JPH07291924A - 新規生理活性物質ピロスタチンおよびその製造方法 - Google Patents

新規生理活性物質ピロスタチンおよびその製造方法

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JPH07291924A
JPH07291924A JP9234094A JP9234094A JPH07291924A JP H07291924 A JPH07291924 A JP H07291924A JP 9234094 A JP9234094 A JP 9234094A JP 9234094 A JP9234094 A JP 9234094A JP H07291924 A JPH07291924 A JP H07291924A
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pyrostatin
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acetylglucosaminidase
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JP9234094A
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Inventor
Tomio Takeuchi
富雄 竹内
Takaaki Aoyanagi
高明 青柳
Yoshiro Okami
吉郎 岡見
Hiroshi Osanawa
博 長縄
Yasuhiko Muraoka
靖彦 村岡
Chiaki Imada
千秋 今田
Takayuki Aoyama
貴之 青山
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Microbial Chemistry Research Foundation
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Microbial Chemistry Research Foundation
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Abstract

(57)【要約】 【構成】 式(I) 【化1】 (式中RはOH又はHを示す。)で表される化合物であ
ることを特徴とする生理活性物質ピロスタチンA(R=
OH)およびB(R=H)又はその薬理学的に許容し得
る塩を提供する。 【効果】 ピロスタチンA及びBはN−アセチルグルコ
サミニダーゼを強く阻害した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明はN−アセチルグルコサミ
ニダーゼ阻害作用を有する新規な生理活性物質ピロスタ
チン(Pyrostatin)、その製造法およびその
用途ならびにストレプトマイセス属の新規放線菌に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、細胞表面に存在する糖蛋白や糖脂
質の糖鎖が、細胞間の認識や情報伝達および細胞の分化
に、重要な役割を果たしていることが明らかにされてき
た。すなわち、これらの糖鎖は、細胞の相互認識、増
殖、分化、癌化、癌転移、免疫機能、神経突起増強、受
精、ウイルス感染などの生体機能の発現、増強に密接に
係わっていることが明らかになってきた〔細胞工学、第
5巻、7月号、564〜669頁(1986年)〕。一
方、糖加水分解酵素や糖転移酵素は、動物細胞、微生
物、ウイルスなどに幅広く分布し、生合成や分解を通し
て、これら糖鎖が係わる多種多様な作用を支配している
と考えられている。このことは、これら酵素の阻害剤
が、上記生体機能の解明に役立つばかりでなく、これら
酵素の異常によって引き起こされる糖蛋白質や糖脂質の
糖鎖の無秩序に起因する疾病に対して治療剤となる可能
性を示唆している。N−アセチルグルコサミニダーゼ
は、細胞表面に存在する糖蛋白や糖脂質の糖鎖からN−
アセチルグルコサミンを遊離させるエキソ型加水分解酵
素である。尿中でのN−アセチルグルコサミニダーゼ活
性の上昇は、腎臓の尿細管障害を示している〔Journal
of Pathology、第118巻、171〜182頁(197
6)〕。また血清中でのN−アセチルグルコサミニダー
ゼ活性の上昇が、糖尿病〔Biochemical Medicine、27
巻、214〜225頁(1982)〕、白血病〔Leukem
ia Research 、第7巻、611〜619頁(198
3)〕、癌〔Cancer、第58巻、1484〜1487頁
(1986)〕において認められている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、腎臓の尿細
管障害、糖尿病、白血病、癌等の疾病に関与する酵素で
あるN−アセチルグルコサミニダーゼの阻害物質として
有用な新規生理活性物質を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、新規な生
理活性物質ピロスタチンの生産菌である新規なストレプ
トマイセス属の放線菌を見い出し、この知見に基づいて
本発明をなすに至った。本発明の第1の発明は新規生理
活性物質ピロスタチンに関する発明であって、下記式
(I):
【化2】 (式中RはOH又はHを示す。)で表される生理活性物
質ピロスタチン又はその薬学的に許容し得る塩を提供す
るものである。
【0005】本明細書において、式(I)で表される化
合物は、Rが表す置換基の種類に対応してピロスタチン
A(R=OHの化合物)及びピロスタチンB(R=Hの
化合物)と命名される。ピロスタチンAは下記式で表さ
れる。
【化3】 ピロスタチンAの理化学的性質は下記の通りである。ピロスタチンAの理化学的性状 (1) 色及び形状:白色粉末 (2) 分子式:C6 102 3 (3) 分子量:158 FAB−MS(Positive) m/
z 159 (M+H)+ (4) 融点:92〜94℃ (5) 比旋光度: [α] D 29 +125.4°(C
0.5、水) (6) 紫外線吸収スペクトル:25μg/ml水溶液中で
200〜400nm間に特徴的な吸収を示さない。 (7) 赤外線吸収スペクトル:添付図面の図1に示
す。 (8) 水素核核磁気共鳴スペクトル:添付図面の図2
に示す。 (9) 炭素核核磁気共鳴スペクトル:添付図面の図3
に示す。 (10)溶解性:水、ジメチルスルホキシド、メタノー
ルに可溶であり、クロロホルムに不溶である。 (11)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.35 シリカゲル(メルク社製 Art.5715)薄層を用い、
展開溶媒としてブタノール−酢酸−水(2:1:1)を
用いた。
【0006】ピロスタチンBは下記式で表される。
【化4】 ピロスタチンBの理化学的性質は下記の通りである。ピロスタチンBの理化学的性状 (1) 色及び形状:白色粉末 (2) 分子式:C6 102 2 (3) 分子量:142 FAB−MS(Positive) m/
z 143 (M+H)+ (4) 融点:93〜95℃ (5) 比旋光度: [α] D 30 +98.4°(C
0.5、水) (6) 紫外線吸収スペクトル:25μg/ml水溶液中で
205nmに吸収極大(ε:5331)を示す。 (7) 赤外線吸収スペクトル:添付図面の図4に示
す。 (8) 水素核核磁気共鳴スペクトル:添付図面の図5
に示す。 (9) 炭素核核磁気共鳴スペクトル:添付図面の図6
に示す。 (9) 溶解性:水、ジメチルスルホキシド、メタノー
ルに可溶であり、クロロホルムに不溶である。 (11)薄層クロマトグラフィーのRf値:0.35 シリカゲル(メルク社製 Art.5715)薄層を用い、
展開溶媒としてブタノール−酢酸−水(2:1:1)を
用いた。
【0007】ピロスタチンAおよびBはその薬学的に許
容し得る塩の形態にあってもよく、このような塩として
は、例えばナトリウム、カリウム、リチウムなどのアル
カリ金属および塩酸や硫酸などとの塩が挙げられる。
【0008】本発明の第2の発明は、上記新規生理活性
物質ピロスタチンの製造法に関する発明であって、スト
レプトマイセス属に属するピロスタチン生産菌を栄養培
地中で培養し、その培養物から上記式(I)で表される
生理活性物質ピロスタチンを分離採取することからなっ
ている。
【0009】本発明の方法で用いるピロスタチン生産菌
は、1990年6月13日岩手県大槌湾の水深105m
から採集した海底堆積物より分離された新規な放線菌で
あって、菌株番号SA−3501を付されている。
【0010】次に、本菌株SA−3501の菌学的性質
について記載する。
【0011】本発明の方法で用いうるSA−3501株
は菌糸幅が1ミクロン内外の放線菌であり、光学顕微鏡
下では本菌株の気菌糸上の胞子鎖はらせん状である。電
子顕微鏡下では桿状の胞子が観察され、その胞子表面は
平滑である。細胞壁の構成成分としては、L,L−ジア
ミノピメリン酸が検出され、電子顕微鏡でも、胞子嚢や
その他の特徴的な構造は認められない。以上の性状よ
り、本菌株はストレプトマイセス属の放線菌と考えられ
る。
【0012】本菌株の培養性状、生理学的性状ならびに
糖の資化性能の有無を以下の表1、表2、表3に示す。
なお、各種の糖の資化性能の有無は基礎培地としてデン
プンを除いたスターチ・無機塩培地を用い、それぞれの
糖1%を基礎培地に加えて判定した。
【0013】なお、各種培地における色の記載について
はコンテイナー・コーポレーション・オブ・アメリカの
カラー・ハーモニー・マニアルを用いた。全ての性状試
験は27℃において3週間培養後判定した。
【0014】
【表1】
【0015】
【表2】
【0016】
【表3】
【0017】上記の性状は本SA−3501株がストレ
プトマイセス属に属する放線菌であることを示す。
【0018】したがって、本発明の方法で用いうるピロ
スタチン生産菌は、本SA−3501株ならびに本菌株
と同等または類縁であって、ピロスタチン生産能を有す
るストレプトマイセス属の放線菌のすべてを包含する。
【0019】なお、前記のSA−3501株は、工業技
術院生命工学技術研究所に寄託申請され、平成6年2月
24日、受託番号(FERM P−14182)として
受託された。
【0020】SA−3501株は他の放線菌と同様に、
その性状が変化しやすい。たとえば、SA−3501株
に由来する(自然発生または誘発性の)突然変異株、形
質融合体または遺伝子組み換え体であっても、ピロスタ
チンの生産能を有するストレプトマイセス属の菌はすべ
て本発明の製造方法に使用することができる。
【0021】本発明の製造方法では、前記の菌を、通常
の微生物が利用しうる栄養物を含有する培地で培養す
る。炭素源としては、グルコース、水飴、デキストリ
ン、シュクロース、でんぷん、糖蜜、動・植物油等を使
用できる。また、窒素源としては、大豆粉、小麦、小麦
胚芽、コーンスティープ・リカー、綿実かす、肉エキ
ス、ペプトン、酵母エキス、硫酸アンモニウム、硝酸ソ
ーダ、尿素等を利用できる。その他、必要に応じ、ナト
リウム、コバルト、塩素、硫酸、燐酸、及びその他のイ
オンを生成することのできる無機塩類を添加することは
有効である。また、菌の生育を助け、生理活性物質ピロ
スタチンの生産を促進するような有機及び無機物を適当
に添加することができる。
【0022】培養法としては、好気的条件での培養法、
特に深部培養法が適している。培養に適当な温度は15
〜37℃であるが、多くの場合、26〜30℃付近で培
養する。生理活性物質ピロスタチンの生産は培地や培養
条件により異なるが、振盪培養、タンク培養とも通常1
〜10日の間でその蓄積が最高に達する。
【0023】培養物中の生理活性物質ピロスタチンの蓄
積量が最高になった時に、培養を停止し、培養液から目
的物質を単離精製するのが好ましい。ピロスタチンの培
養液からの採取にあたっては、その性状を利用した通常
の分離手段を適宜組み合わせて抽出して精製することが
できる。たとえば、培養液を濾過したのち、培養濾液よ
り、ダウエックス50W(H+ 型)等のイオン交換樹脂
に吸着し、抽出することができる。
【0024】上述の方法に加え、水溶性物質の採取に用
いられる公知の方法、例えば吸着クロマトグラフィー、
ゲル濾過クロマトグラフィー、薄層クロマトグラフィ
ー、高速液体クロマトグラフィー等を適宜組み合わせ、
あるいは繰り返すことによってピロスタチンを純粋に単
離することができる。
【0025】ピロスタチンの薬学的に許容し得る塩は、
公知の方法によって製造することができ、例えば水酸化
ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウムおよび塩
酸、硫酸などを含む溶液でピロスタチンを処理すること
によって得ることができる。
【0026】本発明の第3の発明は、ピロスタチンまた
はその薬学的に許容し得る塩及び医薬用添加剤とからな
るN−アセチルグルコサミニダーゼ阻害剤である。医薬
用添加剤は特に制限はなく、一般的に使用されるものが
使用できる。
【0027】上記阻害剤組成物中の有効成分(ピロスタ
チンA又はB)の割合はその剤形などにより異なるので
一概にはいえないが、0.05〜99%程度まで広範囲
に使用することができ、通常注射剤では0.1〜50%
程度であり、それ以外の製剤では1%〜60%程度であ
る。残部は医薬用添加剤である。
【0028】ピロスタチンA又はBは以下の試験例に示
すように糖鎖を切断する酵素であるN−アセチルグルコ
サミニダーゼを強く阻害するが、毒性を示さない。した
がって、ピロスタチンA又はBはN−アセチルグルコサ
ミニダーゼ阻害剤として極めて有用である。
【0029】ピロスタチンA又はBを、通常、人を含む
温血動物に経口投与あるいは静脈、皮内、筋肉内投与な
どの非経口投与でその有効量を投与することにより生体
中のN−アセチルグルコサミニダーゼを阻害することが
できる。投与量は投与する対象、投与ルートなどによっ
て変動するが通常、0.05〜150mg/Kg/日、好まし
くは0.5〜100mg/Kg/日、より好ましくは1〜50
mg/Kg/日である。
【0030】投与する際の製剤としては慣用的に用いら
れている剤形が挙げられる。経口投与の場合には、医薬
用添加剤例えばデンプンなどの通常の賦形剤などととも
に成型された錠剤、顆粒剤、カプセル剤などが用いられ
る。非経口投与の場合には医薬用添加剤例えば生理食塩
水、溶解剤などを用いて製剤化された通常の注射剤など
が用いられる。
【0031】
【発明の効果】以上に詳細に説明したように、本発明で
は新規な生理活性物質ピロスタチンA及びBが提供さ
れ、これらの化合物はN−アセチルグルコサミニダーゼ
を強く阻害する。したがって、N−アセチルグルコサミ
ニダーゼ阻害剤として極めて有用である。
【0032】
【実施例】次に実施例によって本発明のピロスタチンA
及びBの製造例及び製剤例を示す。実施例1 種培地として、可溶性デンプン2.0%、グルコース
1.0%、酵母エキス(ディフコ社製)0.5%、トリ
プチケース(BBL社製)0.5%、炭酸カルシウム
0.2%および1/4強度の人工海水(ジャマリン社
製)から成る培地を用いた。なお、滅菌前の培地はpH
7.2に調整して使用した。
【0033】500ml容三角フラスコに110mlを分注
した前記種培地を120℃で20分間滅菌し、これにス
トレプトマイセス・エスピー・SA−3501株(FE
RMP−14182)の斜面培養の1〜2白金耳を接種
し、27℃、180回転/分の回転式振盪機にて2日間
培養し種培養とした。ついで、生産培地として種培地と
同様の培地を500ml容三角フラスコに110mlずつ分
注し、120℃で20分間滅菌し、前記種培養液2mlず
つを移植し、27℃で4日間振盪培養した。培養終了
後、培養液15リットルを濾過し培養濾液と菌体に分別
した。
【0034】培養濾液14リットルを6N塩酸を用いて
pH7.0に調整したのち、クロマトグラフ用活性炭素
(和光純薬工業社製)900mlのカラム(7×23cm)
にかけ、不純物を除去した。活性炭素の通過液をダウエ
ックス50W(H+ 型)1.7リットルのカラム(7.
5×40cm)にかけ、4.5リットルの水で洗浄後、
2.8%アンモニア水4.5リットルで有効成分を溶出
し、阻害活性を示す画分を濃縮乾固して褐色の粗物質
8.0gを得た。
【0035】この粗物質を80mlの水に溶解し、ダウエ
ックス1(酢酸型)500mlのカラム(4×48cm)に
かけ、水1リットルで有効成分を溶出し、阻害活性を示
す画分を濃縮乾固して褐色の粗物質4.9gを得た。次
いで、この粗物質を10mlの水に溶解し、アビセル(フ
ナコシ薬品社製)10gを加えて減圧下に濃縮乾固し
た。これを酢酸ブチル:ブタノール:酢酸:水(1:
4:1:1)で懸濁後、あらかじめ同混合溶媒で充填し
たシリカゲル60(メルク社製)550mlのカラム(4
×52cm)にかけ、同混合溶媒で洗浄した。続いて、有
効成分をブタノール:酢酸:水(4:1:1)で溶出
し、阻害活性を示す画分を濃縮乾固して淡い褐色の粗物
質1.4gを得た。
【0036】この粗物質を少量の水に溶解し、セファデ
ックスG−10(ファルマシア社製)1.8リットルの
カラム(4.5×125cm)にかけ、水で展開し、阻害
活性を示す画分を濃縮乾固して淡い褐色の粗物質1.2
gを得た。次に、この粗物質を10回に分けて、あらか
じめ水で平衡化した高速液体クロマトグラフィー(HP
LC)用カラム(資生堂社製、カプセルパックC18、2
×25cm、流速8ml/min )へ通し、水で溶出し、阻害
活性を示す2つの画分をそれぞれ濃縮乾固することによ
り、純粋なピロスタチンAの白色粉末を617.1mg、
また純粋なピロスタチンBの白色粉末を295.9mg得
た。
【0037】純粋なピロスタチンAおよびBを用いて、
赤外線吸収スペクトル、水素核核磁気共鳴スペクトルお
よび炭素核核磁気共鳴スペクトルを測定した。これらの
スペクトルは図1、図2、図3、図4、図5および図6
に示した通りである。ピロスタチンAおよびBの培養工
程ならびに精製工程中での追跡は、N−アセチルグルコ
サミニダーゼ阻害活性の測定に基づいて行った。その方
法は、後述する試験例で示すN−アセチルグルコサミニ
ダーゼ阻害活性の測定法と同様の方法を用いた。
【0038】実施例2 ピロスタチン30重量部、結晶乳糖120部、結晶セル
ロース147部及びステアリン酸マグネシウム3部をV
型混合機で打錠し、1錠300mgの錠剤を得た。
【0039】試験例 以下に、ピロスタチンAおよびBがN−アセチルグルコ
サミニダーゼ阻害活性を有し、且つ毒性を示さないこと
を試験例により示す。
【0040】試験例1 ピロスタチンAおよびBのN−アセチルグルコサミニダ
ーゼ阻害活性 N−アセチルグルコサミニダーゼ阻害活性は、Methods
in Enzymology 、第28巻、772頁(1972)に記
載の方法の改良法で行った。即ち、緩衝液として、0.
1Mクエン酸ナトリウム緩衝液(pH4.5)100μl
、基質として20mMp −ニトロフェニル−N−アセチ
ル−β−D−グルコサミニド30μl 、検体あるいは水
を含む溶液60μl を加えた混合液に、ブタ腎臓からMe
thods in Enzymology 、第28巻、772頁(197
2)に記載の方法に従い精製し、0.1Mクエン酸ナト
リウム緩衝液(pH4.5)で400倍に希釈したN−ア
セチルグルコサミニダーゼ溶液を10μl 加え、37
℃、30分間反応させた。
【0041】反応終了後、ただちに分光光度計により4
05nmにおける吸光度(a)を測定した。同時に検体を
含まない対照の吸光度(b)を測定し、それぞれに対す
る反応をしない盲検の吸光度(a’)および(b’)を
測定した。N−アセチルグルコサミニダーゼ阻害率は
〔1−(a−a’)/(b−b’)〕×100により計
算した。50%阻害率を示す検体の濃度をIC50の値と
した。この定量法で純粋なピロスタチンAおよびBは、
おのおの0.45μg/ml、0.82μg/mlの濃度でN−
アセチルグルコサミニダーゼを50%阻害した。
【0042】試験例2 ピロスタチンAおよびBの毒性 ピロスタチンAおよびBを、それぞれ、マウスに静脈内
投与してその毒性を調べたところ、それぞれの100mg
/kg投与でも毒性を示さなかった。
【図面の簡単な説明】
【図1】ピロスタチンAの臭化カリウム錠内での赤外線
吸収スペクトルを示す。
【図2】ピロスタチンAの重水中で測定した500MHz
水素核核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図3】ピロスタチンAの重水中で測定した125MHz
炭素核核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図4】ピロスタチンBの臭化カリウム錠内での赤外線
吸収スペクトルを示す。
【図5】ピロスタチンBの重水中で測定した500MHz
水素核核磁気共鳴スペクトルを示す。
【図6】ピロスタチンBの重水中で測定した125MHz
炭素核核磁気共鳴スペクトルを示す。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 (C12P 17/10 C12R 1:465) (72)発明者 村岡 靖彦 東京都板橋区高島平3−11−2−1107 (72)発明者 今田 千秋 埼玉県浦和市文蔵3−32−15−304 (72)発明者 青山 貴之 東京都北区志茂3−17−2−302

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 下記式(I) 【化1】 (式中RはOH又はHを示す。)で表される生理活性物
    質ピロスタチン又はその薬理学的に許容し得る塩。
  2. 【請求項2】 ストレプトマイセス属に属するピロスタ
    チン生産菌を栄養培地中で培養し、その培養物からピロ
    スタチンを採取することを特徴とする請求項1記載のピ
    ロスタチンの製造方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のピロスタチン又はその薬
    学的に許容し得る塩および医薬用添加剤とからなるN−
    アセチルグルコサミニダーゼ阻害剤。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のピロスタチンを生産する
    ストレプトマイセスsp.FERM P−14182。
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