JP3644102B2 - シールド掘進機の推進装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は泥水型、泥土圧型シールド掘進機においてシールドジャッキの推進力を利用してシールドフレームを回転させてローリングの防止やローリング修正を可能とするシールド掘進機の推進装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
シールド工法によってトンネルを施工するために用いられるシールド掘進機のうち、たとえば、泥土加圧型のシールド掘進機としては、図5(イ)(ロ)に概略を示す如く、円筒状のシールドフレーム1内の前端部に設けたバルクヘッド2に、カッター駆動用モータ4により回転させられるカッター3を回転自在に支持させると共に、該カッター3の回転によって掘削された土砂を、土砂排出用スクリューコンベヤ5にて排出させられるようにし、且つ上記シールドフレーム1内の後部に、円弧状のセグメント6を組み立てるためのエレクター7を装備させ、更に、組み立てたセグメント6にジャッキシュー9を押し当ててシールド掘進機全体を推進させるための多数のシールドジャッキ8を、シールドフレーム1の内周面に固設した前部リングガーダ10と後部リングガーダ11との間に、シールドフレーム1の軸心と平行となるように固定支持させた構成としてある。
【0003】
上記シールド掘進機では、カッター3を回転させて地山の掘削を行うと、カッター3の回転方向(矢印S方向)とは逆向きのカッター回転反力がシールドフレーム1に作用するため、シールドフレーム1にローリング(矢印R方向)が発生する問題がある。
【0004】
上記ローリングの問題を解決するため、従来では、図5(ロ)(ハ)に示す如く、カッター3の前面部に位置する放射状のカッタースポーク12の回転方向前面側と背面側に、正転用のカッタービット13aと逆転用のカッタービット13bを並べて取り付け、カッター3の正転による地山の掘削時には前面側にある正転用のカッタービット13aのみを使用するようにし、ローリングが生じてローリングを修正するときにはカッター3を逆転させて背面側にある逆転用のカッタービット13bを使用して逆向きのカッター回転反力を発生させるようにしてローリングの修正を行うようにしていた。14は土砂取入口を示す。
【0005】
しかしながら、上記従来のシールド掘進機の場合、ローリング修正を行うためのみにカッタースポーク12の回転方向の背面側に多数の逆転用のカッタービット13bを取り付けておく必要があるので、コストアップの一因となり、しかも、軟弱地盤を掘削している場合には、カッター3を逆転させたとしても周辺地山の地耐力を得ることができずにローリングを修正できるような逆向きのカッター回転反力をうまく発生させることができなかった。
【0006】
そのため、最近、上記シールドジャッキ8のうちのいくつかをローリングと相殺する方向(周方向)へ傾動させることによって該シールドジャッキ8の伸長作動時にローリングを打ち消すような回転モーメントを発生させることができるようにしたシールド掘進機のローリング修正装置が提案されている(実公平5−12393号)。
【0007】
上記提案されているシールド掘進機のローリング修正装置は、図6(イ)(ロ)に示す如く、前部リングガーダ10後面の傾動させようとするシールドジャッキ8を固定する個所に、球面座16を有する係合フレーム15を取り付けると共に、傾動させようとするシールドジャッキ8のシリンダ8aのヘッド側端面に球面部17を形成し、且つ後部リングガーダ11の上記シールドジャッキ8と対応する個所に該シールドジャッキ8を充分挿通することができる貫通孔18を設け、該貫通孔18にシールドジャッキ8を挿通してシールドジャッキ8のシリンダ8aの球面部17と上記係合フレーム15の球面座16とを係合させ、更に、上記後部リングガーダ11に、シールドジャッキ8のシリンダ8aのロッド側端部に嵌装させた押え板19、該押え板19を後部リングガーダ11に沿って周方向へ移動自在に支持させるためのガイド部材20、及び該押え板19を周方向へスライド移動させるための一対の調整ボルト21,22とからなる傾斜手段23を設けた構成とし、上記傾斜手段23の一対の調整ボルト21と22をそれぞれ押し出し及び引き戻して該調整ボルト21と22の間に挟まれている押え板19を周方向へスライド移動させ、該押え板19を介して上記係合フレーム15の球面座16とシールドジャッキ8のシリンダ8aの球面部17との当接部を支点としてシールドジャッキ8を周方向へ任意の角度θだけ傾動させるようにすることにより、シールド掘進機を前進させるために各シールドジャッキ8を伸長作動させた際に、図7に示すように、傾動されたシールドジャッキ8よりFsin θの横力(分力)を発生させてシールドフレームに生じたローリングを打ち消すような回転モーメントを発生させるようにしたものである。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上記したシールド掘進機のローリング修正装置の場合、シールドジャッキ8をシールドフレームに生じるローリングと相殺する方向へ傾動させて該シールドジャッキ8の伸長作動時にローリングを打ち消すような回転モーメントを発生させることができるものの、上記傾斜手段23は一対の調整ボルト21と22をそれぞれ押し出し及び引き戻すことによって該調整ボルト21と22の間に挟まれている押え板19を周方向へスライド移動させるようにしてあることから、シールドフレームに生じたローリングを修正しようとするときには、上記傾斜手段23の調整ボルト21と22を回すためにシールドジャッキ8を収縮状態とする必要があるので、カッターの回転を一旦停止させなければならず、しかも、上記傾斜手段23は傾動させようとするシールドジャッキ8毎に個々に設けられていることから各傾斜手段23の調整に手間が掛ってしまう、という問題がある。
【0009】
そこで、本発明は、シールド掘進機を推進中にもシールドジャッキによりシールドフレームに回転力を与えるようにして、ローリングが発生したとしてもカッターの回転を停止させることなくローリング修正を行うことができるようなシールド掘進機の推進装置を提供し、以て、切削ビットの片側のみの配置を可能とするものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を解決するために、シールドフレームの前端に回転駆動可能に装備させたカッターにより地山の掘削を行い、シールドフレーム内の後部で円周上に組み立てられたセグメントを支えとして多数のシールドジャッキによりシールドフレームを前進させて掘進力を与えるようにしてあるシールド掘進機の推進装置において、上記シールドフレームの内周面部に、該シールドフレームの前後方向に所要の間隔を隔てて前部リングガーダと後部リングガーダを配して、前部リングガーダをシールドフレームに固定配置すると共に、後部リングガーダを周方向へ回動自在に配置し、且つ上記前部リングガーダに、上記各シールドジャッキのヘッド側端部を周方向へ傾動自在に取り付け、上記後部リングガーダに、上記各シールドジャッキのロッド側端部を、シールドジャッキの外径よりも僅かに大きい内径の貫通孔を通して支持させ、更に、上記後部リングガーダに、シールドフレーム内の固定側に設置した回動用アクチュエータを連結した構成とする。
【0011】
回動用ジャッキを伸縮動作させて後部リングガーダをシールドフレームの内周面に沿ってカッター回転方向と逆の方向へ回動させるようにすると、各シールドジャッキを一斉に同一方向へ傾動させることができ、これにより、シールド掘進機運転中にローリングが発生した場合、シールド掘進機を推進させるために各シールドジャッキを伸長作動させた時にローリングを打ち消すような回転モーメントを発生させることができる。
【0012】
一方、シールドフレーム内に、前部リングガーダを固定配置すると共に後部リングガーダを回動自在に配置することに代えて、前部リングガーダを回動自在に配置して後部リングガーダを固定配置し、且つ該前部リングガーダに回動用アクチュエータを連結した構成とした場合は、前部リングガーダをカッター回転方向と同じ方向へ回動させることによって、ローリングを打ち消すような回転モーメントを発生させることができる。
【0013】
又、後部リングガーダに設けた貫通孔の一部を周方向に延びる長孔にすると、後部リングガーダを回動させても、長孔に遊貫されているシールドジャッキは、長孔の存在によって傾動されないので、長孔以外の貫通孔を通したシールドジャッキのみを傾動させることができる。
【0014】
更に、前部リングガーダと後部リングガーダの両方をシールドフレーム内に固定配置し、且つ各シールドジャッキを相隣り合うもの同士を2本1組とし、各組の2本のシールドジャッキのロッド先端を互いに近接させた状態で1つのジャッキシューにユニバーサルジョイントを介して連結し、更に、上記固定式の後部リングガーダに、2本1組のシールドジャッキのロッド側端部を貫通させる開口を設けた構成とすることもでき、この場合、2本1組のシールドジャッキに差圧をもたせて、一方の伸長力を大きくすると共に他方の伸長力を小さくすると、2本1組のシールドジャッキから発生される伸長力のバランスが崩れてシールドフレームにローリングを打ち消すような回転モーメントを発生させることができる。
【0015】
更に又、ローリング検出センサーと、該ローリング検出センサーのローリング検出値を基にシールドジャッキを駆動する演算制御器とを備えた制御装置を設けた構成とすることによって、ローリングの修正を自動的に行うことができるようになる。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0017】
図1(イ)(ロ)(ハ)は本発明の実施の一形態を示すもので、図5(イ)(ロ)に示したと同様に、シールドフレーム1の前端に備えたカッター3を回転駆動させて正転用のカッタービット13aにより地山を掘削し、上記シールドフレーム1内の後部位置で組み立てたセグメント6に、周方向に配列した多数のシールドジャッキ8を押し当てて、該各シールドジャッキ8の伸長力により前端のカッター3で切羽を保持しつつ全体を推進させるようにしてある泥土圧型のシールド掘進機において、上記シールドフレーム1内の内周面部に、軸心方向へ所要間隔を隔てて前部リングガーダ10と後部リングガーダ24を配置して、前部リングガーダ10をシールドフレーム1の内周面に固定すると共に、後部リングガーダ24を周方向へのみ回動自在に構成し、且つ上記前部リングガーダ10には、各シールドジャッキ8のシリンダ8aのヘッド側端部を、ヒンジ25により周方向へ傾動可能に取り付け、一方、上記後部リングガーダ24には、シールドジャッキ8のシリンダ8aの外径よりも若干大きい内径の貫通孔26をそれぞれ設けて、該各貫通孔26に各シールドジャッキ8のシリンダ8aのロッド側端部をそれぞれ貫通させて支持させ、又、上記各シールドジャッキ8には、シリンダ8aから突出するロッド8bの先端に、セグメント6に当接させるためのジャッキシュー27を首振り自在(揺動自在)に取り付け、更に、上記シールドフレーム1の内周面側に固定した支持部材28に、後部リングガーダ24をシールドフレーム1の内周面に沿わせて回動させるための回動用アクチュエータとしての回動用ジャッキ29を設置し、該回動用ジャッキ29を後部リングガーダ24の内周面の所要個所に連結して、回動用ジャッキ29の伸長作動で、後部リングガーダ24をカッター3の回転方向(矢印S方向)とは逆方向に回動させることにより、各シールドジャッキ8をシールドフレーム1のローリングを相殺する方向へ傾動させられるようにして各シールドジャッキ8の伸長作動によりローリングを打ち消す方向の回転モーメントをシールドフレーム1に与えられるようにする。
【0018】
今、シールド掘進機の運転中に、シールドフレーム1に、図1(ハ)において矢印R方向のローリングが生じた場合、各回動用ジャッキ29を伸長作動させて後部リングガーダ24をシールドフレーム1の内周面に沿わせてカッター3の回転方向とは逆方向に所要量回動させることにより、各シールドジャッキ8をシールドフレーム1の軸心に対し角度θだけ一斉に傾けるようにすると、シールド掘進機を前進させるために各シールドジャッキ8を伸長作動させた時に、図6に示すように各シールドジャッキ8の伸長力Fによる分力Fsin θが発生し、ローリングを打ち消すような回転モーメントを得ることができるので、ローリングを修正することができる。この際、上記後部リングガーダ24は、回動用ジャッキ29の作動で容易に回動させることができるので、シールドジャッキ8に伸長力が作用していてカッター3が回転している状態でも各シールドジャッキ8を一斉に傾動させることができる。したがって、図6(イ)(ロ)に示したシールド掘進機のローリング修正装置のようにカッター3の回転を一旦停止させてシールドジャッキ8を収縮させてからシールドジャッキ8を一本ずつ傾動させる必要がなくて効率的にローリングを修正することが可能となる。しかも、各シールドジャッキ8の傾動量は、後部リングガーダ24の回動量を変更することによって調整できるので、各シールドジャッキ8の傾動角θを変化させて発生させる回転モーメントの大きさを調節することによってリアルタイムでローリングを修正することができて非常に効果的である。
【0019】
上記において、シールド掘進機の運転開始前に予め各シールドジャッキ8を所要量傾動させておくようにすると、ローリングの発生を未然に防ぐことができる。
【0020】
このように、本発明においては、カッター3を逆転させることなくローリングを修正したり、ローリングの発生を未然に防ぐことができるので、カッター3のカッタースポーク12に逆転用のカッタービット13bを取り付けておく必要性をなくすことができ、従来必要とされて来た図5(ハ)のカッタービット13bを省略できて、カッタービット13aのみの片ビットとすることができる。
【0021】
次に、図2(イ)(ロ)(ハ)は本発明の他の実施の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)(ハ)に示したシールド掘進機と同様な構成において、後部リングガーダ24に設けた各貫通孔26のうちの一部(図では、左右3個所宛)を、周方向に延びる長孔30としたものである。
【0022】
図2(イ)(ロ)(ハ)に示すように構成すると、シールド掘進機を推進させるために各シールドジャッキ8が伸長作動されるのに伴い、通常の貫通孔26にシリンダ8aが貫通されているシールドジャッキ8では、上述した図1(イ)(ロ)(ハ)に示すものと同様にして傾動されてローリングを打ち消すような回転モーメントを発生させるのに対し、長孔30にシリンダ8aが貫通されているシールドジャッキ8では、長孔30の存在により後部リングガーダ11の回動変位に追従せずに傾動されないことになるので、各シールドジャッキ8を傾動させるものと傾動させないものとに分けることができて、任意のシールドジャッキ8のみを傾動させるようにすることができ、しかも、傾動させないシールドジャッキ8の場合には、シリンダ8aのヘッド側端部を前部リングガーダ10に直接固定することができるので、ヒンジ25やジャッキシュー27の首振り機構等を省略することができて、構造を簡単にすることができる。
【0023】
次いで、図3(イ)(ロ)(ハ)は本発明の更に他の実施の形態を示すもので、図1(イ)(ロ)(ハ)に示したシールド掘進機におけると同様にヘッド側の端部を前部リングガーダ10にヒンジ25を介して傾動自在に取付支持させた構成において、各シールドジャッキ8を相隣り合うもの同士を2本1組とし、各組の2本のシールドジャッキ8のロッド8bの先端を互いに近接させたV字状の配置として幅広の1つのジャッキシュー31の中央部にユニバーサルジョイント32を介して連結し、且つ、2本1組のシールドジャッキ8と対応させた位置に2本1組のシールドジャッキ8のシリンダ8aのロッド側端部をゆとりを持って一緒に通すことができるような長孔状の開口34を円周方向に設けてなる後部リングガーダ33を、図1(イ)(ロ)(ハ)における後部リングガーダ24に代えてシールドフレーム1の内周面に固定し、該固定式の後部リングガーダ33の各開口34に2本1組のシールドジャッキ8をそれぞれ貫通させるようにして、固定式の後部リングガーダ33をシールドジャッキ8のガイドとするようにしたものである。
【0024】
図3(イ)(ロ)(ハ)に示す実施の形態の場合、2本1組のシールドジャッキ8の各々を同時に同程度だけ伸長作動させるようにすると該シールドジャッキ8の伸長力によってシールド掘進機は直進されることになるが、ローリングを修正しようとする場合において、たとえば、図3(イ)においてa側のシールドジャッキ8を圧力調整により大きい推力で伸長させると共にb側のシールドジャッキ8を小さな推力で伸長させるようにすると、2本1組のシールドジャッキ8から発生される伸長力のバランスが崩れてローリングを打ち消すような回転モーメントを発生させることができてローリングを修正することができる。更に、上述した図1と図2の各実施の形態で用いていた回動式の後部リングガーダ24を固定式の後部リングガーダ33とすることができるので、リングガーダを回動させるための回動用ジャッキ29を不要にすることができる。
【0025】
図4は上記各実施の形態で示したローリング修正を自動的に行わせるための制御装置35を示すもので、シールドフレーム1内に設置するようにした傾斜計やジャイロ等のローリング検出センサー36と、該ローリング検出センサー36からのローリング検出値(角度)を基に各シールドジャッキ8の油圧駆動部38へ制御指令を送る演算制御器37とを備えた構成としてある。
【0026】
図4に示す制御装置の場合、シールドフレーム1にローリングが発生すると、そのローリング角度がローリング検出センサー36で検出され、検出されたローリング角度に基づく制御指令が演算制御器37からシールドジャッキ8の油圧駆動部38へ送られることになる。したがって、掘進機の掘進中でも停止中でもローリング角度を自動的に修正することができる。
【0027】
なお、本発明は上記実施の形態のみに限定されるものではなく、たとえば、各実施の形態ではシールド掘進機として泥土加圧型のものを想定しているが、シールド掘進機としては泥水型等に対しても全く同様にして適用することができること、又、図1、図2に示した実施の形態では、前部リングガーダ10を固定とし、後部リングガーダ24を回動自在として後部リングガーダ24に回動用ジャッキ29を連結した場合を示したが、前部リングガーダ10を回動用ジャッキ29により回動できるようにし、後部リングガーダ24を固定としてもよく、この場合、前部リングガーダ10をカッター回転方向と同じ方向へ回動させることによって、ローリングを打ち消すような回転モーメントを発生させることができること、更に、前部リングガーダ10に対するシールドジャッキ8の傾動支点部の構造としては、球面座等を用いるようにしてもよいこと、更に又、回動式のリングガーダを回動させるための回動用アクチュエータとしては、油圧式に限らず電動式やエア式等を用いることもできること、その他、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0028】
【発明の効果】
以上述べた如く、本発明のシールド掘進機の推進装置によれば、前部リングガーダに、各シールドジャッキのヘッド側端部を傾動自在に取り付けると共に、後部リングガーダに、各シールドジャッキのロッド側端部を、シールドジャッキ径よりも僅かに大きい貫通孔を介して貫通支持させ、いずれか一方のリングガーダを回動用アクチュエータにより回動させることができるようにすることによって各シールドジャッキを一斉に同一方向へ傾動させることができるようにしてあることから、シールド掘進機を推進させるために各シールドジャッキを伸長作動させた際にローリングを打ち消すような回転モーメントを発生させることができるので、ローリングの発生を予防することができ、又、シールド掘進機運転中にローリングが発生した場合、シールド掘進機を運転している状態のままで各シールドジャッキを傾動させることができることから、従来のようにシールドジャッキを傾動させるためにカッターの回転を一旦停止させることなくローリングの修正を行うことができ、ローリングを修正させるためにカッターを逆転させる必要もなくなることから、逆転用のカッタービットを不要にすることができて、カッターを片側ビットとすることができることにより、コスト面で非常に有利となる。又、上記後部リングガーダの貫通孔の一部を周方向に延びる長孔とすると、該長孔に貫通されているシールドジャッキはリングガーダが回動された際に傾動されないことから傾動されるシールドジャッキと傾動されないシールドジャッキとに分けることができ、傾動されないシールドジャッキではヘッド側端部を前部リングガーダに直接固定することができるので、構造を簡単にすることができて装置の信頼性を向上させることができる。更に、前部リングガーダと後部リングガーダとを固定とし、且つ2本1組としてそれぞれのロッド先端にユニバーサルジョイントを介して1つのジャッキシューを取り付けるようにした2本1組のシールドジャッキを、上記固定式の後部リングガーダに設けた開口に貫通支持させるようにすると、2本1組のシールドジャッキの一方の伸長力を大きくすると共に他方の伸長力を小さくすることによって2本1組のシールドジャッキから発生される伸長力のバランスが崩れてローリングを打ち消すような回転モーメントを発生させることができることによりローリングを修正することができ、しかも、前、後部リングガーダが固定式となることから回動用アクチュエータも不要にすることができる。更に又、ローリング検出センサーと、該ローリング検出センサーのローリング検出値を基にシールドジャッキを駆動する演算制御器とを備えた制御装置を設けることにより、掘進中であっても停止中であってもローリングの修正を自動的に行うことができる、等の優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のシールド掘進機の推進装置の実施の一形態を示すもので、(イ)は全体の概要を示す一部切断側面図、(ロ)はローリングを修正している状態を示す概要図、(ハ)は後部リングガーダ部を示す正面図である。
【図2】本発明の他の実施の形態を示すもので、(イ)は全体の概要を示す一部切断側面図、(ロ)はローリングを修正している状態を示す概要図、(ハ)は後部リングガーダ部を示す正面図である。
【図3】本発明の更に他の実施の形態を示すもので、(イ)は全体の概要を示す一部切断側面図、(ロ)はローリングを修正している状態を示す概要図、(ハ)は後部リングガーダ部を示す正面図である。
【図4】制御装置を示すブロック図である。
【図5】従来の泥土加圧式のシールド掘進機の概略を示すもので、(イ)は一部切断側面図、(ロ)はカッターを示す正面図、(ハ)はカッタービットを示す拡大図である。
【図6】最近提案されているシールド掘進機のローリング修正装置を示すもので、(イ)は側面図、(ロ)は(イ)のA−A矢視図である。
【図7】傾動されたシールドジャッキに生じる力の状態を示す説明図である。
【符号の説明】
1 シールドフレーム
3 カッター
6 セグメント
8 シールドジャッキ
8b ロッド
10 前部リングガーダ
24 後部リングガーダ
26 貫通孔
27 ジャッキシュー
29 回動用ジャッキ(回動用アクチュエータ)
30 長孔
33 後部リングガーダ
34 開口
35 制御装置
36 ローリング検出センサー
37 演算制御器

Claims (5)

  1. シールドフレームの前端に回転駆動可能に装備させたカッターにより地山の掘削を行い、シールドフレーム内の後部で円周上に組み立てられたセグメントを支えとして多数のシールドジャッキによりシールドフレームを前進させて掘進力を与えるようにしてあるシールド掘進機の推進装置において、上記シールドフレームの内周面部に、該シールドフレームの前後方向に所要の間隔を隔てて前部リングガーダと後部リングガーダを配して、前部リングガーダをシールドフレームに固定配置すると共に、後部リングガーダを周方向へ回動自在に配置し、且つ上記前部リングガーダに、上記各シールドジャッキのヘッド側端部を周方向へ傾動自在に取り付け、上記後部リングガーダに、上記各シールドジャッキのロッド側端部を、シールドジャッキの外径よりも僅かに大きい内径の貫通孔を通して支持させ、更に、上記後部リングガーダに、シールドフレーム内の固定側に設置した回動用アクチュエータを連結した構成を有することを特徴とするシールド掘進機の推進装置。
  2. シールドフレーム内に、前部リングガーダを固定配置すると共に後部リングガーダを回動自在に配置することに代えて、前部リングガーダを回動自在に配置して後部リングガーダを固定配置し、且つ該前部リングガーダに回動用アクチュエータを連結した請求項1記載のシールド掘進機の推進装置。
  3. 後部リングガーダに設けた貫通孔の一部を周方向に延びる長孔とした請求項1又は2記載のシールド掘進機の推進装置。
  4. 回動自在としたリングガーダを用いることに代えて、前部リングガーダと後部リングガーダの両方をシールドフレームに固定配置し、且つ各シールドジャッキを相隣り合うもの同士を2本1組とし、各組の2本のシールドジャッキのロッド先端を互いに近接させた状態で1つのジャッキシューにユニバーサルジョイントを介して連結し、更に、上記後部リングガーダに、2本1組のシールドジャッキのロッド側端部を貫通させる開口を設けた請求項1又は2記載のシールド掘進機の推進装置。
  5. ローリング検出センサーと、該ローリング検出センサーのローリング検出値を基にシールドジャッキを駆動する演算制御器とを備えた制御装置を設けた請求項1、2、3又は4記載のシールド掘進機の推進装置。
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