JPH07290026A - 溶融飛灰の安定化処理法 - Google Patents

溶融飛灰の安定化処理法

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JPH07290026A
JPH07290026A JP6110286A JP11028694A JPH07290026A JP H07290026 A JPH07290026 A JP H07290026A JP 6110286 A JP6110286 A JP 6110286A JP 11028694 A JP11028694 A JP 11028694A JP H07290026 A JPH07290026 A JP H07290026A
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JP
Japan
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fly ash
heavy metal
molten fly
tank
sulfuric acid
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JP6110286A
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English (en)
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Taku Inoue
卓 井上
Yoshiteru Hotta
義照 堀田
Shinichi Tanaka
慎一 田中
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Unitika Ltd
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Unitika Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 溶融飛灰からの重金属の溶出を防止し、溶融
飛灰を安定化することのできる溶融飛灰の安定化処理法
を提供する。 【構成】 溶融処理して得られた溶融飛灰に硫酸バンド
を添加し、次いで重金属固定剤を添加することを特徴と
する溶融飛灰の安定化処理法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、都市ごみや産業廃棄物
を焼却することによって、生成した焼却灰及び排ガス処
理工程で捕集された飛灰の単独又は混合したものを溶融
処理して得られた溶融飛灰の安定化処理法に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】従来、溶融飛灰の安定化処理法として、
例えば、刊行物(プラズマ溶融処理による焼却残渣の安
定化と生成スラグの資源化、PPM 、Vol.23、No5 、199
2)には、溶融飛灰に水とセメントを添加して混練する
方法が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、上記刊行物に
記載されている溶融飛灰に水とセメントを添加して混練
する方法では、溶融飛灰中の鉛などの処理が不十分で溶
出することが多いという問題があった。本発明は、上記
のような問題点を解消し、溶融飛灰からの重金属の溶出
を防止し、溶融飛灰を安定化できる溶融飛灰の安定化処
理法を提供することを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、このよう
な課題を解決するために鋭意検討の結果、溶融処理して
得られた溶融飛灰の処理に際し、溶融飛灰に硫酸バンド
を添加し、次いで重金属固定剤を添加することにより、
溶融飛灰を安定化することができるという事実を見出
し、本発明に到達した。すなわち、本発明は、溶融処理
して得られた溶融飛灰に、硫酸バンドを添加し、次いで
重金属固定剤を添加することを特徴とする溶融飛灰の安
定化処理法を要旨とするものである。
【0005】以下、図面を参照しつつ,本発明を具体的
に説明する。図1は、本発明の溶融飛灰の安定化処理法
の一例を示す概略フロー図である。図1において、溶融
処理して得られた溶融飛灰は、溶融飛灰貯留タンク1に
導入された後、ロータリーバルブ11で排出、計量され、
第1混練機2に導入される。第1混練機2では,硫酸バ
ンド貯槽3に付設された硫酸バンド送液ポンプ15から送
液された硫酸バンドと溶融飛灰とが混練される。このと
きの硫酸バンドの添加量としては、あらかじめ、次のよ
うにして0.5 〜8時間毎に決定し、添加することが好ま
しい。
【0006】pH調整槽4において、工業用水貯槽5に付
設された工業用水送液ポンプ12から送液された工業用水
と、ロータリーバルブ10で排出・計量された溶融飛灰と
を攪拌機で混合してスラリー状とする。このとき、工業
用水が95〜80重量%(以下%は重量%を示す)、溶融飛
灰が5〜20%の割合で混合することが好ましい。引き続
き、このpH調整槽4に、硫酸バンド送液ポンプ14から、
硫酸バンドを送液する。このとき、硫酸バンドを加えた
混練灰の水スラリーのpHが7〜12の範囲内の所定のpHに
なるまで硫酸バンドを添加し、これに要した硫酸バンド
の量でもって、硫酸バンド送液ポンプ15から第1混練機
2への送液量を制御することが好ましい。
【0007】次に、第1混練機2で硫酸バンドと混練し
た溶融飛灰を第2混練機6に導入し、ここで重金属固定
剤希釈槽7に付設された重金属固定剤送液ポンプ17から
送液された重金属固定剤溶液と混練される。第2混練機
6で処理された処理溶融飛灰は処理溶融飛灰貯槽9に貯
留される。
【0008】このとき、送液される重金属固定剤として
は、まず、重金属固定剤貯槽8に付設された重金属固定
剤移送ポンプ16で、重金属固定剤原液を重金属固定剤希
釈槽7に移送し、これを工業用水貯槽5に付設された工
業用水移送ポンプ13によって移送された工業用水で希釈
したものを用いる。希釈率としては、処理溶融飛灰の含
水率が10〜40%になるように考慮し、通常、0〜100 倍
(100 〜1%溶液)であることが好ましい。
【0009】なお、図1では、第1混練機2と第2混練
機6の2台の混練機を使用しているが、まず硫酸バンド
が十分に混練された後、重金属固定剤も十分に混練でき
るものであれば、1台の混練機で混練を行ってもよい。
【0010】本発明における溶融飛灰とは、都市ごみや
産業廃棄物を焼却して生成した焼却灰及び排ガス処理工
程で捕集された飛灰の単独又は混合した被溶融物を各種
燃料の燃焼熱や熱エネルギーによって約1000〜1600℃で
加熱、溶融処理した際に、排ガス処理工程で捕集された
飛灰のことである。溶融飛灰中には、亜鉛、鉛などの重
金属類が約5〜30重量%も含有しており、特に、鉛、六
価クロムなどが溶出しやすいため、この溶融飛灰を安定
化する必要がある。
【0011】本発明に用いられる硫酸バンドとしては、
固形硫酸バンド又は粉末硫酸バンド〔Al2O3 として換算
すると15%、Al2(SO4)3 ・18H2O として換算すると98%
含有〕、あるいは液体硫酸バンド〔Al2O3 として換算す
ると8%、Al2(SO4)3 ・18H2O として換算すると52%含
有〕のいずれを用いてもよい。通常は、液体硫酸バンド
を用いるが、処理溶融飛灰の含水率が過剰となる場合
は、固形硫酸バンドあるいは粉末硫酸バンドを用いるこ
とが好ましい。硫酸バンドの添加量としては、溶融飛灰
中の重金属含有量、及びアルカリ金属化合物やアルカリ
土類金属化合物などの含有量によっても異なるが、前記
のように、硫酸バンドを加えた混練灰の水スラリーのpH
が7〜12の範囲となることが好ましい。
【0012】本発明に用いられる重金属固定剤として
は、各種アミンなどにジチオカルバミン酸基、チオール
基、ザンテート基、チオウレイド基などを有する水溶性
化合物があげられ、重金属捕集剤、液体キレート剤など
とも称せられる。重金属固定剤としては、各種の市販品
があるが、とくに限定されない。市販品としては、ユニ
セレックUML−8100(ユニチカ社製)、スミフロック
HM−6000(住友化学工業社製)、エポフロックL−
1、エポフロックL−2、ニューエポルバ500 (ミヨシ
油脂社製)、A−100 (日本鋼管社製)、ニッソーAL
M−648 (日本曹逹社製)、アルサイトL−101 (不二
サッシ社製)、サンチオールN−1、サンチオールNW
(三協化成社製)、アッシュナイト(栗田工業社製)、
アスリート、ジオスターF(エンテック研究所社製)、
アクリーン(旭硝子社製)、コーナンフロックSH−10
(興南化学社製)、アクターKS(キハラ産業社製)、
ゴスペルM−9(ゴスペル化工社製)などがあげられる
が、重金属溶出抑制の性能を有するものであれば、いか
なるものでもよい。
【0013】重金属固定剤溶液の添加量としては、溶融
飛灰中の重金属含有量及びアルカリ金属化合物やアルカ
リ土類金属化合物などの含有量、さらに硫酸バンドの添
加量によっても異なるが、 通常、溶融飛灰1kgに対し
て、重金属固定剤原液が1〜100gとなるように加えれば
よく、さらに好ましくは、10〜50g である。重金属固定
剤原液の添加量が1g 未満の場合には、重金属類の溶出
防止効果が小さくなり、好ましくない。また、重金属固
定剤の添加量が100gを越える場合には、ランニングコス
トが高くなり、好ましくない。
【0014】溶融飛灰と硫酸バンドや重金属固定剤溶液
との混練方法としては、通常、二軸ニーダ(佐竹化学機
械工業社製)などで1〜20分間混練することが好ましい
が、これに限定されるものではない。本発明において
は、処理溶融飛灰の含水率としては、通常、取り扱いや
すい湿土状となる10〜40%であることが好ましく、通
常、重金属固定剤溶液の濃度でもって調整するが、この
方法に限定されるものではない。
【0015】
【作用】本発明によると、第1混練機において、溶融飛
灰に硫酸バンドを加えて混練することによって、溶融飛
灰中の重金属類を硫酸バンドに吸着固定化させることが
でき、さらに後工程での重金属固定剤の性能が最大に発
揮できる最適のpHに調整することができる。また、第2
混練機において、硫酸バンドを加えて混練した溶融飛灰
に、重金属固定剤を加えて混練することによって、溶融
飛灰中の重金属類を化学的に非常に安定な重金属キレー
ト化合物にすることができ、溶融飛灰からの重金属類の
溶出を防止することができる。
【0016】
【実施例】次に、実施例、参考例及び比較例によって、
本発明を具体的に説明する。 参考例1 硫酸バンド添加量をあらかじめ、次のようにして2時間
毎に決定した。pH調整槽4において、工業用水貯槽5に
付設された工業用水送液ポンプ12から送液された工業用
水9リットルと、溶融飛灰貯留タンク1に付設されたロ
ータリーバルブ10で排出・計量されたバグフィルター溶
融飛灰(以下、溶融飛灰という)1kgとを攪拌機で混合
して、10%水スラリーとした。この10%水スラリーのpH
は12.5であった。なお、ここでの溶融飛灰は、都市ごみ
焼却による焼却灰3重量部と通常の飛灰1重量部の混合
灰を電気式溶融炉で1200〜1400℃に加熱、溶融処理して
排ガス処理設備のバグフィルターで捕集したものであ
る。この10%水スラリー10リットルのpHを9.0 に調整す
るのに、硫酸バンド送液ポンプ14からの液体硫酸バンド
〔Al2(SO4)3 ・18H2Oとして換算して52%含有、比重1.3
2〕を0.24リットル(0.32kg、溶融飛灰に対して32%)
要した。
【0017】このpH調整の結果より、硫酸バンド送液ポ
ンプ15から第1混練機2への送液量を121 リットル/hr
(160kg 、溶融飛灰に対して32%添加)と決定した。pH
調整後の水スラリーは、pH調整槽4の下部の排出バルブ
で排出して排水処理設備へ送液し、工業用水送液ポンプ
12から送液された工業用水でpH調整槽4内を洗浄した
後、さらに工業用水ポンプ12で工業用水をpH調整槽4に
満たし、次のpH調整に備えた。この操作を自動で2時間
毎に4回/日行った。そのときの硫酸バンドの送液量と
しては、最初は121 リットル/hr としたが、2回目以降
は114 〜148 リットル/hr (150〜195kg 、溶融飛灰に対
して30〜39%添加)の範囲内で添加した。
【0018】実施例1、比較例1〜2 まず、 溶融飛灰貯留タンク1に貯留された溶融飛灰を、
ロータリーバルブ11から500kg/hrで第1混練機2(二軸
ニーダ、佐竹化学機械工業社製)へ供給した。このと
き、溶融飛灰には、鉛49800mg/kg、六価クロム126mg/K
g、ヒ素26.9mg/kgなどを含有していた。同時に、硫酸バ
ンド貯槽3に付設した硫酸バンド送液ポンプ15から、参
考例1で決定した121 リットル/hr で液体硫酸バンドを
第1混練機2に送液し、3分間混練した。
【0019】硫酸バンドと混練した溶融飛灰は、次に第
2混練機6(二軸ニーダ、佐竹化学機械工業社製)で重
金属固定剤希釈槽7に付設した重金属固定剤送液ポンプ
17から100 リットル/hr (溶融飛灰1kg に対して、重金
属固定剤原液20g )で送液された10%重金属固定剤溶液
(ユニセレックUML−8100、ユニチカ社製)と、前工
程での混練物とを3分間混練し、ここで処理された処理
溶融飛灰を処理溶融飛灰貯槽9に貯留した。
【0020】比較のため、重金属固定剤溶液との混練を
省略した以外は、実施例1と同様の処理を行った。すな
わち、水で希釈した液体硫酸バンド〔Al2(SO4)3 ・18H2O
として換算して37%含有、比重1.21〕を186 リットル/h
r(225kg 、溶融飛灰に対して32%添加) で送液し、溶融
飛灰と混練した(比較例1)。
【0021】また、硫酸バンドとの混練を省略した以外
は、実施例1と同様の処理を行った。すなわち、5.7 %
重金属固定剤溶液(ユニセレックUML−8100、ユニチ
カ社製)を173 リットル/hr(溶融飛灰1kg に対して重金
属固定剤原液20g)で送液し、溶融飛灰と混練した(比較
例2)。
【0022】処理前の溶融飛灰及び実施例1、比較例
1、2で混練した処理溶融飛灰について、「産業廃棄物
に含まれる金属等の検定方法(昭和48年2月17日、環境
庁告示第13号)」に定める方法に従って、重金属類の溶
出試験を行い、「金属等を含む産業廃棄物に係る判定基
準を定める総理府令(昭和48年2月17日、総理府令第5
号)」に定める陸上埋立判定基準と比較するとともに、
10%水スラリー(処理溶融飛灰10g と水90g とを混合し
たもの)のpH及び処理溶融飛灰の含水率を測定した。そ
の結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】この結果より、処理前の溶融飛灰は、鉛、
六価クロムのそれぞれの溶出濃度が陸上埋立判定基準を
オーバーしていたが、溶融飛灰に硫酸バンド及び重金属
固定剤を添加して混練した実施例1については、鉛、六
価クロムのそれぞれの溶出濃度が陸上埋立判定基準を十
分にクリアーしていた。また、10%水スラリーのpHも10
付近で安定しているとともに、処理溶融飛灰の含水率も
17%台で取り扱い易い湿土状を保ち、安定していた。
【0025】これに対して、硫酸バンドだけを添加して
混練した比較例1については、10%水スラリーのpH及び
処理溶融飛灰の含水率は実施例1と比較して、ほとんど
差がなかった。しかし、鉛の溶出濃度については陸上埋
立判定基準を何とかクリアーしているが、十分に満足で
きるものではなかった。さらに、重金属固定剤だけを添
加して混練した比較例2については、鉛の溶出濃度は陸
上埋立判定基準をオーバーしていた。また、含水率は、
実施例1と比較して、ほとんど差がなかったが、10%水
スラリーのpHは、本発明における好ましい上限のpHを超
えていた。
【0026】
【発明の効果】本発明によれば、溶融飛灰中の重金属を
化学的に非常に安定な重金属キレート化合物にし、溶融
飛灰からの重金属の溶出を防止して、溶融飛灰を安定化
することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の溶融飛灰の無害化処理法の一例を示す
概略フロー図である。
【符号の説明】
1 溶融飛灰貯留タンク 2 第1混練機 3 硫酸バンド貯槽 4 pH調整槽 5 工業用水貯槽 6 第2混練機 7 重金属固定剤希釈槽 8 重金属固定剤貯槽 9 処理溶融飛灰貯槽

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融処理して得られた溶融飛灰に、硫酸
    バンドを添加し、次いで重金属固定剤を添加することを
    特徴とする溶融飛灰の安定化処理法。
JP6110286A 1994-04-25 1994-04-25 溶融飛灰の安定化処理法 Pending JPH07290026A (ja)

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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO1996037264A1 (en) * 1995-05-26 1996-11-28 Rmt, Inc. Method of treating arsenic-contaminated matter using aluminum compounds
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