JPH07293188A - トンネルでの掘削機の推進方法 - Google Patents

トンネルでの掘削機の推進方法

Info

Publication number
JPH07293188A
JPH07293188A JP8139994A JP8139994A JPH07293188A JP H07293188 A JPH07293188 A JP H07293188A JP 8139994 A JP8139994 A JP 8139994A JP 8139994 A JP8139994 A JP 8139994A JP H07293188 A JPH07293188 A JP H07293188A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
excavator
lining member
ground
tunnel
path
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP8139994A
Other languages
English (en)
Other versions
JP3121198B2 (ja
Inventor
Mikio Takeuchi
幹雄 竹内
Hiroshi Wada
洋 和田
Noritsugu Narita
典嗣 成田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Okumura Corp
Original Assignee
Okumura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Okumura Corp filed Critical Okumura Corp
Priority to JP8139994A priority Critical patent/JP3121198B2/ja
Publication of JPH07293188A publication Critical patent/JPH07293188A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3121198B2 publication Critical patent/JP3121198B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Excavating Of Shafts Or Tunnels (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 経路が湾曲したトンネルを構築するときにト
ンネルの覆工部材に加わる曲げモーメントを抑えること
ができ、覆工部材および継手の破損を防止できるトンネ
ルでの掘削機の推進方法を提供する。 【構成】 経路Kの湾曲外側の油圧ジャッキ33を伸長
させた掘削機21を湾曲経路Kに沿って屈曲させてか
ら、掘削機21の直後のセグメント40の湾曲内側の部
分40aを片押しするように、油圧ジャッキ30と33
を含む油圧ジャッキ列を伸長させて、掘削機21を湾曲
経路Kに沿って進行させる。 【効果】 セグメント40の湾曲内側の部分40aを片
押しすることによって湾曲した経路Kに沿って配列され
たセグメント40,40を湾曲の逆方向に曲げようとす
るモーメントの大きさを減少させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】この発明は、地盤を掘削して構築
するトンネルでの掘削機の推進方法に関し、特に経路が
湾曲したトンネルでの掘削機の推進方法に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、シールド工法でトンネルを構築
するときには、鋼製の円筒形状のシールド掘削機で地盤
を掘削しながら、この掘削機が地盤に形成した空洞を上
記掘削機の後ろで、鋼製または鉄筋コンクリート製のセ
グメントを組み立てて、上記空洞に面する地盤を上記セ
グメントで覆い上記地盤を支持するようにしている。
【0003】上記掘削機は、上記掘削機の後面に取り付
けられた複数の推進用油圧ジャッキを伸長させて、上記
油圧ジャッキで後方のセグメントを押して前方に進むよ
うになっている。
【0004】そして、従来のトンネルでの掘削機の推進
方法では、経路が湾曲したトンネルを構築するときに
は、上記掘削機の後面に取り付けられた複数の油圧ジャ
ッキのうち上記湾曲の中心から遠い油圧ジャッキがセグ
メントを押す力を、上記中心に近い油圧ジャッキがセグ
メントを押す力よりも大きくして、掘削機の進行方向を
曲げて掘削機を湾曲経路に沿って推進させるようにして
いる。
【0005】この推進時に、上記油圧ジャッキが上記油
圧ジャッキの後方のセグメントにおよぼすモーメント
を、図4に示す。図4において、トンネルの経路の中心
線Pから伸びている法線mの長さはモーメントの大きさ
を表しており、この各法線の先端を結ぶ線Sは、湾曲経
路に沿ったモーメントの分布曲線である。そして、上記
中心線Pから湾曲の内側に向かって伸びている法線は、
上記セグメントを経路の湾曲方向と逆の方向に曲げるモ
ーメントを表している。
【0006】図4に示したように、上記掘削機が曲がる
ときに、上記油圧ジャッキが上記セグメントを経路の湾
曲方向と逆の方向に曲げるモーメントMをセグメントに
加える。このため、上記セグメントとセグメントを繋ぐ
継手たとえばボルトのうち上記湾曲の中心に近い部分
が、セグメントとセグメントを離間させる方向に引っ張
られて上記部分のボルトが破損することがあるという問
題がある。特に、地盤が軟らかい場合には、セグメント
が動きやすいから、上述のように引っ張られたときにセ
グメントおよびボルトが破損しやすくなる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】そこで、この発明の目
的は、経路が湾曲したトンネルを構築するときにトンネ
ルの覆工部材に加わる曲げモーメントを抑えることがで
き、覆工部材および継手が破損することを防止できるト
ンネルでの掘削機の推進方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するた
め、請求項1の発明のトンネルでの掘削機の推進方法
は、掘削機で地盤を掘削しながら、この掘削機が地盤に
形成した空洞に面する地盤に覆工部材を取り付けて地盤
を覆うと共に支持して構築するトンネルでの掘削機の推
進方法であって、経路が湾曲したトンネルを構築すると
きに、上記掘削機の向きを上記経路の湾曲方向以上に湾
曲方向に傾けてから、上記掘削機が上記掘削機の直後の
覆工部材を押して進む推進力を、上記掘削機の直後の覆
工部材に対して均等に分布させて、上記湾曲した経路に
沿って上記掘削機を推進させることを特徴としている。
【0009】また、請求項2の発明は、掘削機で地盤を
掘削しながら、この掘削機が地盤に形成した空洞に面す
る地盤に覆工部材を取り付けて地盤を覆うと共に支持し
て構築するトンネルでの掘削機の推進方法であって、経
路が湾曲したトンネルを構築するときに、上記掘削機の
向きを上記経路の湾曲方向以上に湾曲方向に傾けてか
ら、上記掘削機が上記掘削機よりも後方の覆工部材を上
記経路の中心軸よりも上記湾曲の中心に近い位置で押圧
する力を、上記掘削機が上記掘削機よりも後方の覆工部
材を上記経路の中心軸よりも上記湾曲の中心から遠い位
置で押圧する力よりも大きくして、上記経路に沿って上
記掘削機を推進させることを特徴としている。
【0010】また、請求項3の発明は、掘削機で地盤を
掘削しながら、この掘削機が地盤に形成した空洞に面す
る地盤に覆工部材を取り付けて地盤を覆うと共に支持し
て構築するトンネルでの掘削機の推進方法であって、上
記掘削機は、後部とこの後部に対して屈曲自在に接続さ
れた前部とを有し、経路が湾曲したトンネルを構築する
ときに、上記前部を上記後部に対して上記経路の湾曲方
向に曲げてから、上記掘削機の後部が上記掘削機の後部
の直後の覆工部材を押して進む推進力を、上記後部の直
後の覆工部材に対して均等に分布させて、上記湾曲した
経路に沿って上記掘削機を推進させることを特徴として
いる。
【0011】また、請求項4の発明は、掘削機で地盤を
掘削しながら、この掘削機が地盤に形成した空洞に面す
る地盤に覆工部材を取り付けて地盤を覆うと共に支持し
て構築するトンネルでの掘削機の推進方法であって、上
記掘削機は、後部とこの後部に対して屈曲自在に接続さ
れた前部とを有し、経路が湾曲したトンネルを構築する
ときに、上記前部を上記後部に対して上記経路の湾曲方
向に曲げてから、上記掘削機が上記掘削機よりも後方の
覆工部材を上記経路の中心軸よりも上記湾曲の中心に近
い位置で押圧する力を、上記掘削機が上記掘削機よりも
後方の覆工部材を上記経路の中心軸よりも上記湾曲の中
心から遠い位置で押圧する力よりも大きくして、上記湾
曲した経路に沿って上記掘削機を推進させることを特徴
としている。
【0012】
【作用】請求項1の発明は、経路が湾曲したトンネルを
構築するときに、上記掘削機を推進させる前に、上記掘
削機の向きを経路の湾曲方向以上に湾曲方向に傾けるか
ら、上記掘削機が上記掘削機の直後の覆工部材を押して
進む推進力を、上記掘削機の直後の覆工部材に対して均
等に分布させても、掘削機を上記湾曲した経路に沿って
推進させることができる。
【0013】このときに、上記掘削機の後方のセグメン
トに発生するモーメントを、図3(A)に示す。図3(A)
に示すように、掘削機の直後の覆工部材には、推進力F
を均等に分布させるから、上記掘削機の直後の覆工部材
にはモーメントが発生しない。ただし、トンネルの経路
Kが湾曲しているから、上記直後の覆工部材よりも後ろ
の覆工部材には、湾曲方向と逆の方向に曲げる逆曲げモ
ーメントm,m…が発生する。
【0014】しかし、この発明は、掘削機直後の覆工部
材を均等に押すから、掘削機直後の覆工部材の湾曲外側
を片押しする図4に示す従来例に比べて、覆工部材に発
生する逆曲げモーメントの大きさmを小さくすることが
できる。したがって、覆工部材や継手が破損することを
防止できる。
【0015】また、請求項2の発明は、経路が湾曲した
トンネルを構築するときに、上記掘削機を推進させる前
に、上記掘削機の向きを経路の湾曲方向以上に湾曲方向
に傾ける。したがって、上記掘削機が上記掘削機よりも
後方の覆工部材を上記経路の中心軸よりも上記湾曲の中
心に近い位置で押圧する力を、上記掘削機が上記掘削機
よりも後方の覆工部材を上記経路の中心軸よりも上記湾
曲の中心から遠い位置で押圧する力よりも大きくして
も、掘削機を上記湾曲した経路に沿って進行させること
ができる。
【0016】つまり、請求項2の発明は、上記掘削機は
上記掘削機の直後の覆工部材の上記湾曲の内側を片押し
しながら、掘削機を上記湾曲した経路に沿って進行させ
ることができる。したがって、請求項2の発明によれ
ば、上記湾曲の内側を片押しする分だけ、図3(B)に示
すように、掘削機の後方の覆工部材を上記経路の湾曲方
向に曲げるモーメントMが発生する。そして、この片押
し分に起因する曲げモーメントM(図3(B))と、均等押
し分に起因する逆曲げモーメント(図3(A))とが互いに
打ち消し合って図3(C)に示すような合成曲げモーメン
トが掘削機後方の覆工部材に発生する。
【0017】このように、請求項2の発明は、トンネル
経路Kが湾曲しているから掘削機直後の覆工部材を均等
に押した場合にさえ発生する逆曲げモーメントを、覆工
部材の湾曲内側を片押しすることによって、減少させる
ことができる。したがって、請求項2の発明によれば、
従来例に比べて、覆工部材に発生する逆曲げモーメント
の大きさを特に小さくすることができ、覆工部材や継手
が破損することを防止できる。
【0018】また、請求項3の発明は、掘削機の前部を
後部に対して経路の湾曲方向に曲げてから掘削機直後の
覆工部材を均等に押して掘削機が上記経路の湾曲方向に
進む。したがって、この発明は、覆工部材を均等に押す
から、掘削機直後の覆工部材の湾曲外側を片押しする従
来例に比べて、上記覆工部材に発生する逆曲げモーメン
トの大きさを小さくすることができる。したがって、覆
工部材や継手が破損することを防止できる。
【0019】また、請求項4の発明は、掘削機の前部を
後部に対して経路の湾曲方向に曲げてから掘削機直後の
覆工部材の湾曲内側を片押しして掘削機が上記経路の湾
曲方向に進む。したがって、この発明は、掘削機直後の
覆工部材を均等押しする場合にさえ覆工部材に発生する
逆曲げモーメントを、湾曲内側を片押しすることによっ
て発生する曲げモーメントで打ち消すことができる。し
たがって、この発明によれば、従来例に比べて、覆工部
材に発生する逆曲げモーメントの大きさを特に小さくす
ることができ、覆工部材や継手が破損することを防止で
きる。
【0020】
【実施例】以下、この発明を図示の実施例により詳細に
説明する。
【0021】この発明のトンネルでの掘削機の推進方法
の第1実施例は、図1に示す掘削機1を使用する。この
掘削機1は、鋼製の筒2と、掘削部3とこの掘削部3を
回転させるモータ5と、推進手段としての油圧ジャッキ
6と9を備えている。この油圧ジャッキ6と9は、上記
筒2の内側に周方向に配列された複数の油圧ジャッキ列
の一部分を構成している。この掘削機1は、掘削部3を
回転させながら油圧ジャッキ6と9を伸長させて、地盤
7を掘削しながら進むようになっている。この掘削機1
が地盤7に形成した空洞8に面する地盤7aには、覆工
部材としての鉄筋コンクリート製の筒状のセグメント1
0が取り付けられる。このセグメント10は、地盤7a
を支持する役目をする。上記地盤7に形成された空洞8
とセグメント10がトンネル11を構成している。
【0022】図1に示すように、経路Kが湾曲したトン
ネル11を構築するときには、この第1実施例は、ま
ず、上記掘削機1の向きを、上記経路Kの湾曲方向以上
に湾曲方向に傾ける。つまり、上記掘削機1の中心軸Z
を上記経路Kの中心軸K1の接線よりも湾曲方向に傾け
る。この掘削機1を傾ける方法としては、油圧ジャッキ
9を伸長させる方法を用いても良いし、油圧ジャッキ9
を伸長させる替わりに油圧ジャッキ9とセグメント10
との間に枕木を噛ましてもよい。
【0023】次に、上記掘削機1は、モータ5を駆動し
て掘削部3を回転させ、さらに、油圧ジャッキ6と9を
含む上記油圧ジャッキ列を伸長させて、この油圧ジャッ
キ列の直後のセグメント10を押圧して前進する。
【0024】この前進時に、上記経路Kの中心軸K1よ
りも上記経路Kの湾曲の中心に近い方の油圧ジャッキ6
を含む複数の油圧ジャッキを、上記中心軸K1よりも経
路Kの湾曲の中心から遠い方の油圧ジャッキ9を含む複
数の油圧ジャッキよりも強い力で伸長させる。
【0025】このように、この実施例の方法は、掘削機
1を前進させる前に、掘削機1を経路Kの湾曲方向以上
に湾曲方向に傾けるから、油圧ジャッキ9よりも油圧ジ
ャッキ6を強い力で伸長させてセグメント10の湾曲内
側の部分10aを片押ししながら掘削機1を前進させて
も、上記湾曲した経路Kに沿って掘削機1を進めること
ができる。
【0026】したがって、この第1実施例によれば、上
記湾曲の内側を片押しする分だけ、図3(B)に示すよう
に、掘削機1の後方のセグメント10を上記経路Kの湾
曲方向に曲げるモーメントMが発生する。そして、この
図3(B)に示す片押し分に起因する曲げモーメントM
と、図3(A)に示す均等押し分に起因する逆曲げモーメ
ントとが互いに打ち消し合って図3(C)に示すような合
成曲げモーメントが掘削機1よりも後方のセグメント1
0,10…に発生する。
【0027】このように、この第1実施例によれば、ト
ンネル11の経路Kが湾曲しているから、掘削機1直後
のセグメント10を均等に押した場合にさえ発生する図
3(A)に示す逆曲げモーメントを、セグメント10の湾
曲内側を片押しすることによって減少させることができ
る。したがって、この第1実施例によれば、従来例に比
べて、セグメント10に発生する逆曲げモーメントの大
きさを小さくすることができ、セグメント10およびそ
れらを連結するボルトが破損することを防止できる。
【0028】次に、この発明の第2実施例を説明する。
この第2実施例は、図2に示す掘削機21を用いる。こ
の掘削機21は、筒形状の前部22と筒形状の後部23
を備えている。前部22と後部23とは、屈曲用油圧ジ
ャッキ25と26とで接続されており、後部23に対し
て前部22を傾動できるようになっている。そして、上
記前部22は、掘削部27とこの掘削部27を駆動する
モータ28とを有している。また、上記後部23は、そ
の内側に周方向に配列された複数の油圧ジャッキを有し
ている。この油圧ジャッキの列は、湾曲経路Kの中心軸
K1よりも内側に配置された油圧ジャッキ30と、湾曲
経路Kの中心軸K1よりも外側に配置された油圧ジャッ
キ33とを含んでいる。上記掘削機21は、モータ28
で掘削部27を駆動しながら、上記油圧ジャッキ30と
33を含む油圧ジャッキ列を伸長させて油圧ジャッキ列
でセグメント40を押圧して前進するようになってい
る。また、上記掘削機21は、上記屈曲用油圧ジャッキ
25と26のうちの一方を他方に対してより長く伸長さ
せることによって、後部23に対して前部22を屈曲さ
せることができる。
【0029】上記セグメント40は、掘削機21が地盤
31に形成した空洞32に面する地盤31aに取り付け
られており、地盤31aを支持する役目をする。地盤3
1に形成された空洞32とセグメント40がトンネル4
1を構成している。
【0030】図2に示すように、経路Kが湾曲したトン
ネル41を構築するときには、この第2実施例は、ま
ず、上記掘削機21の屈曲用油圧ジャッキ25よりも屈
曲用油圧ジャッキ26を長く伸長させて、後部23に対
して前部22を屈曲させる。この屈曲により、上記掘削
機21は上記経路Kの中心軸K1に沿って屈曲する。
【0031】次に、上記掘削機21は、モータ28を駆
動して掘削部27を回転させ、さらに、上記油圧ジャッ
キ30と33とを含む油圧ジャッキの列を伸長させて、
この油圧ジャッキ列の直後のセグメント40を押圧して
前進する。
【0032】この前進時に、上記経路Kの中心軸K1よ
りも上記経路Kの湾曲の中心に近い方の複数の油圧ジャ
ッキを、上記中心軸K1よりも経路Kの湾曲の中心から
遠い方の複数の油圧ジャッキよりも強い力で伸長させ
る。上記湾曲の中心に近い方の複数の油圧ジャッキは油
圧ジャッキ30を含んでおり、上記湾曲の中心から遠い
方の複数の油圧ジャッキは油圧ジャッキ33を含んでい
る。
【0033】このように、この実施例の方法は、掘削機
21を前進させる前に、掘削機21を経路Kの湾曲方向
に屈曲させるから、油圧ジャッキ33よりも油圧ジャッ
キ30を強い力で伸長させてセグメント40の湾曲内側
の部分40aを片押ししながら掘削機21を前進させて
も、上記湾曲した経路Kに沿って掘削機21を進めるこ
とができる。
【0034】したがって、この第2実施例によれば、上
記湾曲の内側を片押しする分だけ、図3(B)に示すよう
に、掘削機21の後方のセグメント40を上記経路Kの
湾曲方向に曲げるモーメントMが発生する。そして、こ
の図3(B)に示す片押し分に起因する曲げモーメントM
と、図3(A)に示す均等押し分に起因する逆曲げモーメ
ントとが互いに打ち消し合って図3(C)に示すような合
成曲げモーメントが掘削機21よりも後方のセグメント
40,40…に発生する。
【0035】このように、この第2実施例によれば、ト
ンネル41の経路Kが湾曲しているから掘削機21直後
のセグメント40を均等に押した場合にさえ発生する図
3(A)に示す逆曲げモーメントを、セグメント40の湾
曲内側を片押しすることによって減少させることができ
る。したがって、この第2実施例によれば、従来例に比
べて、セグメント40に発生する逆曲げモーメントの大
きさを小さくすることができ、セグメント40およびそ
れらを連結するボルトが破損することを防止できる。
【0036】尚、上記第1および第2実施例では、セグ
メント10,40の湾曲内側部10a,40aを片押し
したが、セグメント10,40の湾曲内側部10a,4
0aと湾曲外側部10b,40bとを均等に押圧しても
よい。この場合には、セグメント10,40の湾曲内側
部10a,40aを片押しする場合に比べて、掘削機を
推進させる前に掘削機を傾ける角度や屈曲させる角度を
少なくすることができる。
【0037】
【発明の効果】以上より明らかなように、請求項1の発
明は、経路が湾曲したトンネルを構築するときに、上記
掘削機を推進させる前に、上記掘削機の向きを経路の湾
曲方向以上に湾曲方向に傾けるから、上記掘削機が上記
掘削機の直後の覆工部材を押して進む推進力を、上記掘
削機の直後の覆工部材に対して均等に分布させても、掘
削機を上記湾曲した経路に沿って推進させることができ
る。
【0038】そして、この発明は、掘削機直後の覆工部
材を均等に押すから、掘削機直後の覆工部材の湾曲外側
を片押しする従来例に比べて、覆工部材に発生する逆曲
げモーメントの大きさを小さくすることができる。した
がって、覆工部材やそれらの継手が破損することを防止
できる。
【0039】また、請求項2の発明は、経路が湾曲した
トンネルを構築するときに、掘削機を推進させる前に、
掘削機の向きを経路の湾曲方向以上に湾曲方向に傾け
る。従って、掘削機が上記掘削機よりも後方の覆工部材
を上記経路の中心軸よりも上記湾曲の中心に近い位置で
押圧する力を、掘削機が上記掘削機よりも後方の覆工部
材を上記経路の中心軸よりも上記湾曲の中心から遠い位
置で押圧する力よりも大きくしても、掘削機を上記湾曲
した経路に沿って進行させることができる。
【0040】つまり、請求項2の発明は、掘削機は上記
掘削機の直後の覆工部材の上記湾曲の内側を片押ししな
がら、掘削機を上記湾曲した経路に沿って進行させるこ
とができる。したがって、請求項2の発明によれば、上
記湾曲の内側を片押しする分だけ、掘削機の後方の覆工
部材を上記経路の湾曲方向に曲げるモーメントが発生す
る。そして、この片押し分に起因する曲げモーメント
と、均等押し分に起因する逆曲げモーメントとが互いに
打ち消し合った合成曲げモーメントが掘削機後方の覆工
部材に発生する。
【0041】このように、請求項2の発明は、トンネル
経路が湾曲しているから、掘削機直後の覆工部材を均等
に押した場合にさえ発生する逆曲げモーメントを、覆工
部材の湾曲内側を片押しすることによって、減少させる
ことができる。したがって、請求項2の発明によれば、
従来例に比べて、覆工部材に発生する逆曲げモーメント
の大きさを特に小さくすることができ、覆工部材および
継手が破損することを防止できる。
【0042】また、請求項3の発明は、掘削機の前部を
後部に対して経路の湾曲方向に曲げてから掘削機直後の
覆工部材を均等に押して掘削機が上記経路の湾曲方向に
進む。したがって、この発明は、覆工部材を均等に押す
から、掘削機直後の覆工部材の湾曲外側を片押しする従
来例に比べて、上記覆工部材に発生する逆曲げモーメン
トの大きさを小さくすることができる。したがって、覆
工部材および継手が破損することを防止できる。
【0043】また、請求項4の発明は、掘削機の前部を
後部に対して経路の湾曲方向に曲げてから掘削機直後の
覆工部材の湾曲内側を片押しして掘削機が上記経路の湾
曲方向に進む。したがって、この発明は、掘削機直後の
覆工部材を均等押しする場合にさえ覆工部材に発生する
逆曲げモーメントを、湾曲内側を片押しすることによっ
て発生する曲げモーメントで打ち消すことができる。し
たがって、この発明によれば、従来例に比べて、覆工部
材に発生する逆曲げモーメントの大きさを特に小さくす
ることができ、覆工部材および継手が破損することを防
止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明のトンネルでの掘削機の推進方法の
第1実施例によって、トンネルを構築する様子を示す模
式図である。
【図2】 この発明の第2実施例によって、トンネルを
構築する様子を示す模式図である。
【図3】 図3(A)は覆工部材としてのセグメントを均
等に押したときに発生するモーメントの分布図であり、
図3(B)はセグメントの湾曲内側を片押ししたときに発
生するモーメントの分布図であり、図3(C)は図3(A)
のモーメント分布と図3(B)のモーメント分布とを加え
合わせたモーメント分布図である。
【図4】 従来例によってセグメントに発生するモーメ
ント分布図である。
【符号の説明】
1,21…掘削機、2…筒、3,27…掘削部、5,2
8…モータ、6,9,30,33…油圧ジャッキ、7,
31…地盤、8,32…空洞、10,40…セグメン
ト、11,41…トンネル、22…前部、23…後部、
25,26…屈曲用油圧ジャッキ、K…経路、K1…中
心軸。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 掘削機で地盤を掘削しながら、この掘削
    機が地盤に形成した空洞に面する地盤に覆工部材を取り
    付けて地盤を覆うと共に支持して構築するトンネルでの
    掘削機の推進方法であって、 経路が湾曲したトンネルを構築するときに、 上記掘削機の向きを上記経路の湾曲方向以上に湾曲方向
    に傾けてから、 上記掘削機が上記掘削機の直後の覆工部材を押して進む
    推進力を、上記掘削機の直後の覆工部材に対して均等に
    分布させて、 上記湾曲した経路に沿って上記掘削機を推進させること
    を特徴とするトンネルでの掘削機の推進方法。
  2. 【請求項2】 掘削機で地盤を掘削しながら、この掘削
    機が地盤に形成した空洞に面する地盤に覆工部材を取り
    付けて地盤を覆うと共に支持して構築するトンネルでの
    掘削機の推進方法であって、 経路が湾曲したトンネルを構築するときに、 上記掘削機の向きを上記経路の湾曲方向以上に湾曲方向
    に傾けてから、 上記掘削機が上記掘削機よりも後方の覆工部材を上記経
    路の中心軸よりも上記湾曲の中心に近い位置で押圧する
    力を、上記掘削機が上記掘削機よりも後方の覆工部材を
    上記経路の中心軸よりも上記湾曲の中心から遠い位置で
    押圧する力よりも大きくして、 上記経路に沿って上記掘削機を推進させることを特徴と
    するトンネルでの掘削機の推進方法。
  3. 【請求項3】 掘削機で地盤を掘削しながら、この掘削
    機が地盤に形成した空洞に面する地盤に覆工部材を取り
    付けて地盤を覆うと共に支持して構築するトンネルでの
    掘削機の推進方法であって、 上記掘削機は、後部とこの後部に対して屈曲自在に接続
    された前部とを有し、 経路が湾曲したトンネルを構築するときに、上記前部を
    上記後部に対して上記経路の湾曲方向に曲げてから、 上記掘削機の後部が上記掘削機の後部の直後の覆工部材
    を押して進む推進力を、上記後部の直後の覆工部材に対
    して均等に分布させて、 上記湾曲した経路に沿って上記掘削機を推進させること
    を特徴とするトンネルでの掘削機の推進方法。
  4. 【請求項4】 掘削機で地盤を掘削しながら、この掘削
    機が地盤に形成した空洞に面する地盤に覆工部材を取り
    付けて地盤を覆うと共に支持して構築するトンネルでの
    掘削機の推進方法であって、 上記掘削機は、後部とこの後部に対して屈曲自在に接続
    された前部とを有し、 経路が湾曲したトンネルを構築するときに、上記前部を
    上記後部に対して上記経路の湾曲方向に曲げてから、 上記掘削機が上記掘削機よりも後方の覆工部材を上記経
    路の中心軸よりも上記湾曲の中心に近い位置で押圧する
    力を、上記掘削機が上記掘削機よりも後方の覆工部材を
    上記経路の中心軸よりも上記湾曲の中心から遠い位置で
    押圧する力よりも大きくして、 上記湾曲した経路に沿って上記掘削機を推進させること
    を特徴とするトンネルでの掘削機の推進方法。
JP8139994A 1994-04-20 1994-04-20 トンネルでの掘削機の推進方法 Expired - Fee Related JP3121198B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8139994A JP3121198B2 (ja) 1994-04-20 1994-04-20 トンネルでの掘削機の推進方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP8139994A JP3121198B2 (ja) 1994-04-20 1994-04-20 トンネルでの掘削機の推進方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH07293188A true JPH07293188A (ja) 1995-11-07
JP3121198B2 JP3121198B2 (ja) 2000-12-25

Family

ID=13745240

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP8139994A Expired - Fee Related JP3121198B2 (ja) 1994-04-20 1994-04-20 トンネルでの掘削機の推進方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3121198B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103291318A (zh) * 2013-05-20 2013-09-11 中铁隧道集团有限公司 一种盾构机管片选型用转盘
JP2021075842A (ja) * 2019-11-05 2021-05-20 株式会社奥村組 シールド工法におけるトンネル曲線部の施工方法

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103291318A (zh) * 2013-05-20 2013-09-11 中铁隧道集团有限公司 一种盾构机管片选型用转盘
JP2021075842A (ja) * 2019-11-05 2021-05-20 株式会社奥村組 シールド工法におけるトンネル曲線部の施工方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP3121198B2 (ja) 2000-12-25

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH07293188A (ja) トンネルでの掘削機の推進方法
JP3784241B2 (ja) シールド掘進機及びその仮推進方法
JP4884304B2 (ja) トンネル掘削機の推進方法
JP3963241B2 (ja) トンネル掘削方法及びトンネルライナー
JP4347462B2 (ja) トンネル掘削機の本体構造
JP4179434B2 (ja) トンネル掘削機
JPH11223085A (ja) シールド掘削機の推進方法
JPH0417669Y2 (ja)
JP2000179284A (ja) トンネルの構築方法
JP3830930B2 (ja) シールド掘削機の推進方法
JP3644102B2 (ja) シールド掘進機の推進装置
JP4221477B2 (ja) シールド掘進機を推進開始位置に設置する方法
JP3276304B2 (ja) トンネル掘削機
JPH09144473A (ja) アーティキュレート式トンネル掘進機
JP2637536B2 (ja) シールド掘進機
JP2573697Y2 (ja) シールド掘進機
JPH083518Y2 (ja) トンネル掘削機
JP2002138788A (ja) シールド機
JP2581794B2 (ja) シールド工法におけるシールド掘削機の推進方法
JP3719849B2 (ja) 小口径推進機の先導管
JP3753477B2 (ja) トンネル掘削機
JPH07252990A (ja) シールド掘削機
JP2537753Y2 (ja) 小口径管推進機
JP2000226992A (ja) シールド掘進機及び該シールド掘進機を用いた掘進方法
JP4731507B2 (ja) トンネル掘削機における掘削機本体の回収方法

Legal Events

Date Code Title Description
R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20091020

Year of fee payment: 9

FPAY Renewal fee payment (prs date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20121020

Year of fee payment: 12

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees