JPH07289231A - 酒米原料処理方法 - Google Patents

酒米原料処理方法

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JPH07289231A
JPH07289231A JP10774194A JP10774194A JPH07289231A JP H07289231 A JPH07289231 A JP H07289231A JP 10774194 A JP10774194 A JP 10774194A JP 10774194 A JP10774194 A JP 10774194A JP H07289231 A JPH07289231 A JP H07289231A
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JP
Japan
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rice
drying
gutter
water
sake
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JP10774194A
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English (en)
Inventor
Satoru Satake
覺 佐竹
Shigeharu Kanemoto
繁晴 金本
Katsuyuki Kumamoto
勝行 熊本
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Satake Engineering Co Ltd
Original Assignee
Satake Engineering Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 アミロース含有率の高い低品位米や長粒種等
の外国産米を酒造米として使用し、清酒の製造コストを
大幅に低減する。 【構成】 アミロースの含有率が22%以上の白米を洗
米してから一次蒸煮したのち浸漬し、浸漬した前記白米
を二次蒸煮してら膨化乾燥する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、清酒の製造における酒
米原料処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】清酒は米を原料とし、麹菌によりデンプ
ンを糖化し、酵母によりアルコール醗酵させたものであ
る。その製造工程の概略は次のとおりである。原料の玄
米を精米して白米とし、糠を洗い去り、水に浸漬してか
ら蒸して蒸米を作る。蒸米から米麹を作り、この米麹と
水と酵母とから酒母を造る。これに蒸米と麹と仕込水と
を順次増量しつつ、3回に分けて仕込み醪を造る。醪と
は酒類の原料となる物質に醗酵させる手段を講じたもの
であり、清酒では濾過する前のものをいう。
【0003】通常、麹,蒸米、水は初添、仲添、留添の
三段階に分けて順次増量し、できるだけ低温(7〜18
℃)で清酒酵母を純粋に増殖させる。そして、麹中のデ
ンプンを糖化させ、同時に酵母で生成された糖分をアル
コール醗酵させる、いわゆる並行複醗酵を行う。アルコ
ール分18〜20%に達成した熟成醪を圧搾して新酒が
でき、この新酒を60〜65℃に加熱殺菌(火入れ)し
て貯蔵する。
【0004】この清酒の原料である酒造米は、タンパク
質分量が少なく、大粒で粒が充実して揃っている等が大
きな要件である。酒造好適米としては、山田錦、雄町、
五百万石、たかね錦、八反等が代表的なもので、農林水
産大臣が指定し、県毎に定められている。酒造好適米は
大粒で心白が多く、吸水が早く、酒米が弾力にとみ、酵
母菌がはぜ込みやすく、糖化されやすいという特徴があ
る。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】この酒造好適米は一般
米よりも高価であるとともに生産量も少ない。現在清酒
の消費量は横ばい傾向にあり、酒造好適米の使用は製造
コストを大幅に引上げる要因となっている。酒造好適米
でない一般内地米でも良好な清酒を製造することは可能
であるが、製造コストを大幅に引下げることはできな
い。そこで、価格の安い低品位米や長粒種等の外国産米
を、酒米として使用できれば製造コストの低減が可能と
なる。しかし、低品位米や長粒種等の外国産米はアミロ
ースの含有率が高い(22%以上)ため蒸米とした場
合、α化度が低く膨化度も低いため糖化及びアルコール
醗酵しにくいという欠点があり、低品位米や長粒種等の
外国産米を酒造米として使用することは不可能であっ
た。
【0006】この発明は上記の欠点を解消して、低品位
米や長粒種等の外国産米のアミロース含有率の高い米を
酒造米として使用して清酒の製造コストの大幅な低減を
可能とする、酒米原料処理方法を提供することを目的と
する。
【0007】
【課題を解決するための手段】アミロース含有率の含有
率が22%以上の白米を洗米してから一次蒸煮にしたの
ち浸漬し、浸漬した前記白米を二次蒸煮してから膨化乾
燥して酒米原料とする。
【0008】
【作用】白米を水洗いしてから一次蒸煮によりα化し、
α化した白米を浸漬してから二次蒸煮により再びα化
し、α化した白米を膨化乾燥する。
【0009】
【実施例】本発明の実施例を図面を参照しながら説明す
る。図1は本発明を実施した酒米原料処理装置のフロー
チャート、図2は酒米原料処理装置の構成図、図3は洗
米機の側断面図、図4は蒸煮機の側断面図、図5は回転
浸漬装置の側断面図、図6は振動搬送機の側断面図、図
7は流下式蒸煮機の側断面図、図8は横型乾燥装置の省
略側断面図、図9は横型乾燥装置の省略正断面図であ
る。
【0010】酒米原料処理装置1の洗米機2を蒸煮機3
を介して回転浸漬装置4に連絡し(図1、図2参照)、
回転浸漬装置4を、中継ホッパ5、ポンプ6、振動搬送
機7を介して流下式蒸煮機8に連絡して、流下式蒸煮機
8を振動搬送機9を介して横型乾燥装置10に連絡す
る。11は洗米機2で洗米された米粒に水分を添加する
加湿装置、12は振動搬送機7で排水された水を加温し
て再び回転浸漬装置4に供給する循環タンク、13は蒸
煮機3、流下式蒸煮機8及び循環タンク12に供給する
蒸気を発生させるボイラー、14は洗米機2に温水を供
給する場合に使用する温水タンク(通常は洗米機2には
常温水を供給する)である。
【0011】次に図3により洗米機2の構成を説明す
る。供給ホッパ15の下部に、横設した定量供給スクリ
ュー16を連絡し、定量供給スクリュー16はモータ1
7によって駆動されるとともに、その搬送終端を、竪軸
137に形成した送り込みスクリュー18に連絡する。
ほぼ垂直に立設した竪軸137を挿通する送り込み筒1
9と一次洗米筒20とを連続して上下に設け、上方の送
り込み19内に送り込みスクリュー18を、一次洗米筒
20内に撹拌翼21をそれぞれ竪軸17に軸着して設け
る。送り込みスクリュー18と撹拌翼21とは、竪軸1
7がモータ22によって回転されることにより回転す
る。
【0012】一次洗米筒20の下方には、軸受部23,
24によって回転自在に軸支される横送りスクリュー2
5を横設する。連結ホッパ26の下部を供給口27に連
絡し、横送りスクリューの排出端を排出樋28の排出口
29に連絡する。横送りスクリュー25を挿通する二次
洗米筒30と脱水筒31とを一体に連結し、二次洗米筒
30と脱水筒31とは回転自在に形成される。二次洗米
筒30に形成した溝部138と、両軸モータ32のプー
リ33とをVベルト34により連結し、他方のプーリ3
5とスクリュー軸36のプーリ37とをVベルト38に
より連結する。
【0013】次に図4により蒸煮機3の構成を説明す
る。蒸煮機3は立設した機枠39により内部を貯留室4
0に形成し、貯留室40の底部中央に横送スクリュー4
1を横設した排出樋42を設け、排出樋42の排出端に
排出口43を開口する。機枠39を固定する架台44内
にモーター45を取り付け、モータ45の軸に軸着した
プーリ46と横送りスクリュー41の軸に軸着したプー
リ47とをVベルト48により連結する。貯留室40の
下方に複数個の孔49を穿設する蒸気管50を横設し、
蒸気管50はボイラ13に連絡する。51は貯留室40
内の余剰な水分を機外へ排出する排水管である。
【0014】次に図5により回転浸漬装置4の構成を説
明する。回転浸漬装置4の機枠52内に無孔の回転筒体
53を横設し、回転筒体53の一方は、回転筒体53の
外周に取り付けた環状体54を介して支持輪55に回転
自在に支持され、他方は支持板56に取り付けた回転軸
57を介して軸受58に回転自在に支持される。回転筒
体53の内周壁に米粒を搬送する螺旋翼59を周設し、
回転筒体53の前方開口部60に供給口61を開口した
供給樋62を連絡する。回転筒体53の後方開口を排出
口63に形成し、排出口63に排出樋64を連絡する。
回転筒体63と支持板56は複数本の連結杆65により
連結されているため、米粒は連結杆65と連結杆65と
で形成される空間から排出樋64へ排出される。66は
回転筒体を回転させるモータであり、モータ66の軸に
軸着したプーリ67と回転軸57に軸着したプーリ68
とをベルト69により連結する。70は米粒の浸漬時に
回転筒体53から漏出する水を集める排水樋であり、排
水樋70に排水管71を連絡する。
【0015】次に図6により振動搬送機7の構成を説明
する。なお、振動搬送機9は振動搬送機7と同一の構成
であるため省略する。供給口72を開口した供給樋73
に搬送樋74を連結し、搬送樋74の下部を多孔壁の搬
送網75に形成する。搬送樋74の中間部に回動装置
(図示せず)により回動する仕切板76を設け、搬送樋
74の排出端に排出口77を開口する。搬送樋74下部
の一方はスプリング78、支脚79を介して架台80
に、他方はスプリング81を介して架台80にそれぞれ
連絡し、搬送樋74に振動装置82を連結する。搬送網
75の下方に排水樋83の排水室84を連絡し、排水樋
83に排水筒85を連結する。
【0016】次に図7により流下式蒸煮機8の構成を説
明する。立設した内部機枠86により内部を蒸煮室87
に形成し、蒸煮室87にバルブ板88Aを各2枚、バル
ブ板88Bを各5枚それぞれに横設する。バルブ板88
を複数の孔89を穿設したバルブ軸90に取り付け、バ
ルブ軸90に蒸気供給管91を接続する。92は圧縮空
気の作動によりバルブ板88を回動するトルクアクチュ
レータであり、93はトルクアクチュレータ92への圧
縮空気の供給及び停止を行う電磁弁制御装置である(図
1参照)。内部機枠86と外部機枠94とで形成される
空間を排水路95とし、排水路95には内部機枠86の
外壁及び外部機枠94の内壁に生じる結露水が排水され
るととともに、蒸気室87内の水分が排水管96を介し
て排水路95に排出される。蒸煮室87の上部を供給口
97に下部を排出樋98の排出口99にそれぞれ連絡
し、排水路95に排水口100を開口した排水樋101
を連絡する。また、140は蒸気室87に供給する蒸気
を追加熱するヒータであり、ヒータ140はバルブ軸9
0A,90Bに連絡する。
【0017】次に図8、図9により横型乾燥装置10の
構成を説明する。横型乾燥装置10の機枠141内に横
設した回転軸102に、連結杆103を介して多孔壁に
形成した回転乾燥筒104を連結する。回転軸102の
両端を軸受部105,106により支持し、回転軸10
2に軸着したプーリ107とモータ108に軸着したプ
ーリ109とをベルト110により連結する。回転乾燥
筒104の供給端に供給口111を開口した供給樋11
2を臨ませ、その排出端に排出口113を開口した排出
樋114を連絡するとともに、米粒(長粒種米)の層厚
を一定に保つ仕切板115を設ける。回転乾燥筒104
の内部空間を乾燥室116とし、回転乾燥筒104の内
周壁に米粒を搬送する螺旋翼116を周設する。乾燥室
135の下部に米粒を撹拌して結着を防止する撹拌装置
117を横設し、撹拌装置117はモータ118の回転
がベルト119等の伝達手段に伝達されることにより回
転される。
【0018】120はガスバーナ等の燃焼装置であり、
燃焼装置120は送風ファン121、給気室122を介
して回転乾燥筒104に連絡し、回転乾燥筒104は排
気室123、排気風路124及び排気ファン125を介
して排気管126に連絡する。排気室123を戻り風路
127を介して送風ファン121に連絡して循環風路を
形成し、戻り風路127に給気風路128を連絡する。
また、129,130は供給空気及び排出空気の調節を
行うダンパである。131は回転乾燥筒104から排出
される水分を集める排水樋であり、排水樋131に排水
管132を連結する。
【0019】次に上記構成における作用を説明する。供
給ホッパ15に投入された原料精白米(長粒種米でアミ
ロース含有率22%以上,含水率13.4%)は、定量
供給スクリュー16によって送り込み筒19内へ連続的
に一定量で供給(長粒種米)され、送り込み筒19内の
米粒は、送り込みスクリュー18によって下方の一次洗
米筒20へ送り込まれる。一次洗米筒20内の米粒は、
給水ノズル133から給水される洗米用水とともに撹拌
翼21によって撹拌され、この撹拌作用により米粒表層
部の糊粉層が水中に溶け出す。給水ノズル133から供
給される洗米用水は通常は常温水であるが、温水タンク
14から温水を供給して洗米を行ってもよい。一次洗米
を5〜6秒間で終了した水混じりの米粒は、一次洗米筒
20の下端から連結ホッパ26内に落下して供給口27
から二次洗米筒30内に流入する。高速回転する二次洗
米筒30により米粒と水とが撹拌されるとともに、二次
洗米筒30よりも高速で、かつ同方向に回転する横送り
スクリュー25により排出口29側へ搬送される。二次
洗米作用を約4秒間受けた米粒は、脱水筒31で遠水脱
水作用により、洗米済みの水とともにその付着水が除去
され、脱水された水は排水室139から排水樋134へ
流下してから機外へ排出される。脱水筒31を通過する
ことにより脱水された米粒(含水率15.3%)は、排
出口29から排出樋28を経て機外へ排出される。
【0020】洗米機2から排出された米粒は加湿装置1
1により水分が添加され、この水分添加により米粒の含
水率は20%に上昇する。
【0021】加湿装置11により水分添加された米粒は
蒸煮機3の貯留室40に投入され、貯留室40内を流下
する間に蒸気管50の孔49から噴出する蒸気により蒸
煮される。蒸気は蒸気管50から下向きに噴出される
が、蒸気は軽くて上昇する性質があるため、蒸気管50
より上に貯留される米粒であっても、米粒間を上昇する
蒸気により蒸煮される。なお、蒸気管50から噴出され
る蒸気の蒸気圧は3.0kgf/cmであり、米粒は
約10分間貯留して貯留室40内で蒸煮される。蒸煮の
終了した米粒(含水率は28.5%に上昇)は、横送ス
クリュー41により搬送されて排出樋42から排出口4
3を経て機外へ排出される。この蒸煮機3で一次蒸煮
(予備蒸煮)を行うことにより、次の浸漬工程での吸水
速度が速くなる。また、この一次蒸煮により米粒は部分
的にα化される。
【0022】蒸煮機3により蒸煮された米粒は、回転浸
漬装置4の供給口61から供給樋62を流下して回転筒
体53内に供給され、浸漬用水(72℃)は循環タンク
12から供給樋62に供給されて同様に回転筒体53内
に供給される。回転筒体53内に供給された米粒は、螺
旋翼59により回転筒体53内を排出側へ搬送されると
きに、温水により浸漬される。米粒は回転筒体53内を
約20分間浸漬され、浸漬の終了した米粒(含水率4
5.8%に上昇)は排出口63から排出樋63を流下
し、中継ホッパ5からポンプ6により振動搬送機7へ送
られる。このように、回転浸漬装置4で浸漬を行うこと
により、米粒は高水分となり、次の二次蒸煮でのα化が
速く進行するとともに、膨化が大きくなる。
【0023】米粒と水とは振動搬送機7の供給口72へ
投入され、供給樋73から搬送網75上へ落下してから
排出口77側へ流下される。その時、米粒は仕切板76
により一定時間振動網75上に滞留され、振動装置82
による振動作用により水切りが行われる。水切りされた
水は搬送網75の孔から排水室84に排出され、排水樋
83を流下して排水筒85から機外へ排出される。次工
程の流下式蒸煮機8の最上段の米粒が落下されると、回
動装置(図示せず)を作動させて仕切板76を回動させ
ることにより、水切りされた米粒は搬送樋74を流下し
て排出口77から機外へ排出される。
【0024】振動搬送機7で水切りされた米粒は、流下
式蒸煮機8の供給口97から蒸煮室87へ落下してバル
ブ板88B上に滞積され、滞積が終了するとバルブ板8
8Aが半転して、バルブ板88Aのバルブ軸90の孔8
9から噴射される蒸気により米粒層が蒸煮される。バル
ブ板88B上の米粒が所定時間蒸煮されると、バルブ板
88Bが半転して米粒がバルブ板88A上に落下して滞
積され、滞積が終了するとバルブ板88Bが半転して、
バルブ板88Bのバルブ軸90の孔89から噴射される
蒸気により米粒は蒸煮される。このようにバルブ板88
Aとバルブ板88Bとが交互に回転されることにより、
米粒は蒸煮されながら蒸煮室87内を流下する。なお、
バルブ板88を半転させた時に確実に米粒を落下できる
ように、米粒層の厚みはバルブ板88半径より小さく形
成する(本実施例においては約5cm)。また、蒸気の
温度は100℃、蒸気圧は7.5kgf/cm、蒸煮
時間は20分、蒸煮後の含水率は53.2%に上昇す
る。ところで、蒸煮室87を流下する米粒は、蒸煮によ
り表面が軟らかくなり米粒がたがいに結着し、蒸煮以後
の後工程での米粒の流れが悪くなってしまう。そこで、
流下式蒸煮機8に供給する蒸気の一部を加熱することに
よりこの結着を防止する。つまり、流下式蒸煮機8に供
給する蒸気の一部はヒータ140により追加熱され、加
熱された蒸気はバルブ軸90A,90Bの孔より蒸煮室
87内に供給される。蒸気がヒータ140に加熱される
ために相対温度が低下し、その相対温度の低下により比
較的乾燥した空気が米粒に供給される。それにより、米
粒表面が乾燥されて米粒どうしの結着が防止され、次工
程での米粒の流れが良好となる。そして、蒸煮の終了し
た米粒は排出樋98内を流下して排出口99から排出さ
れ、振動搬送機9へ供給されて水切りが行われると共
に、蒸煮により結着しやすくなった米粒のさばきが行わ
れる。また、この二次蒸煮により、米粒はほぼ完全にα
化される。
【0025】振動搬送機9により水切りが終了した米粒
は、横型乾燥装置10の供給口111に投入されてから
供給樋112を流下して乾燥室135内へ供給される。
乾燥室135内へ供給された米粒は、回転乾燥筒104
の螺旋翼116の回転に伴い乾燥室135内を移送さ
れ、その移送時に乾燥風により乾燥される。給気風路1
28から吸引された空気は燃焼装置120により加熱さ
れ、加熱された乾燥風は送風ファン121により給気室
122から乾燥室135へ噴出される。乾燥室135に
おいて米粒を乾燥した乾燥風は、排気室123から排気
風路124、排気ファン125を介して排気管126か
ら機外へ排出される。また、燃焼コストを低減させるた
め、ダンパ130とダンパ129とを調節して循環風路
を形成して乾燥風を再利用することも可能である。乾燥
室135は供給側より、第1乾燥ブロック136A、第
2乾燥ブロック136B、第3乾燥ブロック136C、
第4乾燥ブロック136D、第5乾燥ブロック136E
に区画され、それぞれの乾燥ブロック136の乾燥風の
温度は適度に調節される。つまり、乾燥初期は米粒の水
分が高いため比較的高温で乾燥し、乾燥終期は米粒の水
分が低いため、高温乾燥すると米粒が焼けるおそれがあ
るので、比較的低温で乾燥する。本実施例においては、
第1乾燥ブロック136Aの乾燥風の温度は275℃、
第2乾燥ブロック136Bは270℃、第3乾燥ブロッ
ク136Cは240℃、第4乾燥ブロック136Dは2
00℃、第5乾燥ブロック136Eは195℃にそれぞ
れ調節され、第1乾燥ブロック136A及び第2乾燥ブ
ロック136Bでは主として膨化作用が行われ、第3乾
燥ブロック136C、第4乾燥ブロック136D及び第
5乾燥ブロック136Eでは主として乾燥作用が行われ
る。第1乾燥ブロック136Aでは水切りが行われ、水
切りされた水は回転乾燥筒104の孔から排水され、排
水樋131を流下して排水管132から機外へ排出され
る。第5乾燥ブロック136Eでの乾燥が終了した米粒
は、仕切板115を乗り越えて排出樋115を流下し排
出口113から機外へ排出される。本実施例においては
横型乾燥機10における乾燥時間は約5分間であり、乾
燥終了後の米粒の含水率は6.3%である。
【0026】なお、蒸煮機3,8における蒸気圧力及び
蒸煮時間、浸漬装置4における水温及び浸漬時間、乾燥
装置10における乾燥風の温度及び乾燥時間、米粒の仕
上げ含水率は本実施例の数値に限られず種々に設定可能
である。
【0027】そして、この膨化乾燥米の一部を水分35
%前後に加水後冷却し、種麹を接種してから製麹を行
う。他の膨化乾燥米は放冷後掛米とし、水と麹を加え、
さらに酵母を加えて酒母を造る。酒母に掛米と麹と水と
を順次増量しつつ3回に分けて仕込み(添仕込み、仲仕
込み、留仕込み)を行い醪をつくる。酒米及び醪のなか
で米デンプンの麹による糖化と、生成した糖分の酵母に
よるアルコール醗酵とが同時に進行する(並行複醗
酵)。アルコール分が18〜20%に達した熟成した醪
を圧砕して新酒ができ、その新酒を60〜65℃に加熱
殺菌(火入れ)して貯蔵する。
【0028】上記の実施例のように、アミロース含有率
が22%以上の白米を一次蒸煮してから浸漬したのち二
次蒸煮を行うことにより、α化が早くまたα化度が大き
く進行すると共に膨化も大きくなる。α化度が大きいた
めアミロース含有率が22%以上の白米でも麹による米
デンプンの糖化が促進されるとともに、膨化が大きいた
め酵母が米粒に浸漬しやすくなり、糖分の酵母によるア
ルコール醗酵が促進される。そのため、アミロース含有
率が高いために、従来不可能とされていた低品位米や長
粒種等の外国産米の酒米原料処理が可能となり、それに
より酒米の製造コストの大幅な低減が可能となる。
【0029】なお実施例においては、米として長粒種米
を使用したが、これに限られず、低品位米や短粒種米や
中粒種米でアミロース含有率が22%以上の米にも実施
することができる。
【0030】
【発明の効果】本発明における長粒種米の酒米原料化方
法によれば、アミロースの含有率が22%以上の白米を
洗米してから一次蒸煮したのち浸漬し、浸漬した前記白
米を二次蒸煮してから膨化乾燥する構成により、アミロ
ース含有率の高い低品位米や長粒種等の外国産米のα化
が速くまたα化度が大きく進行すると共に膨化も大きく
なるため、低品位米や長粒種等の外国産米でも麹による
米デンプンの糖化及び糖分の酵母によるアルコール醗酵
が促進される。そのため、アミロース含有率が高いため
に、従来不可能となされていた低品位米や長粒種等の外
国産米の酒米原料処理が可能となり、それにより清酒の
製造コストの大幅な低減が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した酒米原料処理装置のフローチ
ャート。
【図2】酒米原料処理装置の構成図。
【図3】洗米機の側断面図。
【図4】蒸煮機の側断面図。
【図5】回転浸漬装置の側断面図。
【図6】振動搬送機の側断面図。
【図7】流下式蒸煮機の側断面図。
【図8】横型乾燥装置の省略側断面図。
【図9】横型乾燥装置の省略正断面図。
【符号の説明】
1 酒米原料処理装置 2 洗米機 3 蒸煮機 4 回転浸漬装置 5 中継ホッパ 6 ポンプ 7 振動搬送機 8 流下式蒸煮機 9 振動搬送機 10 横型乾燥装置 11 加湿装置 12 循環タンク 13 ボイラー 14 温水タンク 15 供給ホッパ 16 定量供給スクリュー 17 モータ 18 送り込みスクリュー 19 送り込み筒 20 一次洗米筒 21 撹拌翼 22 モータ 23 軸受部 24 軸受部 25 横送スクリュー 26 連結ホッパ 27 供給口 28 排出樋 29 排出口 30 二次洗米筒 31 溝部 32 両軸モータ 33 プーリ 34 Vベルト 35 プーリ 36 スクリュー軸 37 プーリ 38 Vベルト 39 機枠 40 貯留室 41 横送りスクリュー 42 排出樋 43 排出口 44 架台 45 モータ 46 プーリ 47 プーリ 48 Vベルト 49 孔 50 蒸気管 51 排水管 52 機枠 53 回転筒体 54 環状体 55 支持輪 56 支持板 57 回転軸 58 軸受 59 螺旋翼 60 開口部 61 供給口 62 供給樋 63 排出口 64 排出樋 65 連結杆 66 モータ 67 プーリ 68 プーリ 69 ベルト 70 排水樋 71 排水管 72 供給口 73 供給樋 74 搬送樋 75 搬送網 76 仕切板 77 排出口 78 スプリング 79 支脚 80 架台 81 スプリング 82 振動装置 83 排水樋 84 排水室 85 排水筒 86 内部機枠 87 蒸煮室 88 バルブ板 89 孔 90 バルブ軸 91 蒸気供給管 92 トルクアクチュレータ 93 電磁弁制御装置 94 外部機枠 95 排水路 96 排水管 97 供給口 98 排出樋 99 排出口 100 排水口 101 排水樋 102 回転軸 103 連結杆 104 回転乾燥筒 105 軸受部 106 軸受部 107 プーリ 108 モータ 109 プーリ 110 ベルト 111 供給口 112 供給樋 113 排出口 114 排出樋 115 仕切板 116 螺旋翼 117 撹拌装置 118 モータ 119 ベルト 120 燃焼装置 121 送風ファン 122 給気室 123 排気室 124 排気風路 125 排気ファン 126 排気管 127 戻り風路 128 給気風路 129 ダンパ 130 ダンパ 131 排水樋 132 排水管 133 給水ノズル 134 排水樋 135 乾燥室 136 乾燥ブロック 137 竪軸 138 溝部 139 排水室 140 ヒータ 141 機枠

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミロースの含有率が22%以上の白米
    を洗米してから一次蒸煮したのち浸漬し、浸漬した前記
    白米を二次蒸煮してから膨化乾燥することを特徴とする
    酒米原料処理方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104946472A (zh) * 2015-07-28 2015-09-30 李进洪 一种方便糯米甜酒及其制备方法
WO2019225606A1 (ja) * 2018-05-21 2019-11-28 三菱ケミカル・クリンスイ株式会社 種子の発芽方法、植物の栽培方法、種子及び種子の製造方法、並びに米

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