JPH07291662A - 加飾結晶化ガラス物品の製造方法 - Google Patents

加飾結晶化ガラス物品の製造方法

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JPH07291662A
JPH07291662A JP5990595A JP5990595A JPH07291662A JP H07291662 A JPH07291662 A JP H07291662A JP 5990595 A JP5990595 A JP 5990595A JP 5990595 A JP5990595 A JP 5990595A JP H07291662 A JPH07291662 A JP H07291662A
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JP
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layer
glass plate
transfer
crystalline glass
pigment
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Application number
JP5990595A
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English (en)
Inventor
Michiyuki Yamada
宙行 山田
Hiroki Yamazaki
博樹 山崎
Masayuki Ninomiya
正幸 二宮
Yuzo Nakamura
祐三 中村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Nippon Electric Glass Co Ltd
Nissha Printing Co Ltd
Original Assignee
Nippon Electric Glass Co Ltd
Nissha Printing Co Ltd
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Publication date
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Publication of JPH07291662A publication Critical patent/JPH07291662A/ja
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    • CCHEMISTRY; METALLURGY
    • C03GLASS; MINERAL OR SLAG WOOL
    • C03CCHEMICAL COMPOSITION OF GLASSES, GLAZES OR VITREOUS ENAMELS; SURFACE TREATMENT OF GLASS; SURFACE TREATMENT OF FIBRES OR FILAMENTS MADE FROM GLASS, MINERALS OR SLAGS; JOINING GLASS TO GLASS OR OTHER MATERIALS
    • C03C17/00Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating
    • C03C17/02Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with glass
    • C03C17/04Surface treatment of glass, not in the form of fibres or filaments, by coating with glass by fritting glass powder

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  • Materials Engineering (AREA)
  • Organic Chemistry (AREA)
  • Surface Treatment Of Glass (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【目的】 平滑で光沢のある火づくりの表面を有し、し
かも溶融炉の生地替えを伴うことなく種々の色調に着色
することが可能な加飾結晶化ガラス物品の製造方法を提
供する。 【構成】 熱処理すると結晶化度が50重量%以下の結
晶化ガラスとなる結晶性ガラス板10を用意する。また
ベースフイルム30上に、結晶性ガラス板10と実質的
に同一組成を有する結晶性ガラス粉末24及び無機顔料
粉末25を含む着色層22と、接着層23とからなる転
写層20が形成されてなる転写用フイルムを用意する。
次いで転写用フイルムを用いて、結晶性ガラス板10の
表面に転写層20を転写する。その後、結晶性ガラス板
10を熱処理して結晶化させることにより、加飾結晶化
ガラス物品を得る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築物の外装材や内装
材に用いられる加飾結晶化ガラス物品の製造方法に関す
るものである。
【0002】
【従来の技術】従来、建築物の外装材や内装材として結
晶化ガラス物品が広く用いられている。この用途に用い
られる結晶化ガラスには、耐候性、機械的強度等の特性
が優れていることの他に、美しい外観を呈することが要
求される。これら諸条件を満足するものとして種々の結
晶化ガラスが提案されており、例えば特公昭60−49
145号にはZnO−MgO−Al23 −SiO2
の組成を有し、フォルステライト(2MgO・SiO
2 )やガーナイト(ZnO・Al23 )を析出してな
る結晶化ガラスが開示され、また特開平3−80128
号には、CaO−TiO2 −ZrO2 −SiO2 −Al
23 系の組成を有し、ジルコノライト(CaO・Zr
2 ・2TiO2 )を析出してなる結晶化ガラスが開示
されている。
【0003】これらの結晶化ガラスからなる結晶化ガラ
ス物品は、耐候性等の特性に優れているだけでなく、熱
処理時における結晶化ガラスの流動性が良好であるた
め、平滑で、且つ、光沢のある火づくりの表面を有す
る。また着色酸化物をガラス原料中に添加しておくこと
により、種々の色調に着色することが可能である。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところでこのような結
晶化ガラス物品は、所望の組成となるようにガラス原料
(及び着色酸化物)を調合し、溶融してガラス化した
後、所定の形状に成形し、さらにこれを熱処理して結晶
化させるという方法により製造される。
【0005】しかしながらこのような従来の製造方法
は、一つのガラス溶融炉で色調の異なる結晶化ガラス物
品を製造する場合には、色調毎に溶融炉の生地替えをし
なければならず、これに伴う製造ロスが発生して製造コ
ストが高くつくという問題を有している。
【0006】本発明の目的は、平滑で光沢のある火づく
りの表面を有し、しかも溶融炉の生地替えを伴うことな
く種々の色調に着色することが可能な加飾結晶化ガラス
物品の製造方法を提供することである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明の加飾結晶化ガラ
ス物品の製造方法は、熱処理すると結晶化度が50重量
%以下の結晶化ガラスとなる結晶性ガラス板を用意する
工程と、ベースフイルム上に、結晶性ガラス板と実質的
に同一組成を有する結晶性ガラス粉末及び無機顔料粉末
を含む着色層と、接着層とからなる転写層が形成されて
なる転写用フイルムを用意する工程と、転写用フイルム
を用い、結晶性ガラス板の表面に転写層を転写する工程
と、結晶性ガラス板を熱処理する工程とを含むことを特
徴とする。
【0008】また本発明の加飾結晶化ガラス物品の製造
方法は、熱処理すると結晶化度が50重量%以下の結晶
化ガラスとなる結晶性ガラス板を用意する工程と、ベー
スフイルム上に、結晶性ガラス板と実質的に同一組成を
有する結晶性ガラス粉末を含むフリット層と、無機顔料
粉末を含む顔料層と、接着層とからなる転写層が形成さ
れてなる転写用フイルムを用意する工程と、転写用フイ
ルムを用い、結晶性ガラス板の表面に転写層を転写する
工程と、結晶性ガラス板を熱処理する工程とを含むこと
を特徴とする。
【0009】また本発明の加飾結晶化ガラス物品の製造
方法は、熱処理すると結晶化度が50重量%以下の結晶
化ガラスとなる結晶性ガラス板を用意する工程と、ベー
スフイルム上に、結晶性ガラス板と実質的に同一組成を
有する結晶性ガラス粉末を含むフリット層からなるフリ
ット転写層が形成されてなるフリット転写用フイルム、
及びベースフィルム上に、無機顔料粉末を含む顔料層か
らなる顔料転写層が形成されてなる顔料転写用フイルム
を用意する工程と、フリット転写用フイルム及び顔料転
写用フイルムを用い、結晶性ガラス板の表面にフリット
転写層及び顔料転写層を転写する工程と、結晶性ガラス
板を熱処理する工程とを含むことを特徴とする。
【0010】以下、図面を参照しながら本発明の方法に
ついてさらに詳しく説明する。なお図1〜図3は、それ
ぞれ結晶性ガラス板に転写層を転写する状態を示す模式
断面図である。図4は、熱処理して得られた後の加飾結
晶化ガラス物品を示す模式断面図である。なお図中1は
基材部分、2は表面部分、10は結晶性ガラス板、20
は転写層、20aはフリット転写層、20bは顔料転写
層、21は剥離層、22は着色層、22aはフリット
層、22bは顔料層、23は接着層、24は結晶性ガラ
ス粉末、25は無機顔料粉末、30はベースフィルムを
示している。
【0011】まず、熱処理すると結晶化度が50重量%
以下、好ましくは3〜40重量%の結晶化ガラスとなる
結晶性ガラス板10を用意する。熱処理後の結晶化度を
このように限定した理由は、結晶化度が50重量%を超
えると熱処理時の流動性が悪くなって平滑で光沢のある
火づくりの表面を有する結晶化ガラス物品を得ることが
できなくなるためである。なお結晶性ガラス板として
は、例えば重量百分率でSiO2 40〜60%、Al2
3 10〜25%、MgO 0〜12%、ZnO0〜1
2%、MgO+ZnO 3〜15%、B23 2〜15
%、Na2 O4〜13%、K2 O 0〜5%、CaO
0〜5%、BaO 0〜5%、TiO2 0〜5%、Zr
2 0〜5%、TiO2 +ZrO2 0.5〜8%、As
230〜1%、Sb23 0〜1%の組成を有し、フ
ォルステライト及び/又はガーナイトを析出する性質を
有する結晶性ガラスや、重量百分率でSiO2 40〜7
0%、Al23 5〜25%、Na2 O 2〜16%、
CaO 1〜20%、TiO2 0.5〜15%、ZrO
2 0.1〜10%、CaO+TiO2 +ZrO24〜2
5%、B23 0〜15%、P25 0〜5%、K2
0〜5%、BaO 0〜5%、As230〜1%、
Sb23 0〜1%の組成を有し、主結晶としてジルコ
ノライトを析出する性質を有する結晶性ガラスを使用す
ることができる。なおこれらの結晶性ガラス板は、熱処
理すると機械的強度や化学耐久性に優れた結晶化ガラス
板となり、建築物の内外装材として好ましい材料であ
る。
【0012】またベースフィルム30上に、剥離層2
1、着色層22及び接着層23からなる転写層20が形
成された転写用フィルムを用意する。
【0013】ベースフィルムフィルム30は、例えばポ
リエチレンテレフタレート樹脂フィルム等の通常の転写
用として用いる樹脂フィルムを用いることができる。
【0014】なおベースフィルム30からの着色層22
の剥離性が良い場合には、ベースフィルム30上に着色
層22を直接設ければよい。通常は、ベースフィルム3
0からの転写層20の剥離性を改善するために、剥離層
21を形成する。剥離層21は転写後にベースフィルム
30を剥離した際に、ベースフィルム30から剥離して
被転写物である結晶性ガラス板上に残存するが、場合に
よっては層間剥離を起こし、一部がベースフィルム30
とともに転写層20から剥がれることもある。剥離層2
1としては、アクリル系、セルロース系あるいはビニー
ル系の樹脂を用いる。
【0015】また、ベースフィルム30からの転写層2
0の剥離性を改善するための別の方法としては、ベース
フィルム30上に離型層(図示せず)を形成してもよ
い。離型層は転写後にベースフィルム30を剥離した際
に、ベースフィルム30とともに転写層20から離型す
るが、場合によっては層間離型を起こし、一部が被転写
物である結晶性ガラス板上に残存することもある。離型
層としては、メラミン樹脂系離型剤、シリコーン樹脂系
離型剤、フッ素樹脂系離型剤、セルロース誘導体系離型
剤、尿素樹脂系離型剤、ポリオレフィン樹脂系離型剤、
パラフィン系離型剤及びこれらの複合型離型剤等を用い
ることができる。
【0016】着色層22は、結晶性ガラス粉末24と無
機顔料粉末25とバインダー等からなる。着色層22中
の結晶性ガラス粉末24と無機顔料粉末25の割合は、
重量比で2:1〜19:1であることが好ましい。なお
ガラス粉末の割合が少なすぎると熱処理時に流動せず、
表面がひび割れてしまう。一方ガラス粉末が多すぎると
効果的に着色することが困難になる。
【0017】結晶性ガラス粉末24としては、結晶性ガ
ラス板10と実質的に同一組成を有するものを使用す
る。なおガラス粉末の粒径は、50μm以下であること
が望ましい。
【0018】無機顔料粉末25としては、例えばNiO
(緑色)、MnO2 (黒色)、CoO(黒色)、Fe2
3 (茶褐色)、Cr23 (緑色)等の着色酸化物、
Cr−Al系コランダム(ピンク)、Sn−Sb−V系
ルチル(グレー)、Zr−V系ジルコニア(黄色)等の
酸化物、Co−Zn−Al系スピネル(ブルー)、Zn
−Cr−Fe系スピネル(茶色)等の複合酸化物、Ca
−Cr−Si系ガーネット(ビクトリアグリーン)、C
a−Sn−Si−Cr系スフェイン(ピンク)、Zr−
Si−Fe系ジルコン(サーモンピンク)、Co−Zn
−Si系ウイレマイト(紺青)、Co−Si系カンラン
石(紺青)等のケイ酸塩を一種又は二種以上使用するこ
とができる。なお顔料粉末の粒径は、50μm以下であ
ることが望ましい。
【0019】バインダーとしては、例えばアクリル系樹
脂、セルロース系樹脂等を用いることができる。
【0020】接着層23は結晶化性ガラス板10と転写
層20を接着させるためのものである。接着層23は、
アクリル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹
脂、ビニール系の樹脂等を用いることができる。
【0021】なお剥離層21、着色層22、接着層23
は及び離型層は、グラビア印刷法、スクリーン印刷法等
の通常の印刷法や、リバースコーター法やコンマコータ
ー法で形成する。なお、スクリーン印刷法は、一般的に
大面積への全面ベタ塗りには適さず、部分印刷する場合
に適した印刷方法である。
【0022】次に、上記した構成の転写用フィルムを用
い、結晶性ガラス板10の表面に転写層20を転写す
る。ガラス板10の表面に転写層20を転写するには、
まず接着層23がガラス板10側となるように、結晶性
ガラス板10の表面に転写用フィルムを重ね、フィルム
面よりシリコンゴムロールで加熱(加熱温度:約150
〜250℃)及び加圧(転写圧力:約5〜10kg/c
2 )し、その後ベースフィルム30を剥がして、結晶
性ガラス板10上に、接着層23、着色層22及び剥離
層21からなる転写層20を形成することができる(図
1参照)。なお大面積のガラス板への転写時には、シリ
コンゴムロールの表面温度の低下を防止するために予め
ガラス板10を予熱(予熱温度:約40〜60℃)して
おくことが望ましい。
【0023】その後、これらを結晶性ガラスの軟化点以
上の温度で熱処理すると、結晶化度が50重量%以下の
結晶化ガラスからなり、且つ無機顔料粉末25によって
着色された表面部分2と無機顔料粉末を含まない基材部
分1とを有する加飾結晶化ガラス物品となる(図4参
照)。
【0024】また本発明の加飾結晶化ガラス物品の製造
方法において、結晶性ガラス板上に転写層を転写する別
の手段としては、フリット層22a、顔料層22b及び
接着層23を有する転写層20を形成した転写用フィル
ムを用いてもよい(図2参照)。なお図2のように剥離
層21を設けてもよい。また図2では顔料層22bの上
にフリット層22aが積層された状態で転写層が形成さ
れるが、フリット層の上に顔料層が積層されていてもよ
い。
【0025】さらに別の手段としては、ベースフィルム
30上に、フリット層22aを含むフリット転写層20
aが形成されたフリット転写用フィルムと、ベースフィ
ルム30上に顔料層22bを含む顔料転写層20bが形
成された顔料転写用フィルムとを用意し、これらを順次
結晶性ガラス板10の表面に転写してもよい(図3
(a)及び(b)参照)。なおフリット転写用フィルム
及び顔料転写用フィルムには、図3に示すように接着層
23や剥離層21を設けてもよい。また図3では、顔料
転写層20bをガラス板10上に転写した後にフリット
転写層20aを転写しているが、先にフリット転写層2
0aを転写し、その後で顔料転写層20bを転写しても
よい。
【0026】なおフリット層22aは結晶性ガラス粉末
24とバインダー等からなり、顔料層22bは無機顔料
粉末25とバインダー等からなる。これらに使用される
バインダーとしては、例えばアクリル系樹脂、セルロー
ス系樹脂等が使用できる。またフリット層22aや顔料
層22bを形成する方法としては、グラビア印刷法、ス
クリーン印刷法等の通常の印刷法や、リバースコーター
法やコンマコーター法を用いる。なおスクリーン印刷法
は、一般的に大面積への全面ベタ印刷には適さず、部分
印刷する場合に適した印刷方法である。また顔料層22
bは、一色でも、また多色からなるものでもよい。
【0027】剥離層21は、ベースフィルム30からの
顔料転写層20bまたはフリット転写層20aの剥離性
の改善を要する場合のみ形成する。またベースフィルム
30からの顔料転写層20bまたはフリット転写層20
aの剥離性を改善するための別の方法としては、ベース
フィルム30上に離型層(図示せず)を形成してもよ
い。
【0028】接着層23は結晶性ガラス板10と顔料転
写層20bまたはフリット転写層20aを接着させるた
めのものである。したがって顔料転写層20bとフリッ
ト転写層20a同士の接着性が十分にある場合には、顔
料転写層20bとフリット転写層20aのうち、転写後
に下層となる側(結晶性ガラス板10と接する側)にの
み接着層23を形成すればよい。接着層23は、アクリ
ル系樹脂、セルロース系樹脂、ポリアミド系樹脂、ビニ
ール系樹脂等を用いることができる。一方、顔料転写層
20bとフリット転写層20aとの接着性が乏しい場合
には、図3に示すように、転写後に上層となる側(結晶
性ガラス板10と接しない側)にも接着層23を設けて
もよい。この場合、接着層23は、熱処理時に昇華(及
び蒸発)しやすいアクリル系樹脂、セルロース系樹脂等
の樹脂を選択するのが望ましい。
【0029】
【作用】本発明の加飾結晶化ガラス物品の製造方法で
は、転写層が転写された結晶性ガラス板を熱処理するこ
とにより、転写層中の有機樹脂成分が昇華(及び蒸発)
し、ガラス板上にガラス粉末と無機顔料粉末が残る。ま
た結晶性ガラス板と結晶性ガラス粉末が軟化流動して一
体化するとともに結晶が析出する。その結果、結晶化度
が50重量%以下の結晶化ガラスからなり、且つ無機顔
料粉末によって着色された表面部分と無機顔料粉末を含
まない基材部分とを有する加飾結晶化ガラス物品が得ら
れる。
【0030】
【実施例】以下、本発明を実施例に基づいて説明する。
【0031】(実施例1)まず重量%でSiO2 53.
0%、Al23 14.0%、MgO 3.5%、Zn
O 4.0%、B23 13.0%、Na2 O 5.5
%、K2 O 1.3%、CaO 1.0%、TiO2
3.0%、ZrO2 1.5%、Sb23 0.2%の組
成を有するように調合したガラス原料を1500℃で1
6時間溶融し、次いでこの溶融ガラスをロールアウト法
によって板状に成形し、板厚が10mmのガラス板を得
た。このガラス板は熱処理することによってフォルステ
ライト及びガーナイトを析出し、白色の結晶化ガラスと
なる結晶性ガラスからなる。
【0032】また厚さ25μmのポリエチレンテレフタ
レート樹脂製のベースフィルム上に、アクリル系樹脂か
らなる剥離層、結晶性ガラス粉末(粒径10μm以下)
とSn−Sb−V系ルチル粉末(粒径5μm以下、川村
化学株式会社製)を含み、アクリル系樹脂をバインダー
とする着色層、及びポリアミド系樹脂からなる接着層を
有する転写層を、グラビア印刷により順次形成し、転写
用フィルムを作製した。
【0033】なお結晶性ガラス粉末は、結晶性ガラス板
と同一組成となるように調合したガラス原料を1500
℃で12時間溶融し、次いでこの溶融ガラスをフィルム
状に成形した後、ボールミルにて粉砕し、分級して得た
ものである。また結晶性ガラス粉末と無機顔料粉末の割
合は、重量比で3:1とした。
【0034】次に結晶性ガラス板を50℃に予熱し、続
いてその表面に、接着層がガラス板側となるように転写
用フィルムを重ね、フィルム面よりシリコンゴムロール
で加熱(加熱温度:220℃)及び加圧(転写圧力:5
kg/cm2 )した。その後、ベースフィルムを剥が
し、図1に示すように、結晶性ガラス板上に転写層を転
写した。
【0035】その後、ガラス板を電気炉に入れ、1時間
に300℃の速度で昇温し、1050℃で1時間保持す
ることによって、表面部分がグレーに着色され、基材部
分が白色である加飾結晶化ガラス物品を得た。
【0036】このようにして得られた結晶化ガラス物品
は、平滑で光沢のある美しい火づくりの表面を有してお
り、表面うねり、色ムラ、色縞等の表面欠陥、結晶化ガ
ラス物品の反り、表面部分の剥離やひび割れは全く認め
られなかった。なおこの結晶化ガラス物品は、板厚が1
0mm、表面部分の厚みが10μmであり、X線回折の
結果、フォルステライト及びガーナイトを析出している
ことがわかった。またX線回折によるハロー法(オルバ
ーグ・ストリックラー法[Ohlberg -Strickler法])に
て結晶化度を測定したところ、35重量%であった。
【0037】(実施例2)まず重量%で、SiO2
8.0%、Al23 21.0%、Na2 O 8.5
%、CaO 5.0%、TiO2 3.5%、ZrO2
2.5%、B23 9.7%、BaO 1.5%、Sb
23 0.3%の組成を有するように調合したガラス原
料を1550℃で16時間溶融し、次いでこの溶融ガラ
スをロールアウト法によって板状に成形し、板厚が6m
mのガラス板を得た。このガラス板は熱処理するとジル
コノライトを析出し、白色の結晶化ガラスとなる結晶性
ガラスからなる。
【0038】また厚さ25μmのポリエチレンテレフタ
レート樹脂製のベースフィルム上に、アクリル系樹脂か
らなる剥離層、結晶性ガラス粉末(粒径10μm以下)
を含みアクリル系樹脂をバインダーとするフリット層、
Zr−Si−P系ジルコン粉末(粒径7μm以下、川村
化学株式会社製)を含み、アクリル系樹脂をバインダー
とする顔料層、及びポリアミド系樹脂からなる接着層を
有する転写層を、グラビア印刷により順次形成し、転写
用フィルムを作製した。
【0039】なお結晶性ガラス粉末は、結晶性ガラス板
と同一組成となるように調合したガラス原料を1550
℃で12時間溶融し、次いでこの溶融ガラスをフィルム
状に成形した後、ボールミルにて粉砕し、分級して得た
ものである。また結晶性ガラス粉末と無機顔料粉末の割
合は、重量比で4:1とした。
【0040】次に、実施例1と同様にして結晶性ガラス
板上に転写層を転写し、その後、ガラス板を電気炉に入
れ、1時間に300℃の速度で昇温し、1050℃で1
時間保持することによって、表面部分が黄色に着色さ
れ、基材部分が白色である加飾結晶化ガラス物品を得
た。
【0041】このようにして得られた結晶化ガラス物品
は、平滑で光沢のある美しい火づくりの表面を有してお
り、表面うねり、色ムラ、色縞等の表面欠陥、結晶化ガ
ラス物品の反り、表面部分の剥離やひび割れは全く認め
られなかった。なおこの結晶化ガラス物品は、板厚が6
mm、表面部分の厚みが17μmであった。またジルコ
ノライトを析出しており、結晶化度が15%であること
がわかった。
【0042】(実施例3)実施例1と同様にして結晶性
ガラス板を用意した。
【0043】また厚さ25μmのポリエチレンテレフタ
レート樹脂製のベースフィルム上に、アクリル系樹脂か
らなる剥離層、及び結晶性ガラス粉末(粒径10μm以
下)を含みアクリル系樹脂をバインダーとするフリット
層を有するフリット転写層をグラビア印刷にて順次形成
し、フリット転写用フィルムを作製した。また同様のベ
ースフィルム上に、アクリル系樹脂からなる剥離層、C
a−Sn−Si−Cr系スフェイン粉末(粒径5μm以
下、川村化学株式会社製)を含み、アクリル系樹脂をバ
インダーとする顔料層、及びアクリル系樹脂からなる接
着層を有する顔料転写層を、グラビア印刷により順次形
成し、顔料転写用フィルムを作製した。
【0044】なお結晶性ガラス粉末は、実施例1と同様
にして用意した。また結晶性ガラス粉末と顔料粉末の割
合は、重量比で7:3とした。
【0045】次に、実施例1と同様にして結晶性ガラス
板上に顔料転写層を転写し、さらにその上にフリット転
写層を転写した。その後、ガラス板を電気炉に入れ、同
様の条件で熱処理することによって、表面部分がブルー
に着色され、基材部分が白色である加飾結晶化ガラス物
品を得た。
【0046】このようにして得られた結晶化ガラス物品
は、平滑で光沢のある美しい火づくりの表面を有してお
り、表面うねり、色ムラ、色縞等の表面欠陥、ガラス物
品の反り、表面部分の剥離やひび割れは全く認められな
かった。なおこの結晶化ガラス物品は、板厚が8mm、
表面部分の厚みが20μmであった。またX線回折の結
果、フォルステライト及びガーナイトを析出しており、
結晶化度が35%であることがわかった。
【0047】
【発明の効果】本発明の加飾結晶化ガラス物品の製造方
法は、転写用フイルムに含まれる無機顔料粉末を適宜選
択することにより、種々の色調を呈する加飾結晶化ガラ
ス物品を得ることが可能である。また熱処理すると結晶
化度が50重量%以下の結晶化ガラスとなる結晶性ガラ
ス板及び結晶性ガラス粉末を用いるために、熱処理時に
おける流動性が良好であり、平滑で光沢のある火づくり
の表面を有する結晶化ガラス物品が得られる。しかも色
替えをする場合においても、転写用フイルムを替えるだ
けでよいため、製造コストを低く抑えることができ、安
価に供給することが可能である。
【0048】さらに、結晶性ガラス板及び結晶性ガラス
粉末として、フォルステライト及び/又はガーナイト、
或はジルコノライトを析出する性質を有する結晶性ガラ
スを使用することにより、機械的強度や化学耐久性に優
れた建材用結晶化ガラス物品を得ることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】結晶性ガラス板の表面に、剥離層、着色層及び
接着層からなる転写層を転写する状態を示す模式断面図
である。
【図2】結晶性ガラス板の表面に、剥離層、フリット
層、顔料層及び接着層からなる転写層を転写する状態を
示す模式断面図である。
【図3】結晶性ガラス板の表面に、顔料転写層及びフリ
ット転写層を順次転写する状態を示す模式断面図であ
り、(a)は結晶性ガラス板の表面に顔料転写層を転写
する状態を示す模式断面図、(b)は顔料転写層上に、
フリット転写層を転写する状態を示す模式断面図であ
る。
【図4】本発明の方法により製造される加飾結晶化ガラ
ス物品を示す模式断面図である。
【符号の説明】
10 結晶性ガラス板 20 転写層 21 剥離層 22 着色層 23 接着層 24 結晶性ガラス粉末 25 無機顔料粉末 30 ベースフィルム
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 二宮 正幸 滋賀県大津市晴嵐2丁目7番1号 日本電 気硝子株式会社内 (72)発明者 中村 祐三 京都府京都市中京区壬生花井町3番地 日 本写真印刷株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱処理すると結晶化度が50重量%以下
    の結晶化ガラスとなる結晶性ガラス板を用意する工程
    と、 ベースフイルム上に、結晶性ガラス板と実質的に同一組
    成を有する結晶性ガラス粉末及び無機顔料粉末を含む着
    色層と、接着層とからなる転写層が形成されてなる転写
    用フイルムを用意する工程と、 転写用フイルムを用い、結晶性ガラス板の表面に転写層
    を転写する工程と、 結晶性ガラス板を熱処理する工程とを含むことを特徴と
    する加飾結晶化ガラス物品の製造方法。
  2. 【請求項2】 熱処理すると結晶化度が50重量%以下
    の結晶化ガラスとなる結晶性ガラス板を用意する工程
    と、 ベースフイルム上に、結晶性ガラス板と実質的に同一組
    成を有する結晶性ガラス粉末を含むフリット層と、無機
    顔料粉末を含む顔料層と、接着層とからなる転写層が形
    成されてなる転写用フイルムを用意する工程と、 転写用フイルムを用い、結晶性ガラス板の表面に転写層
    を転写する工程と、 結晶性ガラス板を熱処理する工程とを含むことを特徴と
    する加飾結晶化ガラス物品の製造方法。
  3. 【請求項3】 熱処理すると結晶化度が50重量%以下
    の結晶化ガラスとなる結晶性ガラス板を用意する工程
    と、 ベースフイルム上に、結晶性ガラス板と実質的に同一組
    成を有する結晶性ガラス粉末を含むフリット層からなる
    フリット転写層が形成されてなるフリット転写用フイル
    ム、及びベースフィルム上に、無機顔料粉末を含む顔料
    層からなる顔料転写層が形成されてなる顔料転写用フイ
    ルムを用意する工程と、 フリット転写用フイルム及び顔料転写用フイルムを用
    い、結晶性ガラス板の表面にフリット転写層及び顔料転
    写層を転写する工程と、 結晶性ガラス板を熱処理する工程とを含むことを特徴と
    する加飾結晶化ガラス物品の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP0877003A2 (en) * 1997-05-09 1998-11-11 JSR Corporation Glass paste composition
KR100750798B1 (ko) * 2006-10-11 2007-08-20 최영훈 입체무늬 형성 판유리의 제조 방법

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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EP0877003A3 (en) * 1997-05-09 1999-06-30 JSR Corporation Glass paste composition
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