JPH0729327U - 横軸軸受装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【目的】 潤滑油の供給が多い場合にも良好な潤滑が得
られるようにした横軸軸受装置を提供する。 【構成】 潤滑油を貯溜する軸受箱３と、この軸受箱に
収納され上下に分割された円筒状のすべり面を有して横
軸の回転軸１を回転自在に支持する軸受２とを備え、軸
受のすべり面の上下に分割された境界部に油溜り溝８
ａ，８ｂを有し、軸受箱からすべり面に供給した潤滑油
を油溜り溝を経て軸受箱に戻して循環するようにした横
軸軸受装置において、前記軸受に前記油溜り溝から潤滑
油を排出する排油溝９を設けた構成とする。

Description

【考案の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】

本考案は、横軸の水車、発電機、電動機などに用いる横軸軸受装置に関する。

【０００２】

【従来の技術】

横軸の水車、発電機、電動機などにおいては、円筒すべり軸受を用いた横軸軸 受装置が用いられる。このような横軸軸受装置は、その全体構造を図３に示すよ うに、回転軸１を回転自在に支持する軸受２が軸受箱３内に収納支持されており 、この軸受箱３内には潤滑油４が溜められている。潤滑油４は、軸受箱３内に設 けられた冷却管５によって冷却され、オイルリング６によって汲み上げられ、軸 受２のすべり面７に供給される。

【０００３】 図４は従来の横軸軸受装置の回転軸に直角の方向の断面図であり、図５は軸受 ２の下半分の斜視図である。このように、軸受２と軸受箱３とオイルリング６は 、組立上から上下に分割した構造としている。オイルリング６によって軸受２に 供給された潤滑油４は、回転軸１の回転方向１０に沿って軸受２と回転軸１との 隙間を流れ、軸受２の上下に分割された境界部の軸受下半２ａ側に設けられた油 溜り溝８ａに一旦溜められ、油溜り溝８ａから軸受下半２ａと回転軸１との隙間 を流れて、反対側の油溜り溝８ｂに流れ込む。さらに油溜り溝８ｂから軸受２と 回転軸１との隙間を流れ、すべり面７に潤滑油４を供給する一方、軸受２の端部 から軸受箱３内の油溜めに排出するようにしている。

【０００４】 なお、回転軸１は軸受箱３内部において段付きとして油切り機能を持たせ、潤 滑油４が回転軸１の表面を伝わり軸受箱３の外に漏れるのを防ぐようにしている

【０００５】 。

【考案が解決しようとする課題】

上述のような従来の横軸軸受装置においては、オイルリング６によって供給さ れ軸受２のすべり面７を通過して油溜り溝８ｂに流れ込む潤滑油の量が少なけれ ば、この流れ込んだ潤滑油はすぐに軸受２と回転軸１の隙間から排出され、潤滑 油の循環は良好である。

【０００６】 しかしながら、回転軸１が高速で回転し油溜り溝８ｂに流れ込む潤滑油の量が 多い場合には、軸受２と回転軸１の隙間は潤滑油の粘性によって塞がれ、油溜り 溝８ａ，８ｂが密室状態になる。そうすると、軸受２端部からの潤滑油の排出が 阻害され、潤滑油の供給があっても排出が不可能となり、潤滑油の循環が不良と なる。その結果、軸受温度が上昇し、焼損等にいたる。

【０００７】 そこで本考案は、潤滑油の供給が多い場合にも良好な潤滑が得られるようにし た横軸軸受装置を提供することを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】

本考案は、潤滑油を貯溜する軸受箱と、この軸受箱に収納され上下に分割され た円筒状のすべり面を有して横軸の回転軸を回転自在に支持する軸受とを備え、 軸受のすべり面の上下に分割された境界部に油溜り溝を有し、軸受箱からすべり 面に供給した潤滑油を油溜り溝を経て軸受箱に戻して循環するようにした横軸軸 受装置において、前記軸受に前記油溜り溝から潤滑油を排出する排油溝を設けた 構成とする。

【０００９】

【作用】

本考案の横軸軸受装置においては、油溜り溝から潤滑油を排出する排油溝を設 けたので、回転軸が高速で回転し油溜り溝に流れ込む潤滑油の量が多い場合にも 、潤滑油は油溜り溝から適度に排出され良好な循環が保たれる。

【００１０】

【実施例】

図１は本考案の一実施例の横軸軸受装置の要部を示す断面図、図２は軸受下半 分の斜視図である。図１において、１は回転軸、３は軸受箱、４は潤滑油、６は オイルリングであり、軸受箱３には回転軸１を回転自在に支持する軸受１１が収 納支持されている。この軸受１１は、全体形状は従来の軸受２と同様で、図２に 示すように、軸受１１の上下に分割された境界部の軸受下半１１ａ側に油溜り溝 １２ａ，１２ｂを設けてある。さらに、この油溜り溝１２ａ，１２ｂの軸方向端 部に排油溝９を設ける。

【００１１】 このような構成にすることにより、油溜り溝１２ａに流れ込む潤滑油４の量が 多く、油溜り溝１２ａ，１２ｂに潤滑油４が充満しても、油溜り溝１２ａ，１２ ｂから軸受１１の外部への排油経路が設けられているから密室状態とならず、油 溜り溝１２ａ，１２ｂに流れ込んだ潤滑油４は排油溝９から軸受箱３の油溜りに 排出することができ、潤滑油４の循環を阻害することがない。

【００１２】

【考案の効果】

以上のように本考案によれば、軸受のすべり面への潤滑油の供給量が多く、こ れに伴って油溜り溝への潤滑油の流れ込みが多くなっても、この潤滑油の排出が 阻害されることなく、良好な循環が保たれ、軸受の温度上昇や焼損事故を防ぐこ とができる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本考案の実施例の要部を示す断面図

【図２】上記実施例の軸受下半分の斜視図

【図３】従来の横軸軸受装置の断面図

【図４】従来の横軸軸受装置の軸に直角な面による要部
断面図

【図５】従来の軸受下半分の斜視図

【符号の説明】

１・・回転軸 ２，１１・・軸
受 ２ａ，１１ａ・・軸受下半分 ３・・軸受箱 ４・・潤滑油 ５・・冷却管 ６・・オイルリング ７・・すべり面 ８ａ，８ｂ，１２ａ，１２ｂ・・油溜り溝 ９・・排油溝 １０・・回転方
向

Claims (2)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】 潤滑油を貯溜する軸受箱と、この軸受箱
   に収納され上下に分割された円筒状のすべり面を有して
   横軸の回転軸を回転自在に支持する軸受とを備え、軸受
   のすべり面の上下に分割された境界部に油溜り溝を有
   し、軸受箱からすべり面に供給した潤滑油を油溜り溝を
   経て軸受箱に戻して循環するようにした横軸軸受装置に
   おいて、前記軸受に前記油溜り溝から潤滑油を排出する
   排油溝を設けたことを特徴とする横軸軸受装置。
2. 【請求項２】 排油溝は油溜り溝の軸方向端部に設けた
   ことを特徴とする請求項１記載の横軸軸受装置。