JPH07289209A - 子持ち昆布漬辛子明太子及びその製造方法 - Google Patents

子持ち昆布漬辛子明太子及びその製造方法

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JPH07289209A
JPH07289209A JP6110437A JP11043794A JPH07289209A JP H07289209 A JPH07289209 A JP H07289209A JP 6110437 A JP6110437 A JP 6110437A JP 11043794 A JP11043794 A JP 11043794A JP H07289209 A JPH07289209 A JP H07289209A
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kelp
pepper
kombu
pollack
mentaiko
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JP6110437A
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English (en)
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Kouhachirou Morita
耕八郎 森田
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MORITAYA KK
Original Assignee
MORITAYA KK
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 唐辛子や化学調味料をまぶしたスケトウダ
ラの卵巣を、子持ち昆布とともに化学調味料その他の添
加剤が添加された調味液に浸漬し熟成させ、見栄えや歯
触りが良く高品質な子持ち昆布漬辛子明太子を安定した
品質でかつ低原価で量産することができる付加価値の高
い今までにない全く新規な子持ち昆布漬辛子明太子の提
供。 【構成】 本発明の子持ち昆布漬辛子明太子は、唐辛子
をまぶしたスケトウダラの卵巣を、所定塩分濃度に塩抜
きした子持ち昆布とともに、化学調味料その他の添加剤
が添加された調味液に浸漬後、熟成してなる構成を有し
ている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、唐辛子をまぶしたスケ
トウダラの卵巣を、所定塩分濃度に塩抜きした子持ち昆
布とともに、化学調味料その他の添加剤が添加された調
味液に浸漬後、熟成してなる子持ち昆布漬辛子明太子と
その製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、魚卵は栄養価に優れ、かつ風味が
良いことから種々加工され珍味として食用に供されてい
る。特に、スケトウダラの卵であるタラコは、かまぼこ
等のネリ製品の原料であるスケトウダラが多獲されるこ
とから入手し易く廉価であるので一般的に広く親しまれ
ている。従来のタラコはスケトウダラの卵巣を塩蔵した
ものであったが、最近はこれに更に唐辛子を加えて塩蔵
し辛子明太子として市販されている。しかしながら辛子
明太子は辛子の辛さが強すぎたり、また保存性に欠ける
ことから、更に、これらの改良がなされるとともに、タ
ラコを素材とした新製品の開発がなされている。
【0003】例えば、(1) 特開昭51−63960号公
報(以下、イ号公報と称す)には、「中空円錐形状に幾
重にも巻きつけて結縛した昆布巻の内部に、ばらのたら
子を緻密に充填して味付及び加熱を施し、昆布の膨張に
よって一体的に集結した昆布巻たら子の製法。」が開示
されている。 (2) 特公昭62−42592号公報(以下ロ号公報と称
す)には、「スケトウダラの卵を酒や水、味醂、化学調
味料を用いて塩抜きした後、更に化学調味料、粉末唐辛
子、細切昆布をふりかけてその表面に塗布する昆布入り
辛子明太子の製法。」が開示されている。その製造工程
を図2に示す。図2は特公昭62−42592号公報に
おける昆布入り辛子明太子の製法のフロー図である。ス
ケトウダラの卵としては、一般的にはスケトウダラの魚
体から取り出した生の卵を塩蔵した保存性のあるものが
用いられる。塩蔵したスケトウダラの卵を水、酒、味
醂、化学調味料に漬け込む(S51)。次いで塩抜きし
たスケソウダラの卵を低温で所定時間の間保存した後、
スケトウダラの卵に化学調味料、粉末唐辛子、細切した
昆布を振りかけるようにその表面に塗布する(S5
2)。この場合、それぞれ単独に順次振りかけるように
塗布する。次いでスケトウダラの卵を5〜10時間、好
適には7時間位低温で保存する(S53)。保存後、更
に化学調味料及び唐辛子を振りかけるようにして、その
表面に塗布する(S54)。塗布後、長時間、好適には
1週間位低温で保存する(S55)。次いで、タラコと
昆布を梱包し昆布入り辛子明太子として出荷する工程が
記載されている。 (3) 特開平3−83561号公報(以下ハ号公報と称
す)には「味付けおよび赤色の着色を施したバラ数の子
と粘稠物との混合物を明太子の皮子内に充填して形成し
た加工水産物、食用色素を加えた調味液にバラ数の子
を浸漬して味付けおよび赤色の着色を施したのち、これ
に粘稠物を加えて混合し、次にこの混合物を明太子の皮
子内に充填して製造する加工水産物の製造方法。」が開
示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の昆布とタラコを利用した新製品やその製法には以下
の問題点があった。すなわち、前記イ号公報で開示され
た昆布巻きたら子の製法は味付け加熱時に昆布の旨みを
タラコに付加し、昆布が調味液を吸収し膨張することを
利用して調理されているが、タラコがバラバラなので取
扱い難く、更に昆布に巻きつけるので作業が煩雑な上生
産性に欠けるという問題点があった。前記ロ号公報で開
示された辛子明太子の製法は、酒に浸漬して塩抜きをし
た辛子明太子に、細切り昆布や化学調味料や唐辛子を振
りかけることで明太子に昆布の風味を付加し更に明太子
の湿潤性を保持し保存性を良くすることを要旨としてい
るが、水よりも多量に酒を用いて塩抜きするので製造原
価のコスト高を招くとともに、排水に多量のアルコール
分や調味料が含まれているのでBODやCODが極めて
高く排水処理設備を要するという問題点があった。ま
た、塗布工程を2度も要し作業が煩雑で作業性に欠け生
産性に欠ける嫌いがある。更に、スケトウダラの卵中に
アルコールが浸透し過ぎて卵質を落とし、タラコ素材の
持つ風味を害すおそれがあるという問題点があった。ま
たアルコール濃度が高いためタラコの味や旨みを損ない
タラコ素材の品質を低下させるという問題点があった。
また、細切り昆布を振りかけただけなので接触面でしか
昆布の旨味が明太子に浸透しないという問題点があっ
た。また、赤い辛子明太子に黒い昆布が付着しているの
で見栄えが悪く商品価値を下げる傾向を有すという問題
点があった。ハ号公報で開示された明太子は、明太子の
皮子内にバラ数の子を混入したものであるが、薄い明太
子の皮子を破らないように充填するのは非常に手数がか
かり作業が煩雑で生産性に欠けるという問題点があっ
た。更にバラ数の子を用いるので品質保持が難しく品質
管理に多大の労力を要すという問題点があった。更に明
太子の皮下に充填するので、タラコ本来の姿を害し見栄
えも悪くなり商品価値が落ちるという問題点があった。
また、上記従来の辛子明太子で、スケトウダラの卵巣を
子持ち昆布とともに調味液に浸漬し、熟成させ、タラコ
の旨みと昆布や数の子の旨みを渾然一体化したものはな
かった。
【0005】本発明は上記従来の問題点を解決するもの
で、唐辛子や化学調味料をまぶしたスケトウダラの卵巣
を、子持ち昆布とともに化学調味料その他の添加剤が添
加された調味液に浸漬し熟成させ、昆布や数の子の旨み
とタラコの旨みやテクスチャーを渾然一体化させ見栄え
や歯触りが良く高品質な子持ち昆布漬辛子明太子を安定
した品質でかつ低原価で量産することができる付加価値
の高い今までにない全く新規な子持ち昆布漬辛子明太子
を提供すること、及び、食品衛生上優れた高品質な子持
ち昆布漬辛子明太子を安定した品質で、かつ、廃水処理
設備等を要さず低原価で量産することのできる子持ち昆
布漬辛子明太子の製造方法を提供することを目的とす
る。
【0006】
【課題を解決するための手段】この目的を達成するため
に本発明の子持ち昆布漬辛子明太子及びその製造方法
は、以下の構成を有している。すなわち、請求項1に記
載の子持ち昆布漬辛子明太子は、唐辛子をまぶしたスケ
トウダラの卵巣を、所定塩分濃度に塩抜きした子持ち昆
布とともに、化学調味料その他の添加剤が添加された調
味液に浸漬後、熟成してなる構成を有している。請求項
2に記載の子持ち昆布漬辛子明太子の製造方法は、生又
は塩蔵スケトウダラの卵巣を洗浄する洗浄工程と、塩水
漬された子持ち昆布を所定の塩分濃度に塩抜きする子持
ち昆布塩抜き工程と、前記洗浄工程で洗浄されたスケト
ウダラの卵巣を水切り後唐辛子等をまぶす唐辛子まぶし
工程と、前記唐辛子まぶし工程で唐辛子をまぶしたスケ
トウダラの卵巣と前記子持ち昆布塩抜き工程で所定の塩
分濃度に塩抜きされた子持ち昆布を調味液にて漬け込み
熟成させる熟成工程と、を備えた構成を有している。請
求項3に記載の子持ち昆布漬辛子明太子の製造方法は、
請求項2において、前記熟成工程で熟成されたスケトウ
ダラの卵巣と子持ち昆布を冷風乾燥する冷風乾燥工程
と、前記冷風乾燥工程で乾燥後水切りされた子持ち昆布
を細切りにする細切り工程と、前記冷風乾燥工程で処理
されたスケトウダラの卵巣と前記細切り工程で細切りさ
れた子持ち昆布を所定量ずつ包装梱包する包装梱包工程
と、を備えた構成を有している。請求項4に記載の子持
ち昆布漬辛子明太子の製造方法は、生又は塩蔵スケトウ
ダラの卵巣を洗浄する洗浄工程と、塩水漬された子持ち
昆布を細切りする細切り工程と、前記細切り工程で細切
りされた子持ち昆布を所定塩分濃度に塩抜きする塩抜き
工程と、前記洗浄工程で洗浄されたスケトウダラの卵巣
を水切り後唐辛子等をまぶす唐辛子まぶし工程と、前記
唐辛子まぶし工程で唐辛子をまぶしたスケトウダラの卵
巣と前記子持ち昆布塩抜き工程で所定の塩分濃度に塩抜
きされた細切りの子持ち昆布を調味液にて漬け込み熟成
させる熟成工程と、前記熟成工程で熟成されたスケトウ
ダラの卵巣と子持ち昆布を冷風乾燥又は水切りする乾燥
工程と、前記乾燥工程で処理されたスケトウダラの卵巣
と子持ち昆布を所定量ずつ包装梱包する包装梱包工程
と、を備えた構成を有している。請求項5に記載の子持
ち昆布漬辛子明太子の製造方法は、生又は塩蔵スケトウ
ダラの卵巣を洗浄する洗浄工程と、塩水漬された子持ち
昆布を所定塩分濃度に塩抜きする塩抜き工程と、前記塩
抜き工程で塩抜きされた子持ち昆布を細切りする細切り
工程と、前記洗浄工程で洗浄されたスケトウダラの卵巣
を水切り後唐辛子等をまぶす唐辛子まぶし工程と、前記
唐辛子まぶし工程で唐辛子をまぶしたスケトウダラの卵
巣と前記子持ち昆布塩抜き工程で所定の塩分濃度に塩抜
きされた子持ち昆布を調味液にて漬け込み熟成させる熟
成工程と、前記熟成工程で熟成されたスケトウダラの卵
巣と子持ち昆布を冷風乾燥又は水切りする乾燥工程と、
前記乾燥工程で処理されたスケトウダラの卵巣と子持ち
昆布を所定量ずつ包装梱包する包装梱包工程と、を備え
た構成を有している。
【0007】ここで、スケトウダラの卵巣(以下、タラ
コと略す)の種類としては、日本近海、オホーツク海、
ベーリング海、北アメリカ西海岸、朝鮮半島等で、捕獲
されたスケトウダラの卵巣を生又は塩蔵後冷凍したもの
を使用すればよいが、特に北海道根室近海沖で2月頃捕
獲された成熟卵は品質が高いので特に好ましい。冷凍状
態の生又は塩蔵スケトウダラの卵巣の解凍は自然解凍が
最も好ましく、夏期においては14〜20時間程度、冬
期においては30〜40時間程度が好ましい。また、解
凍は殺菌装置を備えた室内(例えばオゾン除菌室、又は
紫外線を備えた除菌室)で行うのが望ましい。保存性を
向上させるためである。解凍後長時間放置した後調味液
に浸漬すると辛子明太子からドリップが流出し旨み成分
が流出してしまうので商品価値が低下し好ましくない。
生又は塩蔵した若しくは解凍したタラコは希薄食塩水
(1〜5%濃度)で表面の汚物等を洗浄する。洗浄時間
は5分以内に行うのが好ましい。タラコ表面の洗浄殺菌
及び鮮度を保持するためである。
【0008】子持ち昆布としては、高濃度(10〜17
%)食塩水に浸漬されたものを希薄食塩水溶液(1〜5
%)で浸漬後、水道水流水にて5〜40分間塩抜きした
ものを用いる。子持ち昆布の大きさとしては、全長20
〜40cm、葉の部分は幅2〜15mm、茎の部分は厚さ2
〜8mm程度のものをそのままの形で漬け込むのが好まし
い。昆布に付着した数の子が漬込み中に落下するのを防
止するためである。また漬け込みは丁寧に数の子が落下
しないように行う。
【0009】唐辛子の種類としては、鷹の爪等辛味の強
いものや朝鮮種等の辛味の弱いもの等単独で又はこれら
を混合して用いられる。微粉状の上一味、粒径が略1〜
2mmの一味が好適に用いられる。着色料の種類として
は、赤色102号,3号,黄色5号等を用いてもよい。
着色料を用いることにより、辛子明太子の商品価値を高
めると同時に唐辛子による着色のみでないので辛味を調
整することができる。又、酸化防止剤として、ビタミン
C等を用いることにより色味を良くすることができる。
【0010】調味液としては、タラコの鮮度や大きさに
もよるが、タラコ100重量部に対し、アミノ酸液1.
5〜3重量部、アルコール2〜8重量部、発酵調味料3
〜11重量部、水35〜90重量部を混合したものを用
い、その溶液中に添加剤として、ソルビット0.5〜7
重量部、糖類(砂糖ぶどう糖果糖液糖)1〜4重量部、
蛋白加水分解物0.1〜7重量部、砂糖0.1〜4.5
重量部、化学調味料として、アミノ酸2〜6重量部、保
存料として、パラオキシ安息香酸(0.001〜0.0
5重量部等を混入し用いる。塩化ナトリウムとしては、
白塩、上質塩、精製塩、並塩、フレーク塩等の塩化ナト
リウムや必要に応じてグルタミンソーダ等で加工した加
工塩が用いられる。塩化ナトリウムの添加量は原材料状
態で100重量部に対して長期保存の場合15重量部以
上、中期保存の場合8〜15重量部、短期保存の場合5
〜8重量部が好適で、保存時間に応じて適宜選択され
る。製品化状態においての塩分濃度は3〜9%が適当
で、食用としての適正塩分濃度は3〜6%が最適であ
る。
【0011】タラコは生のものは希薄食塩水(1〜5
%)で表面の汚物を取り除くとともに殺菌する。次い
で、1〜5%,好ましくは2〜4%食塩濃度になるよう
に加塩する。塩蔵タラコは前記希薄食塩水で洗浄殺菌し
表面の汚物や食塩を取り除く。洗浄殺菌は0.5〜3分
の短い時間で行うことが望ましい。水さらしによるタラ
コの旨み成分の流出を防ぐためである。塩水漬された子
持ち昆布は前記希薄食塩水で洗浄殺菌するとともに、水
道水等で水さらしし適時補塩しながら塩抜きを行う。こ
の際数の子の落下を防ぎながら行う必要がある。唐辛子
まぶし工程では、唐辛子の上一味と一味の混合物にグル
タミン酸ソーダ等の調味料の混合物を一腹ずつ丁寧にま
ぶすのが好ましい。塗着やふりかけでもよいが、塗着洩
れやふりかけ洩れがあると見栄えを害すので注意を要す
る。熟成工程はパット中に子持ち昆布を敷設し、その上
にタラコを並べ、次いで前記調味液にて漬け込む方法が
好ましい。熟成時間はタラコの大小や作業温度にもよる
が2〜5日間,好ましくは2.5〜4日間程熟成させる
のが好適である。この間に、調味液中にタラコや数の
子,昆布の旨みが滲出するとともにこれらの旨みが渾然
一体となってタラコや数の子,昆布に滲入し全く新規な
旨みをタラコや昆布に付与することができる。冷風乾燥
は0℃〜5℃に保存された冷蔵庫で15〜30時間行
う。冷風乾燥させることによりタラコ中の水分活性を高
め保存性を付与することができるとともに旨みを濃くす
ることができるので好ましい。尚、冬期は冷風乾燥しな
いでサラシ布やガーゼ等の布帛類の上にタラコと子持ち
昆布を並べて水抜きし乾燥させてもよい。子持ち昆布の
細切り工程では子持ち昆布を長さが20〜70mm,幅が
1.5〜15mmに細切りされる。食し易いようにするた
めであり、また、細切りし表面積を広げることによりド
リップが吸収し易くなり、表面に適度の湿潤性を付与し
品質を長時間維持できる。
【0012】
【作用】この構成によって、唐辛子とともに漬け込まれ
鮮やかな紅色に染まった辛子明太子とともに細切りし食
べ易くした昆布とその昆布上に黄金色の数の子が付着し
ているので色彩的に美しく商品価値を高めることができ
る。タラコが子持ち昆布とともに漬け込まれているの
で、口当たりが良く、昆布のもつ風味がスケトウダラの
卵の持ち味を更に引き出すとともに、食したときになめ
らかなタラコの食感と同時に数の子のコリコリとした歯
触りを楽しむことができる。比較的安価で大衆的な辛子
明太子が高価な子持ち昆布とともに漬け込まれているの
で、商品としての付加価値を高めることができる。子持
ち昆布とともに漬け込むことにより、魚卵特有の生臭さ
を抑え、更に唐辛子の刺激を和らげ、タラコに昆布や数
の子の風味、テクスチャ−を付与したので風味と斬新な
味を高めることができる。長時間放置した場合、辛子明
太子から浸みだした旨味成分に富むドリップを子持ち昆
布が吸収するので保存性を向上させることができるとと
もに、包装体開封後辛子明太子の表面の乾燥を防止し湿
潤性を保持することができる。また、スケトウダラの卵
巣一腹ずつに唐辛子や化学調味料をまぶす唐辛子まぶし
工程を調味液にて漬け込み熟成させる工程の前に行うこ
とにより、辛子明太子の風味や美観を生かし,商品価値
を上げるとともに、明太子の表面に唐辛子を直接まぶす
ので殺菌効果が高まり、鮮度の低下を防ぐことができ
る。更に、子持ち昆布の細切り工程を最後に行うことに
より、子持ち昆布の数の子の落下を防止し品質を保持す
ることができるとともに歩留りも向上させることができ
る。尚、細切り工程を塩抜き工程の前に施す場合は、短
時間で塩抜きすることができる。また、塩抜き工程後に
細切り工程を行うことにより熟成時間を短縮することが
できる。熟成工程の後に冷風乾燥工程や水切り乾燥工程
を行うことにより子持ち昆布漬辛子明太子の水分活性を
維持することができるとともに、子持ち昆布を塩抜き後
そのまま使用するので乾燥による数の子の腐敗や落下を
防止できる。タラコは洗浄し汚物を取るとともに表面の
塩分を水洗する極めて簡単な工程で塩分濃度を調整する
ので塩抜き工程を省くことができ作業性を高めることが
できる。また、品質管理上形くずれのしない最も好まし
い製品を得ることができる。
【0013】
【実施例】以下本発明の一実施例における子持ち昆布漬
辛子明太子及びその製造方法について、図面を参照しな
がら説明する。 (実施例1)図1は本発明の一実施例における子持ち昆
布漬辛子明太子の製造工程を示すフロー図である。S1
は解凍された塩蔵スケトウダラの卵巣を食塩水1〜5%
溶液に約0.5〜2分間浸漬し表面の洗浄を行う洗浄工
程、S2は前記洗浄工程で洗浄されたスケトウダラの卵
巣を水切り後上一味,一味等の唐辛子粉とグルタミン酸
ソ−ダ等の化学調味料を混合比唐辛子:グルタミン酸ソ
−ダ=6〜10:0.5〜3の割合で混合された調味粉
を一腹ずつにまぶす唐辛子まぶし工程、S3は略15%
の塩分濃度に塩水漬された子持ち昆布を希薄食塩水(1
〜5%)に5分〜30分間浸漬し、次いで水道流水で1
0〜50分間さらし食塩量を2〜7%程度に塩抜きする
子持ち昆布塩抜き工程、S4は前記洗浄・塩抜き工程で
洗浄・塩抜きされた子持ち昆布を食品用バット容器内に
並べ、次いで、前記唐辛子まぶし工程で処理された唐辛
子をまぶしたタラコをその上に並べた後、調味液を入れ
て漬け込み約2〜5日間、好ましくは2.5日〜4日間
熟成させる調味液浸漬熟成工程、S5は前記調味液浸漬
熟成工程で熟成後、タラコと子持ち昆布を取り出しセイ
ロウへ並べ−2℃〜5℃に温度調節された冷蔵庫等にて
17〜24時間冷風乾燥する冷風乾燥工程、S6は冷風
乾燥後水切りし、次いで、子持ち昆布を食し易いように
長さ20〜60mm、幅2〜15mm程度の細切りにする細
切り工程、S7はスケトウダラの卵巣及び前記細切り工
程で細切りされた子持ち昆布をスケトウダラの卵巣:細
切り子持ち昆布=80〜95:20〜5の割合で包装梱
包する包装梱包工程である。長期保存の場合は−30℃
にて冷凍保存する。以上のような製造工程で、子持ち昆
布漬辛子明太子を1000g得た。本発明品である子持
ち昆布漬辛子明太子を各々50g用意し、普通の大人2
0人を選び、その評価を行った。どのパネラーも、色に
おいて、鮮やかな紅色に染まった明太子と数の子の黄金
色が上品な色に漬け上がっていること。味において、昆
布のもつ風味がスケトウダラの持ち味を更に引出し美味
であること。口当たりがよく食したときにタラコのなめ
らかな食感と同時に数の子のコリコリした歯触りが楽し
め今までにない新規な食味やテクスチャーを有する辛子
明太子が得られたこと。また、昆布のエキスと明太子の
旨み辛味が渾然一体となり極めて上品な辛子明太子であ
ること。等の評価を得た。以上のように本実施例によれ
ば、色、味、風味、テクスチャーともに優れた子持ち昆
布漬辛子明太子を作製することができた。
【0014】(実施例2)次に、子持ち昆布として、塩
水漬された子持ち昆布を予め細切りした後、塩抜きした
他は略実施例1と同様にして、子持ち昆布漬辛子明太子
を製造した。先に細切りしたので塩抜きが容易であった
が、塩抜き工程やそれ以降の工程で数の子の落下を防止
するため作業が多少煩雑になることがわかった。また、
調味液の浸透が容易でかつ昆布等の旨みが滲出しし易く
熟成時間を短くすることができることがわかった。
【0015】(実施例3)子持ち昆布として、塩抜き後
に細切りにしたものを用い、冷風乾燥の代わりに、環境
温度が0℃〜1℃の氷室で水切りを行った他は略実施例
1と同様にして子持ち昆布漬辛子明太子を製造した。実
施例2と略同様の美味で新規な子持ち昆布漬辛子明太子
が得られた。作業性は実施例2よりも高いことがわかっ
た。
【0016】
【発明の効果】以上のように本発明は、唐辛子とともに
漬け込まれ鮮やかな紅色に染まった明太子とともに細切
りし食べやすくした黒色の昆布とその昆布上に薄黄色の
数の子が付着しているので色彩的に美しくしかも口当た
りが良く、昆布のもつ風味がスケトウダラの卵の持ち味
を更に引き出すとともに、食したときになめらかなたら
この食感と同時に数の子のコリコリとした歯触りも楽し
め、全く新規な食品として商品価値が上がり見栄えがよ
い等の優れた効果を備えた子持ち昆布漬辛子明太子を実
現できるものである。また、簡単な方法で食品衛生上優
れた高品質な子持ち昆布漬辛子明太子を安定した品質
で、かつ、低原価で量産することのできる子持ち昆布漬
辛子明太子の製造方法を実現できるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における子持ち昆布漬辛子明
太子の製造工程を示すフロー図
【図2】特公昭62−42592号公報における製造工
程を示すフロー図

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 唐辛子をまぶしたスケトウダラの卵巣
    を、所定塩分濃度に塩抜きした子持ち昆布とともに、化
    学調味料その他の添加剤が添加された調味液に浸漬後、
    熟成してなることを特徴とする子持ち昆布漬辛子明太
    子。
  2. 【請求項2】 生又は塩蔵スケトウダラの卵巣を洗浄す
    る洗浄工程と、塩水漬された子持ち昆布を所定の塩分濃
    度に塩抜きする子持ち昆布塩抜き工程と、前記洗浄工程
    で洗浄されたスケトウダラの卵巣を水切り後唐辛子等を
    まぶす唐辛子まぶし工程と、前記唐辛子まぶし工程で唐
    辛子をまぶしたスケトウダラの卵巣と前記子持ち昆布塩
    抜き工程で所定の塩分濃度に塩抜きされた子持ち昆布を
    調味液にて漬け込み熟成させる熟成工程と、を備えたこ
    とを特徴とする子持ち昆布漬辛子明太子の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記熟成工程で熟成されたスケトウダラ
    の卵巣と子持ち昆布を冷風乾燥する冷風乾燥工程と、前
    記冷風乾燥工程で乾燥後水切りされた子持ち昆布を細切
    りにする細切り工程と、前記冷風乾燥工程で処理された
    スケトウダラの卵巣と前記細切り工程で細切りされた子
    持ち昆布を所定量ずつ包装梱包する包装梱包工程と、を
    備えたことを特徴とする請求項2に記載の子持ち昆布漬
    辛子明太子の製造方法。
  4. 【請求項4】 生又は塩蔵スケトウダラの卵巣を洗浄す
    る洗浄工程と、塩水漬された子持ち昆布を細切りする細
    切り工程と、前記細切り工程で細切りされた子持ち昆布
    を所定塩分濃度に塩抜きする塩抜き工程と、前記洗浄工
    程で洗浄されたスケトウダラの卵巣を水切り後唐辛子等
    をまぶす唐辛子まぶし工程と、前記唐辛子まぶし工程で
    唐辛子をまぶしたスケトウダラの卵巣と前記子持ち昆布
    塩抜き工程で所定の塩分濃度に塩抜きされた細切りの子
    持ち昆布を調味液にて漬け込み熟成させる熟成工程と、
    前記熟成工程で熟成されたスケトウダラの卵巣と子持ち
    昆布を冷風乾燥又は水切りする乾燥工程と、前記乾燥工
    程で処理されたスケトウダラの卵巣と子持ち昆布を所定
    量ずつ包装梱包する包装梱包工程と、を備えたことを特
    徴とする子持ち昆布漬辛子明太子の製造方法。
  5. 【請求項5】 生又は塩蔵スケトウダラの卵巣を洗浄す
    る洗浄工程と、塩水漬された子持ち昆布を所定塩分濃度
    に塩抜きする塩抜き工程と、前記塩抜き工程で塩抜きさ
    れた子持ち昆布を細切りする細切り工程と、前記洗浄工
    程で洗浄されたスケトウダラの卵巣を水切り後唐辛子等
    をまぶす唐辛子まぶし工程と、前記唐辛子まぶし工程で
    唐辛子をまぶしたスケトウダラの卵巣と前記子持ち昆布
    塩抜き工程で所定の塩分濃度に塩抜きされた子持ち昆布
    を調味液にて漬け込み熟成させる熟成工程と、前記熟成
    工程で熟成されたスケトウダラの卵巣と子持ち昆布を冷
    風乾燥又は水切りする乾燥工程と、前記乾燥工程で処理
    されたスケトウダラの卵巣と子持ち昆布を所定量ずつ包
    装梱包する包装梱包工程と、を備えたことを特徴とする
    子持ち昆布漬辛子明太子の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2012095571A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Chikumaya Co Ltd たらこ漬込み装置

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JP2012095571A (ja) * 2010-10-29 2012-05-24 Chikumaya Co Ltd たらこ漬込み装置

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