JPH07288339A - 発光素子 - Google Patents
発光素子Info
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- JPH07288339A JPH07288339A JP10446894A JP10446894A JPH07288339A JP H07288339 A JPH07288339 A JP H07288339A JP 10446894 A JP10446894 A JP 10446894A JP 10446894 A JP10446894 A JP 10446894A JP H07288339 A JPH07288339 A JP H07288339A
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- light
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Abstract
(57)【要約】
【目的】 発光面内で発光の均一性が良くかつ、発光強
度を強めることのできる発光素子を提供する。 【構成】 シリコン基板を陽極電解研磨することによ
り、鏡面構造を持つ発光性電解研磨シリコン13を作製
し、その上にμc−SiC14を堆積させ、発光性電解
研磨シリコン13とμc−SiC14の間にpn接合を
形成する。発光性電解研磨シリコン13とμc−SiC
14のpn接合面は均一性が良好なため、接合面全体に
均一に発光する発光素子を作製することが可能になる。
度を強めることのできる発光素子を提供する。 【構成】 シリコン基板を陽極電解研磨することによ
り、鏡面構造を持つ発光性電解研磨シリコン13を作製
し、その上にμc−SiC14を堆積させ、発光性電解
研磨シリコン13とμc−SiC14の間にpn接合を
形成する。発光性電解研磨シリコン13とμc−SiC
14のpn接合面は均一性が良好なため、接合面全体に
均一に発光する発光素子を作製することが可能になる。
Description
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、光通信、自発光型ディ
スプレイ、光源、光集積回路等に用いることの出来る発
光素子、特にpn接合を用いた電荷注入型発光素子(L
ED)に関するものである。
スプレイ、光源、光集積回路等に用いることの出来る発
光素子、特にpn接合を用いた電荷注入型発光素子(L
ED)に関するものである。
【0002】
【従来の技術】シリコン半導体は間接遷移半導体である
ため発光素子の作製は実現不可能であると考えられてお
り、そのため従来pn接合を用いた発光素子は III−V
属化合物半導体、II−VI属化合物半導体、およびIV−VI
属化合物半導体で作製されていた。しかし、シリコン半
導体は化合物半導体に比べ、資源が豊富、単結晶作製技
術が高く大面積のものを安価に供給でき、また、デバイ
ス設計・作製技術が高く、現状化合物半導体では実現す
ることが難しい高集積度でかつ高信頼性のある論理、演
算、駆動、受光素子等を同一基板上に作り込める等の利
点により、シリコンを用いた発光素子、特に最終的には
レーザへの応用が可能なpn接合を用いた電荷注入型の
発光素子の実現が切望されていた。1990年L.T.Canh
amにより単結晶シリコンを弗酸溶液中で陽極化成した多
孔質シリコンが、室温で強いホトルミネッセンスを示す
ことが示された(Applied Physics Letters 57,1990,p.
1046) 。このことは、シリコンでも発光素子が実現でき
る可能性があることを示しており、その後このホトルミ
ネッセンスの発生メカニズムについて盛んに研究が行わ
れている。
ため発光素子の作製は実現不可能であると考えられてお
り、そのため従来pn接合を用いた発光素子は III−V
属化合物半導体、II−VI属化合物半導体、およびIV−VI
属化合物半導体で作製されていた。しかし、シリコン半
導体は化合物半導体に比べ、資源が豊富、単結晶作製技
術が高く大面積のものを安価に供給でき、また、デバイ
ス設計・作製技術が高く、現状化合物半導体では実現す
ることが難しい高集積度でかつ高信頼性のある論理、演
算、駆動、受光素子等を同一基板上に作り込める等の利
点により、シリコンを用いた発光素子、特に最終的には
レーザへの応用が可能なpn接合を用いた電荷注入型の
発光素子の実現が切望されていた。1990年L.T.Canh
amにより単結晶シリコンを弗酸溶液中で陽極化成した多
孔質シリコンが、室温で強いホトルミネッセンスを示す
ことが示された(Applied Physics Letters 57,1990,p.
1046) 。このことは、シリコンでも発光素子が実現でき
る可能性があることを示しており、その後このホトルミ
ネッセンスの発生メカニズムについて盛んに研究が行わ
れている。
【0003】このような中で、越田等は、単結晶シリコ
ンの表面の一部を陽極化成して得た多孔質シリコン、及
び半透明の金電極からなる発光素子を提案している(Ap
pl.Phys.Lett.60(3), 20 January 1992)。上記多孔質S
iは、結晶シリコンを弗酸溶液中で電気化学的にエッチ
ングすることによって得られるが、その際に、かかる工
程を、シリコンがp型かn型かによって暗中又は500
W程度のダングステンランプの光を化成表面に照射しな
がら行う。こうして得られた発光素子からは、赤色から
オレンジ色のEL発光が得られている。
ンの表面の一部を陽極化成して得た多孔質シリコン、及
び半透明の金電極からなる発光素子を提案している(Ap
pl.Phys.Lett.60(3), 20 January 1992)。上記多孔質S
iは、結晶シリコンを弗酸溶液中で電気化学的にエッチ
ングすることによって得られるが、その際に、かかる工
程を、シリコンがp型かn型かによって暗中又は500
W程度のダングステンランプの光を化成表面に照射しな
がら行う。こうして得られた発光素子からは、赤色から
オレンジ色のEL発光が得られている。
【0004】素子の構造としては上記と同様であるが、
陽極化成を行う際に紫外線(UV)光源からの光を照射
することを特徴とする発光素子が、スタイナー等によっ
て提案されている(Mat.Res.Soc.Sym.Proc.Vol.283 199
3)。
陽極化成を行う際に紫外線(UV)光源からの光を照射
することを特徴とする発光素子が、スタイナー等によっ
て提案されている(Mat.Res.Soc.Sym.Proc.Vol.283 199
3)。
【0005】また、本出願人は先に、多孔質Siの上に
微結晶を含有する非晶質シリコンカーボン合金(μc−
SiC)又は微結晶を含有する非晶質シリコン(μc−
Si)などの半導体層を形成したpn接合型の発光素子
を提案した(特願平5−92463〜特願平5−924
66)。
微結晶を含有する非晶質シリコンカーボン合金(μc−
SiC)又は微結晶を含有する非晶質シリコン(μc−
Si)などの半導体層を形成したpn接合型の発光素子
を提案した(特願平5−92463〜特願平5−924
66)。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来の
発光素子に用いられている多孔質シリコンは、シリコン
の柱状構造やスポンジ構造をしているため、その表面は
凹凸しており、鏡面状態ではない。そのため多孔質シリ
コン上にμc−SiC又はμc−Siの半導体層、又は
ITOまたはAu層の金属層を堆積して作製した発光素
子は、その接合が接合面内で均一でないため、発光の閾
値電圧、輝度の均一性が悪く、発光面積が数mm2 以上
の発光素子では、発光にむらが存在するという問題点が
あった。また、多孔質シリコンの発光機構について、当
初スポンジ構造状に多孔質化されたシリコンの孔の壁も
しくは柱状の部分が発光に寄与すると考えられていた。
しかしながら、その後本発明者らの研究結果より、壁も
しくは柱状の部分は発光に関与しておらず、むしろ発せ
られた光が外側まで達するのを妨げている可能性がある
ことがわかった。そのため、従来の多孔質シリコンから
なる発光素子は輝度が小さく、例えば多孔質シリコンの
上にμc−SiC層やμc−Si層を形成した発光素子
の場合、発光素子の輝度が0.1Cd/m2 程度にすぎ
なかった。
発光素子に用いられている多孔質シリコンは、シリコン
の柱状構造やスポンジ構造をしているため、その表面は
凹凸しており、鏡面状態ではない。そのため多孔質シリ
コン上にμc−SiC又はμc−Siの半導体層、又は
ITOまたはAu層の金属層を堆積して作製した発光素
子は、その接合が接合面内で均一でないため、発光の閾
値電圧、輝度の均一性が悪く、発光面積が数mm2 以上
の発光素子では、発光にむらが存在するという問題点が
あった。また、多孔質シリコンの発光機構について、当
初スポンジ構造状に多孔質化されたシリコンの孔の壁も
しくは柱状の部分が発光に寄与すると考えられていた。
しかしながら、その後本発明者らの研究結果より、壁も
しくは柱状の部分は発光に関与しておらず、むしろ発せ
られた光が外側まで達するのを妨げている可能性がある
ことがわかった。そのため、従来の多孔質シリコンから
なる発光素子は輝度が小さく、例えば多孔質シリコンの
上にμc−SiC層やμc−Si層を形成した発光素子
の場合、発光素子の輝度が0.1Cd/m2 程度にすぎ
なかった。
【0007】本発明は上記事情に基づいてなされたもの
であり、鏡面構造を持つ発光性シリコンを提供し、発光
面内で発光の均一性が良くかつ、発光強度を強めること
のできる発光素子を提供することを目的とするものであ
る。
であり、鏡面構造を持つ発光性シリコンを提供し、発光
面内で発光の均一性が良くかつ、発光強度を強めること
のできる発光素子を提供することを目的とするものであ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項1記載の発明である発光素子は、鏡面構造を持
つ発光性電解研磨シリコンを用いた発光素子であること
を特徴とするものである。
に請求項1記載の発明である発光素子は、鏡面構造を持
つ発光性電解研磨シリコンを用いた発光素子であること
を特徴とするものである。
【0009】請求項2記載の発明は、請求項1記載の発
光素子において、前記発光性電解研磨シリコン基板と、
この基板とは異なる伝導型を有する半導体層とをpn接
合して構成した発光素子であることを特徴とするもので
ある。
光素子において、前記発光性電解研磨シリコン基板と、
この基板とは異なる伝導型を有する半導体層とをpn接
合して構成した発光素子であることを特徴とするもので
ある。
【0010】請求項3記載の発明は、請求項2記載の発
光素子において、前記半導体層は、微結晶を含有する非
晶質シリコンカーボン合金であることを特徴とするもの
である。
光素子において、前記半導体層は、微結晶を含有する非
晶質シリコンカーボン合金であることを特徴とするもの
である。
【0011】請求項4記載の発明は、請求項2記載の発
光素子において、前記半導体層は、微結晶を含有する非
晶質シリコンであることを特徴とするものである。
光素子において、前記半導体層は、微結晶を含有する非
晶質シリコンであることを特徴とするものである。
【0012】請求項5記載の発明は、請求項1記載の発
光素子において、前記発光性電解研磨シリコン上に、金
層を形成する発光素子であることを特徴とするものであ
る。
光素子において、前記発光性電解研磨シリコン上に、金
層を形成する発光素子であることを特徴とするものであ
る。
【0013】請求項6記載の発明は、請求項1記載の発
光素子において、前記発光性電解研磨シリコン上に、I
TOを形成する発光素子であることを特徴とするもので
ある。
光素子において、前記発光性電解研磨シリコン上に、I
TOを形成する発光素子であることを特徴とするもので
ある。
【0014】請求項7記載の発明は、請求項1、2、
3、4、5又は6記載の発光素子において、前記シリコ
ンは、単結晶シリコン又は多結晶シリコンである発光素
子であることを特徴とするものである。
3、4、5又は6記載の発光素子において、前記シリコ
ンは、単結晶シリコン又は多結晶シリコンである発光素
子であることを特徴とするものである。
【0015】
【作用】本発明者は、所定濃度の沸酸溶液中で500m
A/cm2 から1A/cm2 の電流密度でシリコンを1
0秒から60秒陽極電解研磨し、その後電流源を除去し
光照射を行う光化学エッチングを施した後、純水中で洗
浄することにより作製した電解研磨シリコンが鏡面構造
を持ち、かつ多孔質シリコンと同様に室温で強い発光を
示すことを見いだした。
A/cm2 から1A/cm2 の電流密度でシリコンを1
0秒から60秒陽極電解研磨し、その後電流源を除去し
光照射を行う光化学エッチングを施した後、純水中で洗
浄することにより作製した電解研磨シリコンが鏡面構造
を持ち、かつ多孔質シリコンと同様に室温で強い発光を
示すことを見いだした。
【0016】そして、この発光性電解研磨シリコン上に
伝導型の異なる半導体層、例えば請求項3記載のμc−
SiC、又は請求項4記載のμc−Si層を堆積させ
て、pn接合を形成した発光素子を作製したところ、E
L発光が得られることを確認した。
伝導型の異なる半導体層、例えば請求項3記載のμc−
SiC、又は請求項4記載のμc−Si層を堆積させ
て、pn接合を形成した発光素子を作製したところ、E
L発光が得られることを確認した。
【0017】また、半導体層の代わりに、請求項5記載
のAu層又は請求項6記載の透明電極膜を堆積させてシ
ョットキー接合を形成した発光素子を作製したところ、
EL発光が得られることを確認した。
のAu層又は請求項6記載の透明電極膜を堆積させてシ
ョットキー接合を形成した発光素子を作製したところ、
EL発光が得られることを確認した。
【0018】
【実施例】以下に図面を参照して本発明の実施例につい
て説明する。ここで、図1(a)はシリコン基板を電解
研磨する方法を示した概略図、図1(b)は発光性電解
研磨シリコンを作製するための光化学エッチングの方法
を示した概略図、図2は発光性電解研磨シリコンとμc
−SiCから構成される発光素子の構造図、図3は発光
性電解研磨シリコンとμc−Siから構成される発光素
子の構造図、図4は発光性電解研磨シリコンとAu層か
ら構成される発光素子の構造図、図5は発光性電解研磨
シリコンとITO層から構成される発光素子の構成図で
ある。
て説明する。ここで、図1(a)はシリコン基板を電解
研磨する方法を示した概略図、図1(b)は発光性電解
研磨シリコンを作製するための光化学エッチングの方法
を示した概略図、図2は発光性電解研磨シリコンとμc
−SiCから構成される発光素子の構造図、図3は発光
性電解研磨シリコンとμc−Siから構成される発光素
子の構造図、図4は発光性電解研磨シリコンとAu層か
ら構成される発光素子の構造図、図5は発光性電解研磨
シリコンとITO層から構成される発光素子の構成図で
ある。
【0019】まず、図1に沿って発光性電解研磨シリコ
ンを作製する方法について説明する。少なくとも表面が
鏡面であるシリコン基板10(p型又はn型、抵抗率
0.1〜40Ωcm、結晶方位が(111)及び(10
0))の裏面にアルミニウム(Al)11を蒸着してオ
ーミックコンタクトをとり、第一の中間生成物を作製す
る。次に、図1(a)に示すようにシリコン基板10の
表面に電解研磨をする部分を除いて第一中間生成物をワ
ックス又はテフロン12等で被い、陰極側に白金電極P
tを接続し、また陽極側にアルミニウム11を接続し
て、白金電極Pt及び第一の中間生成物をエチルアルコ
ール:弗酸(48%の水溶液)=(0.1:1)〜
(5:1)の溶液(C2 H5 OH+HF+H2 O)の中
に浸す。そして低電流電源を用いて電流密度を500〜
1000mA/cm2 の間で固定し、1秒〜60秒電解
研磨を行う。このような方法により、シリコン基板10
の表面のワックス又はテフロン12等で被われていない
部分に電解研磨シリコン層が形成される。
ンを作製する方法について説明する。少なくとも表面が
鏡面であるシリコン基板10(p型又はn型、抵抗率
0.1〜40Ωcm、結晶方位が(111)及び(10
0))の裏面にアルミニウム(Al)11を蒸着してオ
ーミックコンタクトをとり、第一の中間生成物を作製す
る。次に、図1(a)に示すようにシリコン基板10の
表面に電解研磨をする部分を除いて第一中間生成物をワ
ックス又はテフロン12等で被い、陰極側に白金電極P
tを接続し、また陽極側にアルミニウム11を接続し
て、白金電極Pt及び第一の中間生成物をエチルアルコ
ール:弗酸(48%の水溶液)=(0.1:1)〜
(5:1)の溶液(C2 H5 OH+HF+H2 O)の中
に浸す。そして低電流電源を用いて電流密度を500〜
1000mA/cm2 の間で固定し、1秒〜60秒電解
研磨を行う。このような方法により、シリコン基板10
の表面のワックス又はテフロン12等で被われていない
部分に電解研磨シリコン層が形成される。
【0020】次に、図1(b)に示すように、低電流電
源を取り除きタングステンランプ20からの光を数秒照
射する。次に、純水中で洗浄を行うことにより、シリコ
ン基板10の表面のワックス又はテフロン12等で被わ
れていない部分に発光性電解研磨シリコン層13が形成
される。
源を取り除きタングステンランプ20からの光を数秒照
射する。次に、純水中で洗浄を行うことにより、シリコ
ン基板10の表面のワックス又はテフロン12等で被わ
れていない部分に発光性電解研磨シリコン層13が形成
される。
【0021】図2は、発光性電解研磨シリコン13上
に、μc−SiC層14及び透明電極となるITO層1
5を形成した発光素子の構成を示す。このμc−SiC
層14を形成するには、発光性電解研磨シリコン13を
形成したシリコン基板10を電子サイクロトロン共鳴プ
ラズマCVD装置(図示せず)にいれ、μc−SiC層
14を例えば150Åの厚さに堆積させる。このときの
堆積条件は、ガス圧0.005〜0.008Torr、投入
電力300W、基板温度300℃で、n型μc−SiC
層の形成ではSiH4 :CH4 :PH3 :H2 =1:1
〜3:0.005〜0.03:100〜200、p型μ
c−SiC層の形成ではSiH4 :CH4:B2 H6 :
H2 =1:1〜3:0.005〜0.03:100〜2
00とする。なお、μc−SiC層14の伝導型はシリ
コン基板10の伝導型と異なったものを堆積する。更に
この上に、電子ビーム蒸着装置(図示せず)を用いて、
透明電極となるITO層15を例えば600Åの厚さに
堆積させる。これにより、発光性電解研磨シリコン13
とμc−SiC層14との間にpn接合が形成される。
に、μc−SiC層14及び透明電極となるITO層1
5を形成した発光素子の構成を示す。このμc−SiC
層14を形成するには、発光性電解研磨シリコン13を
形成したシリコン基板10を電子サイクロトロン共鳴プ
ラズマCVD装置(図示せず)にいれ、μc−SiC層
14を例えば150Åの厚さに堆積させる。このときの
堆積条件は、ガス圧0.005〜0.008Torr、投入
電力300W、基板温度300℃で、n型μc−SiC
層の形成ではSiH4 :CH4 :PH3 :H2 =1:1
〜3:0.005〜0.03:100〜200、p型μ
c−SiC層の形成ではSiH4 :CH4:B2 H6 :
H2 =1:1〜3:0.005〜0.03:100〜2
00とする。なお、μc−SiC層14の伝導型はシリ
コン基板10の伝導型と異なったものを堆積する。更に
この上に、電子ビーム蒸着装置(図示せず)を用いて、
透明電極となるITO層15を例えば600Åの厚さに
堆積させる。これにより、発光性電解研磨シリコン13
とμc−SiC層14との間にpn接合が形成される。
【0022】次に、上記のようにして形成された発光素
子の動作について説明する。図2の発光素子において、
pn接合部が順方向となるようにAl電極11とITO
電極15との間に電圧を印加すると、陽極側からは正孔
が、陰極側からは電子が発光性電解研磨シリコン13の
発光領域に注入され、この部分で正孔と電子が輻射再結
合して光を発生する。この場合、発光性電解研磨シリコ
ン13の表面は鏡面であるため、その表面は凹凸は少な
く、そのためμc−SiCとの接合面は均一なため、発
光の閾値電圧及び輝度の均一性がよくなり、発光面積が
数mm2 以上の発光素子でも、発光にむらが存在しなく
なる。
子の動作について説明する。図2の発光素子において、
pn接合部が順方向となるようにAl電極11とITO
電極15との間に電圧を印加すると、陽極側からは正孔
が、陰極側からは電子が発光性電解研磨シリコン13の
発光領域に注入され、この部分で正孔と電子が輻射再結
合して光を発生する。この場合、発光性電解研磨シリコ
ン13の表面は鏡面であるため、その表面は凹凸は少な
く、そのためμc−SiCとの接合面は均一なため、発
光の閾値電圧及び輝度の均一性がよくなり、発光面積が
数mm2 以上の発光素子でも、発光にむらが存在しなく
なる。
【0023】また、従来は、発せられた光のうちの幾分
かは、多孔質層の柱状部分において吸収され、外部へ達
するのを妨げられていた。しかしながら、本実施例のよ
うに、発光性電解研磨シリコンを用いると光は多孔質層
によって阻止されることなく外部へ到達することができ
る。このような構成により、従来の多孔質シリコンでは
発光強度がせいぜい0.1〜1Cd/m2 程度であった
が、本実施例の場合には、発光強度を10Cd/m2 程
度まで向上させることができる。
かは、多孔質層の柱状部分において吸収され、外部へ達
するのを妨げられていた。しかしながら、本実施例のよ
うに、発光性電解研磨シリコンを用いると光は多孔質層
によって阻止されることなく外部へ到達することができ
る。このような構成により、従来の多孔質シリコンでは
発光強度がせいぜい0.1〜1Cd/m2 程度であった
が、本実施例の場合には、発光強度を10Cd/m2 程
度まで向上させることができる。
【0024】尚、本発明は上記実施例に限定されるもの
ではなく、その発明の要旨の範囲内において種々の変更
が可能である。例えば、表面が鏡面状態であれば、基板
として単結晶シリコンを用いても、多結晶シリコンを用
いても良い。多結晶シリコン基板を用いた場合、発光素
子としての特性はやや劣るものの、低コスト、大面積の
発光素子が得られるという利点がある。また、上記実施
例では、発光性電解研磨シリコンの上に上部半導体層と
してμc−SiC層を形成した場合について説明した
が、μc−SiC層の代わりに、図3に示すように、μ
c−Si層16を形成しても同様の発光素子が得られる
ことは、本出願人の以前の出願において説明したことか
ら明らかである。また、図4又は図5に示すように、上
部半導体層の代わりに直接Au電極17又は透明導電膜
ITO18を形成して、多孔質シリコンとの間にショッ
トキー接合を形成してもEL発光を実現することができ
る。
ではなく、その発明の要旨の範囲内において種々の変更
が可能である。例えば、表面が鏡面状態であれば、基板
として単結晶シリコンを用いても、多結晶シリコンを用
いても良い。多結晶シリコン基板を用いた場合、発光素
子としての特性はやや劣るものの、低コスト、大面積の
発光素子が得られるという利点がある。また、上記実施
例では、発光性電解研磨シリコンの上に上部半導体層と
してμc−SiC層を形成した場合について説明した
が、μc−SiC層の代わりに、図3に示すように、μ
c−Si層16を形成しても同様の発光素子が得られる
ことは、本出願人の以前の出願において説明したことか
ら明らかである。また、図4又は図5に示すように、上
部半導体層の代わりに直接Au電極17又は透明導電膜
ITO18を形成して、多孔質シリコンとの間にショッ
トキー接合を形成してもEL発光を実現することができ
る。
【0025】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、電
解研磨モードを用いて発光性シリコンを作製するため、
鏡面構造を持つ発光性シリコンを提供することができ、
この発光性電解研磨シリコンを用いた発光素子は、接合
面内で接合の均一性が良いため、発光の均一性のよい発
光素子を提供することができる。また、光は多孔質層に
よって阻止されることなく外部へ到達することができる
発光素子を提供することができる。
解研磨モードを用いて発光性シリコンを作製するため、
鏡面構造を持つ発光性シリコンを提供することができ、
この発光性電解研磨シリコンを用いた発光素子は、接合
面内で接合の均一性が良いため、発光の均一性のよい発
光素子を提供することができる。また、光は多孔質層に
よって阻止されることなく外部へ到達することができる
発光素子を提供することができる。
【0026】また、上記発光性電解研磨シリコン上に、
μc−SiC又はμc−Siを堆積することにより、良
好なpn接合が形成され、発光の均一性のよい発光素子
を提供することができる。
μc−SiC又はμc−Siを堆積することにより、良
好なpn接合が形成され、発光の均一性のよい発光素子
を提供することができる。
【0027】更に、Au電極又はITO膜を発光性電解
研磨シリコン上に直接形成することにより、ショットキ
ー接合が形成され、発光の均一性のよい発光素子を提供
することができる。
研磨シリコン上に直接形成することにより、ショットキ
ー接合が形成され、発光の均一性のよい発光素子を提供
することができる。
【図1】(a)は電解研磨シリコン層を作製する方法を
示した概略図、(b)は発光性電解研磨シリコンを作製
するための光化学エッチングの方法を示した概略図であ
る。
示した概略図、(b)は発光性電解研磨シリコンを作製
するための光化学エッチングの方法を示した概略図であ
る。
【図2】発光性電解研磨シリコンとμc−SiCから構
成される発光素子の構造図である。
成される発光素子の構造図である。
【図3】発光性電解研磨シリコンとμc−Siから構成
される発光素子の構造図である。
される発光素子の構造図である。
【図4】発光性電解研磨シリコンとAu層から構成され
る発光素子の構造図である。
る発光素子の構造図である。
【図5】発光性電解研磨シリコンとITO層から構成さ
れる発光素子の構造図である。
れる発光素子の構造図である。
10 シリコン基板 11 アルミニウム電極 12 ワックス又はテフロン 13 発光性電解研磨シリコン 14 μc−SiC層 15 ITO膜 16 μc−Si層 17 Au層 18 ITO膜 20 タングステンランプ
Claims (7)
- 【請求項1】 鏡面構造を持つ発光性電解研磨シリコン
を用いたことを特徴とする発光素子。 - 【請求項2】 前記発光性電解研磨シリコン基板と、こ
の基板とは異なる伝導型を有する半導体層とをpn接合
して構成したことを特徴とする請求項1記載の発光素
子。 - 【請求項3】 前記半導体層は、微結晶を含有する非晶
質シリコンカーボン合金であることを特徴とする請求項
2記載の発光素子。 - 【請求項4】 前記半導体層は、微結晶を含有する非晶
質シリコンであることを特徴とする請求項2記載の発光
素子。 - 【請求項5】 前記発光性電解研磨シリコン上に、金層
を形成してなることを特徴とする請求項1記載の発光素
子。 - 【請求項6】 前記発光性電解研磨シリコン上に、IT
Oを形成してなることを特徴とする請求項1記載の発光
素子。 - 【請求項7】 前記シリコンは、単結晶シリコン又は多
結晶シリコンであることを特徴とする請求項1、2、
3、4、5又は6記載の発光素子。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10446894A JPH07288339A (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | 発光素子 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP10446894A JPH07288339A (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | 発光素子 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH07288339A true JPH07288339A (ja) | 1995-10-31 |
Family
ID=14381423
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP10446894A Withdrawn JPH07288339A (ja) | 1994-04-19 | 1994-04-19 | 発光素子 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH07288339A (ja) |
-
1994
- 1994-04-19 JP JP10446894A patent/JPH07288339A/ja not_active Withdrawn
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Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A300 | Withdrawal of application because of no request for examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300 Effective date: 20010703 |