JPH07292091A - 難燃性芳香族ポリエステル - Google Patents

難燃性芳香族ポリエステル

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JPH07292091A
JPH07292091A JP8973694A JP8973694A JPH07292091A JP H07292091 A JPH07292091 A JP H07292091A JP 8973694 A JP8973694 A JP 8973694A JP 8973694 A JP8973694 A JP 8973694A JP H07292091 A JPH07292091 A JP H07292091A
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JP
Japan
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dicarboxylic acid
halogen
represented
bisphenol
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Pending
Application number
JP8973694A
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English (en)
Inventor
Noriyuki Suzuki
紀之 鈴木
Yoichi Ohara
洋一 大原
Masahiro Asada
正博 浅田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Original Assignee
Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd filed Critical Kanegafuchi Chemical Industry Co Ltd
Priority to JP8973694A priority Critical patent/JPH07292091A/ja
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 熱安定性、成形流動性にすぐれ、成形品とし
たばあいにすぐれた難燃性、透明性、機械的特性を呈す
る難燃性芳香族ポリエステルを提供すること。 【構成】 ポリマーの主鎖が、1,1,−ビス(4−ヒ
ドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
キサンなどのビスフェノール系化合物およびジカルボン
酸から形成され、前記ジカルボン酸の0.1〜100モ
ル%が、デカヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸
などの脂環式ジカルボン酸であり、末端基に2,4,6
−トリブロモフェノールなどのハロゲン置換モノフェノ
ールが結合している難燃性芳香族ポリエステル。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はすぐれた難燃性を有する
新規な熱可塑性芳香族ポリエステルに関する。
【0002】
【従来の技術】一般式(I):
【0003】
【化4】
【0004】(式中、−X−は−O−、−S−、−SO
2 −、−CO−、C1 〜C20のアルキレン基またはC3
〜C20のアルキリデン基、R1 、R2 、R3 、R4 、R
5 、R6 、R7 およびR8 はそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子またはC1 〜C20の1価の炭化水素
基)で表わされるビスフェノール系化合物またはその誘
導体と、ジカルボン酸またはその誘導体からなり、ジカ
ルボン酸またはその誘導体の0.1〜100モル%が一
般式(II):
【0005】
【化5】
【0006】(式中、R9 〜R26のうち、2個はカルボ
キシル基、残りの16個は、それぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、C1 〜C20の1価の炭化水素基また
はC1 〜C6 のアルコキシ基)で表わされる脂環式ジカ
ルボン酸である共重合ポリエステルは、従来の共重合ポ
リエステルと比較してガラス転移点が高く耐熱性にすぐ
れており、溶融粘度が低く成形流動性にすぐれているな
ど、熱的性質、機械的性質、電気的性質、耐候性、耐薬
品性など種々のすぐれた特性を有することが知られてい
る。また、前記のごとき共重合ポリエステルがポリエチ
レンテレフタレートやポリブチレンテレフタレートなど
の脂肪族アルコール系ポリエステル類に比べてすぐれた
難燃性を示すことも知られている。
【0007】かかる共重合ポリエステルの製造方法とし
ては、水と相溶しない有機溶媒に溶解した芳香族ジカル
ボン酸クロライドとアルカリ水溶液に溶解したビスフェ
ノールなどとを混合させて反応せしめる界面重縮合法
(ダブリュー・エヌ・アーレックソン(W.N.Ear
eckson),ジャーナル・オブ・ポリマー・サイエ
ンス(J.Poly.Sci.),XL,399(19
59)、特公昭40−1959号公報)、芳香族ジカル
ボン酸クロライドとビスフェノールなどとを有機溶剤中
で反応せしめる溶液重縮合法(エイ・コニクス(A.C
onix),インダストリアル・アンド・エンジニアリ
ング・ケミストリー(Ind.Eng.Chem.,5
1,147(1959)、特公昭37−5599号公
報)、芳香族ジカルボン酸とビスフェノールなどとを無
水酢酸の存在下で加熱重合させる溶融重縮合法、芳香族
ジカルボン酸のフェニルエステルとビスフェノールなど
とを加熱重合させる溶融重縮合法(特公昭38−152
47号公報)、芳香族ジカルボン酸とビスフェノールな
どとをジアリールカーボナートの存在下で加熱重合させ
る溶融重縮合法(特公昭38−26299号公報)など
の方法が知られている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかし、かかる共重合
ポリエステルがその機械的、電気的、熱的性質を活か
し、主として機械分野、電気分野に使用されていること
からみて、その難燃性は必ずしも満足できるものではな
い。
【0009】共重合ポリエステルなどの熱可塑性芳香族
ポリエステルの難燃化に関しては従来から多数の提案が
なされており、リン含有化合物、ハロゲン含有化合物、
金属化合物などを添加、混合する方法が知られている
が、これらの化合物は溶融時の熱安定性がわるいため、
熱可塑性芳香族ポリエステルの加工温度である350℃
以上で溶融混合、射出成形を行なうと添加剤は分解し、
熱可塑性芳香族ポリエステル本来の性質をも著しく低下
させる。すなわち、前記のごとき添加剤を混合すること
によって、成形品として満足できる透明性、難燃性およ
び成形性を備えた樹脂をうることは困難である。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、前記のごとき
実情に鑑み、一般式(I)で表わされるビスフェノール
系化合物またはその誘導体と、一般式(II)で表わさ
れるジカルボン酸またはその誘導体を含むジカルボン酸
またはその誘導体とからなる共重合ポリエステルに、さ
らにすぐれた難燃性と熱安定性とを付与すべく鋭意検討
した結果、本発明を完成するに至った。
【0011】すなわち、本発明は、ポリマーの主鎖が、
一般式(I):
【0012】
【化6】
【0013】(式中、−X−は−O−、−S−、−SO
2 −、−CO−、C1 〜C20のアルキレン基またはC3
〜C20のアルキリデン基、R1 、R2 、R3 、R4 、R
5 、R6 、R7 およびR8 はそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子またはC1 〜C20の1価の炭化水素
基)で表わされるビスフェノール系化合物またはその誘
導体およびジカルボン酸またはその誘導体から形成さ
れ、前記ジカルボン酸またはその誘導体の0.1〜10
0モル%が、一般式(II):
【0014】
【化7】
【0015】(式中、R9 〜R26のうち、2個はカルボ
キシル基、残りの16個は、それぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、C1 〜C20の1価の炭化水素基また
はC1 〜C6 のアルコキシ基)で表わされる脂環式ジカ
ルボン酸またはその誘導体であり、末端基の一部または
全部が一般式(III):
【0016】
【化8】
【0017】(式中、R27〜R31の少なくとも1個はハ
ロゲン原子、残りの4個は、それぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、C1 〜C20の1価の炭化水素基また
はC1 〜C6 のアルコキシ基、さらにとなりあうRはベ
ンゼン環を形成していてもよい、さらに、これらの基は
ハロゲン原子を含んでいてもよい)で表わされるハロゲ
ン置換モノフェノールまたはその誘導体で封鎖されてい
る難燃性芳香族ポリエステルに関する。
【0018】
【作用および実施例】本発明に用いられるビスフェノー
ル系化合物またはその誘導体は、一般式(I):
【0019】
【化9】
【0020】(式中、−X−は−O−、−S−、−SO
2 −、−CO−、C1 〜C20のアルキレン基またはC3
〜C20のアルキリデン基、R1 、R2 、R3 、R4 、R
5 、R6 、R7 およびR8 はそれぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子またはC1 〜C20の1価の炭化水素
基)で表わされるビスフェノール系化合物またはその誘
導体である。なお、前記アルキレン基、アルキリデン基
は置換アルキレン基、置換アルキリデン基を含み、置換
基としてはフェニル基などがあげられる。
【0021】前記C1 〜C20のアルキレン基の具体例と
しては、たとえば−CH2 −、−C2 4 −、−CH
(C2 5 )−、−(CH2 3 −、−C(CH3 2
−、−C(CH3 )(C2 5 )−などがあげられる。
これらのうちでは−CH2 −、−C(CH3 2 −など
のC1 〜C6 のアルキレン基が生成する芳香族ポリエス
テルの耐熱性の点からとくに好ましい。
【0022】また、前記C3 〜C20のアルキリデン基の
具体例としては、たとえば
【0023】
【化10】
【0024】などがあげられる。これらのうちでは
【0025】
【化11】
【0026】などのC5 〜C12のアルキリデン基がビス
フェノール系化合物またはその誘導体とジカルボン酸ま
たはその誘導体との反応性の点からとくに好ましい。
【0027】さらに、R1 〜R8 は、それぞれ単独に水
素原子またはCH3 −、C2 5 −、C3 7 −、C4
9 −などのC1 〜C20の1価の炭化水素基であるが、
加工性の点からはR1 〜R4 、R5 〜R8 のうちの各々
2個以上は水素原子であることが好ましく、また、芳香
族ポリエステルの耐熱性の点からは、R1 〜R8 のうち
のR2 とR3 、R6 とR7 に置換基が存在することが好
ましい。
【0028】前記のごとき、一般式(I)で表わされる
ビスフェノール系化合物の具体例としては、たとえば、
2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)プロパン
(ビスフェノールAともいう)、ビス(4−ヒドロキシ
フェニル)メタン、1,1−ビス(4´−ヒドロキシフ
ェニル)エタンなどのXがC1 〜C20のアルキレン基で
1 〜R8 が水素原子であるビスフェノール系化合物、
1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5
−トリメチルシクロヘキサン(ビスフェノールTMCと
もいう)、ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキ
シルメタンなどのXがC6 〜C20のアルキリデン基でR
1 〜R8 が水素原子であるビスフェノール系化合物、
2,2−ビス(4´−ヒドロキシ−3,5´−ジブロモ
フェニル)プロパン(テトラブロモビスフェノールAと
もいう)、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジクロロフ
ェニル)メタンなどのXがC1 〜C20のアルキレン基で
1 〜R8 が水素原子およびハロゲン原子であるビスフ
ェノール系化合物、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジ
メチルフェニル)メタン、2,2−ビス(4´−ヒドロ
キシ−3´,5´−ジメチルフェニル)プロパンなどの
XがC1 〜C20のアルキレン基でR1 〜R8 が水素原子
およびC1 〜C6 の炭化水素基であるビスフェノール系
化合物、1,1−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)−
1−フェニルエタンなどのXがC1 〜C20のフェニル基
で置換されたアルキレン基でR1 〜R8 が水素原子であ
るビスフェノール系化合物、4,4´−ジヒドロキシジ
フェニルエーテルなどのXが−O−でR1 〜R8 が水素
原子であるビスフェノール系化合物、ビス(4−ヒドロ
キシ−3,5−ジメチルフェニル)エーテルなどのXが
−O−でR1 〜R8 が水素原子およびC1 〜C6 の炭化
水素基であるビスフェノール系化合物、ビス(4−ヒド
ロキシフェニル)スルホンなどのXが−SO2 −でR1
〜R8 が水素原子であるビスフェノール系化合物、ビス
(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホ
ンなどのXが−SO2 −でR1 〜R8 が水素原子および
1 〜C6 の炭化水素基であるビスフェノール系化合
物、4,4´−ジヒドロキシベンゾフェノンなどのXが
−CO−でR1 〜R8 が水素原子であるビスフェノール
系化合物、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド
などのXが−S−で、R1 〜R8 が水素原子であるビス
フェノール系化合物などがあげられる。
【0029】前記ビスフェノール系化合物の誘導体とし
ては、それらのアルカリ金属塩、ジアセテート、ビス安
息香酸エステル、ビストリアルキルシラノレートなどが
あげられる。具体例としては、前記ビスフェノール系化
合物の具体例のそれぞれのアルカリ金属(Na、K)
塩、それぞれのジアセテートなどがあげられる。
【0030】これらのビスフェノール系化合物またはそ
の誘導体(以下、ビスフェノール類ともいう)は、単独
でまたは2種以上で用いることができる。
【0031】これらの中ではビスフェノールTMCまた
はその誘導体(以下、ビスフェノールTMC類ともい
う)が、芳香族ポリエステルの耐熱性という点から好ま
しい。また2種以上を併用するばあいはビスフェノール
TMC類とビスフェノールAまたはその誘導体(以下、
ビスフェノールA類ともいう)が、耐熱性が大きく損わ
れず良好な成形性を付与するという点から好ましい。
【0032】ビスフェノールTMC類を用いるばあい、
ビスフェノール類の0.1〜100モル%用いられるこ
とが芳香族ポリエステルの耐熱性という点から好まし
い。ビスフェノールTMC類の使用量が、ビスフェノー
ル類に対して、0.1モル%よりも少ないばあいには耐
熱性におとる傾向にある。
【0033】ビスフェノールTMC類の最小使用量が1
モル%以上、さらには10モル%以上であるばあい(し
たがってビスフェノールTMC類と併用するビスフェノ
ール類の使用量が99モル%以下、さらには90モル%
以下であるばあい)には、良好な耐熱性が付与されると
いう点からさらに好ましい。ビスフェノールTMC類の
最大使用量が99モル%以下、さらには90モル%以下
であるばあいには、良好な成形性が付与されるという点
からさらに好ましい。このばあい併用するビスフェノー
ル類としてはビスフェノールA類が好ましい。
【0034】さらに、必要に応じて、少量(ジオール成
分の10モル%以下)の4,4´−ビフェノール、ヒド
ロキノン、レゾルシノール、2,6−ジヒドロキシナフ
タレンなどの一般式(I)で表わされるビスフェノール
系化合物以外のビスフェノール系化合物などをビスフェ
ノール類と併用してもよい。これらの化合物を併用する
と耐薬品性、耐熱性が向上するという利点がある。
【0035】本発明においては、前記ビスフェノール類
とともにジカルボン酸またはその誘導体(以下、ジカル
ボン酸類ともいう)が本発明の難燃性芳香族ポリエステ
ルの構成成分として用いられる。
【0036】前記ジカルボン酸類は、その0.1〜10
0モル%がビシクロ[4,4,0]デカン(以後、デカ
ヒドロナフタレン環ともいう)を基本骨格とする前記一
般式(II):
【0037】
【化12】
【0038】(式中、R9 〜R26のうち、2個はカルボ
キシル基、残りの16個は、それぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、C1 〜C20の1価の炭化水素基また
はC1 〜C6 のアルコキシ基)で表わされる脂環式ジカ
ルボン酸またはその誘導体(以下、脂環式ジカルボン酸
類ともいう)とからなる。
【0039】一般式(II)におけるR9 〜R26のう
ち、2個はカルボキシル基であり、残りの16個は、そ
れぞれ単独に水素原子、Cl、Brなどのハロゲン原
子、またはCH3 −、C2 5 −、C3 7 −、C4
9 −などのC1 〜C20の1価の炭化水素基、CH3
−、C2 5 O−、C3 7 O−、C4 9 O−などの
1〜C6 のアルコキシ基であるが、芳香族ポリエステ
ルの耐熱性、耐薬品性の点からは各々の炭素環に1個ず
つ、カルボキシル基が存在し、かつ、残りの16個のう
ちの10個以上は水素原子であることが好ましい。
【0040】前記のごとき一般式(II)で表わされる
脂環式ジカルボン酸の具体例としては、たとえばデカヒ
ドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸、デカヒドロナ
フタレン−1,5−ジカルボン酸などがあげられる。
【0041】また、前記ジカルボン酸の誘導体として
は、それらのジ酸クロライド、アルキルエステル化物、
アリールエステル化物などがあげられる。これらの脂環
式ジカルボン酸類は単独でまたは2種以上併用してもよ
い。
【0042】これらのなかではデカヒドロナフタレン−
2,6−ジカルボン酸またはその誘導体(以下、デカヒ
ドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸類ともいう)が
芳香族ポリエステルの耐熱性という点から好ましい。
【0043】本発明に用いられる前記脂環式ジカルボン
酸類以外のジカルボン酸としては、イソフタル酸、テレ
フタル酸、フタル酸、ジフェニルエーテル−4,4´−
ジカルボン酸、ベンゾフェノン−4,4´−ジカルボン
酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸などの公知の種
々の芳香族ジカルボン酸またはその誘導体、シュウ酸、
マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸などの公
知の種々の脂肪族ジカルボン酸またはその誘導体があげ
られる。
【0044】前記ジカルボン酸の誘導体としては、それ
らのジ酸クロライド、アルキルエステル化物、アリール
エステル化物などがあげられる。これらのジカルボン酸
類は単独でまたは2種以上併用してもよい。
【0045】前記脂環式ジカルボン酸類以外のジカルボ
ン酸類の中では、イソフタル酸またはその誘導体(以
下、イソフタル酸類ともいう)、テレフタル酸またはそ
の誘導体(以下、テレフタル酸類ともいう)が、原料の
安価入手性という点から好ましく、2種以上を併用する
ばあいは、イソフタル酸類とテレフタル酸類が良好な成
形性を付与するという点から好ましい。前記イソフタル
酸類とテレフタル酸類との混合物を使用するばあい、イ
ソフタル酸類/テレフタル酸類のモル比が99/1〜1
/99、さらには10/90〜90/10であることが
耐熱性と成形性をバランスよく付与するという点から好
ましい。
【0046】前記脂環式ジカルボン酸類は、高いガラス
転移温度という点からジカルボン酸類の0.1〜100
モル%が用いられる。脂環式ジカルボン酸類の使用量
が、ジカルボン酸類に対して0.1モル%よりも少ない
ばあいには、その効果はひくい。前記脂環式ジカルボン
酸の最小使用量が1モル%以上、さらには10モル%以
上であるばあいには、耐熱性が付与されるに加え、耐加
水分解性が改善されるという点から好ましい。前記脂環
式ジカルボン酸類(I)の最大使用量が99モル%以
下、さらには90モル%以下であるばあいには、成形性
の点から好ましい。
【0047】本発明においては、前記ビスフェノール
類、ジカルボン酸類とともに、さらに前記一般式(II
I):
【0048】
【化13】
【0049】(式中、R27〜R31の少なくとも1個はハ
ロゲン原子、残りの4個は、それぞれ独立して水素原
子、ハロゲン原子、C1 〜C20の1価の炭化水素基また
はC1 〜C6 のアルコキシ基、さらにとなりあうRはベ
ンゼン環を形成していてもよい、さらに、これらの基は
ハロゲン原子を含んでいてもよい)で表わされるハロゲ
ン置換モノフェノールまたはその誘導体(以下、ハロゲ
ン置換モノフェノール類ともいう)が、末端封鎖剤とし
て使用される。本発明の難燃性芳香族ポリエステルが、
ハロゲン置換モノフェノール類で末端の一部または全部
が封鎖されているため、難燃性能が向上する。
【0050】一般式(III)におけるR27〜R31は、
少なくとも1個はCl、Brなどのハロゲン原子であ
り、残りの4個は、それぞれ単独に水素原子、Cl、B
rなどのハロゲン原子、またはCH3 −、C2 5 −、
6 5 −、α,α´−ジメチルベンジルなどのC1
6 の1価の炭化水素基およびその置換体、CH3
−、C2 5 O−、C3 7 O−などのC1 〜C6 のア
ルコキシ基であるが、難燃性の向上の点からはR27〜R
31のうちの3個以上はハロゲン原子(Cl、Br)であ
ることが好ましい。また、となりあうRがベンゼン環を
形成するばあいは、残りのRのうちの2個以上はハロゲ
ン原子(Cl、Br)であることが好ましい。
【0051】前記一般式(III)で表わされるハロゲ
ン置換モノフェノール類としては、たとえばモノブロモ
フェノール、2,4−ジブロモフェノール、2,4,6
−トリブロモフェノール、テトラブロモフェノール、ペ
ンタブロモフェノールなどの臭素置換モノフェノール、
モノクロロフェノール、2,4−ジクロロフェノール、
2,4,6−トリクロロフェノール、テトラクロロフェ
ノール、ペンタクロロフェノールなどの塩素置換モノフ
ェノール、2,4−ジブロム−6−フェニルフェノー
ル、2,6−ジブロム−4−フェニルフェノールなどの
オルト−フェニルフェノールまたはパラ−フェニルフェ
ノールのハロゲン置換モノフェノール、2,4−ジブロ
ム−1−ナフトール、1,3−ジブロム−2−ナフトー
ル、などのα−ナフトールまたはβ−ナフトールのハロ
ゲン置換モノナフトール、2,6−ジブロム−4−α,
α´−ジメチルベンジルフェノールなどのパラα,α´
−ジメチルベンジルフェノールのハロゲン置換モノフェ
ノール、アルキルフェノールのハロゲン置換モノフェノ
ール、2,4−ジブロム−4−メトキシフェノールなど
のメトキシフェノールのハロゲン置換モノフェノールな
どがあげられる。
【0052】前記ハロゲン置換モノフェノール類の誘導
体としては、それらのアルカリ金属(Naなど)塩、ジ
アセテート、安息香酸エステル、トリアルキルシラノレ
ートなどがあげられる。
【0053】前記ハロゲン置換モノフェノール類のなか
では2,4,6−トリブロモフェノールまたはその誘導
体(以下、2,4,6−トリブロモフェノール類ともい
う)が、難燃性を効果的に付与するという点から好まし
い。また、ハロゲン置換モノフェノール類に加え、ハロ
ゲン置換されていないモノフェノール類を併用すること
ができる。これらのモノフェノール類としては、t−ブ
チルフェノール、オルトフェニルフェノールなどのアル
キルまたはアリール置換フェノールがあげられる。
【0054】前記ハロゲン置換モノフェノール類は、ポ
リマーの末端基の一部または全部に結合しているもので
あるが、末端基の1モル%以上、さらには10モル%以
上結合しているものが難燃性の点から好ましい。
【0055】前記ビスフェノール類、ジカルボン酸類お
よびハロゲン置換モノフェノール類から構成された本発
明の難燃性芳香族ポリエステルの難燃性とは米国UL規
格に基づく難燃性試験によりV−2以上さらに好ましく
はV−1以上である。
【0056】本発明の難燃性芳香族ポリエステルのGP
C法による重量平均分子量は10,000〜150,0
00程度、さらには30,000〜100,000程度
であるのが成形材料として充分な強度を与える点から好
ましい。
【0057】また、溶液粘度(クロロホルム溶液中30
℃で測定)は固有粘度で0.2〜1.5、さらには0.
5〜1.0の範囲のものが好ましい。
【0058】また、熱的挙動はガラス転移温度が、15
0〜300℃程度の範囲のものが好ましい。
【0059】また、熱安定性は熱分解温度が、300℃
程度以上であり、さらに、本発明のポリエステルを用い
て作製した成形品の透明性は黄色から淡黄色を呈し、全
光線透過率は3mm厚程度で60%程度以上である。
【0060】以上、ビスフェノール類、ジカルボン酸類
およびハロゲン置換モノフェノールについて説明をして
きたが、以下にこれらの好ましい組み合わせについて記
載する。
【0061】すなわち、ビスフェノール類として、ビス
フェノール類の0.1〜100モル%がビスフェノール
TMC類、ジカルボン酸類としては、一般式(II)で
表わされる脂環式ジカルボン酸類、イソフタル酸類およ
びテレフタル酸類の混合物およびハロゲン置換モノフェ
ノール類であるのが難燃性と耐熱性、成形性、機械特性
をバランスよく達成しうるという点から好ましい。
【0062】また、ビスフェノール類として、ビスフェ
ノール類の0.1〜100モル%がビスフェノールTM
C類、ジカルボン酸類として、ジカルボン酸類の0.1
〜100モル%がデカヒドロナフタレン−2,6−ジカ
ルボン酸類およびハロゲン置換モノフェノール類である
のが、耐熱性と熱安定性の点から好ましい。
【0063】また、ビスフェノール類として、ビスフェ
ノール類の0.1〜100モル%がビスフェノールTM
C類、ジカルボン酸類としては、デカヒドロナフタレン
−2,6−カルボン酸類、イソフタル酸類およびテレフ
タル酸類の混合物およびハロゲン置換モノフェノール類
であるのが耐熱性と成形性のバランスの点から好まし
い。
【0064】また、ビスフェノール類がビスフェノール
TMC類およびビスフェノールA類との混合物、ジカル
ボン酸類が一般式(II)で表わされる脂環式ジカルボ
ン酸類、イソフタル酸類およびテレフタル酸類の混合物
およびハロゲン置換モノフェノール類であるのが耐熱性
と成形性、耐衝撃性の良好なバランスを与えるという点
から好ましい。
【0065】またビスフェノール類がビスフェノールT
MC類およびビスフェノールA類との混合物、ジカルボ
ン酸類として、ジカルボン酸類の0.1〜100モル%
がデカヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸類およ
びハロゲン置換モノフェノール類であるのが耐熱性に加
え湿熱耐久性を与えるの点から好ましい。
【0066】また、ビスフェノール類がビスフェノール
TMC類およびビスフェノールA類との混合物、ジカル
ボン酸類がデカヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン
酸類、イソフタル酸類およびテレフタル酸類の混合物お
よびハロゲン置換モノフェノール類であるのが成形性と
耐衝撃性の点から好ましい。
【0067】ハロゲン置換モノフェノール類として2,
4,6−トリブロモフェノール類、ビスフェノール類と
してはビスフェノール類の0.1〜100モル%がビス
フェノールTMC類、ジカルボン酸類としては、一般式
(II)で表わされる脂環式ジカルボン酸類、イソフタ
ル酸類およびテレフタル酸類の混合物であるのが、高い
難燃性と耐熱性、成形性、機械特性の良好なバランスを
与えるという点から好ましい。
【0068】またハロゲン置換モノフェノール類として
2,4,6−トリブロモフェノール類、ビスフェノール
類としてはビスフェノール類の0.1〜100モル%が
ビスフェノールTMC類、ジカルボン酸類としてはジカ
ルボン酸類の0.1〜100モル%がデカヒドロナフタ
レン−2,6−ジカルボン酸類であるのが、とくに高い
耐熱性と熱安定性を与えるという点から好ましい。
【0069】また、ハロゲン置換モノフェノール類とし
て2,4,6−トリブロモフェノール類、ビスフェノー
ル類としてはビスフェノール類の0.1〜100モル%
がビスフェノールTMC類、ジカルボン酸類としては、
デカヒドロナフタレン−2,6−脂環式ジカルボン酸
類、イソフタル酸類およびテレフタル酸類の混合物であ
るのが、高い難燃性と耐熱性および成形性のバランスの
点から好ましい。
【0070】またハロゲン置換モノフェノール類として
2,4,6−トリブロモフェノール類、ビスフェノール
類がビスフェノールTMC類およびビスフェノールA類
との混合物、ジカルボン酸類が一般式(II)で表わさ
れる脂環式ジカルボン酸類、イソフタル酸類およびテレ
フタル酸類の混合物であるのが、とくに耐熱性と成形
性、耐衝撃性の良好なバランスを与えるという点から好
ましい。
【0071】またハロゲン置換モノフェノール類として
2,4,6−トリブロモフェノール類、ビスフェノール
類がビスフェノールTMC類およびビスフェノールA類
との混合物、ジカルボン酸類としては、ジカルボン酸類
の0.1〜100モル%がデカヒドロナフタレン−2,
6−ジカルボン酸類であるのが、高い難燃性、耐熱性の
上に湿熱耐久性を与えるという点から好ましい。
【0072】また、ハロゲン置換モノフェノール類とし
て2,4,6−トリブロモフェノール類、ビスフェノー
ル類がビスフェノールTMC類およびビスフェノールA
類との混合物、ジカルボン酸類がデカヒドロナフタレン
−2,6−ジカルボン酸類、イソフタル酸類およびテレ
フタル酸類の混合物であるのが、高い難燃性と成形性お
よび耐衝撃性の点から好ましい。
【0073】本発明の難燃性芳香族ポリエステルの具体
例およびその性質としては、ビスフェノールTMC(ビ
スフェノール類の20〜80モル%)、ビスフェノール
A(ビスフェノール類の80〜20モル%)、デカヒド
ロナフタレン−2,6−ジカルボン酸、2,4,6−ト
リブロモフェノールからなるポリエステルであり、分子
量40000〜80000程度、ガラス転移温度170
〜270℃程度のものが、難燃性、耐熱性、透明性の点
がすぐれており、ビスフェノールTMC(20〜80m
ol%)、ビスフェノールA(80〜20mol%)/
デカヒドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸(30〜
70mol%)ならびにイソフタル酸(30〜70mo
l%)および(または)テレフタル酸(30〜70mo
l%)/2,4,6−トリブロモフェノール(末端の1
〜50mol%)ならびにp−t−ブチルフェノール
(末端の99〜50)またはオルトフェニルフェノール
(末端の99〜50mol%)からなるポリエステルで
あり、分子量が40000〜80000程度、ガラス転
移温度が170〜270℃程度のものが、難燃性、成形
流動性、透明性、熱安定性、耐熱性の良好なバランスの
点ですぐれている。
【0074】本発明の難燃性芳香族ポリエステルは、一
般式(I)で表わされるビスフェノール系化合物または
その誘導体および一般式(II)で表わされる脂環式ジ
カルボン酸類が0.1〜100モル%、その他のジカル
ボン酸類が0〜99.9モル%の比率であるジカルボン
酸またはその誘導体および末端基の一部あるいは全部を
封鎖するために使用する一般式(III)で表わされる
ハロゲン置換モノフェノールまたはその誘導体を用い、
重縮合反応させることによって製造される。
【0075】前記重縮合反応の方法としては、従来技術
の項で記載したような水と相溶しない有機溶媒に溶解し
た芳香族ジカルボン酸クロライドとアルカリ水溶液に溶
解したビスフェノールなどとを混合させて反応せしめる
界面重縮合法(ダブリュー・エヌ・アーレックソン,ジ
ャーナル・オブ・ポリマー・サイエンス,XL,399
(1959)、特公昭40−1959号公報)、芳香族
ジカルボン酸クロライドとビスフェノールなどとを有機
溶剤中で反応せしめる溶液重縮合法(エイ・コニクス,
インダストリアル・アンド・エンジニアリング・ケミス
トリー(51,147(1959)、特公昭37−55
99号公報)、芳香族ジカルボン酸とビスフェノールな
どとを無水酢酸の存在下で加熱重合させる溶融重縮合
法、芳香族ジカルボン酸のフェニルエステルとビスフェ
ノールなどとを加熱重合させる溶融重縮合法(特公昭3
8−15247号公報)、芳香族ジカルボン酸とビスフ
ェノールなどとをジアリールカーボナートの存在下で加
熱重合させる溶融重縮合法(特公昭38−26299号
公報)などの公知の方法を用いることができる。なかで
も、上記界面重縮合法、溶液重縮合法が、高分子量体が
容易にえられるという点から好ましい。
【0076】本発明のポリエステルを製造するばあい、
用いられるビスフェノール類、ジカルボン酸類およびハ
ロゲン置換モノフェノール類の使用割合としては、ビス
フェノール類100モルに対して、ジカルボン酸類が9
0〜110モル、さらには95〜105モル、ハロゲン
置換モノフェノール類が0.1〜10モル、さらには
0.2〜5モルが成形材料として適切な分子量を与える
という点から好ましい。
【0077】以上のようにしてえられる本発明の難燃性
芳香族ポリエステルは、後記する燃焼試験結果からわか
るように、非常にすぐれた難燃性能を有し、さらにすぐ
れた熱安定性、成形流動性を呈するものである。
【0078】また、本発明の難燃性芳香族ポリエステル
には、必要に応じて、リン系やフェノール系安定剤、ワ
ックスなどの滑剤、紫外線吸収剤、顔料、可塑剤、無機
質充填剤、強化繊維などを添加することにより、別途新
たな機能を付与することができる。このようにして調製
した組成物は、耐熱変形性、機械特性を維持しつつ、難
燃性、透明性、成形時の流動性、機械特性にすぐれた成
形品を与えるため、射出成形、押出成形、吹込成形、圧
縮成形などの各種成形法により各種の成形品に成形さ
れ、たとえば、自動車部品、機械部品、電気・電子機器
部品などに好適に使用される。
【0079】以下、本発明の難燃性芳香族ポリエステル
を実施例に基づき、より詳細に説明するが、本発明は下
記実施例に限定されるものではなく、その要旨を変更し
ない範囲において適宜変更実施可能なものである。
【0080】実施例1 2,2−ビス(4´−ヒドロキシフェニル)−プロパン
217.78g(0.954モル)、1,1−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシク
ロヘキサン295.69g(0.954モル)、p−t
−ブチルフェノール6.95g(0.0463モル)、
2,4,6−トリブロモフェノール15.31g(0.
0463モル)、次亜硫素酸ナトリウム3.40g
(0.0195モル)、5N水酸化ナトリウム水溶液9
75.04mlおよびイオン交換水4154.22ml
を、チッ素雰囲気下、5リットルフラスコ中で混合した
のち、5℃に冷却して、フェノール系化合物のアルカリ
水溶液を調製した。
【0081】一方、別の5リットルフラスコ中にデカヒ
ドロナフタレン−2,6−ジカルボン酸220.80g
(0.977モル)、イソフタル酸クロライド101.
32g(0.499モル)、テレフタル酸クロライド1
01.32g(0.499モル)を塩化メチレン500
0mlに溶解し、5℃に冷却した液を調製した。
【0082】ついで、別の15リットルセパラブルフラ
スコ中に、チッ素雰囲気下イオン交換水2000mlお
よび相間移動触媒であるベンジルトリエチルアンモニウ
ムクロライド6.67g(0.0146モル)を仕込
み、5℃に冷却した液を調製した。
【0083】前記相間移動触媒を含む冷却液を激しく撹
拌させながら、あらかじめ調製しておいた前記フェノー
ル系化合物のアルカリ水溶液およびジカルボン酸類の塩
化メチレン溶液を、同時に約15分間かけてポンプを用
いて連続的に添加した。添加終了後、3時間経過したの
ちに撹拌を停止したところ、塩化メチレン相と水相の2
相に分離した。水相をデカンテーションしたのち、同量
のイオン交換水を加え撹拌しながら少量の塩酸と酢酸で
中和した。さらに、水洗による脱塩を繰り返し行なった
のち、塩化メチレン相に同量のアセトンを加えてポリマ
ーを析出させ、濾過によりポリマー粉末(白色粉体)を
えた。えられたポリマー粉末を、真空乾燥機を用いて、
120℃で15時間乾燥した。
【0084】えられたポリマー粉末を用いて下記方法に
より分子量、酸価(以下、AVともいう)、熱分析(D
SC)を行なったところ、分子量61000、Mw/M
n=2.7、AV10、ガラス転移温度213℃であっ
た。
【0085】また、えられたポリマー粉末を用いて、下
記方法により難燃性、熱安定性、成形流動性、透明性を
評価した。なお、成形流動性は、溶融粘度を測定するこ
とにより行なった。
【0086】結果を表1に示す。
【0087】(分子量)Waters製の510型/4
86型、カラムとしてSHODEX K−80Mを用
い、オーブン温度35℃、流速1.0ml/min、イ
ンジェクション量10μlという条件で測定を行ない、
ポリスチレン換算重量平均分子量を求めた。
【0088】(AV)フェノールレッドを指示薬として
用いNaOHで滴定し、黄色から赤色に変色する点をも
って終点とする(H.A.Pohl,Anal.Che
m.,26,10(1954)に記載)。また、試料の
滴定に先立ち、試料のない系でブランクテストを行い、
下式にしたがって計算する。
【0089】酸価/(eq./Ton)=(Ts−T
b)×F×0.1/W Ts:試料の滴定に要した0.1NのNaOH溶液の量
(μl) Tb:ブランクテストの滴定に要した0.1NのNaO
H溶液の量(μl) F :0.1NのNaOH溶液のファクター W :試料の質量(g) (熱分析)パーキンエルマー社製のDSC−7を用い、
昇温速度20℃/hrという条件で測定を行ない、ガラ
ス転移温度を求めた。
【0090】(難燃性) (1)試験片の作製 前記ポリマー粉末を、30mmφ同方向2軸押出機に供
給し、320℃にて溶融混練して、ペレット化したの
ち、ペレットを150℃にて4時間乾燥させた。そのの
ち、射出成形機を用いて樹脂温度370℃、金型温度1
30℃にて成形し、試験片(1/16インチ厚)をえ
た。
【0091】(2)難燃性 前記の試験片を用い、アンダーライター研究所第94号
(UL−94)「自己消化性プラスチックに対する燃焼
試験法」に従い試験を行なった。
【0092】(溶融粘度)難燃性の評価のために作製し
たペレットを用いてキャビログラフにより340℃、剪
断速度:1216/secにて溶融粘度の測定を行なっ
た。
【0093】(熱安定性)難燃性の評価のために作製し
たペレットを用いて、キャビログラフにより360℃、
剪断速度:1216/secにて溶融粘度の測定を行う
際に、キャビティー内で20分間滞留させて溶融粘度を
測定し、下記式より溶融粘度保持率を求めた。
【0094】溶融粘度保持率(%)=(滞留させたとき
の溶融粘度/滞留させないとき時の溶融粘度)×100 (透明性)難燃性の評価のために作製した試験片を用い
て、目視にて評価した。透明とは、濁りがほとんどみら
れず、黄〜無色を呈する。
【0095】実施例2〜4および比較例1〜3 出発原料を表1中に示したように変更した以外は、実施
例1に記載した方法と同様にしてポリマー粉末を製造し
た。このポリマーを用いて実施例1と同様の方法により
難燃性などの評価を行なった。結果を表1に示す。
【0096】
【表1】
【0097】なお、表1中の各略号は以下の成分を意味
する。
【0098】BPA :2,2−ビス(4´−ヒド
ロキシフェニル)−プロパン BPTMC :1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニ
ル)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン TBA :2,2−ビス(4´−ヒドロキシ−3
´,5´−ジブロモフェニル)プロパン 2,6NDC:デカヒドロナフタレン−2,6−ジカル
ボン酸 IPC :イソフタル酸クロライド TPC:テレフタル酸クロライド TBrP:2,4,6−トリブロモフェノール tBP:p−t−ブチルフェノール 表1の結果から、実施例1〜4で調製した難燃性芳香族
ポリエステルを用いて製造した成形品は、難燃性がV−
0とすぐれており、また、耐熱性、熱安定性、成形流動
性、透明性にもすぐれていることがわかる。
【0099】これに対して、2,4,6−トリブロモフ
ェノールで末端基が封鎖されていない比較例1でえられ
る芳香族ポリエステルを用いてえられた成形品の難燃性
が低いことがわかる。
【0100】
【発明の効果】本発明の難燃性芳香族ポリエステルは熱
安定性、成形流動性にすぐれ、該ポリエステルを成形材
料として、難燃性、耐熱性、熱安定性、透明性、機械特
性にすぐれた成形品をうることができる。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ポリマーの主鎖が、一般式(I): 【化1】 (式中、−X−は−O−、−S−、−SO2 −、−CO
    −、C1 〜C20のアルキレン基またはC3 〜C20のアル
    キリデン基、R1 、R2 、R3 、R4 、R5 、R6 、R
    7 およびR8 はそれぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子またはC1 〜C20の1価の炭化水素基)で表わされる
    ビスフェノール系化合物またはその誘導体およびジカル
    ボン酸またはその誘導体から形成され、前記ジカルボン
    酸またはその誘導体の0.1〜100モル%が、一般式
    (II): 【化2】 (式中、R9 〜R26のうち、2個はカルボキシル基、残
    りの16個は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子、C1 〜C20の1価の炭化水素基またはC1 〜C6
    アルコキシ基)で表わされる脂環式ジカルボン酸または
    その誘導体であり、末端基の一部または全部が一般式
    (III): 【化3】 (式中、R27〜R31の少なくとも1個はハロゲン原子、
    残りの4個は、それぞれ独立して水素原子、ハロゲン原
    子、C1 〜C20の1価の炭化水素基またはC1 〜C6
    アルコキシ基、さらにとなりあうRはベンゼン環を形成
    していてもよい、さらに、これらの基はハロゲン原子を
    含んでいてもよい)で表わされるハロゲン置換モノフェ
    ノールまたはその誘導体で封鎖されている難燃性芳香族
    ポリエステル。
  2. 【請求項2】 前記ジカルボン酸またはその誘導体が、
    一般式(II)で表わされる脂環式ジカルボン酸または
    その誘導体、イソフタル酸またはその誘導体およびテレ
    フタル酸またはその誘導体の混合物である請求項1記載
    の難燃性芳香族ポリエステル。
  3. 【請求項3】 一般式(II)で表わされる脂環式ジカ
    ルボン酸またはその誘導体が、デカヒドロナフタレン−
    2,6−ジカルボン酸またはその誘導体である請求項1
    または2記載の難燃性芳香族ポリエステル。
  4. 【請求項4】 一般式(I)で表わされるビスフェノー
    ル系化合物またはその誘導体の0.1〜100モル%が
    1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−3,3,5
    −トリメチルシクロヘキサンまたはその誘導体である請
    求項1記載の難燃性芳香族ポリエステル。
  5. 【請求項5】 一般式(I)で表わされるビスフェノー
    ル系化合物またはその誘導体が、1,1−ビス(4−ヒ
    ドロキシフェニル)−3,3,5−トリメチルシクロヘ
    キサンまたはその誘導体および2,2−ビス(4−ヒド
    ロキシフェニル)プロパンまたはその誘導体の混合物で
    ある請求項1記載の難燃性芳香族ポリエステル。
  6. 【請求項6】 一般式(III)で表わされるハロゲン
    置換モノフェノールが、2,4,6−トリブロモフェノ
    ールまたはその誘導体である請求項1記載の難燃性芳香
    族ポリエステル。
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