JPH0729053Y2 - 板状物体の整列装置 - Google Patents

Description

【考案の詳細な説明】 （産業上の利用分野） 本考案は、シャープペンシルの芯ケース等のように、断
面が細長の矩形等をなす板状物体を不安定な姿勢でも整
列させることができる板状物体の整列装置に関する。

（従来の技術） 従来、断面が細長の矩形等をなす板状物体は、断面巾の
狭い面を下にして立てると安定して立っているのが困難
であるため、自動的に板状物体を整列する際は、断面巾
の広い面を下にして安定した状態で、板状物体を順次に
送り出す方法が一般的にとられている。

（考案が解決しようとする問題点） このように、断面巾の広い面を下にして整列すると、そ
の整列面積が広くなり、板状物体、例えばシャープペン
シルの芯ケース等を包装箱に収容しようとすると、包装
箱の面積が大きくなって、包装箱の材料を多く使用する
こととなる。

そのため、包装コストが高くなるばかりでなく、取扱い
も行い難く、包装箱が途中で折れてしまう等の問題が発
生する。

これを改善すべく、板状物体の断面の狭い面を下にして
整列しようとすると、立った状態が不安定であるため、
人手によって包装箱等の中に入れながら整列することと
なる。

そのため、作業能率が上らず、人件費等のコストが高く
なる等の欠点を生じてしまう。

（考案の目的） 本考案は、従来の板状物体の整列における問題点を解消
するためのもので、板状物体の狭い面を下にして自動的
に整列を可能とすることにより作業能率を高めると共
に、整列時の面積を小さくし、その包装のコストを下げ
ることができる板状物体の整列装置を提供することを目
的とする。

（問題点を解決するための手段） 本考案は、前述の目的を達成するためのもので、その手
段は、窄部を有してその窄部に不安定な姿勢で嵌入した
板状物体を所定位置まで移動させる送り体と、送り体の
窄部へ板状物体を嵌入させる供給体と、送り体に対して
前進且つ後退可能で送り体によって所定位置まで運ばれ
た板状物体を前進により窄部から押し出すと共に送り体
が逆方向へ所要距離戻る間そのまま送り体に設けた長孔
内に位置してその押し出した板状物体の一方の側面を支
持した状態を維持し送り体が所要距離戻ってその側面に
より板状物体の同側面を支持してから後退して板状物体
から離れる押圧子と、押圧子に対向して配置することに
より押圧子によって押し出された板状物体の他方の側面
を支持する受け片とを備えたことを特徴とする板状物体
の整列装置によってなされる。

（考案の実施例） 本考案の実施の一例を図面について以下に説明する。

１は上記の送り体に相当するエレベータであり、シャー
プペンシルの芯ケースＡ等のような板状物体（以下単に
芯ケースＡという）の巾広の面が奥に接するような窄部
1aが形成されていて、ガイド２によって上下方向に昇降
可能にガイドされている。

このエレベータ１は、シリンダ３に連杆４で連結される
と共に、ガイド２との間にバネ５が装架され、エレベー
タ１はこのバネ５によって引かれて通常は上昇位置にあ
るが、シリンダ３が動作すると、エレベータ１は連杆４
に引かれて下降する。

このエレベータ１の上部には上記の供給体に相当するフ
ィーダ６が配されている。このフィーダ６は、外周４ヶ
所に芯ケースＡが巾狭の面を奥にして嵌入するような凹
所6aを等間隔に設けている。このフィーダ６は90度宛、
間欠的に回転する。

このフィーダ６の凹所6aに芯ケースＡが挿入され、フィ
ーダ６が回転した際に、芯ケースＡが凹所6aから脱落す
るのを防止すべく、円弧状の案内板７がフィーダ６の外
周面に設けられている。

前記ガイド２と一体的に設けた支持体８の一側にはシリ
ンダ９が取付けられ、このシリンダ９のラム9aの先端に
は押圧子10が取付けられている。

この押圧子10は、エレベータ１の縦方向の長孔1b内に挿
入され、エレベータ１は長孔1bが押圧子10の周囲を上下
に移動するようにして昇降する。

前記支持体８の他側には受台11と複数のガイドレール12
及びシリンダ９と対向してシリンダ13が取付けられてい
る。

この受台11はエレベータ１が下降した際の窄部1aと略同
高に設けられ、シリンダ13のラム13aには受台11上をス
ライドする高さの受け片14が取付けられている。

又、ガイドレール12には、これによってガイドされるス
ライダー15が搭載され、このスライダー15には受台11上
に整列された芯ケースＡの上部を押す送出片16が設けら
れているものである。

（作用） 次に、この板状物体の整列装置の動作について説明す
る。

適宜の手段によってフィーダ６の凹所6aに挿入された芯
ケースＡは、フィーダ６の90度宛の間欠回転によって案
内板７に沿って案内されながらエレベータ１の窄部1aに
嵌入される。

すると、シリンダ３が動作して、バネ５に抗して下降す
るが、この時シリンダ９のラム9aは引込み状態にあるた
め、芯ケースＡはエレベータ１の下降に伴って窄部1aに
嵌入したまま下降して凹所6aから抜き取られ、エレベー
タ１の下死点に到達する。

この状態で、シリンダ９が動作してラム9aを押し出すた
め、押圧子10は芯ケースＡを受台11上に押し出す。

この時、シリンダ13はシリンダ９よりも弱い力で押し出
されているため、前記押圧子10の押圧力によって芯ケー
スＡの１個の厚さ分後退する。

次に、エレベータ１が上昇を開始するが、芯ケースＡは
押圧子10と受け片14との間に保持されていて倒れること
がない。

そして、エレベータ１の上昇が完了した時点でシリンダ
９が逆方向に動作し、押圧子10が引込むので、芯ケース
Ａはエレベータ１の窄部1aの下方の側面と受け片14の間
で保持されることになり、この場合でも芯ケースＡが倒
れることがない。

このようにして１サイクルが完了するが、その完了時点
でフィーダ６が再び90度回転し、次の芯ケースＡがエレ
ベータ１の窄部1aに嵌入される。

このようなサイクルの繰り返しによって、受台11上に
は、芯ケースＡが巾広の面が接するようにして整列され
るもので、芯ケースＡの所要の数に達した時、ガイドレ
ール12によってスライダー15を動かし、受台11上に整列
されている芯ケースＡの上部を送出片16で芯ケースＡの
長手方向に押し、整列された芯ケースＡを取り出すこと
ができる。

このようにして、整列された芯ケースＡが取り出された
後は、シリンダ13によって受け片14は押圧子10に向って
移動し、次の芯ケースＡの整列に対する準備が行われ
る。

以上の実施例は、シャープペンシルの芯ケースの整列に
ついて説明したが、この他にも伏倒し易い板状物体の整
列についても使用することができる。

又、供給体として回転するフィーダ６を使用したが、こ
の他の種々の供給手段が使用可能で、更にシリンダ13に
代えて押圧子10側に向って付勢するバネを使用する等の
種々の変更が可能なものである。

（考案の効果） 本考案は叙上のように、板状物体の巾の狭い面を下方に
する等の伏倒し易い状態であるにも拘らず、これを全く
倒すことなく整列させることができるため、包装箱等の
平面積を減少して包装材料の減少等を図ることができ
る。

又、その整列は全自動的に行えるため、整列のための作
業能率が向上されると共に、人件費等を引下げることが
可能で、本考案を包装装置として使用すれば包装コスト
の引下げを図ることができる。

更に、装置全体としての構成も簡単なために、廉価に提
供できると共に、故障のおそれがない等の有用な考案で
ある。

【図面の簡単な説明】

第１図は本考案の一実施例の正面図、第２図は同上の平
面図、第３図はエレベータの要部の側面図である。 Ａ……芯ケース、１……エレベータ、1a……窄部、３…
…シリンダ、６……フィーダ、6a……凹所、９……シリ
ンダ、10……押圧子、13……シリンダ、14……受け片。

Claims (1)

【実用新案登録請求の範囲】
1. 【請求項１】窄部を有してその窄部に不安定な姿勢で嵌
   入した板状物体を所定位置まで移動させる送り体と、送
   り体の窄部へ板状物体を嵌入させる供給体と、送り体に
   対して前進且つ後退可能で送り体によって所定位置まで
   運ばれた板状物体を前進により窄部から押し出すと共に
   送り体が逆方向へ所要距離戻る間そのまま送り体に設け
   た長孔内に位置してその押し出した板状物体の一方の側
   面を支持した状態を維持し送り体が所要距離戻ってその
   側面により板状物体の同側面を支持してから後退して板
   状物体から離れる押圧子と、押圧子に対向して配置する
   ことにより押圧子によって押し出された板状物体の他方
   の側面を支持する受け片とを備えたことを特徴とする板
   状物体の整列装置。