、電子ビーム通過孔の形成されていない非
有効部を介して非連続に形成されるため、蛍光体スクリ
ーンは、隣接領域間でq値の影響を受ける。q値が所定
値より大きいときは、隣接領域間で蛍光体層が重複し、
q値が所定値より小さいときは、隣接領域間で蛍光体層
間に隙間ができる。
【0013】また蛍光体スクリーンをフォトマスクある
いは乾板などを用いて形成するマスターマスク法により
形成する場合も、q値は、正確に設定しなければならな
い。これは、マスターマスク法によれば、連続性の蛍光
体スクリーンを精度よく形成することはできるが、q値
がずれると、カラー受像管に組立てた場合、電子ビーム
が蛍光体層に正しくランディングしない、いわゆるミス
ランディングが生ずる。また隣接領域間でラスターが重
複したり、隙間が生じたりする。
【0014】さらに蛍光体スクリーンの形成とは別に、
q値の必要精度は、水平偏向角度やシャドウマスクの電
子ビーム通過孔の配列ピッチにもよるが、概ね0.05
mm程度である。これは、従来のカラー受像管において必
要とするq値の必要精度が0.5mm程度であることと比
較して、きわめて高精度の設定が必要であることを示し
ている。そのため、平坦なフェースプレートの内面に形
成された一体化構造の蛍光体スクリーンを複数個の領域
に分割して走査するカラー受像管では、シャドウマスク
を既知の手段により架設することは、実質的に不可能で
ある。
【0015】第3に、シャドウマスクの変形の問題があ
る。シャドウマスクが変形すると、q値がずれるため、
ミスランディングが生ずる。このシャドウマスクの変形
としては、シャドウマスクをマスク架設手段に固定する
ときに発生する変形と、マスク架設手段に固定したの
ち、カラー受像管の加熱処理工程で発生する変形とがあ
る。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、平坦な
フェースプレートの内面に形成された一体化構造の蛍光
体スクリーンを複数個の領域に分割して走査するカラー
受像管については蛍光体スクリーンに対向して配置され
るシャドウマスクも平坦にしなければならないため、シ
ャドウマスクの係止方法、シャドウマスクの架設精度、
シャドウマスクの変形などの問題がある。そのシャドウ
マスクの変形については、シャドウマスクをマスク架設
手段に固定するときに発生する変形と、マスク架設手段
に固定したのち、カラー受像管の加熱処理工程で発生す
る変形とがある。
【0017】このシャドウマスクの変形のうち、マスク
架設手段に固定するときに発生する変形は、その固定方
法を工夫することによりかなり回避できる。しかし固定
後、カラー受像管の加熱処理工程で発生する変形につい
ては、シャドウマスク材料とマスク架設手段材料との熱
膨張差が原因であるので、各材料の熱膨張特性そのもの
を考慮する必要がある。すなわち、熱膨張特性のみを考
慮するならば、シャドウマスクとマスク架設手段とを同
じ材料で構成すればよいことになる。
【0018】しかしシャドウマスクは、従来のカラー受
像管で知られているように、電子ビームの衝突による熱
変形を極力小さくするため、低膨張材がよく、一方、マ
スク架設手段は、電子ビームを偏向する偏向磁界のバラ
ンスを保つため、非磁性材がよい。したがってシャドウ
マスクとマスク架設手段とを同じ材料で構成するために
は、低膨張かつ非磁性の材料を選択しなければならない
が、これら2つの特性を満足する材料を見付けること
は、現実的に困難である。
【0019】つまり、平坦なフェースプレートの内面に
形成された蛍光体スクリーンに対向して、平坦なシャド
ウマスクを配置する必要があるカラー受像管について
は、カラー受像管の加熱処理工程でのシャドウマスクの
変形が問題となり、実用化が困難である。しかもこのカ
ラー受像管では、画面の大型化に対してシャドウマスク
を高精度に架設することが困難であるなどの問題があ
る。
【0020】この発明は、上記問題点を解決するために
なされたものであり、たとえば平坦なシャドウマスクを
高精度に架設することができ、さらにシャドウマスクを
支持するマスク架設手段を簡単かつ軽量化し、特に熱変
形に強いカラー受像管とすることを目的とする。
【0021】
【課題を解決するための手段】実質的に矩形状のフェー
スプレートおよびこのフェースプレートと対向する実質
的に矩形状のリアプレートを有する外囲器と、そのフェ
ースプレートの内面に形成され、複数個の電子銃から放
出される電子ビームにより複数個の領域に分割されて走
査される蛍光体スクリーンと、この蛍光体スクリーンと
対向し、上記各領域に対応する部分を多数の電子ビーム
通過孔の形成された有効部とし、複数個の分割マスクに
分割されたシャドウマスクと、リアプレートに直接また
は間接的に固定され、分割マスクを支持するマスク架設
手段とを備えるカラー受像管において、マスク架設手段
のリアプレートに固定される部分および分割マスクを支
持する部分の少なくとも一方を櫛歯状に形成した。
【0022】
【作用】上記のように、分割マスクを支持するマスク架
設手段のリアプレートに固定される部分および分割マス
クを支持する部分の少なくとも一方を櫛歯状に形成する
と、その櫛歯状部分の弾性により分割マスクに所要の張
力を付与して、分割マスクを高精度に架設でき、かつマ
スク架設手段に分割マスクを取付けたのちの加熱処理工
程におけるシャドウマスクやマスク架設手段など、シャ
ドウマスクおよびシャドウマスクの支持に関係する部材
の熱膨張差を櫛歯の撓みによって吸収でき、シャドウマ
スクをマスク架設手段に取付けたのちの加熱処理工程で
のシャドウマスクの変形を防止することができる。
【0023】
【実施例】以下、図面を参照してこの発明を実施例に基
づいて説明する。
【0024】図1にその一実施例であるカラー受像管の
全体の構成を、図2にそのカラー受像管を分解して示
す。このカラー受像管は、実質的に矩形状の平坦なガラ
ス製フェースプレート1と、このフェースプレート1の
周縁部にフリットガラスにより接合され、フェースプレ
ート1に対して実質的に垂直に延在するガラス製側壁2
と、この側壁2を介してフェースプレート1と対向しか
つ平行にフリットガラスにより接合された実質的に矩形
状の平坦なガラス製リアプレート3と、このリアプレー
ト3にフリットガラスにより接合された複数個のファン
ネル4とからなる真空外囲器5を有する。その複数個の
ファンネル4は、それぞれリアプレート3に形成されて
いる複数個の開孔6のまわりに接合され、図示例では、
水平方向(X方向)に5個、垂直方向(Y方向)に4
個、計20個のファンネル4が接合されている。
【0025】上記フェースプレート1の内面には、青、
緑、赤に発光する垂直方向に細長いストライプ状の3色
蛍光体層が水平方向に規則的に並列配置され、この3色
蛍光体層間を埋込むようにブラックストライプ層が設け
られた一体化構造の蛍光体スクリーン8が形成されてい
る。そしてこの蛍光体スクリーン8に対向して、その内
側に後述するシャドウマスク9が配置されている。一
方、複数個のファンネル4の各ネック10内にそれぞれ
電子銃11が配設されている。さらにフェースプレート
1とリアプレート3との間に複数個のプレート支持手段
12が設けられている。このプレート支持手段12は、
真空外囲器5のフェースプレート1およびリアプレート
3に加わる大気圧荷重を支えるためのものであり、蛍光
体スクリーン8に当接する先端部が楔状に形成された金
属柱状体からなり、その先端部が後述する電子ビームに
より分割して走査される蛍光体スクリーン8の複数個の
領域の各交点上に位置するように、基端部がフリットガ
ラスによりリアプレート3に固定されている。
【0026】このカラー受像管においては、上記各電子
銃11から放出される電子ビームを各ファンネル4の外
側に装着された偏向装置(図示せず)の発生する磁界に
より、水平および垂直方向に偏向し、シャドウマスク9
を介して蛍光体スクリーン8を水平、垂直方向に複数個
の領域、図示例では水平方向に5個、垂直方向に4個、
計20個の領域R1 〜R20に分割して走査する。そして
この分割走査により蛍光体スクリーン8上に描かれる画
像は、電子銃11や偏向装置に印加される信号により繋
がり、蛍光体スクリーン8の全面に重複や隙間のない1
つの大きな画像を再生する構造となっている。
【0027】上記シャドウマスク9は、たとえば低熱膨
張材であるインバー材で形成され、電子ビームにより分
割して走査される複数個の領域に対応する部分を多数の
電子ビーム通過孔の形成された有効部とし、垂直方向に
は、この有効部が電子ビーム通過孔の形成されない非有
効部を介して繋がっているが、水平方向には、上記水平
方向の領域の分割数に対応した個数、図示例では5個の
平坦な分割マスクM1〜M5 に分割され、この分割マス
クM1 〜M5 が水平方向に所定間隔離れて並列配置され
ている。そしてこの各分割マスクM1 〜M5 は、リアプ
レート4の垂直方向両端部にフリットガラスにより接合
された板状の固定部材14に固定された断面コの字状の
マスク架設手段15に張力が付与された状態で取付けら
れている。
【0028】その固定部材14は、リアプレート4のガ
ラスに近似した熱膨張係数を有する50%Ni−Fe合
金からなる。これに対し、マスク架設手段15は、ステ
ンレス鋼からなり、この例のマスク架設手段15は、図
3に示すように、各分割マスクM1 〜M5 (分割マスク
M1 について図示)を取付ける上端面から側面16の隣
接部を含む上端部17T が切込溝により複数個の櫛歯1
8をもつ櫛歯状に形成されている。同様に固定部材14
に固定される下端面から側面16の隣接部を含むこの下
端部17B も、切込溝により複数個の櫛歯18をもつ櫛
歯状に形成されている。
【0029】そして各分割マスクM1 〜M5 は、その櫛
歯状に形成された上端部17T に、またこのマスク架設
手段15の櫛歯状に形成された下端部17B が固定部材
14に溶接により固定されている。具体的には、インバ
ーからなる板厚が0.12mmの分割マスクM1 〜M5 に
対して、マスク架設手段15は、板厚が0.5〜0.8
mmのステンレス鋼で形成され、このマスク架設手段15
の上端部17T の櫛歯18に各分割マスクM1 〜M5 が
80mmの溶接間隔で溶接されている。
【0030】なお、分割マスクM1 〜M5 については、
シャドウマスク9を上記のように水平方向に複数個の分
割すると、電子ビームの衝撃により発熱しても、その熱
が隣接分割マスクに伝わらないので、従来のカラー受像
管の場合に生じたシャドウマスクの熱膨張によるピュリ
ティドリフトを防止できる。一方、分割マスクM1 〜M
5 は、垂直方向には繋がっているが、垂直方向は、蛍光
体スクリーン8の3色蛍光体層が垂直方向に長いストラ
イプ状に形成されているため、シャドウマスクの熱膨張
の影響は受けない。
【0031】このようなカラー受像管は、つぎのように
製造することができる。
【0032】あらかじめフェースプレート1の内面に従
来のカラー受像管と同様に写真印刷法により一体化構造
の蛍光体スクリーン8を形成する。またシャドウマスク
9も、従来のシャドウマスクと同様にフォトエッチング
法により形成し、このシャドウマスク9を切断して分割
マスクM1 〜M5 とする。。なお、この分割マスクM1
〜M5 は、平坦な状態で使用されるため、従来のシャド
ウマスクのようにプレス成形による曲面成形は必要でな
い。またリアプレート3の内面の所定位置に、フェース
プレート1およびリアプレート3に加わる大気圧荷重を
支えるための複数個のプレート支持手段12および各分
割マスクM1 〜M5 を支持するマスク架設手段15を固
定するための固定部材14をフリットガラスの塗布焼成
により固定しておく。さらに複数個のファンネル4のネ
ック10内に電子銃11を封止しておく。
【0033】そして上記リアプレート3に固定された固
定部材14にたとえばレーザ溶接によりマスク架設手段
15を溶接し、さらにたとえばレーザ溶接によりこのマ
スク架設手段15に分割マスクM1 〜M5 を張力を加え
た状態で溶接固定する。この分割マスクM1 〜M5 の固
定は、マスク架設手段15を撓めて分割マスクM1 〜M
5 を溶接し、その後、その撓みを解放することにより得
られる。
【0034】つぎに上記蛍光体スクリーン8の形成され
たフェースプレート1、側壁2を構成する複数個の側壁
片、支持体12および各分割マスクM1 〜M5 の固定さ
れたリアプレート3および電子銃11の封止された複数
個のファンネル4を所定の関係に位置決めし、これらを
塗布されたフリットガラスの焼成により一体に接合す
る。その後、この一体に組立てられた外囲器5を排気す
ることにより製造される。
【0035】このカラー受像管装置の製造方法として
は、上記以外にファンネル4をリアプレート3に接合し
たのちに、そのネック10内に電子銃11を封止しても
よく、またあらかじめ側壁2をフェースプレート1やリ
アプレート3に接合しておいてもよい。またあらかじめ
各分割マスクM1 〜M5 にマスク架設手段15を溶接し
ておき、この分割マスクM1 〜M5 に取付けられたマス
ク架設手段15を固定部材14に溶接してもよく、上記
以外の方法でも製造することができる。またあらかじめ
マスク架設手段15と固定部材14とを一体に溶接し
て、アプレート3に接合してもよい。
【0036】ところで、上記のようにマスク架設手段1
5の分割マスクM1 〜M5 を取付ける上端部17T およ
び固定部材14に取付けられる下端部17B を櫛歯状に
形成すると、その櫛歯18の弾性により各分割マスクM
1 〜M5 に所要の張力を付与して高精度に架設できる。
しかもその櫛歯18は、隣接櫛歯とは無関係に撓みやす
いため、この櫛歯18の撓みにより分割マスクM1 〜M
5 や固定部材14との間の熱膨張差を吸収する。たとえ
ば前記したように分割マスクM1 〜M5 を板厚0.12
mmのインバー、固定部材14を50%Ni−Fe合金、
マスク架設手段15を板厚0.5〜0.8mmのステンレ
ス鋼で形成し、そのマスク架設手段15の上端部17T
の櫛歯18に約80mmの溶接間隔で溶接した分割マスク
M1 〜M5 を450℃で加熱処理すると、インバーと5
0%Ni−Fe合金とは、ほぼ熱膨張係数が同じである
ため、マスク架設手段15と分割マスクM1 〜M5 およ
び固定部材14との間に数100μm の熱膨張差が生ず
るが、分割マスクM1 〜M5 を取付ける上端部17T お
よび固定部材14に取付けられる下端部17B を櫛歯状
に形成されていると、櫛歯18の撓みによりこのように
比較的大きな熱膨張差が吸収され、分割マスクM1 〜M
5 に熱膨張差による変形を生じないようにすることがで
きる。
【0037】なおこの場合、マスク架設手段15ばかり
でなく、分割マスクM1 〜M5 のマスク架設手段15と
の溶接部も櫛歯状にすると、マスク架設手段15と分割
マスクM1 〜M5 との熱膨張差のために、分割マスクM
1 〜M5 は、その切込み溝部分で変形しやすくなる。そ
のため、分割マスクM1 〜M5 のマスク架設手段15と
の溶接端部は、連続面とし、櫛歯状にしない方がよい。
【0038】さらに上記のようにリアプレート3に板状
の固定部材14を接合し、この固定部材14にマスク架
設手段15を固定して、このマスク架設手段15にシャ
ドウマスク9を取付けると、シャドウマスク9と蛍光体
スクリーン8との間隔を容易に所定精度にすることがで
きる。しかもそのマスク架設手段15の加工精度をあま
り高くする必要がないという効果が得られる。たとえば
フェースプレート1の内面に形成される蛍光体スクリー
ン8のストライプ状の3色蛍光体層の配列ピッチを0.
6mm、ブラックストライプの幅を約0.1mmとすると、
各蛍光体層が連続的に配列されるためには、電子ビーム
により分割して走査される複数個の領域R1 〜R20の各
隣接部の重複または隙間をブラックストライプの幅の1
/2以下にする必要がある。また蛍光体スクリーン8の
各領域R1 〜R20の水平方向の大きさを80mmとする
と、シャドウマスク9から蛍光体スクリーン8までの間
隔(q値)は、8mmとなる。
【0039】いま、複数個の領域R1 〜R20の各隣接部
の重複の幅をD、偏向中心から蛍光体スクリーン8まで
の距離をL、各領域R1 〜R20の水平方向の大きさをH
とすると、所定のq値からのずれ量Δqは、 Δq=D・(L−q)/(H/2)+D で表される。したがってこの例のカラー受像管でのq値
の必要精度、すなわちマスク架設手段15の加工精度
は、約0.06mmとなり、一般的な加工により低価格で
製造することができる。
【0040】したがって、上記のように構成することに
より、マスク架設手段15を簡単かつ軽量化でき、しか
も蛍光体スクリーン8に対してシャドウマスク9を高精
度に架設でき、さらにシャドウマスク9の変形を防止し
て、蛍光体スクリーン8上に品位良好な画像を再生する
カラー受像管とすることができる。
【0041】つぎに、他の実施例について説明する。
【0042】上記実施例では、シャドウマスク、マスク
架設手段および固定部材をそれぞれ異なる材料で形成
し、そのマスク架設手段の上端部および下端部を櫛歯状
としたが、マスク架設手段に対してシャドウマスクおよ
び固定部材のいずれか一方を同一材料もしくは熱膨張係
数が近似した材料で形成した場合には、その同一材料も
しくは熱膨張係数が近似した材料で形成された部材側
は、必ずしも櫛歯状にする必要はなく、片方のみに形成
すればよい。
【0043】また上記実施例では、マスク架設手段の上
端部および下端部の切込み溝と櫛歯とを同一幅とした
が、この切込み溝と櫛歯とは同一幅でなくてもよく、ま
た位置により切込み溝幅や櫛歯の幅を変えてもよい。
【0044】また上記実施例では、マスク架設手段を固
定部材を介して間接的にリアプレートに固定したが、こ
のマスク架設手段は、直接リアプレートに固定する場合
にも適用可能である。
【0045】また上記実施例では、マスク架設手段を断
面コの字形としたが、このマスク架設手段の形状は、他
の形状でもよい。
【0046】さらに、上記実施例では、平坦なフェース
プレートと平坦なリアプレートを備えるカラー受像管に
ついて説明したが、この発明は、たとえば特開昭57−
44943号公報に示されているカラー受像管ように平
坦なリアプレートをもたないカラー受像管にも適用可能
である。ただしこのようなカラー受像管については、平
坦なフェースプレートにマスク架設手段を固定するよう
にするとよい。
【0047】
【発明の効果】実質的に矩形状のフェースプレートおよ
びこのフェースプレートと対向する実質的に矩形状のリ
アプレートを有する外囲器と、フェースプレートの内面
に形成され、複数個の電子銃から放出される電子ビーム
により複数個の領域に分割されて走査される蛍光体スク
リーンと、各領域に対応した多数の電子ビーム通過孔の
形成された有効部を有し、複数個の分割マスクに分割さ
れたシャドウマスクと、リアプレートに直接または間接
的に固定され、分割マスクを支持するマスク架設手段と
を備えるカラー受像管において、マスク架設手段のリア
プレートに固定される部分および分割マスクを支持する
部分の少なくとも一方を櫛歯状とすると、マスク架設手
段を簡単かつ軽量化でき、しかも蛍光体スクリーンに対
してシャドウマスクを高精度に架設でき、さらにシャド
ウマスクの変形を防止して、蛍光体スクリーン上に品位
良好な画像を再生するカラー受像管とすることができ
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)はこの発明の一実施例であるカラー
受像管の構成を示す斜視図、図1(b)はそのB−B断
面図である。
【図2】上記カラー受像管の構成を示す分解斜視図であ
る。
【図3】上記カラー受像管の要部構成を示す分解斜視図
である。
【符号の説明】
1…フェースプレート 2…側壁 3…リアプレート 4…ファンネル 8…蛍光体スクリーン 9…シャドウマスク 11…電子銃 12…プレート支持手段 14…固定部材 15…マスク架設手段 17T …上端部 17B …下端部 18…櫛歯 M1 〜M5 …分割マスク R1 〜R20…領域
フロントページの続き (72)発明者 原口 雄次 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内 (72)発明者 阿光 信彦 埼玉県深谷市幡羅町一丁目9番2号 株式 会社東芝深谷電子工場内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 実質的に矩形状のフェースプレートおよ
    びこのフェースプレートと対向する実質的に矩形状のリ
    アプレートを有する外囲器と、上記フェースプレートの
    内面に形成され、複数個の電子銃から放出される電子ビ
    ームにより複数個の領域に分割されて走査される蛍光体
    スクリーンと、この蛍光体スクリーンと対向し、上記各
    領域に対応する部分を多数の電子ビーム通過孔の形成さ
    れた有効部とし、複数個の分割マスクに分割されたシャ
    ドウマスクと、上記リアプレートに直接または間接的に
    固定され、上記分割マスクを支持するマスク架設手段と
    を備えるカラー受像管において、 上記マスク架設手段は、上記リアプレートに固定される
    部分および上記分割マスクを支持する部分の少なくとも
    一方が櫛歯状に形成されていることを特徴とするカラー
    受像管。
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