JP7146182B2 - 糠の製造方法及び糠 - Google Patents

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Description

本発明は出発原料を玄米とし、過熱蒸気処理を使った製法により製造した早炊き米の副産物である糠に関する。
従来、米を炊飯する前に洗米したり研がなくてもよい便利で手間いらずな米として無洗米が知られている。また、米を水に浸けて浸漬する時間を設けなくてもよい無浸漬米も知られている。
無洗米の製法の一例として、特許文献1に記載されているものは、乾式摩擦精米機を使用して90乃至92%の歩留りに精白した白米を、さらに湿式摩擦精米機を使用して90%以下の歩留りに精白し、次いでこの白米を14.5%乃至16%の水分含水率に調湿し、さらに高温蒸気又は加熱蒸気によって白米粒面の薄層を糊化させることを特徴とするものである。
これにより、水中に浸漬しても水中亀裂を生じないで直ちに加熱炊飯できる。また、水が濁らないので無浸漬無洗米による即席炊飯を達成できるという効果がある。
このほか、無浸漬米の製法の一例として、特許文献2に記載されているものは、含水率が18~20%となるよう一時間当たり0.2~1.0%の加湿率で加湿した後、一時間当たり0.13~1.17%の乾減率で乾燥することで、内部を多孔質にして水分活性の値を0.8以下にする、というものである。
これにより、米粒内部が多孔質になっているので吸水速度が速く短時間で吸水することができ、無浸漬による炊飯が可能となるものである。
しかしながら、上記特許文献1、2の技術は、いずれも、出発原料として精白米から加工を行っているため以下のような問題点があった。
1.糠が除去された精白米は、米粒表面に脂肪や酸化酵素を多く含んでおり、日数が経過すると脂質が酸化してしまい、精白米の食味を低下させてしまう。
2.精白米は、玄米の糠層に含まれているビタミンE、フィチン酸、γ-アミノ酪酸(GABA)、フェルラ酸などを捨てていることとなり、玄米に保有されている機能性成分や栄養価が損なわれることになる。
特公平4-40978号公報 特開2007-111044号公報
本発明は上記問題点にかんがみ、玄米の糠層に含まれているビタミンE、フィチン酸、γ-アミノ酪酸(GABA)、フェルラ酸等の機能性成分や栄養価を有効活用することを技術的課題とする。
上記課題を解決するため本発明は、
あらかじめ水分調整した玄米に胴割れが生じない微量な加水量によって加水を行い、圧力制御を行うことなく、加水後の前記玄米に200℃~400℃の範囲に過熱した過熱蒸気を照射して過熱処理を行い、前記照射の時間を5~10秒とし、前記玄米の水分を18~27%に調製し、次いで、その玄米を冷却乾燥して水分調整を行った後に精米することでAV値が15.6以下であって、精米後のAV値上昇が抑えられた糠を得ることを特徴とする糠の製造方法とした。
請求項2記載の発明は、あらかじめ水分調整した玄米に胴割れが生じない微量な加水量によって加水を行い、圧力制御を行うことなく、加水後の前記玄米に200℃~400℃の範囲に過熱した過熱蒸気を照射して過熱処理を行い、前記照射の時間を5~10秒とし、前記玄米の水分を18~27%に調製し、次いで、その玄米を水分の高いまま精米することでAV値が15.6以下であって、精米後のAV値上昇が抑えられた糠を得ることを特徴とする糠の製造方法とした。
請求項3記載の発明は、前記微量な加水量によって加水を行う工程が、原料玄米の含水率14%程度のものを、胴割れが生じないように加水速度:0.25~2.0(%/H)、時間:1~24時間かけて、最終の含水率を16~25%に調製するものである。
本発明によれば、最初の加水処理では、玄米の胚芽や糠層に存在するグルタミン酸がグルタミン脱炭酸酵素の作用によりグルタミン酸がGABA(γ―アミノ酪酸)に転換してGABA含有量を増加させるので、機能性成分や栄養価が高めに保持されたものとなっている。
さらに、次の玄米表層部の過熱処理では、処理後に酸化酵素が失活して脂質が酸化しにくくなっており、精米後の日数が経過したとしても、糠のAV値上昇を抑制することができる
そして、請求項2記載のように、最終工程に玄米水分の高いまま精米を行った後に乾燥する処理を設け、高水分に調質済みの玄米を精米するので、玄米に弾力性があり、これを精米しても砕粒が発生しにくく、歩留りが向上するというメリットがある。
請求項3記載の発明によれば、前記微量な加水量によって加水を行う工程が、原料玄米の含水率14%程度のものを、胴割れが生じないように加水速度:0.25~2.0(%/H)、時間:1~24時間かけて、最終の含水率を16~25%に調製するから、胴割れを抑制しながら機能性成分や栄養価を高めに保持させることができる。
また前記過熱蒸気を照射して過熱処理を行う工程が、温度領域として200℃~400℃の範囲の過熱蒸気を用い、過熱蒸気の照射時間を5~10秒とし、玄米の水分を18~27%に調製するから、より効果的に精米後の食味低下を抑制することができる。
本発明の第一実施形態による早炊き米の製造方法における製造フロー図である。 本発明の第二実施形態による早炊き米の製造方法における製造フロー図である。 本発明の早炊き米の製造方法を具体化した製造装置のフロー図である。
本発明を実施するための形態を図面を参照しながら説明する。図1は本発明の第一実施形態による早炊き米の製造方法における製造フロー図であり、図2は本発明の第二実施形態による早炊き米の製造方法における製造フロー図である。
[第一実施形態]
図1に基づき本発明の第一実施形態について説明する。図1に示すように本発明における原料米は、一般に市販・流通されている玄米であって、水分量が15%以下(好ましくは14%前後)であればよく、特に品種の制約はない。
ステップS1:微量加水工程
この微量加水工程は、後に続く過熱蒸気処理工程に先立って、原料玄米に胴割れが生じないよう微量な加水量によって米粒中心部まで吸水を行う工程である。この吸水処理では、玄米の胚芽や糠層に存在するグルタミン酸がグルタミン脱炭酸酵素の作用によりグルタミン酸がGABA(γ―アミノ酪酸)に転換してGABA含有量を増加させ、これを胚乳部に移行させる処理である。この処理を行う装置としては従来公知の微量加水ノズルを内装した回転ドラム式の加水装置や、一定の温度及び湿度に調整した恒温恒湿槽を利用することができる。微量加水ノズルを内装した回転ドラム式の加水装置は、例えば、本出願人らによる、特許第4409879号の図3に開示されたものを用いるとよい。
この原料玄米への微量加水工程では、原料玄米の含水率14%程度のものを、胴割れが生じないように長時間かけて(例えば、加水速度:0.25~2.0(%/H)、時間:1~24時間)、最終の含水率を16~25%に調製するものである。
ステップS2:過熱蒸気処理工程
本工程は、前記ステップS1で得られる調質された玄米の表層部を過熱加工するために行うものであり、例えば、本出願人による、国際公開WO2017/033877号公報の過熱蒸気殺菌装置を利用することができる。好ましくは同公報の図1の過熱殺菌部を利用することができる。この装置では、玄米が螺旋スクリューにより横方向に移送されるときに、過熱蒸気ノズルから供給される過熱蒸気により玄米表層部が過熱される。過熱蒸気とは、水蒸気を100℃以上に過熱した過熱蒸気(乾いた過熱空気)であり、例えば、温度領域として200℃から400℃の範囲であり、好ましくは、250℃程度がよい。また、過熱蒸気を照射する時間としては、5~10秒とするのがよい。玄米への過熱蒸気の照射により、この工程において玄米の水分は18~27%となる。この過熱処理により、玄米表層部の軟質化作用、玄米の表層部に付着する細菌の殺菌作用、玄米に含まれる加水分解酵素であるリパーゼの失活作用、玄米を精白した後の精白米の酸化抑制の効果を奏する。
ステップS3:冷却・乾燥処理工程
次にステップS3では、冷却・乾燥工程に至る。冷却・乾燥工程は上記国際公開WO2017/033877号公報の図1の穀粒冷却部を利用することができる。この装置では、穀粒がスクリーン筒内に供給され、吸引ファンの駆動による外気の取り込みや、撹拌部材による撹拌作用によって粗熱をとるように冷却・乾燥処理が行われる。
また、穀粒の粒間に挟まった異物や小石などはスクリーン筒の網目から漏出させて機外排出することができる。冷却後の穀粒は排出口を経て機外に排出される。
前記冷却・乾燥処理においては温度が40~50℃の空気を、5~10時間かけて送風し、玄米の水分を15~16%に調製される。前記穀粒冷却部の送風量、時間などの冷却能力が足りない場合は、別途、後工程に周知の比重選別機、石抜き機、シフター、循環式乾燥機などを配置するなどして冷却・乾燥処理を向上させるための仕上げ調製機を補助的に設けるとよい。
ステップS4:精米処理工程
本工程のステップS4では、ステップS3(冷却・乾燥処理工程)で得られた調質済みの玄米を精米するものである。精米は研削式、摩擦式、撹拌式のいずれの方式でもよく、また、竪型、横型、傾斜型などの形式も特に限定されない。
例えば、摩擦式の横型精穀機であれば、玄米は精穀機内にある精白室に送られ、摩擦式精白転子の回転や精白室の外周部を形成する金網によって粒粒摩擦作用を受ける。精白室の排出口側には外部抵抗が設けられ、排出口が押圧されているので、精白室内が適度の圧力になり、精米処理が行われる。すなわち、玄米から剥離された糠や胚芽は、前記金網の外側に漏出して機外排出され、排出口からは精品となる精白穀粒(精白米)が排出されることになる。
なお、ステップS4の精米処理工程の後工程には、精白米表面に付着した微細な糠を除去するために周知の無洗米処理工程を設けてもよい(図示せず)。この無洗米処理工程には、乾式(研米式)の無洗米処理装置や湿式の無洗米処理装置など適宜採用することができる。
このようにして得られる精白米は、例えば、精米歩留90%の場合、玄米の糠層や胚芽に含まれるビタミンE、フィチン酸、γ-アミノ酪酸(GABA)、フェルラ酸が上記ステップS1の処理によって富化されて胚乳内に移行し、胚乳内に蓄積されることとなる。よって、出発原料を精白米として加工したもの(従来技術)と比べると、機能性成分や栄養価が高めに保持されたものとなっている。
さらに、上記ステップS2の処理によって米粒表面部の過熱処理が施され、玄米の表層部分のみが軟質化(又はアルファ化)されたものとなるから、水中に浸漬して直ちに加熱炊飯することができ、吸水速度も速いので無浸漬による即席炊飯が達成できる効果がある。
加えて玄米の表層部の過熱処理により、酸化酵素が失活して脂質が酸化しにくくなっており、精米後の日数が経過したとしても、精白米の食味の低下を抑制することができる。
その他の付随効果としては、以下のことが挙げられる。
1.精穀機から排出される糠は酸化酵素が失活して脂質が酸化しにくくなっているから、糠を直ちに回収する必要がなく、精米工場で一定期間保存することができる。つまり、糠が腐敗したり臭気が発生しにくくなっているから、糠を再利用する業者にとっては計画的な糠回収が可能となるメリットがある(例えば、糠から米油を搾油する米油メーカや漬物メーカなどにとって恩恵がある。)。
2.精穀機から排出される糠は酸化酵素が失活して脂質が酸化しにくくなっているから、糠中に遊離脂肪酸が少なくなっているために、糠から米油を搾油する際に米油精製収量の向上が見込める。
3.精穀機から排出される糠は酸化酵素が失活して脂質が酸化しにくくなっているから、減菌処理することなく糠をそのまま食用に使うことができるメリットがある。
[第二実施形態]
次に、図2に基づき本発明の第二実施形態について説明する。なお、図1と同様の部分については説明を省略し、主に異なる部分について説明する。
第二実施形態は、第一実施形態におけるステップS3:冷却・乾燥処理工程の仕上げ水分が異なる。図2を参照すれば、第二実施形態におけるステップ3:冷却・乾燥処理工程では仕上げ水分を18%程度と高めに仕上げることができる。この冷却・乾燥処理工程では温度が40~50℃の空気を、3~7時間かけて送風することで、玄米の水分を18%程度に高めに調製される。
ステップS5:ウエットミリング(wet milling,高水分精米)処理工程
本工程のステップS5では、ステップS3で得られた高水分で調質済みの玄米を精米するものである。図2のステップS3で排出される玄米は水分量が多いために弾力性があるから、これを精米しても砕粒が発生しにくく、歩留りが向上するようになる。第一実施形態と同様に精米方式、形式は特に限定されない。
ステップS6:乾燥工程
本工程では、ウエットミリング処理工程で精米された精白米を、公知の乾燥機を用いて温風乾燥を行い、水分を14~15%に調製するものである。
このようにして得られる精白米は、第一実施形態と同様、機能性成分や栄養価が高めに保持されたものとなっている。しかも、精米時の砕粒の発生が減少し、歩留りが向上するというメリットがある。
本発明の早炊き米の製造装置につき、図3に基づき説明する。図3は本発明の早炊き米の製造方法を具体化した製造装置のフロー図である。
図3において、早炊き米の製造装置100は、前述のように加水装置200、過熱蒸気処理装置300、冷却乾燥装置400及び精米装置500から構成される。
加水装置200は、筒部の中心を軸心として回転可能に形成するとともに長尺方向の傾斜角度を変更可能とした回転ドラム201と、該回転ドラム201を載置する架台202と、前記回転ドラム201内に米粒を投入するための米粒投入ホッパ203と、該米粒投入ホッパ203に連絡して回転ドラム201内に水を供給するための加水部204と、前記回転ドラム201からの米粒を排出するための流下樋205と、から主要部が構成される。
前記回転ドラム201を載置する架台202上には、回転ドラム201の筒部の長尺方向中間部を支持し、かつ、長尺方向の傾斜角度を変更することが可能な支点206を設けるとともに、前記回転ドラム201の一端側を上下動させて長尺方向の傾斜角度を変更することが可能なジャッキ207が設けられている。このジャッキ207の駆動により、支点206を中心にして、回転ドラム201の傾斜角度が例えば、0°(水平位置)から10°まで変更可能となる。これにより、回転ドラム201へ投入された米粒の滞留量又は流量を増減制御することができる。そして、回転ドラム201の架台202上には、回転ドラム201を軸心を中心に回転させるギアモータ208が設けられている。
前記回転ドラム201の筒形状は、円筒形状であっても、多角筒形状であってもよいが、米粒投入ホッパ203から投入された米粒と加水部204から供給された水とを混合・撹拌させるため、撹拌効果の高い形状、すなわち、多角筒形状を採用するのが好ましい。また、撹拌効果の弱い円筒形状を採用する場合にあっては、円筒内部に撹拌部材を配設するのが望ましい。
過熱蒸気処理装置300は、機枠301上部に横設された過熱蒸気処理部302と機枠301下部に横設された穀粒冷却部303とにより構成される。
過熱蒸気処理部302は、横型筒状部304内に回転可能に配置された螺旋スクリュー305、穀粒を撹拌する多数の撹拌羽根からなる撹拌部材306、及び横型筒状部304の上部に多数設置した過熱蒸気ノズル307を備えている。
前記横型筒状部304には、その一端側上部に穀粒供給口308を、他端側下部に穀粒排出口309をそれぞれ開口するとともに、穀粒供給口308に供給シュート310を接続し、穀粒排出口12には排出シュート311を接続する。そして、該排出シュート311からは、ロータリーバルブ312等を介して次工程の穀粒冷却部303に連絡する。
穀粒冷却部303は、多数のスリットからなるスクリーン筒313と、該スクリーン筒313内に横架した撹拌部材314と、螺旋スクリュー315と、前記スクリーン筒313内に冷却用の風を通風させるための吸引ファン316とを備えて主要部が形成される。
前記スクリーン筒313には、その一端側上部に穀粒供給口317を、他端側下部に穀粒排出口318をそれぞれ開口するとともに、穀粒排出口318には冷却済の穀粒を機外に排出する排出シュート319を接続する。
この穀粒冷却部303は、過熱蒸気処理部302により過熱蒸気処理が行われた穀粒を、その熱を冷ますためにスクリーン筒313内に供給するとともに、吸引ファン316を駆動して外気取り入れ口320からスクリーン筒313内に外気を取り込み、かつ、撹拌部材314によって撹拌を行うものである。これにより、穀粒間にこもった熱が奪われて冷却が行われるようになる。また、穀粒の粒間に挟まった異物や小石などがスクリーン筒313の網目から漏出するようになるので、穀粒から異物や小石を分別して機外に排出することもできる。すなわち、スクリーン筒313の下方には、穀粒から分別した異物や小石を回収して機外に排出するための異物回収樋321を取り付けておく。
冷却乾燥装置400は、米粒を貯留する貯留タンク部401、米粒を低湿度の風により乾燥させる乾燥部402及び米粒を機外に排出する排出部403を重設した構成である。
乾燥部402は、多孔板402a,402aにて形成される米粒流下路402b,402bを左右一対設け、この一対の米粒流下路402b,402bで囲まれる空間に、低湿度空気を前記米粒流下路402b,402bに向けて送給するための空気供給口402cが設けられ、米粒流下路402b,402bと乾燥部402の機枠とで囲まれる空間に、各米粒流下路402b,402bを通過した空気を機外に排風する排風路402d,402dがそれぞれ設けられている。該排風路402d,402dには排風ファン(図示せず)が接続してあり、該排風ファンの作動により米粒流下路402b,402bを通過した空気を機外に排風する構成にしてある。
排出部403は、各米粒流下路402b下端に配置したロータリーバルブ403a,403aと、該ロータリーバルブ403a,403aから繰り出された米粒を集合させる漏斗部403b,403bと、該漏斗部403b,403bによって集合された米粒を機外に搬送する下部スクリュー403cとから構成されている。なお、別途昇降機などの搬送部を設けて排出部403と貯留タンク部401とを連絡し、米粒を再乾燥することができる構成としてもよい。
冷却乾燥装置400の後段には、搬送装置404が配置されており、搬送装置404からは精米装置500に至る配管405が配置されている。
精米装置500は、米粒を一時貯留する貯留タンク部501と、該貯留タンク部501からの米粒を横搬送する送穀部502と、該送穀部502により横搬送された米粒を精穀する精穀部503と、該精穀部503により精穀された米粒を排出する排米部504と、前記精穀部503での精穀により剥離された糠を集糠する集糠部505とを備えた構成である。
前記送穀部502は、ハウジング502a内で軸受502b,502bにより回転自在に支持された回転軸502cの一端側に搬送螺旋502dを取り付けた構成であり、貯留タンク部501から流下された米粒を精穀部503に向けて搬送できる構成となっている。
精穀部503は、横設した多孔壁除糠精白筒503a内に、前記回転軸502cの他端側に取り付けた精白転子503bを回転可能に配置した構成であり、前記多孔壁除糠精白筒503aの内側にあって前記精白転子503bとの間隙を精白室503cとなし、前記除糠精白筒503aの外側を除糠室503dに形成してある。そして、前記除糠室503dと連通する前記精穀部503の下方側に精米により剥離された糠を集糠する集糠部505が形成される。
前記精白転子503bは中空状となし、噴風が放出されるような噴風孔503eが多数形成され、精白転子503b周面には撹拌突起503fが設けられている。これにより、米粒が精穀部503に供給されると、多孔壁除糠精白筒503a及び精白転子503bにより、米粒どうしの粒々摩擦が行われる。このとき、米粒表面の薄層を剥離することで除糠が行われ、米粒は排米部504から機外に排出され、糠は集糠部505から機外に排出されることになる。
なお、第二実施形態のウェットミリング処理工程を設けるものであれば、精米装置500から排出される製品を冷却乾燥装置400に再度供給して仕上げ乾燥させるとよい。以下、本発明の好適な実施例について説明する。
<実施例1>
実施例1では、本発明の製法により、従来よりも機能性成分や栄養価が高めに保持された早炊き米となっているか否かの確認試験を行った。
平成28年日本産(短粒種)うるち玄米を使用し本発明の製法により製造した早炊き米(実施例1)と、平成28年日本産(短粒種)うるち精白米を使用して従来の製法により製造した早炊き米(比較例)とを比較した。ギャバ値の測定は、高速液体クロマトグラフ-アミノ酸分析システム(株式会社島津製作所製)によった。
そのときの、機能性成分や栄養価の測定結果を表1に示す。
Figure 0007146182000001

表1によれば、本発明の製法(実施例1、出発原料が玄米)により製造した早炊き米の100g中のギャバ値は18.3mgであったのに対し、従来の製法(比較例、出発原料が精白米)により製造した早炊き米の100g中のギャバ値は1.0mgであった。また、その他の栄養価成分であるビタミンE(α-トコフェロール)及びフィチン酸も本発明の製法(実施例1)によるものが高い傾向にあった。
<実施例2>
実施例2では、出発原料を玄米とし、過熱蒸気処理を使った製法により製造した早炊き米の副産物である糠(実施例2)と、出発原料を玄米とし、過熱蒸気処理を使わない製法により製造した早炊き米の副産物である糠(比較例)とを比較し、成分に違いがあるか否かを検証した。
そのときの、成分の比較結果を表2に示す。
Figure 0007146182000002

表2によれば、過熱蒸気処理を使った製法により製造した早炊き米の副産物である糠のほうが、油分が高く、酸価も低いことが分かった。
<実施例3>
実施例3では、出発原料を玄米とし、過熱蒸気処理を使った製法により製造した早炊き米の副産物である糠(実施例3)と、出発原料を玄米とし、過熱蒸気処理を使わない製法により製造した早炊き米の副産物である糠(比較例)とを比較し、経過日数と酸価の比較に違いがあるか否かを検証した。
そのときの、比較結果を表3に示す。
Figure 0007146182000003
表3によれば、過熱蒸気処理を使った製法により製造した早炊き米の副産物である糠のほうが、酸価上昇が抑えられ、保存期間21日を経過したときでも低いことが分かる。
以上のように本発明の製法により製造した早炊き米は、従来のものに比べて、機能性成分や栄養価が高めに保持されたものとなっている。
さらに、玄米の表層部の過熱処理により、酸化酵素が失活して脂質が酸化しにくくなっており、精米後の日数が経過したとしても、精白米の食味の低下を抑制することができる。しかも、吸水時間が速く、洗米及び浸漬処理を不要とした炊飯が可能である。
その他の付随効果として、
1.精穀機から排出される糠は酸化酵素が失活して脂質が酸化しにくくなっているから、糠を直ちに回収する必要がなく、精米工場で一定期間保存することができる。つまり、糠が腐敗したり臭気が発生しにくくなっているから、糠を再利用する業者にとっては計画的な糠回収が可能となるメリットがある(例えば、糠から米油を搾油する米油メーカや漬物メーカなどにとって恩恵がある。)。
2.精穀機から排出される糠は酸化酵素が失活して脂質が酸化しにくくなっているから、糠中に遊離脂肪酸が少なくなっているために、糠から米油を搾油する際に米油精製収量の向上が見込める。
3.精穀機から排出される糠は酸化酵素が失活して脂質が酸化しにくくなっているから、減菌処理することなく糠をそのまま食用に使うことができるメリットがある。
等の作用・効果がある。
本発明によれば、従来に比して機能性成分や栄養価が高めに保持され、しかも、玄米の表層部の過熱処理により、酸化酵素が失活して脂質が酸化しにくくなっており、精米後の日数が経過したとしても、精白米の食味の低下を抑制することができる早炊き米を量産でき、極めて有用である。
S1 微量加水工程
S2 過熱蒸気処理工程
S3 冷却・乾燥処理工程
S4 精米処理工程
100 早炊き米の製造装置
200 加水装置
300 過熱蒸気処理装置
400 冷却乾燥装置
500 精米装置

Claims (3)

  1. あらかじめ水分調整した玄米に胴割れが生じない微量な加水量によって加水を行い、圧力制御を行うことなく、加水後の前記玄米に200℃~400℃の範囲に過熱した過熱蒸気を照射して過熱処理を行い、前記照射の時間を5~10秒とし、前記玄米の水分を18~27%に調製し、次いで、その玄米を冷却乾燥して水分調整を行った後に精米することでAV値が15.6以下であって、精米後のAV値上昇が抑えられた糠を得ることを特徴とする糠の製造方法。
  2. あらかじめ水分調整した玄米に胴割れが生じない微量な加水量によって加水を行い、圧力制御を行うことなく、加水後の前記玄米に200℃~400℃の範囲に過熱した過熱蒸気を照射して過熱処理を行い、前記照射の時間を5~10秒とし、前記玄米の水分を18~27%に調製し、次いで、その玄米を水分の高いまま精米することでAV値が15.6以下であって、精米後のAV値上昇が抑えられた糠を得ることを特徴とする糠の製造方法。
  3. 前記微量な加水量によって加水を行う工程は、原料玄米の含水率14%程度のものを、胴割れが生じないように加水速度:0.25~2.0(%/H)、時間:1~24時間かけて、最終の含水率を16~25%に調製するものである請求項1又は2記載の糠の製造方法。
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